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履歴書の研究課題とは?企業にアピールする書き方や文系・理系の例文を紹介
更新日
この記事のまとめ
- 履歴書の研究課題欄には、大学・大学院で行った卒業研究の内容や成果を記載する
- 企業側は履歴書の研究課題を見て、学業への取り組み方ややり遂げる力を確認している
- 研究課題が未定・途中で履歴書に書けない場合は、現在の進捗やゼミでの取り組みを記載
- 履歴書の研究課題は、自己PRの要素も交えつつ要点を簡潔にわかりやすく書くのがコツ
- 履歴書に研究課題欄がない場合は、自己PRや得意科目の欄でアピールする
履歴書にある研究課題の書き方に悩んでいる就活生も多いでしょう。卒業研究のテーマが未定だったり、まだ途中だったりすると対応に困るものです。しかし、研究課題欄は卒業研究の内容や成果より学業への取り組み方が重視されるので、代わりにゼミでの活動や学業で力を入れたことも記載できます。このコラムでは、履歴書の研究課題の書き方や注意点、企業側の視点を解説。文系・理系向けの例文も紹介するので参考にしてください。
履歴書にある「研究課題」とは
まずは履歴書に設けられている「研究課題」の項目の概要と、卒論との違いを解説します。
研究課題とは卒業研究のこと
研究課題とは、大学生もしくは大学院生の卒業研究のこと。履歴書にある「研究課題」の欄は、主に学校で行った研究内容と研究成果について記載する項目です。
履歴書の研究課題は大学で学んだことを知るのが目的のため、文系理系に関係なく記載しなければなりません。面接官は、研究内容よりも取り組みの姿勢や得た学び、就職後にどのように活かすのかといった点をチェックしています。
研究課題と卒論の関係性
卒論(卒業論文)とは、研究課題(卒業研究)を行った成果を論文にしたものです。一般的に研究課題が卒論や修士論文のテーマになります。研究課題は大学4年のときに1年近くかけて取り組むことがほとんど。特定のテーマについて研究や調査した取り組みや、得られた成果をもとに卒業論文を作成します。
志望先と研究内容は一致していなくてもOK
就職の志望先と研究課題の内容は一致していなくても構いません。研究職などの専門職でない限り、研究内容と志望先の関連性は問われないケースがほとんどです。企業側は履歴書の研究課題の内容を見て、専門性ではなく物事への取り組み方を重視して確認しています。履歴書に研究課題が書けない場合の対応方法
履歴書に研究課題を記載できない場合の対応方法を説明します。研究課題が未定・途中の場合、ゼミ未加入の場合、ゼミに加入していたものの研究課題を行っていない場合の3つのケースについて、順に見ていきましょう。
研究課題が途中・未定の場合
在学中で研究が途中の場合は、現在の進捗とこれまで学んだことを記載しましょう。研究が終わっていないからといって、就職に不利に働くことはありません。研究内容の結果よりも大切なのは、学業に取り組む姿勢や、学業に取り組む中で得られたスキルです。
就職活動の段階でまだ研究テーマが決まっていない場合は、興味のある科目や探求したいテーマについて書けば問題ありません。履歴書によっては「研究課題または興味ある科目」と記載されている場合があります。これから取り組む場合は、研究することで何を学び取りたいかをまとめると良いでしょう。ゼミナール(ゼミ)で扱っていたテーマや与えられていた課題について記載するのも一つの手です。研究が途中・未定のいずれであっても、自己PRの要素を盛り込むことを忘れないでください。
ゼミに入っていない場合
ゼミに未加入で研究課題を行っていないなら、特に力を入れて受講した講義について書きましょう。ゼミ以外の場で学んだ経験を記載するのもおすすめです。ゼミ未加入でも就職そのものに影響はありません。しかし、学習意欲がないと見なされるのは避けたいところです。
インターンシップへの参加など、ゼミに入らなかった理由がポジティブなものであれば、むしろ好印象を与えられる可能性もあります。自己PRなどで「インターンシップに参加し、学校内では得られない社会人経験を積みたかったから」「どのゼミでも扱っていない△△について独自に調べたかったから」のように、研究課題以外に行った取り組みを積極的にアピールしましょう。
逆に「興味がなかったから」「希望していたゼミの選考に漏れたから」といったネガティブな理由は、マイナスの印象を与える可能性があるので、記載は避けてください。ゼミ以外に学生時代のアピールポイントを知りたい方は「文化活動とはどんなものが該当する?履歴書の自己アピールの書き方を解説!」も参考になるでしょう。
ゼミには入っていたが明確な課題がなかった場合
ゼミには所属していたものの、明確な研究課題が与えられていなかった場合、ゼミ以外で力を入れたことを記載すると良いでしょう。ゼミでやっていることを深堀りし、課題化する方法もあります。
ゼミがあり学生が所属している以上、何らかの活動は行っているはずです。就活を始めるのを機に、ゼミでどのような勉強をしていたのか分析してみましょう。研究課題に書き込む内容だけでなく、自己PRにつながる要素が見つかる可能性もあります。
エントリーシートでゼミでの取り組みや学んだことをアピールしたい方は「ゼミで取り組んだ内容や学んだことをESに書くには?書き方と例文を解説」のコラムを参考にするのがおすすめです。また、履歴書の自己PRの書き方で悩んでいるなら「自己PRの基本の書き方は?新卒と転職での違いや例文を紹介」のコラムで、効果的な書き方を確認しておきましょう。
企業が履歴書の研究課題欄から見ていること
企業側は、研究課題を通して応募者が学業に励んでいたか、最後までやり切る姿勢があるかを見ています。求職者の中には、志望する企業の業務と研究課題のテーマが全く一致しない人もいるでしょう。しかし、企業側は決して「仕事に活かせるテーマについて学んできたか」を確認しようとしているのではありません。
研究課題から学業への取り組み方を確認している
企業側は、応募者が学校生活の中で学業を怠らず、十分励んできたかを見極めようとしています。新たな知識やスキルを積極的に取り入れようとする学習意欲は、社会に出てからも欠かせません。研究課題の内容が充実しており、積極的な姿勢が読み取れれば高く評価されるでしょう。
逆に、内容が薄かったり説得力のない文章だったりすると、真面目に学業に取り組んでこなかったと判断される恐れがあるので注意してください。
研究課題欄の内容で最後までやり切る姿勢も判断される
物事を最後までやり切る姿勢も、企業側が注目しているポイントです。責任を持って何かを成し遂げる力は、仕事でも常に求められます。
真摯に研究課題に取り組んだことをアピールできると、好印象を与えられるでしょう。研究にコツコツ取り組んだことや、成果を出すために行った工夫、目標を達成することで得られた学びなどをアピールするのが効果的です。
書類選考で採用担当者がチェックしているポイントを知りたい方は「書類選考で見られるポイントとは?通過率を上げるために気をつける点を紹介」もあわせてご覧ください。書類選考に通過するコツも紹介しているため、転職時の履歴書作成に役立つでしょう。
研究課題について面接時に質問される内容と対策
企業側にとって研究課題に対する取り組み方は、選考において重要な判断材料の一つです。研究課題に関する具体的な質問例を参考に、回答は必ず用意しておきましょう。
- ・研究内容について、もう少し詳しく教えてください
・研究を通して、どのようなことを学びましたか?
・研究をしていて、苦労したことやうれしかったことは?
・履歴書に書かれている△△について、分かりやすく伝えてください
面接で重視されるのも「応募者がどのような姿勢でどのようなことを学んできたのか?」という点です。ちょうど良い長さで答えられるよう、準備を整えておきましょう。研究内容を分かりやすい言葉で伝えられるかどうかも、評価ポイントになります。言葉が足りなかったり、難しい説明しかできなかったりすると「説明下手な人」という印象を与えてしまう可能性もあるので、注意してください。面接まで時間がないときでも、研究内容をかみ砕いて分かりやすく説明できるように準備しておくと安心です。
面接でよく聞かれる質問や回答のポイントを知りたい方は「面接でよく聞かれる質問集!想定されるものを状況別に紹介」も参考にしてください。よく聞かれる質問を把握し回答を準備しておくと、当日スムーズに受け答えができるでしょう。
深堀りされても回答できる内容を用意しよう
研究課題については、面接時に質問で深掘りされても明確に答えられるよう、事前に準備しておくことが大切です。面接官が研究課題に関する知識を持っている場合、内容について深掘りされることもあるでしょう。深堀りしてもらえることは、興味関心を持たれていることの表れでもあり、ポジティブに受け取れます。しかし、踏み込んだ質問をされたときに、明確な回答ができないと好印象を与えられません。掘り下げた質問にも回答できるよう対策しておきましょう。履歴書の研究課題の書き方
履歴書の研究課題欄は、概要が分かる程度の記載で問題ありません。書き方のポイントを押さえて、短くても相手に伝わりやすい文章を心がけましょう。
研究課題は概要程度で問題ない
履歴書の研究課題欄には、概要程度のボリュームでまとめましょう。履歴書のフォーマットにもよりますが、研究課題欄はそれほど大きくないため、すべてを細かく記載する必要はありません。
ただし、箇条書きで淡白にまとめてしまうのは避けましょう。具体的かつ相手に分かりやすい言葉で、研究に打ち込んだ姿勢や得た学びをまとめるのがコツです。
なお、履歴書の様式選びで悩んだ場合は「履歴書を書く前に。自分に有利な履歴書の様式を知ろう」を参考にしてください。
指定された文字数ごとに文章を考えておく
履歴書に記載する研究課題は、文字数が指定されているケースもあります。記入スペースが1行分しかない場合は50字程度、スペースが2~3行分なら要点を100字程度でまとめましょう。少し大きめにスペースが確保されている場合は、研究課題の内容と結果のほか、得られた学びや活かし方を詳しく記載してください。研究課題は概要・結果・学んだことで構成
短い文章で相手に伝えるには「研究の概要」「研究の結果」「学んだこと」の構成がおすすめです。研究概要は「私は△△について研究を行いました」「私の研究課題は△△です」など、一文でまとめます。
就職活動において研究結果はそれほど重視されません。先述のとおり、企業は結果ではなく取り組む姿勢を確認しています。研究結果は簡潔かつ具体的に記載すると良いでしょう。どのような考えを持ったのか、取り組み方についてなど、仕事に活かせる内容につなげるのがポイントです。
履歴書に研究課題を書く際の注意点
履歴書の研究課題欄には、自己PRも適度に交えましょう。研究内容によっては専門知識が必要ですが、誰が読んでも分かる内容が前提です。
研究課題欄でも自己PRを忘れない
履歴書は、自分をアピールするための書類といえます。研究課題欄にも忘れずに自己PRの要素を盛り込みましょう。研究内容や研究結果は短く簡潔にまとめ、自分自身が得たスキルや強みを打ち出すように記載します。研究課題の取り組みで得たスキルや経験を今後どのように活用したいかも伝えられると理想的です。
研究課題の内容は分かりやすく
研究課題に限らず、履歴書は相手に伝わりやすい言葉で書きましょう。分かりにくい表現が多いと、採用担当者にアピールポイントが伝わらなかったり、そもそも読む気力を減退させたりします。特に、理系の人は専門性の高い研究を行っていることが多く、知識のない人にとって理解しづらい文章になりがちです。専門的な説明は控え、文系の人にも伝わるような表現を意識しましょう。
ただし、研究課題を直接活かせるような仕事に応募する際は、内容を簡素化しない方が良い場合もあります。研究課題欄は応募する企業によって書き方を変えてみましょう。企業研究を行い、研究課題との関連性を把握してからまとめるのがポイントです。企業研究の方法は「企業研究とは?その必要性とスムーズに行うコツを知っておこう!」のコラムを参考にしてください。
仕事に活かせる要素を盛り込む
先述のとおり、研究課題には仕事に活かせる要素を盛り込んだ方が企業側に好印象を与えやすくなります。「研究により企業に貢献できる学びや経験を得た」という内容を軸に書くのがおすすめです。企業研究により求められている人物像を把握したうえで、自分のスキルや強みを結び付けましょう。
研究職志望の場合の準備は入念に
志望先が研究職の場合、研究内容が仕事に直結する可能性も高いため、深堀りされることを前提に準備を進めましょう。面接官が研究内容に詳しい場合、研究者目線での質問が予想されます。研究に取り組んできた姿勢や苦労したことだけではなく、得られた成果や考察も重視されるでしょう。研究職志望の場合、研究の成果や考察が合否に関わる可能性もあります。
一方で、研究職志望であっても、面接官は研究内容に詳しくない可能性もあります。面接官が研究内容に詳しくない場合、深さよりも分かりやすさが重視されるでしょう。注意が必要なのは、実際に面接が始まってみるまで面接官がどちらのタイプなのか分からない点です。研究職志望者にとって研究課題に関する記述・口述は最大のアピールポイントであるため、どのような面接官でも対応できるよう入念に準備しておきましょう。
履歴書に記載する研究課題の例文
研究課題の例文を4パターン紹介します。まだ履歴書に記載する研究課題の文章が決まっていない人は、例文の基本構成や注意点にも着目しながら研究課題の文章を作成しましょう。
理系の研究課題の例文
私が行った研究は、食生活と免疫力の関係についてです。マウスを扱った実験を行い、過多な食事やバランスの偏った食事は内臓機能を低下させ、免疫力の低下につながることを実証しました。
思うように結果が得られなかったり、単調な作業を繰り返したりすることも多々ありましたが、その分達成感は非常に大きかったです。この経験により、どのようなときも冷静にコツコツ物事を続ける忍耐力には自信がつきました。
文系の研究課題の例文
私は文化人類学のゼミに所属し、世界各国の「成人式」について比較・研究しました。日本では祝福ムードの式典が行われますが、国によっては命や一族の名誉をかけた試練に挑戦するケースもあり、新しい情報を得るたびに文化や価値観の多様性を実感しています。この研究の中で得た視野の広さと、異なる文化を理解する柔軟性は社会に出てからも発揮する所存です。
研究課題が未定の場合の例文
私の研究課題は未定ですが、災害とトレンドの関わりについて興味を持っています。社会学の講義の中で災害のあとに流行するコンテンツには一定の傾向があるという意見を聞き、近年の震災や感染症も日本の流行に何か影響を及ぼしたのか調べたいと考えました。
この研究を行うことで、人々のニーズを読み取る力が身につくと考えています。何を求められているか即座に読み取り、行動に移すことを心がけ、御社の△△業務にも貢献したいです。
ゼミに入っていない場合の例文
私はゼミに所属しない代わりに、独自にプログラミングの勉強を進め、また、IT企業を中心にインターンシップに参加しました。知識を深められたことはもちろんですが、社会人にとって本当に必要なスキルは何かを考える機会に恵まれ、本当に良かったと思っています。
インターンシップをとおして、コミュニケーション力とチームワークの重要性を強く実感しました。円滑に仕事を進めるため、相手を思いやった言動をとれるようになったことは、今後どのような仕事でも活かせると自負しています。
履歴書に研究課題の欄がない場合の対処法
履歴書のフォーマットによっては、研究課題欄がありません。研究課題の欄がない場合は「自己PR」や「得意科目」といったほかの記載欄で、自分の強みをアピールしてください。
学生時代に打ち込んだことをアピール
サークル活動やアルバイトなど、学生時代に打ち込んだことを軸に自己PRしましょう。なかには「これといった特別な体験をしていない」とアピールすることをためらう人も見られます。
しかし、大切なのは体験の内容や貴重性ではありません。研究課題と同様に、企業側は物事に取り組む姿勢や、体験を通して学んだことに着目しています。体験の内容や成果だけを述べるのではなく、自分自身が得た強みを打ち出しましょう。
得意科目をアピール
学業に打ち込んだ人は、得意科目を軸にアピールするのがおすすめです。研究課題欄の代わりに得意科目欄が設けられている履歴書もあります。得意科目を伝える場合は「面白かった」「レポートで良い評価を受けた」という感想や成果を述べるだけでは自己PRになりません。
どのようなところに魅力を感じたのか、学習を進める中でどのような疑問を持ち、どのように解決したのかなど具体的に述べると良いでしょう。好印象を与えられる得意科目欄の書き方を知りたい方は「履歴書の得意科目欄を上手に書いて自分をアピールしよう」もあわせてご覧ください。
どうしても研究課題が書けず履歴書が埋まらない、なかなか書類選考に通過できないという方は、一度ハタラクティブにご相談ください。ハタラクティブは、若年層向けの就職エージェントです。
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履歴書に記載する研究課題に関するFAQ
履歴書に記載する研究課題について、よくある質問にQ&A方式で回答します。
研究課題がない場合は空欄でも大丈夫ですか?
研究課題をしていなくても、空欄のままにしたり「なし」と記載したりするのは避けましょう。
就職に対する意欲や志望度が低いと判断されてしまう可能性があります。研究課題に限らず、履歴書の項目はすべて埋めるのが基本です。記載する研究課題がない場合は、学業で頑張ったことやインターンシップへ参加して学んだことなど、研究課題以外での取り組みで自分をアピールしましょう。履歴書に空欄を作らない理由については「履歴書に「特になし」と書くのはNG?印象の良い書き方を解説」のコラムで確認してください。
専門性をアピールするのに専門用語での記載はあり?
履歴書に記載する研究課題は、なるべく専門用語をかみ砕いて説明しましょう。
面接官が研究分野に対する知識を持っているとは限りません。分かりやすい言葉で記載しておくと、研究内容が良く伝わり、自分の取り組みや学びをアピールできるでしょう。
履歴書の研究課題は詳細に記載したほうが良い?
履歴書に記載する研究課題は、基本的に概要で問題ありません。
履歴書の枠のサイズにあわせて記載しましょう。ただし、面接時に面接官から研究課題について深掘りされる場合があります。研究内容や学んだこと、就職後の活かし方などは、スムーズに話せるよう準備しておくことが大切です。面接対策が心配なら、ハタラクティブを利用してみましょう。履歴書の書き方から面接対策まで丁寧にサポートします。模擬面接にも対応しているので、本番での受け答えが心配な方におすすめです。ぜひお気軽にご相談ください。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。