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公務員に資格は必要?就職・転職に役立つ種類や勉強方法をご紹介!
更新日
この記事のまとめ
- 公務員になるためには、公務員試験を突破しなければならない
- 公務員試験の受験資格として、年齢制限や欠格条項などがある
- 公務員には教員や看護師、理学療法士などの資格が必要な資格免許職もある
- 公務員を目指すなら英語関係や行政書士、社労士などの資格取得もおすすめ
- 公務員試験と並行して資格取得を目指す方法には、独学や通信講座がある
「公務員に資格は必要?」「取得していれば仕事に役立つの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。公務員のなかには、特別な資格を求められる資格免許職があります。また、資格によっては取得していると面接で有利になる可能性もあるでしょう。
このコラムでは、公務員試験の受験資格や資格免許職について解説します。また、公務員への就職や転職に役立つ資格や勉強法もまとめているので、参考にしてみてください。
公務員になるのに資格は必要?
公務員は、中央省庁や国会など国が運営する機関で働く国家公務員と、役所職員や警察官、消防員、教員といった地方公務員の2つに分けられます。公務員になるためには公務員試験を受験して合格する必要があり、試験に合格して初めて「公務員になるための資格」を認められるというわけです。広い意味では、公務員試験そのものが、一つの資格試験と捉えられるでしょう。
なお、国家公務員試験と地方公務員試験は全く別の試験です。国家公務員試験に合格しても、地方公務員として働くことはできません。地方公務員の場合も同様なので注意しましょう。
一口に「公務員」といっても、そこに含まれる職種は実にさまざまです。特定の資格を保有していて、なおかつ公務員試験に突破した人だけが就ける仕事も多くあります。
国家公務員の試験区分
国家公務員は「立法府」「司法府」「行政府」のそれぞれで採用試験が実施されています。なかでも行政府が管轄する機関が多いため、人事院が行政府の採用試験を取りまとめています。人事院が実施する国家公務員試験は「総合職」「一般職」「専門職」に分けられていますが、地方公務員に比べて難易度は高め。総合職に関しては「院卒者」と「大卒程度」、一般職では「大卒程度」「高卒程度」「社会人」と、学歴による区分も行われています。
地方公務員の試験区分
地方公務員試験は、最終学歴を目安に「高校卒業程度」「短大卒業程度」「大学卒業程度」と分類されているのが特徴です。学歴を問わず受験できますが、試験は最終学歴を目安に分けられているため、それなりの学力が求められます。
大学卒業程度の学力が求められるのが「上級」。都道府県庁や政令指定都市を勤務先とし、将来の幹部候補として採用されます。短大・専門学校卒業程度の学力が求められるのは「中級」。上級に続く中堅職員として活躍し、事務職以外にも技術職や専門資格を持つ仕事があります。高校卒業程度の学力で受験できるのが「初級」で、警察官や消防士といった公安職が主。初級の一般行政職は非常に倍率が高いとされています。
公務員試験の難易度については「公務員試験って難しいの?公務員と民間企業の違いや対策法をご紹介」のコラムで詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
公務員試験の受験資格
公務員試験を受験する際には、いくつかの条件を満たしている必要があります。
以下では、公務員試験の受験資格について解説。目指す職業によっても、求められる条件が異なる場合があるので、ぜひチェックしてみてください。
欠格条項
国家公務員と地方公務員ともに、欠格条項に当てはまると受験資格を得られません。国家公務員法の「第38条」と、地方公務員法の「第16条」によると、共通する欠格条項には以下が挙げられます。
- ・禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者
- ・懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者
- ・日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者
上記以外にも定められている欠格条項があるため、公務員を目指している方は事前に確認することをおすすめします。
年齢
公務員試験には、年齢制限がかけられています。年齢の上限は試験の種類や職種、地方ごとに異なり、30歳前後を上限としている試験もあれば、59歳までを上限にしている試験もあります。
公務員を目指す方は、自分が受験する試験や地域の年齢制限をチェックしておきましょう。年齢制限は緩和される場合もあるので、最新情報をチェックするようにしてください。
学歴
公務員試験で定められている「高卒程度」「大卒程度」は、試験の難易度の目安であり、学歴条件を満たしていなければならないという意味ではありません。しかし、目指す職業によっては受験資格として大卒以上の学歴が求められる場合もあります。
公務員と学歴の関係については、「公務員になるのに学歴は必要?給料は異なる?試験対策のポイントもご紹介」のコラムをご一読ください。
資格
公務員のなかには、専門的な資格を取得していなければならない職種も存在します。たとえば、教師や看護師、司書などが挙げられるでしょう。
公務員で専門的な職種を目指す際には、専門資格を取得後に公務員試験を受験するのが一般的です。まずは自分の目指す職種の受験資格をチェックしてみてください。
身体的な条件
警察官や消防士などを目指す場合、身体的な条件を満たす必要があります。身長や体重、視力が一定の基準を満たしていなければならず、体力的な面も合否に影響するようです。そのため、警察官や消防士などを目指す場合の公務員試験では、筆記試験だけでなく体力試験も受験します。体力試験では、握力や反復横跳び、上体起こしなど複数の科目に挑戦し、合計点数で合格ラインを目指す必要があるでしょう。
フリーターから公務員は目指せる?
公務員試験には一部を除いて学歴制限がなく、一般枠であれば経歴も必要ありません。そのため、フリーターの方も年齢の条件を満たしたうえで試験に合格すれば、公務員になることは可能です。フリーターからの公務員転職を目指す方には「フリーターから公務員になれる?注意点や公務員試験について解説」のコラムがおすすめです。ぜひ参考にしてみてください。公務員に資格は役立つ?
公務員のなかでも、特定の資格がなければ従事できない職種のことを、「資格免許職」といいます。「資格免許職」を目指す場合、資格を保有している、もしくは資格取得の見込みがある人のみが受験対象となるので注意しましょう。資格取得の見込みがあり、採用試験に合格した場合でも、実際に資格を取得できなければ、採用は取り消しになります。
また、多くの資格免許職では、「短大卒」や「大卒」など、一定以上の学歴が必要です。学歴や年齢に関する制限は、自治体や資格試験によって異なるため、事前に必ず確認しておきましょう。
資格免許職の具体例は、以下のとおりです。
- ・幼稚園教諭、保育士
- ・看護師
- ・薬剤師
- ・管理栄養士、栄養士、学校栄養士
- ・教員
- ・司書
- ・学芸員
- ・助産師
- ・臨床検査技師
- ・作業療法士
- ・理学療法士
- ・精神保健福祉士
上記の資格を持っている人が専門職として公立の機関で働くためには、公務員試験を受ける必要があります。試験日は自治体によって異なりますが、大卒者は6月ごろ、短大卒者は9月ごろに実施することが多いようです。一般の公務員試験とは日程や内容が違うため注意しましょう。
公立小中学校の学校事務も地方公務員
上記の職種以外では、公立の小中学校の学校事務職員も地方公務員です。そのため、公立学校の事務職員になるには、地方公務員採用試験に合格する必要があります。「学校事務とは?仕事内容や働くメリット、向いている人の特徴などを解説」では、学校事務職員の主な仕事内容や平均給与、やりがいなどを解説しているので、あわせてチェックしてみてください。資格が公務員のキャリアアップにつながることも
公務員になると、部署異動を経験する場合があります。自分の志望する部署で活かせる資格を所持していることで、希望の職種や部署への異動を叶えたり、キャリアアップにつながったりする可能性もあるでしょう。
公務員の就職・転職に役立つおすすめの資格
公務員試験は、筆記試験の成績と面接選考で合格者が決定されます。そのため、資格免許職以外の公務員試験において、資格の有無が選考に直接影響することはないといえるでしょう。しかし、実務で役立つ資格を取得していれば、面接官に良い印象を与えられます。また、資格取得のために学んでいたことが公務員試験で出題される可能性もあるでしょう。
以下では、公務員を目指す際に役立つ資格をご紹介します。
公務員の就職・転職に役立つおすすめの資格
マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)
マイクロソフトオフィススペシャリストとは、Excel・Word・PowerPointなどの、マイクロオフィス製品に関する知識とスキルを証明するための資格です。一般的にはMOSと呼ばれることもあります。特に事務職を志望している場合、ExcelやWordを使用する場面が多いため、MOSを活かして働けるでしょう。
ITパスポート
ITパスポートとは、ITについての基礎知識を証明する資格です。基礎知識を学べるため、IT系のより難易度の高い資格を目指す際の土台作りができる資格ともいわれています。「IT系の難易度の高い資格に挑戦したい」「IT系のキャリアを積んでいきたい」という方は、最初にITパスポートの勉強を始めるのも一つの手です。
基本情報技術者
基本情報技術者とは、情報処理技術に関する知識やスキルを証明する資格です。プログラマーやエンジニアを目指す方や業務を始めたばかりの方が取得する資格として知られています。基本情報技術者の資格はITパスポートよりも難易度が高く、プログラミングの知識も求められます。
英語関係(TOEFL・TOEIC・英検)
国際化の影響で、公務員の仕事にも英語力が必要とされる場面が増えてきています。公務員試験の教養科目では、一般知識程度の英語のテストが実施されますが、職種によってはそれ以上の英語力を求められるでしょう。特に国家公務員総合職においては、英語関係の優れた結果が加点対象になる可能性も。取得しておいて損はない資格だといえます。
簿記(2級以上)
簿記は資格のなかでは比較的取りやすいものですが、2級以上であれば面接でもアピールできるでしょう。簿記の勉強は、公務員試験の会計学でも役立ちます。公務員試験と並行して資格取得を目指す方におすすめです。
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーは、家計にまつわるさまざまなお金に関する専門家です。必要な知識を備え、各家計の状況を踏まえたうえで、アドバイスできます。公務員の仕事のなかには、社会保険や税金について正しい知識を求められたり、住民に対して適切なアドバイスをしたりする場合も。ファイナンシャルプランナーの資格を取得しておけば、こうした窓口業務もスムーズに進めていけるでしょう。
宅地建物取引士
宅地建物取引士とは、宅地や建物の売買、貸し借りに関する業務を行う仕事です。宅地建物取引士資格試験に合格する必要があります。建築や不動産に関する部署を志望している方におすすめの資格です。
中小企業診断士
中小企業の経営についてあらゆる知識を身に付け、適切なアドバイスができる中小企業診断士。公務員として中小企業と関わる機会が多い場合、大いに役立ってくれるでしょう。ただし、中小企業診断士の資格試験は難易度が高く、突破するのは難しいといわれています。本気で取得を目指すのであれば、しっかりとスケジュールを立てて、計画的に学習を進めていく必要があるでしょう。
社会保険労務士
社会保険労務士は、労働や社会保険の専門家です。社会保険労務士の資格取得で得た知識は、国民健康保険や年金に関する部署で活かせます。資格で得た知識を公務員の業務で活かして働きたい方におすすめの資格といえるでしょう。
社会労務士
社会労務士は、労働関連や社会保険法令に基づいた書類の作成、届け出などを行う仕事です。公務員の業務では、社会保険から国民健康保険への切り替えなどが関わるでしょう。社会労務士の試験は、学歴・実務経験・指定されている国家資格のいずれかで受験資格を満たしている必要があります。
行政書士
行政書士は、顧客から依頼を受け、官公署に提出する書類の作成、申請などを代理で行う仕事です。会社設立手続きや自動車関連の手続き、内容証明郵便などさまざまな手続きに関わるため、幅広い知識が身につきます。公務員の窓口業務にも役立つでしょう。公務員試験で必要な学習分野と重なる部分もあるので、勉強の負担も軽減できます。
司法書士
司法書士は、裁判所や法務局に提出する書類の作成を行います。司法書士を目指す場合、司法書士試験に合格するのが一般的です。難易度のかなり高い資格として知られているため、合格することでキャリアアップにつながる可能性も高いでしょう。
公務員に資格手当はない
公務員には資格手当がありません。そのため、資格を取得してもすぐに給与に反映されるわけではないことを念頭に置く必要があります。長い目で見たときに、自分のキャリアに役立つ資格を取得するのがおすすめです。公務員を目指しながら資格の勉強をする方法
公務員を目指しながら資格の勉強を進める際は、公務員試験の対策にも時間を割く必要があるため、効率良く進める必要があります。
以下では、公務員試験と並行して資格取得を目指す方法をご紹介。自分の状況に合わせて勉強方法を選ぶ際の参考にしてみてください。
公務員を目指しながら資格の勉強をする方法
- 通信講座
- 独学
- 予備校や資格スクール
通信講座
公務員を目指しながら資格の勉強をする方法として、通信講座を利用することが挙げられます。通信講座を利用するメリットは、費用を抑えつつ体系的に専門知識を学べる点です。自宅で学べるので、「スクールに通うのは難しいけど一人で進めるのも不安…」とお悩みの方におすすめの勉強方法といえます。
ただし、共通の目標を持つ人が身近にいない場合にはモチベーションが保ちにくかったり、自宅学習では集中しにくかったりするなどのデメリットもあります。
独学
独学で資格取得を目指す方法もあります。独学のメリットは、自分のライフスタイルに合わせて自由に勉強時間を確保できる点です。時間帯を選ばず取り組めるので、忙しくてまとまった勉強時間を取るのが難しい方におすすめの方法といえるでしょう。
一方で、モチベーションを保ちにくかったり、分からない点をほかの人に質問する機会がなかったりするというデメリットもあります。
予備校や資格スクール
予備校や資格スクールに通って、資格取得を目指すのも一つの方法といえます。予備校やスクールでは、同じ資格取得を目指す人が身近にいることや、講師に直接質問できる点がメリットといえるでしょう。一人で進める必要がないのでモチベーションを保ちやすく、効率的に勉強できます。
しかし、時間や費用面での負担も少なくないため、公務員試験のためにすでに予備校に通っている場合、資格取得のためにさらに予備校に通うのが難しいと感じることもあるでしょう。
公務員試験と就活を並行する場合に資格取得は有利
公務員になるためには、最低でも公務員試験を突破しなければいけません。試験に合格できなければ、就職先を見つけられない可能性もあります。こうしたリスクを避けるため、公務員試験対策と一般の就活を並行して進めていく人もいます。
就活と公務員試験の両立を成功させるコツは、双方の負担をできるだけ軽減させることです。たとえば、公務員の仕事と関連がある民間企業を志望すれば、業界研究や自己分析に掛かる時間や手間を省きやすくなるでしょう。公務員試験前に資格を取っておけば、一般の就活においてもアピールポイントとして活用できます。自分が目指す職種にマッチした資格を選び、計画的な取得を目指してみてください。公務員試験を受験するためには、最低でも1年程度は勉強に時間を割く必要があるといわれています。できるだけ早い時期に資格を取得し、試験勉強の時間を確保しましょう。
「資格を活かして働きたい」「公務員試験と並行して一般の就活も進めたい」という方は、エージェントに相談してみるのもおすすめです。有利になる資格や、公務員試験と就活を両立するためのコツについても、アドバイスしてもらえるでしょう。
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公務員の資格取得に関するQ&A
ここでは、公務員の資格取得に関するよくある質問にQ&A形式でお答えしています。公務員を目指している方はぜひチェックしてみてください。
地方公務員を目指す大学生におすすめの資格は?
地方公務員といっても、目指す職種によっておすすめの資格は異なります。たとえば、事務職を志望しているなら、マイクロソフトオフィススペシャリストや簿記などが役立つでしょう。自分の志望する職種で役立つ資格を見極めることが大切です。
このコラムの「公務員の就職・転職に役立つおすすめの資格」では、公務員に役立つ資格をご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
公務員は資格を取得する意味がないって本当?
資格取得が公務員でのキャリアアップに役立つ場合も多いでしょう。ただし、公務員には資格手当がないため、すぐに給与に反映されるわけではありません。資格取得後のキャリアを考慮したうえで、どの資格に挑戦するかを決定するのが望ましいでしょう。
公務員に資格が役立つかについての詳しい情報は、このコラムの「公務員に資格は役立つ?」をご一読ください。
高卒から公務員を目指せますか?
目指せます。ただし、公務員試験には年齢制限があることや、目指す職種によっては学歴が求められる点に注意しましょう。高卒から公務員を目指す際のポイントは、「高卒で公務員試験を受けるには?年齢制限がある?注意したい事柄も紹介」のコラムでご紹介しているので、あわせてご覧ください。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。