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大学院中退後は就職できない?就活を成功させる5つのコツを紹介
更新日
この記事のまとめ
- 大学院中退後に正社員として就職することは可能
- 同年代の大学院卒者に比べて早く社会人経験を積めることが大学院中退で就職するメリット
- 大学院中退者には新卒者に比べて就職先の選択肢が狭まるデメリットもある
- ハローワークや就職・転職エージェントを利用して就活をスムーズに進めよう
「大学院を中退したら就職できないのでは?」と、悩んでいる人もいるでしょう。大学院を中退した方も、ポイントを押さえて就活に臨めば就職が成功する可能性は十分あります。このコラムでは、大学院中退者の就職活動の実態や就活を成功させるコツ、中退して就職するメリット・デメリットなどを解説。面接での中退理由の効果的な伝え方も紹介します。中退後の就職活動を円滑に進めて、内定を勝ち取りましょう。
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大学院中退者は就職できる?
大学院を中退した方が正社員として就職できる可能性は十分にあります。そのため、「大学院中退の経歴が『逃げ』とみなされて不利になるのでは…」と悩み過ぎないようにしましょう。以下で、大学院中退者における就職状況の実態を解説しているので、参考にしてみてください。
大学院中退者も十分就職が可能
大学院中退から正社員就職を目指すことは可能です。大学院を中退した場合、最終学歴は「大卒」となり、基本的に大学既卒として就職活動を進めます。ポテンシャルが見込まれる若い人材は需要が高いので、大学院を中退した方も早めに就活を始めれば、就職できる見込みは十分にあるでしょう。
大学院中退者数は7,647人で全体の2.85%
文部科学省の「令和5年度学生の中途退学者・休学者数の調査結果について(1.中途退学者の状況)」によると、2023年の大学院中退者は7,647人(2.85%)でした。また、各課程の中退者数と前年との比較は、以下のとおりです。
2022年 | 2023年 | |
---|---|---|
修士課程・専門職学位課程 | 4,923人(2.58%) | 4,986人(2.60%) |
博士課程 | 4,507人(6.02%) | 2,661人(3.49%) |
合計 | 7,647人(2.85%) | 9,430人(3.55%) |
参照:文部科学省「令和5年度学生の中途退学者・休学者数の調査結果について(1.中途退学者の状況)」
修士課程・専門職学位過程の中退者は、2022年の4,923人(2.58%)から2023年は4,986人(2.60%)とわずかに増加。一方、博士課程の中退者は、2022年の4,507人(6.02%)から2023年は2,661人(3.49%)と減少していることが分かります。
大学院を中退して就職活動を始める人は約14.3%
大学院を中退して就職活動を始める人は多くはないものの、一定数いるのが現状です。文部科学省の「令和5年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について」によると、2023年度に大学・大学院・高等専門学校を中退した理由を「就職・起業等」とした人の割合は約14.4%でした。また、大学・大学院・高等専門学校中退の理由の内訳としては、以下のような結果が出ています。
大学・大学院中退の理由 | 割合(%) |
---|---|
転学・進路変更等 | 22.0 |
学生生活不適応・就学意欲低下 | 16.5 |
就職・起業等 | 14.4 |
経済的困窮 | 13.6 |
学力不振 | 7.3 |
精神疾患 | 6.6 |
病気・けが・死亡 | 4.1 |
海外留学 | 0.7 |
その他 | 13.8 |
不明 | 1.0 |
参照:文部科学省「令和5年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について」
中退理由としては、転学や学生生活への不適応、意欲の低下といったものが多く見られます。また、前述したように、就職や起業するために中退した人も14.4%と、およそ7人に1人いることが分かるでしょう。
このデータには大学院生だけでなく大学生や高等専門学校生も含まれるとはいえ、何らかの理由により、大学院での研究を辞めて就職に踏み切る人も一定数いることが推測されます。
新卒に比べて就職の難易度が上がるのは事実
大学院を中退すると、新卒者に比べて就職難易度が上がる傾向にあります。独立行政法人労働政策研究・研修機構の「大学等中退者の就労と意識に関する研究」によると、大学・大学院卒業者と大学・大学院中退者の就業状況(2012年時点)は以下のような結果でした。
就業状況 | 大学・大学院中退(%) | 大学・大学院卒(%) |
---|---|---|
正社員就職 | 33.9 | 69.1 |
正社員移行なし | 45.7 | 19.1 |
就業形態不明 | 6.5 | 8.6 |
未就業 | 13.9 | 3.3 |
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構 「大学等中退者の就労と意識に関する研究 図表1-6 学歴別 正社員就業までの期間(p.21)」
大学・大学院を卒業して就職した人の割合が69.1%なのに対し、大学・大学院を中退して就職した人の割合は33.9%。大卒・院卒者と中退者の就職率には、およそ2倍の開きがあることが分かるでしょう。
大学院を中退して正社員就職を目指すなら、新卒より不利な状況をカバーするために、戦略を立てて自分の強みをしっかりアピールすることが重要です。「大学中退者は就職できない」とあきらめず、「大学院での経験を入社後にどう活かすか」を考えて前向きに伝えましょう。
既卒者の就活方法は「既卒の就活は厳しい?就職は無理?内定獲得のためにすべきことをご紹介」でも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
企業によっては新卒扱いになる場合もある
企業によっては、既卒者を新卒枠で受け入れている場合もあります。厚生労働省の「3年以内既卒者は 新卒枠で応募受付を!!」に記載があるとおり、「青少年雇用機会確保指針」の改訂により「卒業後3年以内の既卒者も新卒枠で応募を受け付ける」という指針が示されたためです。新卒採用の枠を「大卒後3年以内の方」としている企業であれば、大学院中退の方もこの条件に該当する可能性があります。
ただし、この指針はあくまで要請のため、すべての企業に適用されるわけではありません。大学院を中退した方が選考に応募する際は、志望企業の応募要件をよく確認することが大切です。
参照元
文部科学省
学生支援
独立行政法人 労働政策研究・研修機構
トップページ
厚生労働省
3年以内既卒者は新卒枠で応募受付を!!~「青少年雇用機会確保指針」が改正されました~
大学院を中退して就職するメリット・デメリット
大学院を中退するかどうか迷ったら、その後の就職活動や将来の社会人生活に及ぶ影響を考えて決断することが大切です。以下で、大学院を中退して就職するメリットとデメリットをしっかり確認しておきましょう。
大学院を中退して就職する4つのメリット
大学院を中退するメリットとして、同年代の大学院卒者より早く社会人経験を積める点や、お金や時間を有効活用できる点があります。主な4つのメリットをチェックしましょう。
大学院を中退して就職するメリット
- 同年代よりも社会人経験を早く積める
- 専攻分野とは違う分野の就職に挑戦しやすい
- 年齢が若いうちに就活を始められる
- 掛かるはずだった学費や時間を有効に使える
1.同年代よりも社会人経験を早く積める
大学院を中退して就職すると、同年代の大学院卒者より早く社会人経験を積めることがメリットです。就職して収入を得ることにより早期に自立できたり、若いうちに技術を習得できたりする可能性があります。同じ年の学生よりも早く社会人経験をスタートさせることで、大学院卒で就職するよりも早い段階でキャリアアップが叶う可能性もあるでしょう。
2.専攻分野とは違う分野の就職に挑戦しやすい
大学院を中退した場合、専攻分野とは違う分野に挑戦しやすいというメリットもあります。
大学院卒者が専攻分野以外の業界に興味を持って選考に応募すると、「大学院で専門的な勉強をしたのに、なぜ違う領域に就職したいのか」と企業側に疑問を抱かれる可能性も。しかし、大学院中退者は就職面接で中退理由を問われた際に、「希望職種や業界へ就職するために大学院を中退した」と説明できれば、企業側に納得してもらえる可能性があるでしょう。
3.年齢が若いうちに就活を始められる
大学院を中退すると、年齢が若いうちに就職活動ができることもメリットです。ストレートで大学院まで進んだ場合、修士課程は24歳、博士課程は27歳で修了になります。基本的に22歳で新卒就職する学部卒者と大学院卒者を比較すると、社会に出るまでに最長で5年の差があることが分かるでしょう。その点、大学院を中退すれば、学部卒の新卒者と年齢的な差が大きくないうちに就職活動を始められます。
4.掛かるはずだった学費や時間を有効に使える
大学院を中退すると、掛かるはずだった学費や時間を有効に使いやすくなるのも利点です。大学院を中退すればそれ以降は学費を支払う必要はないため、浮いたお金を貯金に回したり就活準備に使ったりできるでしょう。
また、大学院を中退すると、これまで授業や研究に費やしていた時間を自由に使えるようになります。就職活動や資格取得のための勉強など、時間を有効活用して活動の幅を広げられる可能性があるでしょう。
大学院を中退して就職する3つのデメリット
大学院を中退することのデメリットは、就職活動で不利になる点や、大学院卒業者との間に収入差ができることなどが挙げられるでしょう。主な3つのデメリットについて、以下で詳しく解説します。
大学院を中退して就職するデメリット
- 学校や教授の推薦を受けられない
- 新卒と比較すると応募できる求人の幅が狭まる
- 大学院卒との間に給与差が生じる
1.学校や教授の推薦を受けられない
大学院を中退すると、就職活動の際に学校推薦や教授推薦を受けられません。自分の専攻分野での就職を考えている場合は、推薦を受けられる大学院卒の人と比べて選考で不利になる可能性があります。大学院を中退すれば専攻分野での研究を続けられないため、専門的な知識が必要な研究職に就くのも難しくなるでしょう。専攻分野の仕事に就きたいなら、よく考えて決断することをおすすめします。
2.新卒と比較すると応募できる求人の幅が狭まる
大学院を中退すると、新卒者と比較して応募できる求人の幅が狭まる可能性もあります。冒頭で述べたとおり、大学院を中退した場合は、既卒として就活するのが一般的です。厚生労働省が定める指針により、年齢が若ければ既卒者も新卒枠にエントリーできる可能性はあるものの、絶対ではありません。
企業によっては、「既卒者は新卒とみなさない」「中退者は新卒枠で採用しない」という方針を定めている場合もあるため、新卒者よりも就職先の選択肢が狭まりやすいといえるでしょう。
参照元
厚生労働省
3年以内既卒者は新卒枠で応募受付を!!~「青少年雇用機会確保指針」が改正されました~
3.大学院卒との間に給与差が生じる
大学院中退者は大学院卒者より給与が低くなりやすいこともデメリットです。大学院を中退すると、最終学歴は大卒となります。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、大卒の新規学卒者の賃金は23万7,300円、大学院卒の新規学卒者の賃金は27万6,000円で、両者の差は約4万円です。
また、労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計 労働統計加工指標集2024」の結果を見ると、2023年度の大卒と大学院卒の生涯収入の差(定年まで、退職金を含めない)は以下のようになっています。
大学卒 | 大学院卒 | |
---|---|---|
男性・正社員 | 2億5,150万円 | 3億460万円 |
女性・正社員 | 2億190万円 | 2億5,480円 |
参照:労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2024 ―労働統計加工指標集―21 生涯賃金など生涯に関する指標(p.312)」
大卒者よりも大学院卒の人のほうが生涯賃金が高く、両者の差は男女とも約5,000万円にも及んでいることが分かるでしょう。
給与額は業務内容や資格の有無などによっても左右されるため一概に学歴だけで比較はできないものの、一つの判断材料として知っておくのが望ましいといえます。
大学院を中退して就職するメリット・デメリットは「大学院中退は後悔する?辞めるメリット・デメリットや就活への影響を解説!」のコラムでも説明しているので、あわせて参考にしてみてください。
参照元
厚生労働省
令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況
独立行政法人 労働政策研究・研修機構
トップページ
大学院を中退して就職を目指す前にすべきこと
ここでは、中退を決断する前にしておきたいことを詳しく説明します。
大学院の中退理由を明確にする
大学院中退を決断する前に、なぜ大学院を中退したいのかを明確にしましょう。「自分が大学院を辞めようと思ったきっかけ」「中退後にやりたいこと」などを紙に書き出して整理するのがおすすめです。
中退理由を明確にし、辞めること以外の対処法がないか検討・実践したうえで決断すれば、中退後に後悔しにくくなります。また、就活の面接で「大学院を中退した理由」を聞かれた際にも、説得力のある回答をしやすくなるでしょう。
中退前に休学を検討する
大学院中退を決断する前に、休学してリフレッシュするのもおすすめです。落ち着いて現状を整理できる時間を設けることで、衝動的に中退して後悔する可能性が低くなります。休学中に気持ちが切り替わって「また頑張ろう」と思えることもあるでしょう。
休学した状態で就職活動を行い、内定をもらえることもあります。大学院中退後に就職できるか迷いがある方は、休学を上手く活用しましょう。休学を検討する際は、「大学院休学から就職をする方法とは?実情や就活のポイントも紹介」のコラムにも目を通してみてください。
信頼できる第三者に相談する
大学院を中退すべきか迷ったときには、第三者に相談して客観的な意見を聞くのも効果的でしょう。信頼できる家族や友人、大学の先生といった第三者に相談することで、自分とは異なる視点や考え方に気づける可能性があります。
人に話すことにより自分の考えが整理され、冷静に判断できるようになることも少なくありません。一人で決断することに不安がある場合は、周りの信頼できる人に相談することをおすすめします。
大学院中退者が就職を成功させる4つのコツ
この項では、大学院中退者が転職を成功させるために知っておきたいコツを紹介します。次の4つのポイントを押さえ、内定獲得に向けて動き出しましょう。
大学院中退者が就職を成功させるコツ
- 大学院中退後はなるべく早く就職活動を始める
- 自己分析をして就職活動の軸を定める
- 視野を広く持って就職先を探す
- 大学中退者の立場を理解したうえで選考対策をする
1.大学院中退後はなるべく早く就職活動を始める
大学院中退後は、就活をなるべく早く始めて空白期間を短くしましょう。空白期間が長いと、企業から「就業意欲がなさそう」「採用してもすぐ辞めてしまいそう」と思われる恐れがあるためです。
独立行政法人労働政策研究・研修機構の「大学等中退者の就労と意識に関する研究」によると、大学もしくは大学院を中退してから正社員就職までに要した時間は、以下のとおりでした。
正社員就職までの期間 | 正社員移行率 |
---|---|
離学前 | 0.9% |
離学~3ヶ月以内 | 10.4% |
3年以内 | 11.8% |
3年超 | 2.7% |
正社員時期不明 | 8.1% |
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構 「大学等中退者の就労と意識に関する研究 図表1-6 学歴別 正社員就業までの期間(p.21)」
中退後、3年以内に就職した人が11.8%と最も多く、次いで3ヶ月以内が10.4%と続きます。資格取得や留学などのためにすぐ就活を始められない場合を除き、中退してから3ヶ月以内の内定獲得を目指して準備するのが望ましいでしょう。
参照元
独立行政法人 労働政策研究・研修機構
トップページ
就職スケジュールや期間を決めておくことも大切
大学院中退後に正社員を目指す場合、「どのように就活を進めるか」「いつまでに就職したいか」をあらかじめ決めておきましょう。事前にスケジュールや期間を決めておくことで、スムーズに就活を進めやすくなります。「○ヶ月以内に内定をもらう」のようにゴールを先に決めてから、逆算してスケジュールを立てるのがおすすめです。
2.自己分析をして就職活動の軸を定める
大学院中退後の就職を成功させるには、自己分析が欠かせません。自己分析とは、過去の経験を振り返って自分の強みや興味関心のある分野を把握する作業のこと。自己分析を行うことで就職活動の軸が定まり、自分に合う仕事を見つけやすくなります。
自分自身について深掘りすることで今まで知らなかった強みに気づいて、志望動機や自己PRを強化できる可能性もあるでしょう。「自己分析とは?実施のメリットと就活や転職活動での必要性を解説」のコラムを参考に、自己分析を進めてみてください。
3.視野を広く持って就職先を探す
大学院中退後の就職活動では、業界や企業選びの視野を広く持ちましょう。自分が研究していた分野の仕事のみにこだわると、就職先の選択肢が狭まってしまいます。学歴や専門知識よりもポテンシャルを重視する企業は存在するので、学生時代の専攻分野とは関係のない業界にも目を向けて就職活動を行うのがおすすめです。
4.大学中退者の立場を理解したうえで選考対策をする
大学院中退者の方は、自分の立場を理解したうえで選考対策を行うことが大切です。前述したように、企業側は中退歴に懸念を示す可能性があるため、しっかりと対策をしないと就活が難航する場合があります。以下で、応募書類作成時や面接の対策方法を解説するので、参考にしてみてください。
履歴書や職務経歴書などの対策を行う
応募書類は書き方やルールを守り、丁寧に記入して提出しましょう。大学院を中退した場合、学歴欄の学校名の横に「中途退学」と記載します。中退した旨を書かないと学歴詐称を疑われる恐れもあるため、忘れずに記入しましょう。
具体的な書き方は、「最終学歴が中退の場合は履歴書にどう書く?学校別に書き方を紹介します!」のコラムでご覧ください。
大学院での経験を自己PRに活かす
自己PRでは「大学院での経験を就職先でどう活かすか」をアピールしましょう。大学院を中退しても、勉強や研究に多くの時間を費やした事実は変わりません。仮に、自分の研究内容が直接アピールに繋がらなかったとしても「研究を進める際に心掛けたこと」「困難をどう乗り越えたか」など、大学院での経験や学びを具体的に伝えれば、効果的にアピールできるでしょう。
自己PRをどう書けば良いか分からない方は「自己PRの基本の書き方は?例文や新卒と転職での違いを紹介」をご覧ください。
面接時の質問対策を行う
面接試験では採用担当者と直接話すため、緊張する人もいるでしょう。緊張していても冷静に判断して質問内容に答えられるよう、事前に面接対策を行っておくことが重要です。
大学院を中退した方の場合、「大学院で学んだ内容」「中退理由」「中退後のキャリアプラン」などを面接で聞かれる可能性があります。あらかじめ聞かれそうなことを予測し、その答えを準備しておくと本番で焦らずに答えられるでしょう。
大学院中退者が就職面接で聞かれやすい質問3選
ここでは、大学院中退者が面接で聞かれやすい質問を3つ紹介します。実際の面接を意識しながら、答える練習を行ってみましょう。
大学院中退者が就職面接で聞かれやすい質問
- 大学院で何を学んだか
- なぜ大学院を中退したのか
- 今後のキャリアプラン
1.大学院で何を学んだか
大学院へ進学すると、学部生のときより専門的なことを勉強したり研究したりするのが一般的です。そのため、大学院を中退した方は、「自分が何を学んでいたのか」「何について研究していたのか」を面接で質問されることもあるでしょう。
面接時間には限りがあるため、大学院で得た知識については分かりやすく簡潔に伝えるのがポイントです。また、学んだ内容だけでなく「大学院に進学した理由」や「その分野に興味を持った理由」なども合わせて答えられるようにしておきましょう。
2.なぜ大学院を中退したのか
大学院を中退した理由も、面接で聞かれやすい質問です。中退歴がある方の場合、企業側から「ストレス耐性がないのでは」「仕事も途中で投げ出してしまうのでは」と懸念される傾向があります。
中退歴があることへのネガティブな印象を軽減するには、説得力のある中退理由を伝えることが大切です。採用担当者に納得してもらえるよう、前向きな回答を準備しておきましょう。
3.今後のキャリアプラン
面接では、大学院を中退したあとのキャリアプランについて聞かれることもあるでしょう。企業側はキャリアプランをたずねることで「正社員就職への意欲」や「入社後に努力する姿勢があるか」などを確かめています。
また、大学院を中退している人に対しては、「自社とのマッチ度を確認して早期離職のリスクがないか見極めたい」という意図もあるでしょう。意思の強さを伝えるためにも、面接前に今後のキャリアプランを具体的に立てておく必要があります。
大学院の中退理由を就職面接で聞かれた際の回答例
ここでは、面接時によく聞かれる「大学院を中退した理由」についての解答例をご紹介します。自分の中退理由に合った解答例を確認し、面接時の参考にしてみてください。
ほかにやりたいことが見つかって中退した場合
「大学院では建築学を専攻しており、一級建築士を目指していました。退学を決断するに至った理由は、母の入院です。保険会社に保険金の請求を行った際に、担当の方が優しく寄り添って話を聞いてくださり、保険業界に興味を持ちました。同時に、保険会社の方が話を聞いてくれたおかげで自分の心が少し楽になり、母を支えることができました。
私もその方のように、人に寄り添い誰かの支えになりたいと思ったのが保険業界への就職を志したきっかけです。1日でも早く保険の知識を身につけ、一人ひとりに合った保険商品の提案やお客さまに寄り添った対応ができる社員として成長したいと考え、退学を決意して就職活動を始めました」
大学院に通っている途中で、ほかにやりたいことが見つかった方もいるでしょう。そのような場合は、「大学院の専攻分野以外にやりたいことが見つかったので中退した」と正直に伝えることをおすすめします。
また、専攻分野とは違う職業に就きたいと思った場合、「専攻分野ではなく、なぜその仕事に興味を持ったのか」「興味を持ったきっかけ」をエピソード形式で話すと、中退理由により説得力をもたせられるでしょう。
経済的な理由で中退した場合
「大学院を中退した理由は、自営業を営んでいた実家の経営が厳しくなり、学費の支払いが困難になったからです。大学院を卒業できなかったのは悔やまれますが、家族のためにも1日でも早く就職し、両親を金銭面でも支えたいと思っています。
大学院では△△を専攻していたため、以前から関心のあった▲▲業界で働くことを希望し就職活動を始めました。大学院で学んだことを御社でも活かし、少しでも貢献できるように精進していきます」
経済的理由で中退した場合も、「学費を支払うのが難しくなったため」と正直に理由を伝える必要があります。経済的に厳しくなった詳しい理由や就職への意気込みを伝えると、面接官に納得してもらいやすくなるでしょう。
精神的な理由で中退した場合
「自分の意思で大学院に入ったものの、研究がうまくいかない葛藤と周りとの熱意の差により精神的にきつくなってしまい、退学を決意しました。中退後は半年間静養し、現在は問題なく働くことができます。静養中には自分に合う仕事探しに力を入れ、大学院での知識を活かせる御社の商品開発職で働きたいと強く思うようになりました。入社後は自己管理をしっかりと行いつつ、さまざまな商品の開発に携わりたいと考えています」
精神的な理由で中退した旨だけを伝えると、面接官から「問題なく働けるのか?」と懸念される恐れがあります。「現在は体調が回復しており、仕事をするうえで支障はない」ということもあわせて伝えるようにしましょう。
学業が上手くいかず中退した場合
「大学院を中退した理由は、学業とアルバイトの両立が困難になり、単位習得が厳しくなってしまったためです。自己管理や努力が足りず、学業とアルバイトを両立させられなかったことは深く反省しています。
一方で、アルバイト先では働きぶりが認められ、リーダー職を任されるようになりました。入社後はアルバイトで培ったコミュニケーション能力やリーダーシップを活かして成長していきたいと考えています」
学業がうまくいかず大学院を中退した場合、自分の責任で学生生活を続けられなくなった反省を正直に述べるのがおすすめです。あわせて入社後に活かせる自分のスキルを伝えることで、入社意欲や企業とのマッチ度に説得力をもたせやすくなるでしょう。
「大学院中退の理由と就職活動で回答するときのポイント」のコラムでも中退理由別の答え方を解説しているので、参考にしてみてください。
大学院中退者におすすめ!3つの就職支援サービス
以下では、「一人で就職活動を進めるのが不安」と感じる大学院中退者の方へ向けて、おすすめの就活支援サービスを3つご紹介します。自分に合った就活支援サービスを見つけて利用してみましょう。
大学院中退者におすすめの就職支援サービス
- ハローワーク
- 職業訓練
- 就職・転職エージェント
1.ハローワーク
ハローワークは、国が運営する公共職業安定所です。求人検索だけでなく、就職相談や応募書類作成、面接対策といったサポートを受けられます。
厚生労働省の「ハローワークの職業紹介の特徴(中小企業の求人が中心)」によると、ハローワークで扱っている求人の約96%は中小企業の募集です。そのため、全国展開の就活サイトに比べ、地元の中小企業の求人を見つけやすいでしょう。
わかものハローワークの利用もおすすめ
大学院を中退した方には、35歳未満の方が利用できる「わかものハローワーク」の利用もおすすめ。わかものハローワークは、35歳未満の方向けに職業相談や就職セミナー、選考対策といったサポートを提供している施設です。利用者が限定されているため、幅広い世代が利用できるハローワークよりも混雑しておらず、スムーズにサポートを受けられる可能性があるでしょう。
わかものハローワークのサポート内容や利用方法は「わかものハローワークとは?対象年齢や初めて利用する際の流れを解説!」で解説しています。
参照元
厚生労働省
雇用仲介事業等の在り方に関する検討会
若者への就職支援
2.職業訓練
職業訓練は、厚生労働省が管轄しています。通称「ハロートレーニング」といい、就職するためのスキルや知識を基本的に無料で習得できる公的制度です。
職業訓練には、経理や機械、ITなどさまざまな分野があり、コースによって講座を受ける期間が異なります。また、毎月同じ講座が行われているわけではないので、気になる方はいつ・どのような講座が行われるかをハローワークインターネットサービスの「訓練検索・一覧」で確認しておきましょう。
参照元
厚生労働省
人材開発
ハローワークインターネットサービス
トップページ
3.就職・転職エージェント
就職・転職エージェントは、仕事を探している求職者と働き手を探している企業とを結びつけるサービスのこと。求人紹介だけでなく、履歴書・職務経歴書の添削や面接練習なども行ってくれるのが特徴です。
また、就職・転職エージェントでは一人ひとりに専任のキャリアアドバイザーがつき、就職活動を全面的にサポートをしてもらえます。就活のプロに一対一で相談できるので、「就活に不慣れ」「大学院中退者は不利なのでは?」と不安な方も、安心して就職活動を進められるでしょう。
「大学院中退後に就職できるか不安がある」という場合は、ハタラクティブにご相談ください。ハタラクティブは、既卒の方をはじめとした若年層の就職活動をサポートしている就職・転職エージェントです。
専任のキャリアアドバイザーが、一人ひとりの希望やスキルに合った求人をご紹介。ほかにも、履歴書の添削や面接練習など幅広くサポートしています。サービスはすべて無料でご利用いただけるので、お気軽にご利用ください。
大学院中退後の就職に関するお悩みQ&A
ここでは、大学院中退後に就職を考えている人が抱えがちな疑問にQ&A方式で回答します。
中退後に空白期間があるとやばい?就職は難しい?
採用担当者のなかには、大学院中退後の空白期間を否定的に捉える人がいるのも事実です。しかし、志望動機や自己PRで熱意を伝えられれば、マイナスイメージを払拭できる可能性があります。空白期間中に積んだ経験や、習得したスキルをアピールするのもおすすめです。
空白期間の前向きな伝え方が知りたい方は、「履歴書でブランクを前向きに伝える書き方!空白期間が長い場合はどうする?」をご覧ください。
大学院中退者は大手企業に就職できる?
大学院中退者の場合も、大手企業に就職することは可能です。ただし、より年齢が若い新卒者や実務経験がある中途採用者と比較すると、選考で不利になる場合もあります。まずは現在の自分が挑戦しやすい企業で経験を積み、将来的に大手企業へ転職を目指すというキャリアプランも検討してみましょう。
「既卒から大手企業に就職できる?おすすめの業界や内定を得るコツを紹介」のコラムでは、既卒者が大手企業に就職する難易度を解説しています。
大学院を中退したら内定取り消しになる?
「大学院修了見込み」で内定が出ている場合、中退すると内定取り消しになる可能性があるでしょう。中退したあとに後悔しないためにも、よく考えてから決断することをおすすめします。
このコラムの「大学院を中退して就職を目指す前にすべきこと」を参考に、中退するかどうかを検討してみてください。
大学院を中退した経歴が不安で就活ができません
経歴よりも意欲やポテンシャルを重視する企業はあるため、「何とかなる」と割り切って就活を始めてみることをおすすめします。中退後の空白期間が長くなるほど就職のハードルは上がる傾向があるため、大学院中退後は、できるだけ早く行動を起こしましょう。
「一人で就活を進めるのは不安…」という方は、就職・転職エージェントのハタラクティブにご相談ください。専任のキャリアアドバイザーが、就職活動を全面的にバックアップします。
- 経歴に不安はあるものの、希望条件も妥協したくない方
- 自分に合った仕事がわからず、どんな会社を選べばいいか迷っている方
- 自分で応募しても、書類選考や面接がうまくいかない方
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。