半導体業界の仕事
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この記事のまとめ
- 半導体業界の企業の多くは、ファブレスとファウンドリに分かれている
- 半導体業界の企業は、主に4つの種類に分けられる
- 半導体業界の仕事内容は、大きく分けると技術系と事務系がある
- 半導体業界に向いている可能性があるのは、チャレンジ精神がある方や協調性がある方
半導体業界について気になっていても、どのような業界か詳しく知らない方もいるでしょう。半導体業界とは、スマホやパソコンなど、あらゆる電子機器のなかにある「半導体」を作る、売る仕事をしている業界です。
このコラムでは、半導体業界の特徴や仕事内容、今後の将来性などについて解説しています。今後、半導体業界への就職・転職を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
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半導体業界とは
半導体業界とは簡単にいうと、スマホやパソコンなど、あらゆる電子機器の内部にある「半導体」を作る、売る仕事をしている業界です。半導体業界は、かつてはメーカーが自身で設計や製造などの全行程を行うIDMが主流でしたが、現在は主にファブレスとファウンドリに分かれている企業が多い傾向にあるでしょう。
ファブレス
ファブレスとは工場を持たない企業を指す言葉です。ファブレス(fabless)のfabは、工場(fabrication facility)を意味しています。製品の製造は自社で行わず外部に委託し、設計やマーケティングなどを実施。このように事業を絞ることで、設備投資や設備維持に掛かる経費を削減しています。
ファウンドリ
ファウンドリは、ファブレス企業から依頼を受けて製品を製造する企業を指します。近年は各企業がそれぞれに設備を設置するのが難しくなっているため、ファウンドリの企業に製造の依頼が集約される傾向にあるようです。
半導体業界の構造
半導体の業界は、半導体材料メーカー、半導体メーカー、半導体製造装置メーカー、半導体商社の4つに分けることができます。以下の表でそれぞれの役割をまとめているので、確認してみてください。
半導体材料メーカー | 半導体の材料を提供する企業 |
半導体メーカー | 半導体を製造する企業 |
半導体製造装置メーカー | 半導体完成のために必要な装置を作る企業 |
半導体商社 | 半導体を製造メーカーから仕入れて販売する企業 |
半導体業界では、材料の提供から商社まで半導体に関する知識が必要になる傾向があるでしょう。しかし、企業によっては入社後に知識を習得できるため、未経験から挑戦できる場合があります。
半導体業界の現状・課題、今後の将来性
ここでは、半導体業界の現状や今後の課題、将来性について解説していきます。業界について詳しく知ることで、企業研究といった選考対策に役立てられるでしょう。半導体業界を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
現状・課題
現在、半導体業界はスマートフォン関連が主流ですが、IoTの需要も増えてきているようです。
IoTとは「Internet of things(モノのインターネット)」の略称であり、自動車や照明器具など、従来はインターネットに関連のなかったものにネット回線を接続するシステムです。このIoTに対応し、なおかつスマートフォンの市場も広げて展開していくことが、国内の半導体業界の課題といえるでしょう。
今後の動向
先述したように、今後は徐々にIoTの需要が高まり、数年後には本格的に市場が拡大すると考えられているようです。IoTが普及した場合、自動車や家電製品、住宅などのあらゆるものにインターネットが接続され、自動制御・最適化が可能となります。半導体業界も、今後はIoTが最大の戦力になるかもしれません。日本と世界の半導体産業の違いも含めて、今後の動きが注目されるといえるでしょう。
半導体業界の景気
前述のように、半導体は家電製品や電化製品、スマートフォン、自動車などの製品に使用されており、人々の生活に欠かせない存在となっています。半導体は重要な役割を担っているからこそ、日本だけでなく世界の経済に影響をもたらす高成長産業といえるでしょう。
半導体市場には、「シリコンサイクル」と呼ばれる景気サイクルがあり、約4年の周期で好・不景気を繰り返す傾向にあります。名前は半導体の主な材料がシリコンであることが由来。シリコンサイクルは世界経済の観点からも注目度が高くなっています。
また、在宅ワークが増えたことによるサーバーなどのIT機器や、AIに代表される人工知能の普及にともない、今後も半導体業界の需要は上昇していくでしょう。
半導体業界の仕事内容
ここでは、半導体業界の職種を技術系と事務系の二つに分けて紹介します。半導体業界を目指す方は、以下を参考にどちらの分野に進むか考えてみてください。
技術系
技術系の仕事には「研究開発」「販売」が挙げられ、半導体に関する知識などの素質が必要となる傾向があります。以下でそれぞれを詳しく解説します。
研究開発
研究開発では半導体に関する新しい技術を研究し、将来の新製品の開発につなげる仕事です。半導体の知識があり、ソフトウェアやハードウェアにも精通している方に向いている可能性があるでしょう。
販売
販売は、完成した半導体の製品をお客さまに売る仕事です。販売の規模は国内だけでなく、アジアや欧米などの世界規模になる場合があります。また、ただ製品を売るだけではなく設置やアフターケアなどにも携わるため、半導体に関する専門的な知識と、責任感が必要なことがあるでしょう。
事務系
半導体業界の事務系の仕事は基本的にはほかの業界と同様に、企業の運営をサポートする役割を担う傾向にあります。具体的には、資料作成・管理やデータ入力、顧客対応などを行うでしょう。ただし、企業によっては、半導体を作るための資材を調達する役割を担うこともあるようです。
半導体業界に向いている人の特徴
半導体業界に向いている可能性がある人の特徴には、「多角的な視点をもつ人」「チャレンジ精神がある人」が挙げられます。以下でそれぞれを詳しく解説しているのでぜひご覧ください。
多角的な視点をもつ人
多角的な視点をもつ人は半導体業界に向いている可能性があるでしょう。半導体業界は、常に技術のトレンドが目まぐるしく移り変わり、進歩も大きい業界です。そのため、物事をさまざまな角度から見ることができ、なおかつ変化に柔軟に対応できる方が求められる傾向にあるようです。
チャレンジ精神がある人
チャレンジ精神がある人も半導体業界で活躍できる可能性があります。変化の激しい半導体業界では、常に新しいことに挑戦する意欲が必要とされるようです。探究心が強く、チャレンジ精神のある方に向いている業界といえるでしょう。
協調性がある人
協調性がある人も半導体業界に向いている可能性があります。半導体業界の仕事は、部署や職種に関係なくチームで取り組む仕事が多い傾向にあるでしょう。同じ職種や部署の方だけでなく、多職種の方とも円滑な関係を築くことができ、協力し合ってお仕事を進めていける協調性が必要とされるでしょう。
志望動機例
志望動機は入社意欲をアピールできる貴重な機会の一つです。自分ならではの具体的なエピソードを盛り込み、志望の会社にあった明確なキャリアビジョンを伝えましょう。
<想定する人物像>
- ・常に新しい技術に対応できる柔軟さがある方
- ・半導体に関する興味・知識がある方
これらをアピールし、なおかつ何故その業界・企業を選んだかを明確にしておきましょう。
私は、人々の生活に浸透し、貢献していける仕事がしたいと考え、志望しました。
時代の移り変わりとともに常に変化と進歩を繰り返している半導体に興味をもつようになり、工学系の大学に入学し、半導体についての研究をしていました。
私が貴社に入社した際は、大学で身につけた知識を活かし、時代の変化とニーズに対応していける技術を共に築いていきたいと考えています。
志望動機の作成のポイントについては、「志望動機の作り方を解説!好印象な回答をするポイントとは」もあわせてご覧ください。就活アドバイザーによる志望動機に迷ったときのアドバイスや、作成の手順をご紹介しています。
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半導体業界に関するQ&A
ここでは半導体業界に関するよくある質問に回答していきます。以下を参考に、半導体業界についてさらに知識を深めてください。
異業種からでも半導体業界に転職できますか?
技術職では、半導体の専門的な知識や技術が求められることがあるため、一定の難しさがあるでしょう。しかし、事務職や営業職など、半導体の知識を身につけることで活躍が期待できる場合があるため、自分に合った職種を選ぶのが大切です。転職のコツや企業選びのコツについては、「転職がうまくいく人の特徴とは?企業選びのコツもあわせて紹介」のコラムで確認してみてください。
半導体業界は「きつい」と聞きますが本当ですか?
半導体業界を「きつい」と思うかどうかは、人によって異なります。
半導体業界ならではの、「技術革新のスピードについていけない」「競合争いについていけない」といった悩みを抱える人がいるかもしれません。しかし、人には向き・不向きがあるものです。そのため、自分の適性を把握しておくことが大切といえます。
自分に向いている仕事が分からない方は、「向いてる仕事が分からない!適職の見つけ方と性格タイプ別のおすすめ職種」を参考にしてみてください。
半導体業界に興味がありますが挑戦するのが不安です。
半導体業界に限らず、新しいことや未経験の職種に挑戦することは誰しも不安になるものです。そのなかで、自分の働く意欲や目的を明確にできていれば、自ずと不安が自信に変わっていくでしょう。ハタラクティブでは、一人ひとりお悩みに寄り添いながら就職・転職活動をサポートします。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。