大学院を辞めると就職に影響する?中退したい理由や対処法を解説!

大学院を辞めようかと思っています。修士を中退すると就活に悪影響ですか?

就職までの時間稼ぎのつもりで通っている理系の大学院を辞めようか迷っています。バイトをするうちに仕事への興味が増し、中退して就職したいと考えるようになりました。研究室が合わないというのも要因の1つです。修士課程を中退すると就職に響きますか?

企業は大学院卒か学部卒かということよりも、あなたの行動と仕事に対する姿勢や考え方に関心を持っています。大学院を中退してフリーターになる前に、まずは今後就職してどんな仕事をしたいのかをよく考えましょう。

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大学院を辞めると就職に影響する?中退したい理由や対処法を解説!

大学院を辞めると就職にどのような影響があるか気になる人もいるでしょう。大学院を辞めると、その後の時間を自由に使える反面、就職活動で応募できる求人の幅が狭まったり、就職できでも大学院卒より給与が低かったり、といったデメリットが生じます。
ただし、専攻分野以外で就職したいと考える場合、大学院を辞めることは企業にとってそれほどマイナスな要素にはなりません。このコラムで、大学院を辞めることによる就職への影響を深く理解し、後悔がない選択をしましょう。

大学院を辞めると就職に悪影響?

応募先を自分の専攻分野に限定しなければ、大学院を辞めることは就職に大きく影響しないでしょう。大学院を辞めると、就職活動に支障が出るのではないかと不安になる人もいますが、過度に気にすることはありません。
大学院を辞めるかどうかだけで採用・不採用が決まる訳ではないので、安心して就職活動を進めてください。ただし、下記のようなデメリットもあるので、その点も念頭に置いておきましょう。

大学院を辞めると新卒枠として就職できない

大学院を辞める場合、大学をすでに卒業しているため「既卒」扱いになり、新卒枠での就職ができません。そのため、中途採用の求人や既卒枠に応募することになります。既卒とは「学校を卒業後、一度も就職していない人」のこと。採用担当者の中には、既卒に対して「卒業後に就職しなかった事情が何かあるのでは」と良くないイメージを持っている場合もあります。また、新卒の一括採用に比べて教育コストがかかると考える企業もあるため、学部の新卒と比べると、就職が不利になる可能性があります。

中途採用枠は採用人数が限られる

中途採用は、新卒採用のように一括で大量に採用するのではなく、少人数を採用する場合が多いようです。「社会経験を積んだ即戦力となる人」が求められることも多いので、大学院中退者にとって不利な状況だといえるでしょう
そのため、大学院を辞める人は、就職活動で中途採用者に負けないくらいの熱意やポテンシャルをアピールする必要があります。
大学院中退後の影響や、就職活動を成功させる方法をよく知りたい方は、「大学院を中退したら就職できない?就活を成功させるポイントや心得を紹介」をチェックしてみてください。

よくある大学院を辞める理由と対処法

大学院を辞める理由としてよく挙げられる事例は、ハードスケジュールや人間関係が辛いといったものです。以下では、理由にあわせて対処法を紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

人間関係

教授や研究室の同期と合わないなど、人間関係に関する悩みが原因で大学院を辞める人は多いようです。

対処法

研究室のなかで、教授や同期による暴言やいやがらせを受けている場合は、研究室を変えたり、休学したりすることを検討しましょう。どこの研究室を選ぶかは学生に決める権利があります。ほかの研究室の学生や大学院の相談員に事情を話し、周りの客観的な意見も参考にすると良いでしょう。

研究内容のミスマッチ

「研究内容が合わない」「研究の難易度が高過ぎる」など、大学院進学後に研究に関するミスマッチを感じて大学院を辞める決断に至る場合もあります。

対処法

ほかに行いたい研究がある場合は、その研究室の枠が空いているかどうか、大学院を辞める前に確認してみましょう。「興味のある研究は、人数が上限に達していて移動できない」という事態になってから就職を検討しても遅くはありません。

ハードスケジュール

スケジュールが過密で体力が追いつかない、時間が足りないなど、ハードな日々に疲れを感じて研究を続けていく意欲が減退してしまい、そのまま大学院を辞める場合もあるようです。

対処法

「研究に手一杯で、就活ができない」と焦りを感じ、大学院を辞めるかどうか悩んでいる方は、自分のスキマ時間を見直しましょう。求人情報サイトに登録しておけば、通勤時間中に求人をチェックして応募できます。また、大学院のOB・OGの話を聞けば、自身が専攻している分野を活かせる業界を知れて、業界研究ができるでしょう。

大学院を辞める人と院卒者の就職後の差は?

「大学院を辞める決断をし、既卒として就職した場合」と「大学院卒として就職した場合」の就職後の差を比較してみましょう。

給料

大学院を辞める場合、給与は学部卒として扱われるでしょう。大学院卒と学部卒とでは、異なる給与設定している企業が多いのが現状です。そのため、大学院卒の方が学部卒よりも給料が高くなる傾向があります。以下は、厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)『学歴別にみた初任給』」の調査結果をまとめた表です。

令和元年 学歴別の初任給
 大学院修士課程修了    大学卒高専・短大卒
男女計23万8,900円21万200円18万3,900円
男性23万9,000円21万2,800円18万4,700円
女性23万8,300円20万6,900円18万3,400円

引用:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)『学歴別にみた初任給』

性別関係なく、大学院の修士課程を修了している人の初任給が一番高いことが分かります。「就職したらたくさん稼ぎたい」と考えている方は、大学院を辞めずに就職したほうが稼げるでしょう。

参照元
厚生労働省
令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況

出世

専攻によって異なるものの、必ずしも大学院卒が出世しやすいとは限りません。特に、実力主義の会社の場合、問われるのは学歴ではなくスキルや実績です。そのため、能力重視の会社を選べば、大学院を辞めた経歴があっても出世のチャンスは十分にあります。
自分に合った就職先を見つけたい方は「大学院を中退したら就職できない?就活を成功させるポイントや心得を紹介」をご覧ください。

待遇

研究に関係のない仕事に就いた場合、大学院中退者であっても、大学院卒であっても、待遇に大きな差はありません。ただし、自分の専攻分野に関わる会社へ就職した場合は、大学院中退者より大学院卒のほうが専門的なスキルがあるため、待遇に差が出るでしょう。

 

就活の際は、中退理由を詳しく聞かれたり選考に落ちたりすることで「大学院を辞めなければ良かった」と思うこともあるでしょう。しかし、実際は、大学院中退者と大学院卒者で給料以外に大きな差は出ません。そのため、就職後は、大学院を辞めたことを気に病む機会も減るはずです。

大学院を辞めると決めて就職を目指す主な4つの原因

大学院を辞めて就職を目指す人には、「研究についていけない」「経済的に厳しい」「研究室が合わない」「研究に興味が抱けなくなった」などの事情があるようです。下記から、自分の状況に近いものをチェックし、面接でどう伝えるか考えてみましょう。

・1.研究についていけなくなった
・2.経済的な事情で大学院を続けるのが厳しい
・3.教授や研究室と合わなかった
・4.研究内容に興味がなくなった

これらの理由を企業に伝える場合、「教授や研究室と合わなかったなら、改善を試みたか」「研究内容に興味がないなら、進学時にどうやって研究室を選んだのか」など、より詳しい説明を求められる可能性があります。いきなり聞かれて困ることがないように、事前に大学院を辞める理由を自分なりに深堀りしておきましょう。

大学院を辞める前に改善策を検討しよう

「人間関係に悩んでいるなら誰かに相談してみる」「研究が退屈なら着眼点を変えてみる」「知識・能力不足なら勉強を頑張ってみる」などの改善策があります。できることがあれば試してみてください。とはいえ、「努力してもどうにもならない」「心身の健康バランスを崩している」というときは、すぐに大学院を辞める、もしくは休学したほうが良いこともあるでしょう。

大学院を辞めてすぐに就職する3つのメリット

大学院を辞めることは、デメリットばかりではありません。中退後すぐに就職すれば、時間と学費の節約になるうえ、社会経験が早めに積めるなどのメリットがあります。

1.卒業までの時間と学費を削れる

大学院中退後にすぐ就職した場合、卒業までにかかる時間と学費を削減できます。大学院は、修士課程なら2年間、博士課程なら5年間かかるもの。そのため、大学院の研究を活かした仕事を志望していない場合は、なるべく早めに大学院を辞めることを決め、就職活動に臨んだほうが良いでしょう。
ただし、将来的に大学院の研究分野に関連する仕事に就きたい場合は、修士課程だけでも修了しておくのがおすすめです。

2.大学院卒よりも若いうちに就業経験を積める

大学院中退後すぐに就職すると、大学院卒よりも若いうちから社会経験を積めます。「大学院でやりたいことがない」「早いうちから就職してキャリアを積んでいきたい」という方は、大学院を辞めて就活に臨んだほうがメリットが大きいでしょう。早く就職してキャリアを積みたい方は、「大学院中退は後悔する?辞めるメリット・デメリットや就活への影響を解説!」もあわせてご覧ください。

3.研究分野以外を志望する場合は動機の裏付けになる

研究分野以外の仕事に就職したい場合、説明次第では、大学院を辞めることに対し「行動力がある」と効果的にアピールできる可能性も。「やりたい仕事が研究分野とは違うと気づいたため中退し、自分のしたいことが実現できる御社を志望しました」といった説明であれば、大学院を辞めた理由が明確で、さらに志望動機につながっています。
大学院へ進学する前に方向性を決められなかったことは素直に反省し、「これからはこの分野に打ち込みたい」と説明すれば、企業側に熱意が伝わるでしょう。

大学院を辞めてから就職を成功させる5つのヒント

大学院を辞める選択を後悔しないためには、就職を成功させるためのコツをつかむことが大切です。下記を参考にしながら、就職活動を進めていきましょう。

1.大学院を辞めるまでの経緯をはっきりさせる

大学院を辞めることをデメリットにしないためには、以下の理由を明確にしましょう。

・大学院に進学した理由
・大学院を辞める理由
・就職を目指す理由

これら3つの理由は、面接の際に多くの企業で聞かれます。大学院を辞める理由は「就職して○○がやりたいから」といった、意欲的で明確なものが好印象。また、「なぜ、卒業してからではだめなのか」という理由も説明できるとベターです。回答内容を深堀りされる場合もあるので、自己PRや志望動機、就職後のキャリアプランはしっかりと準備しておきましょう。

2.具体的なキャリアプランを立てる

入社後にどのように活躍したいか、5年後や10年後にどうなっていたいかを明確に伝え、企業側に就職意欲をアピールしましょう。企業の採用担当者の多くは、大学卒か大学院卒かという学歴よりも、応募者の仕事に対する姿勢や熱意に興味を持っています。大学院を辞める決断を後悔しないようなキャリアプランを立てて、前向きに就活できる環境を整えましょう。

3.視野を広げて求人を探す

大学院を辞めて就職する人は、業種・職種は過度にこだわらず、広い視野を持って仕事や企業を探しましょう。大学院を中退しても就職できないわけではありませんが、学部の新卒と比べると選考で不利になる可能性があります。求人にこだわり過ぎると選択肢が狭くなり、就職成功の可能性が遠のいてしまうことも。就職活動の軸を持っておくことは大切ですが、広い可能性を模索しながら求人を探してみましょう。

4.研究内容やアルバイト経験で得たことをアピールする

大学院を辞めてから就職を成功させるには、これまでの研究やアルバイト経験で得たものをアピールすることも大切です。アルバイトであっても、身についたスキルをアピールすれば評価してもらえる可能性があります。これまでの経験をどのように仕事に活かしていくか的確に伝えられれば、就職できる可能性が高まるでしょう。

5.就職支援サービスを活用してプロの意見を聞く

就職を目指して大学院を辞める人は、ハローワークやエージェントなどの就職支援サービスを活用するのもおすすめです。就職支援機関には、就職活動に詳しいアドバイザーや相談員がいるため、プロ目線のアドバイスやサポートを受けられます。悩みも聞いてくれるので、就職活動に行き詰まってしまったときや、周囲に聞きにくい疑問があるときに相談してみるのも良いでしょう。

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