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コンサル業界の仕事
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コンサル業界とは
コンサル業界は、クライアント企業や団体の課題解決をサポートする業界です。経営・人事・会計・マーケティング・ITなど、幅広い分野で戦略を提案し、事業開発や業務改善につながるアドバイスを行います。
クライアントの相談役として活躍しているのが、専門知識やノウハウをもった「コンサルタント」です。コンサルタントが所属する企業を「コンサルティングファーム」と呼び、ファーム各社が属する産業をコンサル業界と呼びます。
イメージしにくい業種の一つでもあるコンサル業界について、代表的な仕事やコンサルティングの進め方など、詳しくご紹介していきましょう。
代表的な仕事
コンサルティングの仕事は、クライアント企業の業種や規模、アドバイスの内容によって多種多様です。専門分野によって仕事内容が変わるため、それぞれの詳しい特徴を以下で解説していきます。
1.総合系
総合系コンサルティングは、比較的規模の大きい企業に対する総合的なコンサルティングサービスを提供しています。後述する戦略・M&A・経営・IT・人事などさまざまな分野のアドバイスを行うため、幅広い知識や経験が必要になるでしょう。
たとえば、業務効率化のためにシステムを導入する場合、適切なシステムの提案や要件定義をはじめ、運用の支援まで一通りのサポートを行います。
2.戦略・M&A系
戦略系コンサルティングは、クライアントが抱える経営問題を解決に導くための戦略を立てる仕事です。グループ経営戦略・成長戦略・新規事業戦略など、一言で「戦略」といってもそのアプローチ法はさまざまで、クライアントの抱える問題に応じて臨機応変に対応する必要があります。
戦略系コンサルティングの中でも、「M&A系コンサルティング」は企業の買収・吸収・合併戦略がメインです。M&A専門の独立したファームも存在し、吸収合併後の支援も行います。
戦略系コンサルティングファームには、グローバルな活動を行っているところが多いという特徴があり、クライアントの世界進出をサポートしているともいえるでしょう。
3.経営系
経営系コンサルティングは、企業の経営状態を把握したうえで、今後の経営方針についてアドバイスや指導などを行います。財務・会計の効率化を図るほか、経営者と人事について考えることもあるでしょう。経営者の相談役としてなくてはならない存在です。
経営系コンサルティングは、ほかの業態のスタッフと連携を図りながらクライアントのサポートを行います。経営系コンサルティングファームには、大手はもちろん中小企業も多く存在しており、そのサービス内容もさまざまです。クライアント企業の経営全般をサポートする場合もあれば、財務管理のみ、労務管理のみ、といったかたちで特定の分野をサポートすることもあります。
4.IT系
IT系コンサルティングは、システムの設計やアウトソーシングの導入などを通して、クライアント企業を支援します。経営戦略を支援することもあれば、ある一部の事業においてIT戦略を立てることもある分野です。
ITコンサルの業務領域は、ITマネジメント戦略・ERPコンサル・CRMコンサル・PMOコンサルなど、幅広いのが特徴といえるでしょう。戦略系コンサルティングファーム同様、外資系の会社が目立つのも特徴の一つです。
5.組織・人事系
組織・人事系コンサルティングは、人材採用や社員教育・研修などの課題解決を専門としています。離職率の低減や専門家の育成、人事評価制度の見直しなども行う仕事です。組織・人事のコンサルティングはクライアントの最重要機密事項を取り扱うため、専門知識だけではなく、守秘義務やコンプライアンスに関する姿勢も重要といえるでしょう。
6.シンクタンク系
シンクタンク系コンサルティングは、大手の証券会社や金融機関を母体としたコンサルティングファームです。シンクタンクとは「頭脳集団」という意味で、あらゆる分野の調査・分析を行い、制作や戦略を提言する研究機関のこと。大企業のノウハウを活用し、幅広い分野のコンサルティングを行います。
7.ハンズオン型
ハンズオン型コンサルティングは、クライアントの企業に常駐し、近い距離で戦略を進めていくコンサルティングです。現場と密接に関わるため、正しく状況を分析できる点が特徴です。投資関係や新規事業開発、企業再生など担当する内容は、ファームによって異なります。
8.中小企業向け
中小企業向けコンサルティングは日系のコンサルティングファームで、国内独立系コンサルとも呼ばれるコンサルです。日本企業の9割を占める中小企業の課題を解決し、ときにはセミナーや教育なども行います。ほかのコンサルと比べて経営陣との距離が近いことも特徴といえるでしょう。
日系と外資系の違いは?
そもそも「コンサルタント」という職業は19世紀のアメリカで誕生したため、コンサル業界には外資系企業が多いようです。日系と外資系の大きな違いは、案件の受け方や契約期間、クライアントとの距離感などが挙げられます。
日系ファームでは、1人のコンサルタントが複数のクライアントを担当することが多く、長期にわたっての経営計画や業務支援を行うのが特徴です。定期的にクライアントのもとを訪問し、時間をかけて信頼関係を築き上げるのが重要といえるでしょう。
外資系ファームは、複数のコンサルタントがチームを組んで、1~2つのプロジェクトを担当します。プロジェクトによって期間はさまざまですが、一般的にはクライアント先に常駐することが多いようです。外資系企業の特徴について気になる方は、「外資系企業とは?日本の会社との違いや転職に有利なスキルも解説」のコラムもあわせてぜひご確認ください。
コンサルティングの進め方
コンサル業界の仕事の進め方は、コンサルティングファームによって異なります。
たとえば外資系ファームの場合、役員クラスが営業して案件を受注する場合が多いようです。戦略の提案や指導は、複数人でチームを組んだコンサルタントのチームが行います。一方、中小企業のクライアントが多い日系ファームの場合は、現場のコンサルタントが直接クライアントに営業をかけ、案件を受注するのが一般的といえるでしょう。
ファームによって営業するのが誰かという点の違いはありますが、まずはプレゼンテーションを行い、提案を受け入れてもらえると契約締結・受注につながるといった流れは同じです。受注後はプロジェクトを立ち上げ、調査を行い現状の課題を洗い出します。その後、特定した課題の解決策をクライアントに提案し、具体的なスケジュールや役割分担を決めていくのがよくある進め方です。
コンサル業界に必要な資格やスキル
コンサル業界で働くにあたって、必須の資格は特にありません。ただし、資格を所持していれば、コンサルティングを行う分野の専門知識があることを証明できるでしょう。コンサルタントが取得していると仕事に役立つ資格は「コンサルタントの仕事に役立つ資格とは?おすすめを3つご紹介」のコラムで詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
コンサル業界で求められているスキルは、「論理的思考力」や「コミュニケーション力」です。それぞれについて、以下で詳しく解説していきます。
論理的思考力
コンサルティングを行ううえで、筋道を立てて物事の分析を行い、解決策を見出す論理的思考力は重要です。企業が抱えている課題を解消するためには、物事の本質を押さえて問題点を把握する必要があります。把握した問題を客観的にとらえ、具体的な解決策を提案できるようにしましょう。
コミュニケーション力
コンサル業界は人と接することが多く、社内でも社外でもコミュニケーション力が必要とされる業界です。クライアントに寄り添い、課題解決を目指してチームで協力するため、信頼関係の構築は欠かせません。年齢や立場を問わず、さまざまな人と交流できる能力が求められます。
コンサル業界の具体的な職種
コンサル業界の基本的な職種は「コンサルタント」ですが、業務内容によって「パートナー」「マネージャー」「アナリスト」と呼び分けることがあります。それぞれの違いを確認してみましょう。
コンサルタント
クライアント企業が抱える課題や問題を解決に導くために、アドバイスや対策を講じるのが、「コンサルタント」と呼ばれる職種です。
経営コンサルタントは会社の経営状況を良くするために何をすべきかをアドバイスし、戦略系コンサルタントは企業戦略や事業戦略を立てて企業のサポートを行います。ITコンサルタントは、その専門知識を企業に提供することで、現状の問題を解決へと導くのが仕事です。
ほかにも、人事コンサルタントや労務コンサルタント、シンクタンク系コンサルタントなど、さまざまなタイプのコンサルタントが存在します。コンサルタントの仕事について興味がある方は、「コンサルタントの仕事」のコラムもあわせてぜひご覧ください。
パートナー
パートナーはコンサルティングのプロジェクト責任者で、「ディレクター」「プリンシパル」「ヴァイスプレジデント」と呼ぶこともある職種です。新規顧客の開拓をしたり、プロジェクトの受注を受けたりと、コンサル企業の顔としてコンサルティングファームの経営に直接携わる、役員クラスの人間といえるでしょう。
パートナーが獲得した案件はコンサルタントやマネージャー、アナリストに振り分けられてプロジェクトを進めていくのが一般的です。
マネージャー
マネージャーは予算やスケジュールを管理し、クライアントとのやり取りを行う職種です。コンサルティングの結果報告のため、会議を開いてクライアントに報告したり、現状の課題を見直すための意見交換を行ったりします。クライアントと密接に関わる、プロジェクトの窓口担当と考えると良いでしょう。
アナリスト
アナリストは、コンサルタントがクライアントの状況を正しく分析するため、情報収集や資料作成を行う職種です。まずはアナリストを経験してからコンサルタントを目指す場合が多く、現場で実績を積んでキャリアアップするのが一般的です。
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コンサル業界の現状と課題
デジタル化の推進や社会情勢の変化の影響で、近年のコンサル業界は大きく成長しています。コンサルティングのニーズも複雑化しているため、コンサル業界の現状と課題について把握していきましょう。
コンサル業界の現状
コンサル業界は、企業成長や社会の課題解決において常に重要な役割をもっています。IT化・DX推進・AIなどの最新技術への対応も必要になるため、今も進化を続けている業界といえるでしょう。
また、コンサル業界の平均年収は高い傾向にあり、コンサルティングという仕事に興味やあこがれをもつ若年層も増加中です。コンサルタントの平均年齢が低いことからも、若者に人気の高い、成長中の業界であると考えられます。
コンサル業界の課題
コンサル業界が求めているものは「優れた人材」です。情報化社会の今、ビッグデータに精通した人やITに特化した人を育てることが、コンサル業界全体の課題となっています。また、グローバル化に対応できるような人材の確保も急務となってくるでしょう。
コンサル業界の将来性
コンサル業界は今もなお成長を続けており、ニーズが高まっているといえます。今後の動向をとらえ、将来性がある業界なのかを確認していきましょう。
コンサル業界の今後の動向
成長を続けるコンサル業界は、今後もさらに複雑化するビジネス環境に対応するため、需要が上がっていくとされています。経営戦略や業務改善に関するサポートを必要としている企業は多く、たとえばDX推進のため最新のIT技術に関する知識・ノウハウなども求められるでしょう。
将来的に、コンサル業界全体の需要が高まっていく可能性は高いです。需要が増え、コンサル業界の市場規模が大きくなれば、業種や分野を専門としたコンサルティングファームも増加すると考えられます。
これからのコンサル会社には、他社との差別化を図り、オリジナルのサービスを展開していくことが必要となってくるでしょう。
コンサル業界のメリット・デメリット
成長中のコンサル業界は、20~30代の若年層にも人気が高い業界です。コンサル業界を目指す前に、以下でコンサル業界のメリット・デメリットを確認していきましょう。
コンサル業界の魅力とやりがい
コンサル業界はさまざまな業界や企業・団体と関わるため、幅広い分野の知識が身につけられる魅力があります。多様な企業の経営陣と話す機会も多く、知見を得られる場面が多いのも魅力といえるでしょう。
年収が高いことも魅力の一つです。厚生労働省の「職業情報提供サイト(jobtag)」によると、経営コンサルタントの平均年収は947.6万円とされています。成果が出ればさらに報酬が上がるため、経験を積んでキャリアアップが目指せるのは大きなやりがいになるでしょう。
参照元
厚生労働省 職業情報提供サイト(jobtag)
経営コンサルタント
コンサル業界の大変なところ
コンサルティング業には幅広い知識とノウハウが必要です。また、クライアントの未来を決定するかもしれないという責任があるため、重大なプレッシャーがかかる仕事でもあります。企業価値を上げるため、常に最新情報を学ぶ姿勢がなければ大変な業界です。一人ひとりの作業量も多く、慣れるまでは激務に追われることもあるため、将来的なキャリアプランが明確になっていない場合は「つらい」と感じる場面も出てくるでしょう。
コンサル業界の志望動機
志望動機を考える際は、専門スキルの高さに加え、仕事に対する責任感の強さとコミュニケーション力の高さ、そして仕事を全うできるだけの精神的・肉体的強さがあることをアピールするのが効果的です。以下に志望動機例を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
コンサル業界に向いている人
まず、コンサル業界に向いている人の3つの特徴を確認していきましょう。
- ・プロ意識のある人
- ・「聞く力」が高い人
- ・知力、精神力、体力のバランスが取れている人
コンサルタントには、クライアント企業に「任せて良かった」と思われるような仕事ぶりが求められます。責任感をもって業務に取り組むのはもちろん、プロとして任された仕事以上のことを成し遂げる必要があるでしょう。「クライアントの運命を背負う仕事」という意識を常にもちながら活躍できる方はコンサル業界に向いているといえます。
また、コンサルタントの仕事は「クライアントがどのようなことに困っているのか」を知ることから始まるともいえるでしょう。相手の話にしっかりと耳を傾けることのできる方や、本音を聞き出すのが上手な方は、クライアントの要望に応える能力が高いと考えられます。
コンサル業界は「クライアントを支える」という責任が重い仕事です。プレッシャーに負けない精神的なタフさや、繁忙期を乗り越えられる体力も身につけていると有利に働きます。知識力に加え、精神力や体力も備わっている方というのは、コンサル業界としてはもちろん、クライアントにとって頼もしい存在となるでしょう。
未経験者の志望動機
コンサル業界未経験者の志望動機の例文は以下のとおりです。
「私は学生時代から「誰かの役に立ちたい」という思いが強く、将来的に誰かのサポートができる仕事を探し、大学在籍中にコンサル業界に興味をもち始めました。
コンサルタントとして働きたいという夢を叶えるため、これまでに中小企業診断士の資格を取得し、現在は社会労務士の資格取得に向け勉強中です。
資格だけではなく、アルバイトでの接客経験から身につけたコミュニケーション力にも自信があります。クライアントの悩みに寄り添って課題を見つけ、企業の成長をしっかりとサポートしていけるようなコンサルタントとして、御社に貢献したいと思っております」
経験者の志望動機
コンサル業界経験者の志望動機の例文は以下のとおりです。
「私は前職でアナリストとして働いており、クライアントのデータ分析や資料作成などを担当しておりました。
前職ではクライアントとの打ち合わせに同行する機会があり、その際に客観的な視点かつ身近な存在として、業務改善の戦略を提案するコンサルタントの仕事に強い関心を抱きました。
私も知識や経験を身につけ、クライアント企業の成長をサポートしたいというキャリアプランを意識するようになり、思い切って転職を試みた次第です。
また、資格取得支援や社員教育に力を入れているとお聞きしたのも、御社を志望した理由の一つです。いち早くスキルを身につけ、クライアントの課題を解決できるコンサルタントとして活躍できるよう精進したいと思っております」
コンサル業界に関するFAQ
ここでは、コンサル業界に関するよくある質問をまとめました。コンサル業界に対する疑問を解消するため、ぜひ参考にしてみてください。
コンサル業界とはどのような業界ですか?
コンサル業界とは、クライアント企業や団体の課題を調査・分析し、その課題を解決するための戦略を提案するコンサルティングファームが属する業界です。
専門知識やノウハウをもったコンサルタントは、経営・人事・会計・マーケティング・ITなど、幅広い分野でクライアントに戦略を提案し、事業開発や業務改善につながるアドバイスやサポートを行います。コンサルティングの詳しい仕事内容については、「コンサルタントの仕事」のコラムで紹介しているためあわせてご覧ください。
コンサル業界にはどういったスキルが求められる?
コンサル業界で働く際、筋道を立てて物事の分析をし、解決策を見出す「論理的思考力」は欠かせません。
ほかにも、コンサル業界は人と接することが多いため、高いコミュニケーション力も必要とされます。コンサル業界で求められるスキルについては、当コラムの「コンサル業界に必要な資格やスキル」でも詳しく解説しているため参考にしてみてください。
コンサル業界に向いている人は?
コンサル業界はクライアントの進退を決める重要な役割です。そのため、プロ意識や傾聴力が高い人は適性があるといえるでしょう。
それ以外にも、知力・精神力・体力のバランスが整っていることも求められます。コンサル業界への転職が不安な人は、ハタラクティブにご相談ください。就職・転職エージェントのハタラクティブなら求人情報の紹介はもちろん、1分程度でできる適職診断から、コンサル業界に適性があるか診断できます。サービスはすべて無料のため、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
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