ゼミで取り組んだ内容や学んだことをESに書くには？書き方と例文を解説

「ゼミで取り組んだことや学んだことをESにどう書けば良いか分からない…」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。ESにゼミ活動について書く際は、取り組んだテーマの概要や成果を簡潔に伝え、ゼミ活動から得たスキルを強みとして自己PRにつなげることが重要です。また、ゼミ活動を通して会社が何を見たいのか理解しましょう。このコラムを参考に、ゼミでの経験を仕事に活かして貢献できることをアピールしてください。

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ESで「ゼミで取り組んだ内容」を聞かれるのはなぜ？

採用担当者は、応募者のESに書かれたゼミ活動への取り組み方や姿勢から、自主性や問題解決力、経験を業務に活かせるかどうかなどを見ています。以下で詳しく見ていきましょう。

ゼミ活動での「自主性」や「問題解決力」を見たい

採用担当者は、ESに書かれたゼミへの取り組み方や姿勢から「自主性」や「問題に対処する力があるかどうか」などを見極めています。仕事をこなすうえで重宝されるのは、自分で考え、動ける人材です。担当教授に示された本を読んでまとめただけではなく、自主的にテーマを見つけ、問題を解決したり分析を深めたりしていく姿勢でゼミ活動に取り組んでいたことをアピールできれば、採用者からの印象も良くなるでしょう。

入社後にゼミの経験を活かして活躍できるか知りたい

ESに書かれたゼミでの経験や、研究で得たスキルが、入社後の業務に活かせるかを見ています。たとえば、「ゼミで研究成果をプレゼン発表した」「調査のため一般の人にアンケートを行った」「施設に取材に行った」などのゼミ活動を通して体験したことは、営業活動やマーケティングなどの分野で役に立つでしょう。ゼミでの研究テーマが直接関係なくても、経験内容によっては入社後の業務に役立つ可能性があります。ゼミ活動をESに書くときは、自分のゼミでの経験が応募先企業の業務にどう活かせるか考えておくと良いでしょう。

努力できるかどうか判断したい

ESのゼミに関する内容から読み取れる「大変なことに対して努力し続けられるかどうか」という点も評価対象の一つでしょう。ゼミの論文を完成させるためには、文献を調べたり、分析を行ったりする作業を、学業やアルバイトなどと並行して取り組む必要があります。同時期に複数のことを成し遂げた実績は、「入社後、業務が立て込んでも適切に対処していけるだろう」という評価につながるでしょう。

どのようなことに興味を持っているのか知りたい

ゼミでの研究テーマや活動内容から、応募者がどのようなことに対して興味を持っているのか知りたいという企業も多いようです。応募先企業と関連のある研究テーマであれば、業務内容に意欲的である姿勢をアピールできるでしょう。

ESのゼミで取り組んだ内容の分かりやすい書き方

ESに書くゼミで取り組んだ内容には、そのゼミを選んだ理由や学んだこと、そこから身につけた知識などが挙げられます。以下で詳しく解説します。

1.そのゼミを選んだ理由

ESに書いたゼミを選んだ理由から、「応募者がどのような分野に興味があるのか」が分かります。また、ゼミを選んだ理由だけでなく、選んだゼミにどのような特色があるのかについても簡潔に説明すると良いでしょう。何を基準にゼミを選んだのかを説明することで、自分の興味や思考について、より深く採用担当者に伝えられます。

2.ゼミで取り組んだテーマ

ゼミで取り組んだテーマについてESに書く際は、専門外である採用担当者が読んでも研究内容が分かるように書きましょう。できるだけ専門用語を使わず、どのような意義のある研究分野なのかを分かりやすく説明することが大切です。どうしても専門用語を使用しないと説明できない場合は、意味が分かるよう注釈をつけるなどの工夫をしましょう。

3.ゼミで身につけた知識とその深め方

ESでは、ゼミで身につけた専門知識はどのようなものか、また、その知識をどう深めたかについて説明しましょう。ゼミで身につけた知識は、応募する会社の業務内容に関わるものがベスト。ゼミで得た知識が業務内容とまったく関係ない場合は、その知識を得ることが仕事にどう活かせるのか考え、説明できるようにすると良いでしょう。
次に、ゼミで得た知識が研究を進めるに従って、どのように深まっていったのか説明します。知識を深めるために用いた研究手法や、自分が起こした行動などを具体的に述べるようにしてください。ESを見た採用担当者が、ゼミでの知識を深めるための真摯な姿勢から、「入社後も誠実に業務に取り組んでくれそう」と想像できるようアピールしましょう。

4.研究で発生した問題をどう解決したか

ESにゼミで学んだことを書く際は、研究を進めていく過程で直面した困難な問題と、その問題についてどのように対処したかを書くようにしましょう。「自分で情報を集めて対処する」「先輩にアドバイスをもらう」「ほかの人と一緒に対処する」など具体的なトラブルの乗り越え方を書くことにより、困難に直面したときの対応能力やコミュニケーション能力をアピールできます。

5.ゼミの経験を入社後どう活かせるか

ESでは、ゼミの取り組みを通じて得たスキルを業務にどのように活かせるかアピールしましょう。ゼミ活動への取り組み方は、入社後の業務への取り組み方に通じるものがあります。ゼミと同様、入社後の業務も、目標と意欲を持って取り組める姿勢を示しましょう。

ESにゼミで取り組んだ内容を書く際の5つのポイント

ESにゼミで学んだことを書く際には、「結論から書く」「専門用語は避けて説明する」「学んだテーマの意義を伝える」「企業が求める人材に合わせた内容でアピールする」「自己PRにつなげる」という4つのポイントを意識しましょう。以下で5つのポイントの内容を詳しく解説します。

1.結論から書く

ESにゼミで学んだことを書く際は、結論から書きましょう。結論から書くと、読み手に話の展開を最初に示せるうえ、簡潔に分かりやすく伝えられます。結論を先に述べる方法は、ESや履歴書の自己PRや志望動機などといった項目でも基本となる書き方なので、覚えておくと良いでしょう。

2.専門用語は避けて分かりやすい言葉を使う

ゼミ活動の内容では文系・理系に関わらず、専門用語はできるだけ避け、分かりやすい言葉で伝えるよう心掛けましょう。ESを見る採用担当者が、専門分野に対する知識を持っているとは限りません。また、難しいことを簡単な言葉で説明できるのは、「本質が理解できている」「理解力やプレゼン能力が高い」という評価にもつながるので、アピールポイントにもなるでしょう。

3.学んだテーマがどのような役に立つのか説明する

ESでは、ゼミで取り組んだテーマが具体的にどのような役に立つのかも説明しましょう。「取り組むテーマにどのような意義を見出したのか」という点から、ゼミ活動で得ようとしたものを採用担当者に伝えられます。研究テーマが応募先企業の業務に直接関係のない内容だったとしても、自分の研究目的を掘り下げ、「その研究を通じて何が分かるのか」「どのようなことに貢献するものなのか」を分かりやすく伝えられると良いでしょう。

4.企業が求める人材の特徴に合わせる

ESにゼミ活動で得た知識やスキルをどう活かせるか書く際には、応募先企業が求める人材の特徴に合わせた内容を意識しましょう。企業ごとに重要視している部分が異なるため、事前に企業研究や業界研究を行い、どのような人物像が求められているか分析することが大切です。

5.自己PRにつなげる

ESにゼミ活動について一通り書き終わったあとは、自己PRにつなげましょう。ゼミ活動を通じて得た経験やスキル、考え方などが、業務のなかでどのような強みになるのかをアピールします。「ゼミで学んだことから培った自分の強みは、仕事にこのように役立てられる」と考えた過程をできるだけ具体的に示すのがポイントです。

ESにゼミで取り組んだ内容を書くときの参考例文

ESのゼミで学んだことを書く際のポイントは、「ゼミでどのような活動をして、何を得られたのか」「その活動は応募先の会社でどのように役立つのか」に重点を置くことです。
以下のESの例文を参考に見てみましょう。

参考例文1

私は、ゼミで社会学を専攻しました。テーマは『働き方の改革を進めるためには』です。労働者が仕事をする環境の現状を調べて分析し、「ワークライフバランスの取れた働き方を目指すためには、どのような観点が必要か」について考察するのが目的です。企業などに1件ずつメールでアポイントメントを取ってアンケートを実施したり、ほかのゼミ生と協力して分析や議論を行ったりしました。ゼミ活動を通じて日本の労働に関する知見を深められたうえ、自分で工夫しながら調査を行い、結果を共有して周囲の人と一緒に分析するという経験から、周りと協力して一つの目標を達成することを学びました。周囲の人と協力してデータを分析し、議論を深めながら大きな目標を達成しようとする姿勢は、貴社でのマーケティング業務で活かされると考えています。ゆくゆくは貴社のマーケターとして、顧客に満足してもらえるような商品の企画に携わりたいと思っています。

参考例文2

私は、ゼミで西洋史学を専攻しました。テーマは『説教師がどのように説教を民衆に広めていったのか』です。当時、限られた人しか本を読めず情報を普及させるのが難しかったなかで、説教がどのようにマスメディア的な役割を担っていたのか研究しました。説教の内容だけでなく、当時の社会状況や人口の様子、どのような社会階級の人が聞き手だったのかなど、幅広く検討しなくてはなりませんでした。しかし、大学院のゼミに参加させてもらい、同じ研究テーマの先輩に論文を紹介してもらったり、研究についてのアドバイスをもらったりした結果、論文の方向性を明確にして深い考察が可能になり、担当教授からも高評価をいただくことができました。また、古い言語が対象なので語学は難しいものでしたが、毎日コツコツと机に向かい勉強を続けた結果、文献が読める程度の語学力を取得できました。これらの経験を通じて、積極的に物事に取り組む姿勢と、何事にもコツコツ頑張る姿勢が身についたと感じています。私は、ゼミを通じて身につけたこれらの姿勢をもとに、貴社の事務職として役に立ちたいと考えています。

ESにゼミで取り組んだ内容を書くときのNG例文

ESにゼミで学んだことについて書く際は、自分が勉強した内容だけに留まらないようにしましょう。採用担当者は、ESから「ゼミ活動に取り組む姿勢」や、「得たスキルが入社後に活かせるか」を読み取ろうとしています。そのため、研究手法や研究結果しか書いていないESは、採用担当者が知りたい内容が伝わらないため、選考落ちしやすくなる可能性があるので注意してください。
以下はゼミでの研究テーマの概要と結果のみが書かれたESのNG例文です。

NG例文1

私は、ゼミで教育心理学を専攻しました。テーマは『児童を褒めることによって、どのような良い効果が得られるか』です。ゼミでは、実際に小学校の児童にアンケートを行い、誰に、どのようなことで褒められて嬉しかったか、どう感じたかというデータを集め、分析しました。そうすると、子どもたちは主に自分がしたことが人に喜ばれると嬉しいと感じることが分かりました。さらに、いろいろなことにチャレンジしてみたいという意欲も同時に出て、積極的に物事に取り組むようになる傾向が見られることも判明しました。私は、ゼミの研究で学んだこの結果をもとに、貴社の幼児向け教育事業で、幼児の自主性を伸ばすような教材の開発に携わりたいと思っています。

NG例文2

私は、ゼミで地方財政について専攻しました。研究テーマは『交通の発達が、物や人の流通にどう関わっていくか』です。私は、およそ50年前から今までの間で、自分の住んでいる地域の地域史や交通手段が充実していく過程と、人口や店舗数の増加傾向とを照らし合わせて、両者にどのような相関関係があるのか調べました。その際、地域の人にアンケートを配ったり、鉄道会社や市役所に取材を行ったりしましたが、実際の住民の声を直接聞くことがその地域の経済発展につながるのだと感じました。私は、この経験を貴社の沿線価値を高めるための営業活動に役立て、貢献していきたいと思っています。

ゼミに入っていない場合のESの書き方と注意点

大学でゼミに所属していなかった場合、入らなかった理由を明確に示せれば問題ありません。ESにはゼミ活動以外のエピソードを用いて、会社に貢献できるというアピールをしましょう。

ゼミに入らなかった理由を正直に書く

ゼミに所属しなかった理由は、正直に書くようにしてください。大学3年生からゼミに所属する学生が多いなか、なぜ所属しなかったのかという点は採用担当者も疑問に思うでしょう。「留学していたから」「語学学校や課外活動を優先させたかったから」などの第三者が納得しやすい理由を説明することが大切です。もし、特にはっきりした理由がなくゼミに入らなかったという場合は、「当時はゼミの重要性を理解していなかった」と説明したうえで、ゼミの代わりに注力し取り組んでいたことをSEに書くと良いでしょう。

ほかの項目でアピールする

ゼミに所属していなかった場合、ES内の「志望動機」や「自己PR」の内容を充実させましょう。特にこの2つは選考に深く関わってくる項目なので、説得力のある内容であれば、ゼミでの経験を書けなくても効果的に自分をアピールできます。
「履歴書の「学生時代に力を注いだこと」の例文をご紹介！書き方のコツも解説」では、ゼミ以外のことに注力した場合の例文が紹介されているので、参考にしてみてください。

ESの書き方に悩んだらエージェントに相談しよう

就職活動の選考において、ESは重要な要素の一つです。一人でESを書くのが難しいと感じる方は、就職エージェントに相談するのがおすすめ。就職エージェントを利用すれば、ESのゼミで学んだことを自己PRにつなげるコツなどについて、専門のアドバイザーからアドバイスを受けられます。就職エージェントは民間の就職支援サービスで、フリーターや第二新卒など特定の対象に特化しているのが特徴です。サービスは無料で利用できる場合がほとんどなので、ESの書き方に悩んだ際は、ぜひ活用してみましょう。

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