大学院中退の理由と就職活動で回答するときのポイント

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この記事のまとめ

  • 大学院を中退する理由は「就職」「転学」「学業不振」が多い
  • 大学院の中退理由の伝え方によっては、就職で不利になることもある
  • 就活では退学理由をプラスイメージに変換することが大切
  • 大学院中退の理由は、志望動機と結びつける
  • 志望動機作成や選考対策を効率的に進めるには、エージェントの利用が有効

大学院を中退した人のなかには、「中途退学の理由をどう答えて良いか分からない」という人もいるでしょう。面接では、大学院中退の理由を前向きな言葉に変換して伝えることが大切です。

このコラムでは、大学院の中退理由をプラスイメージに変換する回答例や中退理由を志望動機につなげるポイントを解説。また、大学院を中退して就活するメリット・デメリットや、選考にあたって考えておきたい回答などもご紹介します。

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大学院を中退する理由は?

大学院の中退理由として多いのは「就職」です。文部科学省の「学生の中途退学や休学等の状況について」によると、修士課程では26.1%、博士課程では21.2%の学生が就職を理由に中退していることが分かります。そのほかは、「経済的理由」(修士課程12.7%、博士課程8.0%)や「学業不振」(修士課程7.6%、博士課程3.2%)などです。

なお、「その他」は詳細不明のため除外しています。

参照元
文部科学省
学生の中途退学や休学等の状況について

大学院の中退率は2.6%

文部科学省の「経済的理由による学生等の中途退学の状況に関する実態把握・分析等 及び学生等に対する経済的支援の在り方に関する調査研究」によると、大学院における中退率は修士課程で2.6%、専門職大学院では4.4%、博士課程では5.4%です。大学院修了の難易度が上がるにつれて中退率は高まる傾向であるものの、全体でみると数%程度の割合に留まっています。

大学の中退率や理由については「大学院中退率と就職に与える影響を解説!就活で後悔しないポイントも」のコラムでも詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

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大学院への進学が必ずしも就職に有利とは限らない

就職に有利な印象がある大学院に進学しても、必ずしも就職しやすいというわけではありません。

研究職や技術職など専門性の高い職種を目指すのであれば、大学院卒業をすることは強みとなるといえるでしょう。
しかし、一般職を目指す場合は、大学院で研究してきたことが活かせない環境で働く場合もあり、一概に就職に有利になるとはいえません。

さらに、スムーズに大学院に進学・修了したと考えても、修士課程を卒業するときの年齢は24歳、博士課程であれば27歳です。企業は、新卒に対しては1から教育できる人材を求める傾向にあります。そのため、ある程度年齢や経験を重ねている大学院生を率先して採用することは、大卒新卒の採用と比べると少ない傾向にあるようです。

大学院を中退して就職できるか不安な方は、「自分の強みの伝え方とは?効果的なアピール方法を解説」のコラムもあわせてチェックしてみてください。

大学院を中退して就活する際の理由の伝え方とポイント

就職活動をする際には、中退した理由をポジティブなイメージに変換して伝えることが重要です。「研究テーマに興味を持てなくなった」「教授と反りが合わなかった」という理由では、採用者側から「モチベーションが保てない人」「人間関係をうまく形成できない人」と判断されかねません。

学士を取得し、大学院に進学する能力があるという事実は、就活する際のプラス要素といえます。設定した目標を達成する力や勤勉性などが認められるでしょう。

また、大学院に進学後の間もない中退や、大学院中退後すぐであれば年齢が若いため、大学院を修了した場合よりもポテンシャル採用されやすい可能性があります。中退理由をポジティブな方向に変換できれば、採用者側が受ける印象も変わるでしょう。

ここでは、面接で中退理由を聞かれた際の答え方を紹介します。上記のようなアピールポイントを活かして中退理由を前向きに伝えるには、下記の例文を参考にしてみてください。

経済面が理由の場合

「大学院で△△についての研究をしていましたが、経済的な理由でやむを得ず中退しました。アルバイトで学費を工面しながら通うことも考えましたが、経済的に家計を支えるためにも、社会に出ることを決めました。

大学院での研究を断念したことに対しては残念な気持ちもありますが、自分で決意して社会に出たからには、責任感を持って仕事に取り組んでいきたいと考えています。」

経済的な理由の中退はやむを得ない場合もあり、企業側から理解を得やすいでしょう。経済面が理由である場合、どの程度まで詳細を話すかは応募者の判断になりますが、簡潔な説明でも問題はありません。

学業不振が理由の場合

「大学院では××について研究していましたが、営業のアルバイトに熱中し過ぎてしまい、単位を落としてしまいました。大学院での研究とアルバイト活動の両立ができなかったことは、自分の管理能力や努力不足だったと反省しています。

アルバイトでは、お客さまの反応を直に見られることや、自分の努力次第で成果につながることにやりがいを感じていました。御社に入社した際は、顧客との信頼関係を築き、相手に響くアプローチをして成果につなげることで貢献したいと考えています。」

学業不振で大学院を中退した場合、意欲のなさや努力の姿勢に対して懸念を与える可能性があります。そのため、学業以外で力を入れていた活動があれば、それを伝えるのがおすすめです。その活動内で、意欲を持って努力していた経験を伝えるとなお良いでしょう。

精神的な理由の場合

「大学院では××に関する研究に打ち込みながら、学費の工面のためにアルバイトもしていました。そのなかで体調を崩してしまい、退学に至りました。

しかし、半年間ほど静養し、現在は回復しているため、御社での勤務に支障はございません。入社後は体調管理をしっかりと行い、大学や大学院で学んできた知識を活かして御社の××事業に貢献したいと考えています。」

体調や精神的不調による中退の場合、企業側は「入社後に支障なく働けるか」という点を重視します。現在は回復しており、業務に支障がない旨を伝えましょう。

研究分野に興味を持てなくなったことが理由の場合

「大学院で研究を進めた結果、本当にやりたいことは××と分かり、そのために必要な△△の資格取得を目指しながらアルバイトをしてきました。また、アルバイトではチーフとして後輩アルバイトの教育やシフト管理などを任され、店舗の運営に携わりました。

この経験を活かして、御社の××に貢献できるのではないかと思い応募いたしました。」

研究を進めるなかで新たな目標が発見できたり、目標のために努力や勉強をしたりした経験を伝えられると、ポジティブな印象を与えられるでしょう。また、身につけたスキルや経験が志望企業で活かせることをアピールすれば、入社後の貢献度も伝えられます。

人間関係の悪化が理由の場合

「大学院では研究室に入っておりましたが、研究への姿勢や意見の食い違いから人間関係になじめず、あまり大学に通わなくなってしまいました。

その分××のアルバイトに力を入れ、ほかの従業員への報告連絡相談の徹底や、お客さまとの積極的なコミュニケーションを意識的に行いました。それにより、チームワークの重要性やお客さまに対しての洞察力を学ぶことができました。

御社でも、メンバーや顧客としっかりコミュニケーションを取りながら、業務を円滑に遂行できるよう努めていきたいと考えています。」

人間関係がうまくいかなかったことが理由の場合、ネガティブな印象を与えてしまう可能性もあります。そのため、人間関係はあくまでも一つのきっかけとして伝え、ほかに力を入れた活動を伝えられると良いでしょう。
その活動のなかで対人コミュニケーションを身につけていれば、企業側も入社後に周囲とスムーズに関係を築けそうだという印象を持ちやすいといえます。

やりたいことへの挑戦が理由の場合

「私は、将来△△をするために大学院に進学しました。
しかし、御社の××は私のしたかったことと同じであり、キャリアを積むためにも一刻も早く働きたいと思い応募しました。

御社では、大学院で学んだ知識を活かし、××の業務に貢献するとともに、専門性を高めてエキスパートとして成長していきたいと考えています。」

選考では、やりたいことへの熱意や志望動機へのつながりを説明できると、意欲を伝えられます。熱意とともに、志望企業にどのように貢献できるかを伝えることが大切です。

志望動機の書き方については「志望動機の書き方は?面接での答え方も例文付きでご紹介!」のコラムでも詳しく解説しているので、あわせてチェックしてみてください。

大学院を中退して就活するメリット・デメリット

この項では、大学院を中退して就活する場合のメリットとデメリットをお伝えします。大学院を中退して就活するメリット・デメリットは状況によっても変わりますが、主に考えられるものを以下で確認しておきましょう。

大学院を中退して就活するメリット

大学院を中退して就職する主なメリットは、「大学院で学んだ知識や経験を活かせる」「時間やお金を別のものに使える」といえます。

大学院で専門的に学んだり、研究したりする過程で培った思考の組み立て方や分析力は、仕事をする際にも多くの場面で役立つでしょう。志望企業が学んだ分野に関する事業を行っていれば、大学院で得た知識が業務への理解に役立つ場合もあります。

また、大学院に進学しても研究に興味を持てなかったり、経済的に困難だったりする場合、卒業まで待たずに大学院を中退することで、時間やお金を新たな目的に使うことが可能です。

「大学院に進学した」という大卒者は少数派なため、応募企業によっては学習意欲の高さや専門性に興味をもってもらえることもあるでしょう。身につけた経験や知識は、伝え方によっては自己PRとなり得ます。

自己PRの作り方に迷っている場合は「自分の強みの伝え方とは?効果的なアピール方法を解説」のコラムで詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

大学院を中退して就活するデメリット

大学院を中退して就職するデメリットは「新卒枠には応募できない場合がある」「院卒より給与が下がる可能性もある」などでしょう。

大学院を中退した場合、大卒であっても一般的には新卒枠は使えません。基本的には、既卒や第二新卒として就活するため、新卒枠のみを募集している企業には応募できないことがあります。

また、「大学院卒」と「大学卒」で給与水準が異なる場合も。大学院を中退した場合、最終学歴は「大卒」となり、就職先によっては給与が下がってしまう可能性もあるでしょう。とはいえ、学歴による給与水準の違いを設けていない企業もあるため、必ずしも給与に差があるとは限りません。

面接で聞かれた際に考えておきたい3つの回答

この項では、面接時に聞かれた際に考えておきたい3つの回答を解説します。面接で質問されても慌てずに回答できるように、しっかりと対策しておきましょう。

1.大学院で学んだ分野

大学院で学んだ分野について聞かれた際に、簡潔に説明できるよう事前準備をしておくことが大切です。

具体的には、「大学院でどのようなことを学んだのか」「大学院に進学したのはなぜか」「どのような経験や知識を得たのか」などを振り返り、書き出してみましょう。大学院で学んでいた分野が志望企業の仕事内容と異なる場合は、「大学院を中退してその仕事に携わりたい理由」を志望動機で伝えることで、面接官からの理解につながります。

志望企業の業務内容と関連性がない場合でも、たとえばITスキルや法律知識、マーケティングなど、幅広い仕事に活かしやすい内容であれば、面接官も興味をもちやすいでしょう。

2.大学院中退の理由

大学院を中退した理由も説明できるようにしておきましょう。「大学院中退」という事実だけでは、ネガティブな印象に捉えられてしまうかもしれません。

面接で大学院中退の理由を聞かれた際には、正直に伝えましょう。もし、嘘をついたとしても、話をしていくうちに面接官に見抜かれ、信頼を損なってしまう恐れもあります。

大学院を中退した理由の伝え方は、このコラムの「大学院を中退して就活する際の理由の伝え方とポイント」を参考にしてみてください。

3.今後のキャリアプラン

今後のキャリアプランを聞かれることもあります。回答を考える際は、大学院を中退した理由と志望企業で挑戦したいことに矛盾がないかを確認してください。

たとえば、中退理由が「△△に挑戦したい」の場合、キャリアプランも「御社の△△で知識と経験を積むことで、××の第一人者に成長したい」のように統一するのがおすすめです。

また、キャリアプランを聞くことで「大学院を中退してどのようなことに挑戦したかったのか」「入社後の将来をどのように見据えているか」などを確かめている場合もあります。仕事を通してどのように成長したいのか、自分を客観的に見られているかなどを考慮し、面接官が自社とのマッチングを図る参考にすることもあるでしょう。

キャリアプランを考える際のポイントは「面接に役立つキャリアプラン例を業界別に紹介」のコラムでも解説しているので、参考にしてみてください。

中退理由を志望動機に結びつけられない場合は

大学院を中退して就活を始めた場合や、大学院の研究内容が応募企業の仕事と無関係な場合、中退理由と志望動機を直接結びつけられないこともあります。

その場合は、理由を正直に話しましょう。大学院での研究内容と応募企業の仕事内容に関連性がなくても、大学院やアルバイトで何を学んだか、学んだことを入社後どのように役立てられるかを話すことが大切です。中退後にフリーターを続けていた場合であっても、明確な目標を持って前向きに努力をしてきた事実を示せれば、面接官に納得してもらいやすくなります。

とはいえ、自分に当てはめた場合、大学院の中退理由を具体的にどう説明すれば良いのか分からないという人もいるでしょう。
そのような場合は、若年層向けの就職・転職エージェントを利用して就活を進めるのが効率的です。専任のアドバイザーが書類の添削や面接対策などをサポートしてくれるため、万全の態勢で選考に臨めます。
また、希望条件や適性に沿って求人を紹介してもらえるので、スキルや経験を活かせる就職先を見つけられるでしょう。

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大学院を中退した方に向けたお悩みQ&A

ここでは、大学院中退者の就職活動に関するお悩みをQ&A方式でまとめました。

大学院中退者は就活でどのように扱われますか?

新卒ではなく既卒として扱われます。

しかし、大学卒業後3年以内の人を新卒として扱う企業も増えているようです。詳しくは「新卒の定義とは?既卒、第二新卒との違いについて」をご覧ください。

大学院中退者は珍しいですか?

珍しくありません。中退理由は人それぞれですが、就活では中退理由を前向きに伝えられるように準備しておきましょう。

大学院を中退したら就職できない?就活を成功させるポイントや心得を紹介」のコラムでは、中退者の現状についてご紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。

大学院中退者も公務員就職を目指せますか?

目指せます。ペーパー試験の比重が大きい公務員試験は学力が重要視されるため、公務員と大学院生は相性が良いと考えられるでしょう。詳しくは、「大学院中退から公務員に就職!内定をもらう方法と成功のコツ」のコラムをチェックしてみてください。

大学院中退後、就活を成功させるにはどうすれば良いですか?

「なぜ就活しなかったのか」や「なぜ正社員になろうと思ったのか」などの理由をうまく伝えられるように準備しておきましょう。

また、既卒向けの求人を扱っている求人サイトを利用するといった工夫も必要です。就職・転職エージェントのハタラクティブは、大学院中退者の方々へも質の高い情報を提供しています。大学院を中退したことを前向きに捉え、ハタラクティブで自分の個性と人柄を活かせる就職先を探してみましょう。

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