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大学院卒と学部卒の違いは?就活アドバイザーに詳しく聞いてみました!
更新日
院卒と学部卒で就活にどう違いが出るか知りたい
大学院卒と学部卒では、就活の場でどう違いが出るか知りたいです。まだやりたい仕事や行きたい企業が特に思いつかず、大学院への進学を考えています。しかし、院卒は就活に有利とは限らないとも聞きました。
就活の場において、院卒と学部卒では求められる能力に違いがあります。就職すると、給与や昇進の面でも差が出るでしょう。しかし、就職難易度やキャリアアップを考えると、必ずしも院卒が良いとはいい切れません。
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就活アドバイザーに詳しく聞いてみました!
学部卒で就職するべきか、進学して院卒として就職すべきかお悩みの方は多いのではないでしょうか。学部卒・院卒にはどちらもメリットとデメリットがあります。給与や仕事内容、キャリアアップにも違いがあるので、しっかり把握して検討しましょう。このコラムでは、就職やその後のキャリアなど、両者の違いを就活アドバイザーに詳しく聞いてみました。違いを知り、自分にあった進路やキャリアを考えてみてください。
院卒と学部卒の違いとは?
院卒と学部卒の就職における大きな違いは、企業からの期待値です。院卒は、学部卒に比べて基本給が高く、異動が少ない傾向があります。大学院での経験を活かした、専門性の高い業務や研究に長く取り組むことが期待されているためです。対して、学部卒は専門性よりも入社後の成長性が見込まれています。
給与で見る、院卒と学部卒の違い
院卒と学部卒の就職における違いとして、収入面が挙げられます。
厚生労働省発表の「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」の「第3表 学歴、性、年齢階級別賃金及び年齢階級間賃金格差(3p)」によると、学歴別の賃金(全年齢計)は、下記のとおりです。
大学院卒 | 大学学部卒 | |
---|---|---|
男性 | 465,200円 | 391,900円 |
女性 | 404,300円 | 288,300円 |
男女ともに、院卒のほうが高収入になる傾向があります。同資料の「第9表 新規学卒者の性、学歴別賃金(p10)」によると、学歴・性別の初任給は、下記のとおりです。
大学院卒 | 大学学部卒 | |
---|---|---|
男女計 | 255,600円 | 226,000円 |
男性 | 254,100円 | 227,200円 |
女性 | 260,100円 | 224,600円 |
院卒という時点で、初任給でも数万円の差が生まれています。
しかし、学部卒は2年早く就職しているので、2年分の収入を考えると院卒の方が必ずしも高収入を得られるとはいい切れません。定年まで働いたとしても、院卒のほうが就業期間は短くなるので、退職金が少ない可能性もあるでしょう。就職時点の給料や統計上の生涯年収には違いがあるものの、どちらが良いとは一概にいえません。
キャリアで見る、院卒と学部卒の違い
院卒と学部卒では入社後のキャリアに違いがあります。院卒はその専門性や研究を活かして、1つの部署で専門職として働くことが一般的です。一方、学部卒はさまざまな部署を経験して、管理職へ進むこともあるでしょう。同じ会社であっても異なるキャリアを進むので、比較しにくいのが実情です。
また、昇進は学歴よりも入社後の仕事への取り組みが重視されます。評価は、上司や同僚との関係性によっても変わるでしょう。勤続年数や年功序列を重視する企業なら、早く就職している学部卒のほうが有利なこともあります。昇進するには、学歴問わず入社後の活躍や会社への貢献度が大切です。
待遇で見る、院卒と学部卒の違い
院卒か学部卒かによる、待遇の違いは少ないでしょう。同じ会社に同じ雇用形態で雇われているのであれば、福利厚生や労働環境といった待遇面に違いはありません。学歴問わず、一律の待遇を受けられます。
ただし、部署異動や配置転換の面では、違いが生まれる可能性があるでしょう。冒頭でも述べたとおり、学部卒と院卒には、給与や会社が求める働き方が異なります。院卒が、その経験を活かして研究や開発の仕事に就くのであれば、部署異動を求められることは少ないでしょう。
部署異動の少ない働き方
学部卒の正社員でも、仕事内容や職種、働く地域を限定している場合もあります。「限定正社員という新しい働き方のメリットとデメリット」でも紹介しているように、正社員で転勤のない働き方を選べる企業が増えているようです。こういった制度を活用すれば、学部卒の正社員でも転勤や部署異動が少ないキャリアを進めるでしょう。
就活で求められることで見る、院卒と学部卒の違い
院卒と学部卒では、就活で求められることやアピールすべきことに違いがあるでしょう。
院卒は、大学院で学んだ専門性を活かし、即戦力として活躍することが期待されています。また、専門的な研究をとおして身につけた、ものごとを突き詰めて考える能力を求められるでしょう。
一方で、学部卒には柔軟さや若さが求められることが多いようです。会社は学部卒の人材について、入社後に育てていく人材であると認識しており、成長意欲がある人を評価します。
応募書類や面接では、会社が求めている人物像を意識して、自己アピールをすると良いでしょう。自己アピール方法について知りたい学部卒は、「大学院卒の履歴書の書き方を解説!アピール方法3つも紹介」や「新卒の自己PRはどう書いたらいい?」も参考にしてください。
なお、就活では学歴問わず、人間性やコミュニケーション能力も重視されます。マナーを守り、相手に不快感を与えない立ち居振る舞いをするよう、心掛けましょう。
理系・文系別!就活における院卒と学部卒の違い
令和2年度の学校基本調査の「高等教育機関《報告書掲載集計》専攻分野別 大学院学生数」によると、大学院生の専攻分野の内訳は下記のとおりです。
人数 | 割合 | |
---|---|---|
人文科学、社会科学 | 25,362人 | 15.82% |
理学、工学、農学 | 87,579人 | 54.64% |
保健、商船、家政 | 13,159人 | 8.21% |
教育、芸術 | 10,892人 | 6.79% |
その他 | 23,305人 | 14.54% |
合計 | 160,297人 |
大学院進学者の多くは理系となっています。理系の院卒は、研究や技術職、設計開発など、大学院時代の経験を活かせる分野での就職は有利になる傾向があるでしょう。
一方、文系の場合、法学系以外の分野では、院卒の学歴が就職に有利となることは少ないようです。文系の院卒のなかには、学校に残って研究を進め、教授になるという道を進む人や、公務員や教員を志望する人が多いといえます。社会学系を専攻していた方は、マスコミや広告系の会社なら、研究結果を活かせる可能性があるでしょう。経済学系出身なら、コンサルや金融関係での活躍も期待できます。
参照元
政府統計の総合窓口(e-Stat)
学校基本調査 / 令和2年度 高等教育機関《報告書掲載集計》 卒業後の状況調査 大学院
院卒で正社員就職するメリット・デメリット
ここでは院卒から正社員に就職するメリットやデメリットを紹介します。学部卒との違いにも注目して、自身の進路やキャリアを決める参考にしてください。
院卒で正社員就職するメリット
院卒で正社員として就職するメリットには、以下のようなものが挙げられます。
・初任給や生涯年収が学部卒より高い
・就職で学校推薦を受けやすい
・専門性があるので景気に左右されず就職しやすい
「給与で見る、院卒と学部卒の違い」で紹介したとおり、院卒は学部卒に比べて給与面で優遇される可能性が高いでしょう。学部卒よりも学費が掛かりますが、その分基本給が高く稼ぎやすいと考えられます。専門性の高い院卒では、学校推薦によって就職を決められることもあるでしょう。専門性を買われ、大企業や有名企業に就職できる可能性も高まります。就職のしやすさや就職後の待遇の良さは、学部卒との大きな違いです。
また、大学院での研究は忙しく、社会人の忙しさにも匹敵するでしょう。体力面や精神面でも、社会人として働いていけると評価されることがあります。
院卒で正社員就職するデメリット
院卒で正社員として就職することには、デメリットもあります。学部卒で就職するか、進学するか迷っている人は、デメリットもよく把握しておきましょう。
・就職の倍率が高い
・学部卒より期待値が高くプレッシャーになる
・方向転換しにくい
院卒は高い専門性が評価されますが、学部卒ほど募集枠は多くありません。ライバルも専門性の高い院生ばかりなので、就職の倍率は高くなるでしょう。また、学部卒よりも専門性を活かした活躍が期待されるため、人によってはプレッシャーに感じていまいます。期待値がある分、結果が出ないと辛い思いをすることもあるでしょう。仕事によっては、大学院での研究内容をうまく活かせない可能性もあります。
院卒で就職することは、方向転換がしづらいこともデメリットです。院卒から専攻分野と異なる分野に就職することは、不可能ではありません。しかし、院卒の強みを活かすのは難しいでしょう。学部卒と同様に成長性を見込んだ採用となり、専門的な業務を担当できなかったり、高い給与を得られなかったりする可能性があります。さらに、継続力や忍耐力がないと、マイナス評価をされる可能性もあるでしょう。大学院に進学してから方向転換をする場合には、リスクが伴うことを把握しておいてください。
また、院卒を目指す場合は単純に大学院生生活が忙しくなります。就職活動と研究や勉強を両立させなくてはなりません。大学院の忙しさを理解したうえで、進学を決めるようにしましょう。
学部卒で正社員就職するメリット・デメリット
ここでは、学部卒で就職するメリットやデメリットを紹介します。院卒を検討していた方も、学部卒メリットとデメリットを知り、両者の違いを進路を決める判断材料としてください。
学部卒で正社員就職するメリット
学部卒で就職するメリットは、主に以下の2点です。
・院卒より2年早く働ける
・若さやポテンシャルを求める企業にマッチする
学部卒で就職してしまえば、進学のための学費が嵩む2年間に、お金を稼ぐことができます。社会人としての経験値も、院卒より2年長くなるでしょう。また、学部卒は専門的なスキルや能力よりも、若さや成長性を見込んで採用する企業が多いようです。今後の成長意欲を買ってほしいという人は、学部卒で就活をしたほうが、マッチする企業を見つけやすいでしょう。社会人になってから成長していきたいか、仕事で活かせる専門性を身につけるかが、大きな違いとなります。
学部卒で正社員就職するデメリット
学部卒で就職するデメリットとして、下記のようなことが考えられます。
・専門性が低い
・院卒に比べて学校推薦が少ない
院卒に比べて、学部卒の専門性はそれほど高くありません。院卒とは違い、仕事で専門的なスキルを活かせる機会も少ないでしょう。また、院卒に比べて就職の学校推薦が少ない傾向があります。特に、専門性が重視される理系の場合、学校推薦の有無は就職活動に影響するでしょう。就職活動では自分で応募することも必要になります。
院卒と学部卒のどちらを選ぶべきか迷ったときのポイント
院卒で就職すべきか、学部卒で就職すべきか迷う人は多いでしょう。先述のメリットやデメリット、両者の違いを踏まえて、自分にあった進路を決めることが大切です。ここでは、進学か就職かに迷った場合の選択のポイントを紹介します。
大学院へ行くメリットが多いかどうか
自分にとっての院卒で就職するメリットが、デメリットや学部卒で就職するメリットを上回るなら、進学する価値はあるといえます。前述の院卒で就職するメリット・デメリットや、学部卒で就職するメリット・デメリットは、あくまで一例です。人や環境、専攻分野によって、状況は違います。上記は参考程度に考え、自分にとってのメリットやデメリットを考えてみてください。
また、就職のことだけを考えて判断する必要はありません。本来、大学院に進学する目的は、学問を突き詰めることです。「就職で有利だから」「生涯年収が高くなるから」という理由で進学を決めることはおすすめしません。
学部卒で就職してからスキルや経験を積む方法もある
大学院に進学しなかったからといって、スキルや専門性を極める機会を失うわけではありません。専攻分野によっては、大学院で研究するよりも、学部卒で就職し、実務で学んだほうがスキルが身につくこともあるでしょう。スキルが身につく仕事と、研究をすることの違いを、自分なりに検討してみてください。
また、大学や大学院に年齢制限はありません。専門的に突き詰めたいと思う学問があれば、一度就職してから大学や大学院に再チャレンジすることもできます。現時点で、大学院に行く明確な理由がない人は、就職を選択肢に入れてみても良いでしょう。
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その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
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