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玩具業界とは

玩具業界は「製造企業」「メーカー」「小売店」といった、おもちゃの企画開発や製造、販売を担う企業の総称です。主に「おもちゃ分野」と「家庭用ゲーム分野」の2つに分かれており、子どもだけでなく大人向けの商品も売上を伸ばしています。

また、消費者層が幅広いため、玩具業界には他業種が多く参入しているのも特徴的です。たとえば、知育玩具や乳幼児用おもちゃといったジャンルでは、文具メーカーや出版社といった企業が手がけていることもあります。さらに日本のおもちゃは海外でも高く評価されており、海外市場の開拓も活発に行われているようです。
このコラムでは、玩具業界の代表的な仕事や玩具業界の現状などについて紹介していくので、ぜひ参考にしてください。

玩具業界を形づくる主な仕組み

玩具業界の主な仕組みとしては、以下のとおりです。

1.「メーカー」が「製造会社」から原材料を仕入れて玩具を作る
2.作った玩具を「メーカー」が「小売店」に販売する
3.「小売店」が「消費者」に玩具を販売する

現具業界では、上記のような流れで玩具が製作されて、消費者のもとへ届いています。また、商品が消費者の手元に届くまで、「メーカー」だけでなく、「製造会社」や「小売店」などさまざまな業種が関わっているのも玩具業界の特徴です。

代表的な仕事

玩具業界の主な業種には「製造企業」「小売店」「メーカー」の3つがあります。以下、それぞれの特徴を見ていきましょう。

玩具製造企業

玩具製造企業は原材料をもとに製品の技術開発や設計、製造を行う企業です。玩具メーカーから依頼を受けて企画書に基づきおもちゃの開発を行うのが主な事業ですが、玩具製造企業が自社で企画から手がける場合もあります。

玩具メーカー

玩具メーカーとは、主におもちゃの企画開発やデザインを手がける企業を指します。メーカー企業は、大きく分けておもちゃ分野と家庭用ゲーム分野に分かれるのが特徴です。玩具メーカーについては、「玩具メーカー」で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

小売店

小売店はメーカーから仕入れたおもちゃを消費者に販売します。小売店のバイヤーは各メーカーの営業担当者と商談を行いつつ、どのようなおもちゃを仕入れるのかを検討します。また、メーカー側と相談しながら、より商品が売れるための売り場づくりをしているようです。小売店の仕事については、「小売業界の仕事」もぜひご参照ください。

玩具業界は大きく2つの分野に分けられる

前述したように、玩具業界は「おもちゃの分野」と「家庭用ゲームの分野」の大きく2つに分けられています。それぞれの分野について以下で詳しく説明するので見てみましょう。

おもちゃの分野

玩具業界における「おもちゃの分野」では、主にキャラクターや人形のグッズなど、テレビやパソコンに接続しないで遊べる玩具を生産・販売しています。おもちゃの分野は、その時々のテレビや映画、トレンドなどに影響されやすく、業績も大きく変わるのが特徴です。

家庭用ゲームの分野

玩具業界における「家庭用ゲームの分野」は、大きく2種類に分かれています。具体的には、テレビやパソコンなどに接続して遊ぶ「据え置き型ゲーム機」、充電式の持ち運びができる「携帯式ゲーム機」などが挙げられるでしょう。また、「据え置き型ゲーム機」「携帯式ゲーム機」のなかにも、さまざまなゲームの種類があるのが特徴です。

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玩具業界に関連する業界

玩具業界自体が幅広い消費者層を持つため、関連業界も広範囲にわたっているのが特徴です。以下、玩具業界の主な関連業界をご紹介します。

家電業界

家電業界は玩具業界と密接な関係を持っています。近年、家電量販店では家庭用ゲーム機や電子玩具だけでなく、そのほかのおもちゃも幅広く取り扱っているのが特徴。家電業界は、おもちゃの主要販路として、重要な役割を担っているといえるでしょう。

アミューズメント業界

アミューズメント業界も玩具業界と関わりが深い業界です。クレーンゲームの景品やテーマパークのキャラクターグッズなど、おもちゃを取り扱う機会が多いうえに消費者層が重なっている特徴があります。そのため、アミューズメント業界はおもちゃの売上を伸ばすのには欠かせない業界といえるでしょう。

エンターテインメント業界

アニメ制作会社などが含まれるエンターテインメント業界も、玩具業界に大きな影響を与える業界です。幼児・子ども向けアニメのおもちゃは玩具業界にとっても主力商品であり、売上を大きく左右することも。そのため、エンターテインメント業界との連携は玩具業界にとって重要といえるでしょう。

製造業界

おもちゃの製造に関わることから、製造業界も玩具業界と関わりの深い業界です。メーカーの発注を受けておもちゃを大量生産するだけでなく、協力して仕様開発を行うこともあります。玩具業界にとって製造業界は、業務を進めるうえで不可欠な存在といえるでしょう。

教育業界

教育業界も玩具業界と関わりがあります。知育玩具などのおもちゃを通じて、幼児や子どもの発達を促す側面があるからです。また、メーカーが教育業界の企業とコラボレーションをしたうえで商品を生み出すこともあります。

生活用品業界

生活用品業界の企業が玩具業界に参入していたり、生活用品店でおもちゃを販売していたりすることから、生活用品業界も玩具業界と密接な関係があるといえます。生活用品業界の企業がその技術を活かしておもちゃを開発したり、出版社が自社の本のキャラクターのおもちゃを制作したりと、多くの企業が玩具業界に進出しているのが特徴的です。

ゲーム業界

玩具業界の開発する家庭用ゲーム機は、ゲーム業界の企業の開発したソフトを使用して遊ぶことが多い傾向にあるため、ゲーム業界は玩具業界と同じようなカテゴリーの業界といえるでしょう。ゲームを制作する企業にとって、家庭用ゲーム機を扱う企業の動向は非常に重要であるといえます。

ゲーム業界について興味がある方は「ゲーム業界の仕事」のコラムもあわせてご覧ください。

玩具業界に必要な資格やスキル

玩具業界では、売れる商品のアイディアを生み出せる「発想力」や「企画力」が重要視されるため、業界全体で必要な資格やスキルといったものは特にないようです。しかし、開発部門など専門技術が必要な部署で働く場合には、専門知識やスキルが役に立つでしょう。
ここでは、玩具業界で働く際に活かせる資格やスキル、おもちゃの関連資格について解説します。

玩具業界で活かせる資格

玩具業界の仕事で活かせる資格には、以下のようなものが挙げられます。

  • ・CAD利用技術者試験
    ・EMC設計技術者資格
    ・情報処理技術者試験

「CAD利用技術者試験」は、一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催する試験で、いろいろなものの図面をコンピュータ上で設計できるスキルを証明する試験です。「EMC設計技術者資格」は、主に電磁波の影響を受けない機器に関する専門知識を身に付けた技術者であることを証明します。「情報処理技術者試験」は、情報処理技術者としての知識や技能が一定以上の水準であることを認定する国家試験です。

上記の資格は、主におもちゃの電子回路設計を行う際に持っていれば技術の証明になります。しかし、おもちゃの技術開発で電子回路設計エンジニアとして働くには、資格の有無より知識や経験が重視される傾向があるようです。玩具業界では、高度な専門分野であっても資格の有無は問わない場合が多いといえるでしょう。

おもちゃに関する資格

おもちゃに関する資格には、以下のようなものがあります。

  • ・知育玩具インストラクター
    ・おもちゃコンサルタント

「知育玩具インストラクター」は一般社団法人日本知育玩具協会、「おもちゃコンサルタント」は認定NPO法人芸術と遊び創造協会が認定する民間資格です。これらの資格は、おもちゃを利用した子どもの発達促進や高齢者のリハビリなどを主な目的としているため、保育関係や介護関係者の取得が多いといわれています。

玩具業界の具体的な職種

おもちゃを市場に送り出すには、企画から販売まで多様な職種の人々が関わっています。ここでは、玩具業界として特徴のある職種を見ていきましょう。

企画

玩具業界の企画職は、市場調査を行い、「世間で何が流行しているか」や「どのようなおもちゃが売れそうか」といった情報を分析したうえで導いたコンセプトをもとにおもちゃの企画を出すのが主な仕事です。その際、自社の技術開発部門や取引先の玩具製造企業と製品化までの流れを細かく相談しながら、その企画に実現性があるかどうかを検討します。製品の詳細が決まれば、実際の技術開発やおもちゃの設計に移るのが一般的な流れです。

営業

メーカーの営業担当者は、製品を小売店で販売してもらうために企業の担当バイヤーと商談を行います。また、営業担当は小売店と一緒に商品が売れるための売り場づくりにも取り組む場合があるようです。商品の知識をもとに、小売店へアドバイスを行うこともあります。

設計・デザイン

玩具業界における設計・デザインの仕事では、生産コストを考慮に入れたうえで、企画を実現するために製品デザインや仕組みを検討します。大量生産することを考えて、試作と検証を繰り返しながら製品を設計するのが主な仕事です。また、玩具は、子どもが使用するケースが多い傾向にあるため、事故に繋がらないよう、形状や機能に注意して作る必要もあります。

生産管理

生産管理職は、玩具の生産工場と相談しながら大量生産のための金型を発注したり生産のための準備を行ったりするのが主な業務です。生産中は工場のサンプルチェックや進捗確認などを行い、コスト削減や品質維持・向上を目指します。

マーケティング

マーケティング職は、販促活動としてテレビコマーシャルやカタログといったものの制作を行います。また、商品の周知のため、他企業とのコラボレーションなども行われるようです。近年では、テレビコマーシャルやカタログの宣伝だけでなく、動画配信サイトやインフルエンサーを起用したSNSでの宣伝なども行われており、マーケティングの幅も広がっています。

マーケティングの詳しい仕事内容については「マーケティングの仕事」のコラムを参考にしてください。

物流

玩具業界における物流の仕事では、製品が発売日までに小売店の店頭に並ぶよう、配送の手配や管理を行います。また近年では、実店舗での購入だけでなく、インターネット通販が拡大したことにより、物流の仕事はさらに需要が高まると考えられるでしょう。

販売

販売職は、主に商品が消費者に売れるような売り場づくりや接客を行います。店舗の目立つところや子どもの目線を意識したところに商品を配置するなど、細かい工夫が求められるようです。

玩具業界の現状と課題

近年では、家庭用ゲーム機やスマートフォンで遊べるゲームなどが台頭してきていることから、キャラクターの人形やグッズなどのアナログなおもちゃは、やや低迷傾向にあるようです。また、少子化の影響もあり、玩具業界は厳しい局面を迎えているともいえるでしょう。
しかし、玩具業界では、子ども向け商品だけでなく大人向けの玩具を発売したり、ターゲットを国内だけでなく海外の子どもたちに展開したりといった動きもあるため、今後新たな成長を見せる可能性も考えられます。

玩具業界の現状

少子化により、玩具業界の将来は厳しいといわれる半面、一般社団法人日本玩具協会の「2022年度玩具市場規模調査結果データ」によると、おもちゃ全体のニーズは増えており、玩具業界の現状は好調であるといえるでしょう。しかし、少子化により市場環境は未だ厳しいことから、大人向けや2世代で遊べる商品の開発・販路の拡大に力を入れているといわれています。
たとえば、昔流行っていたマンガやアニメのキャラクターを用いた商品を発売することで、懐かしさだけでなく、子どものころには買えなかったおもちゃを自由に買えるという気持ちから、大人もおもちゃを購入する動きが見られるようです。また、現在はSNSを使用した販促活動が盛んに行われている傾向があります。

玩具業界の課題

玩具業界の深刻な課題として、少子化が挙げられます。総務省統計局の「全国 I‐2 こどもの割合は11.5%、49年連続の低下」によると、15歳未満の子どもの割合は49年連続で低下しているため、子どもをメインターゲットにしたおもちゃは徐々に販売数が伸び悩んでいくと予想されます。よって、今後はこれまで以上に大人を消費者層に取り込んでいくことが玩具業界の課題といえるでしょう。
参照元
一般社団法人日本玩具協会
玩具市場規模データ
総務省統計局
我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで- (「人口推計」から)

玩具業界の市場規模

玩具業界の市場規模は、2006年から2013年までやや伸び悩んでいたものの、その後は順調に伸び続けていることから拡大傾向にあるといえるでしょう。一般社団法人日本玩具協会の「2022年度玩具市場規模調査結果データ」によると、2022年度の国内における玩具の市場規模は9,525億円。この値は、2001年以来で過去最高記録となります。玩具の主要13品目についての前年度との市場規模の比較は以下のとおりです。
※市場規模の値:億単位未満は切り捨て

分類2021年度2022年度
ゲーム181億円180億円
カードゲーム、トレーディングカード1,776億円2,348億円
ジグソーパズル146億円129億円
ハイテク系トレンドトイ90億円105億円
キャラクター687億円628億円
のりもの玩具479億円502億円
ドール、ままごと380億円352億円
ぬいぐるみ283億円320億円
知育・教育1,714億円1,774億円
季節商品496億円498億円
雑貨1,049億円907億円
ホビー1,533億円1,668億円
その他107億円107億円
合計8,926億円9,525億円

引用:一般社団法人日本玩具協会「2022年度国内玩具市場規模

玩具の分類によっては売上が下がっているものもありますが、売上の合計金額を見ると約600億円伸びていることが分かります。
参照元
一般社団法人日本玩具協会
玩具市場規模データ

玩具商品は多様化している

前述したように、玩具商品は大人を対象にした商品やプログラミングを学べる商品など多様化しています。商品の多様化により、玩具業界は新たな事業展開が期待されるでしょう。商品の多様化について以下で詳しく解説します。

大人を対象にした商品の開発

少子高齢化で、子ども向け商品の売上が懸念されるなか、玩具業界は大人を対象にした商品の開発に力を入れています。特に、今の大人が子どものころに遊んでいた商品をリニューアルしたり、復刻版のゲームが発売されたりするなど、懐かしさを感じさせるような玩具が開発されました。

また、近年ではカプセルトイが大人の間で人気になっており、価格帯も従来の100円から300〜400円ほどに値上がりして、中身のおもちゃのクオリティを上げるなど工夫がされています。このように玩具業界は、今まであった商品をさらに改良し、子どもだけでなく、どの世代も楽しめる商品の開発に力を入れ、売上を伸ばしているといえるでしょう。

プログラミングを学べる商品の販売

2020年からプログラミング教育が必修化されたことにより、玩具業界ではプログラミングを学べる商品の販売が増えました。プログラミングが学べる商品としては、幼児や小学校低学年からできる簡単なものから、中学生向けのものまであるようです。このような知育玩具は、楽しみながら学べるため、プログラミング教育が必修となった現在、更なる人気を高めていくと考えられます。

国内にとどまらず海外でも展開している

日本の玩具は、国内だけでなく海外にも展開されているようです。また、日本の玩具は外国で人気が高い傾向に。その理由や海外でのターゲット層について、以下で詳しく解説するので見てみましょう。

海外で日本のおもちゃは人気が高い傾向

海外では、日本のおもちゃは人気が高い傾向にあります。海外に比べて日本はアニメやマンガの種類が多く、外国人から人気があるようです。そのため、特にアニメやマンガのキャラクターのグッズやフィギュアなどが人気を集め、売上が伸びていると考えられるでしょう。

ターゲットを世界中の子どもたちへと拡大

玩具業界では、日本の子どもたちだけでなく、海外の子どもたちへとターゲットを拡大しています。
日本は少子化の影響でおもちゃを買う子どもたちが減少傾向にあるため、売上を減らさないよう販路を広げているようです。また、前述したように、日本のアニメやマンガは海外で人気なことから、海外で商品を展開すれば成功する可能性が高い点も、ターゲットを世界中の子どもたちへと拡大している理由の一つと考えられるでしょう。

玩具業界の将来性

玩具業界は少子化への対策という大きな課題はあるものの、消費者層の拡大や海外市場の開拓など、各社とも果敢に挑戦しているのが特徴です。そのため、未だビジネスチャンスの残っている将来性のある業界といえるでしょう。

玩具業界の今後の動向と成長戦略

先述したように、今後は消費者層の拡大と海外市場の開拓をメインに進めていくと予想されるでしょう。また、現在は家電量販店でのおもちゃの取扱いが増えたことから、おもちゃ専門の小売店が減少傾向にあります。販路の維持や拡大が重要な玩具業界にとって、おもちゃ専門店の減少に対して対策を取っていく必要もあるでしょう。

玩具業界のメリット・デメリット

玩具業界には、多くの人を楽しませられるといったメリットがある一方で、売上が安定しづらいというデメリットも。ここでは、玩具業界の魅力ややりがい、大変なところをご紹介します。

玩具業界の魅力とやりがい

玩具業界の魅力とやりがいには、多くの人を楽しませられる点や社会に対する影響力が大きい点などが挙げられるでしょう。以下、それぞれ解説します。

多くの人を楽しませられる

魅力的なおもちゃを世に送り出すことによって、多くの人に楽しい時間を提供することが玩具業界で働く魅力といえるでしょう。また、おもちゃが企画から製品化されて店頭に並ぶまでには、多くの時間やコスト、人々の努力といったものが注ぎ込まれています。そのため、無事発売を迎えたときには大きな達成感を感じられる点もやりがいに通じているようです。

社会に対する影響力が大きい

おもちゃの発売を通じて社会に対し、大きな影響を与えられる点も玩具業界の魅力です。おもちゃは世相やトレンドを反映しているだけでなく、その発売によって世の中に大きな影響を与えることも。ヒット商品となると社会現象になることも珍しくなく、自分たちの開発したおもちゃが社会に大きな影響をもたらすことに充実感ややりがいを感じる人もいるようです。

玩具業界の大変なところ

人に夢を与え、華やかなイメージもある玩具業界ですが、「業績が安定しない」「次々と新しい企画を生み出さなくてはならない」といった大変な側面もあります。以下、玩具業界の大変なところについて解説します。

業績が安定しない

玩具業界は直接世相や景気の影響を受けるため、年によって売上が大きく異なる場合があるのが大変なところといえるでしょう。ヒット商品がある年は莫大な売上となりますが、そうでない年はかなり売上が落ち込むこともあり、業績が不安定になりやすいという特徴があります。

常に新しい企画を生み出す必要がある

消費者の興味を引くような新しい企画を常に生み出す必要がある点も、玩具業界に勤めるうえで大変なところといえます。消費者の関心を惹けて新商品の発売直後は売れ行きが好調だったとしても、その売上や人気を維持するのは難しいもの。莫大な売上があったおもちゃが突然売れなくなることも珍しくありません。よって、消費者のニーズを的確に捉えたうえで、常に注目を集められるよう、新しい企画を生み出すことが求められるでしょう。

玩具業界に向いている人

玩具業界では、発想力や共感力、コミュニケーション能力を持つ人が歓迎されるでしょう。以下、それぞれ解説します。

発想力と共感力のある人

玩具業界には、アイディアを生み出す発想力のある人が向いているといえます。実際におもちゃで遊ぶ消費者の立場になって「どうすれば面白いか」を考えられる共感力も必要です。また、「ターゲットによって刺さりやすいおもちゃは何か」を考え、商品の提案につなげられる発想の柔軟性も重要となるでしょう。

コミュニケーション能力のある人

玩具業界では、コミュニケーション能力のある人も求められる傾向があるようです。おもちゃが消費者に届くまでには、多様な職種の人が関わりあっています。また、チームや企業一丸となってプロジェクトに取り組むこともあるため、業務をスムーズに進めるためにコミュニケーション能力は必須ともいえるでしょう。

好奇心や学習意欲のある人

玩具業界には、好奇心のある人も向いている可能性があるでしょう。なぜなら、おもちゃの売上は世相やトレンドに大きく影響されるため、現在のトレンドを敏感にキャッチしようとする好奇心が求められるからです。また、キャラクター関連商品ではキャラクターのプロフィールや、元となったアニメやゲームの知識を取り入れる必要もあります。よって、知らないことを積極的に学ぼうとする学習意欲もあると良いでしょう。

玩具業界の面接突破を目指す際の就活ポイント

玩具業界の面接突破を目指すには、「企業の扱っている商品や売上をチェックする」「面接で聞かれそうな質問への回答を準備しておく」などのポイントがあります。
以下で詳しく就活ポイントについて解説するので、参考にしてください。

企業の扱っている商品や売上をチェックする

玩具業界での就職を目指している人は、応募企業が扱っている商品や売上についてチェックしておくことが重要です。同じ業界でも、企業によって扱っている商品や企業の強みは異なるもの。他社との違いや企業の今後の方針などを理解するために、事前に確認しておくことをおすすめします。
また、面接で「なぜほかの企業ではなく弊社に決めたの?」と質問をされたときにも説得力のある理由を答えやすくなるでしょう。さらに応募企業について理解を深めておくと、企業についてよく調べている点を評価されやすい可能性もあります。

面接で聞かれそうな質問への回答を準備しておく

玩具業界の面接突破を目指すには、面接で聞かれそうな質問への回答を準備しておくと良いでしょう。事前に聞かれそうな質問を予測して回答を準備しておけば、本番でスムーズに答えられる可能性が高いからです。
玩具業界の面接では、「玩具業界に入ってどのような仕事をしたいのか」や「玩具業界に興味を持った理由は何か」「なぜ玩具業界で働きたいのか」を質問されることが多い傾向にあります。そのため、これらのような質問に対する事前準備をしておくと、本番で焦って上手く伝えられなかったという状況を避けられるでしょう。

玩具業界で活かせる自己PRの基本的な書き方

ここでは、玩具業界で活かせる自己PRの基本的な書き方について紹介します。玩具業界の選考を今から受けようとしている人は、以下のポイントを押さえ、自己PRを書く際の参考にしてください。

1.結論から書く

自己PRを書く際は、まず結論から書きましょう。結論から書くことで、応募者が何を伝えたいのかが、読み手に分かりやすくなります。たとえば、コミュニケーション能力に自信がある人は、「私の強みはコミュニケーション能力です」と記載したうえで理由を書くと、話の要点がより伝わりやすくなるのでおすすめです。

2.エピソードを交えて書く

最初に自分の強みを伝えたら、次はエピソードを交えながら理由を伝えます。強みの理由はエピソード形式で伝えると効果的です。内容の具体性や説得力が増し、採用担当者の理解を得やすくなるでしょう。

3.行動の結果や経験に基づいた学びを書く

エピソードの次は、自分がとった行動の結果や経験を通して何を学んだのかを書きます。ただ自分が行った行動や結果を伝えるのではなく、「何を学んだのか」もあわせて伝えると課題解決力をアピールできるでしょう。

4.仕事でどう活かせるかを書く

最後は、自身の強みを仕事でどう活かせるかを伝えましょう。企業は、会社に貢献できる要素をもつ求職者を採用したいと考えています。採用担当者が入社後の姿を想像できるよう、「自分の強みを仕事でどう活かせるのか」を具体的に示せると採用されやすくなるでしょう。

玩具業界の志望動機

玩具業界では学歴や資格より、発想力や業務経験が求められる場合が多いため、志望動機ではそれらをアピールすることが重要といえるでしょう。ここでは、玩具業界での就職・転職を目指している人向けに志望動機の例文をご紹介します。

未経験者の志望動機

玩具業界は根強い人気のある業界で志望者が多いため、おもちゃが好きという気持ちに加えて、自分のどのような部分が玩具業界に活かせそうかアピールする必要があるでしょう。以下、未経験者の志望動機の例文をご紹介します。

「私が玩具業界を志望したのは、企画職の経験を活かして、大人と子どもどちらも楽しめるおもちゃを企画したいと考えたからです。私は、家電メーカーで商品企画の仕事を5年間行っておりました。ユーザーの生活に寄り添う家電の企画にやりがいを感じていましたが、経験を重ねるうちに自分の好きなおもちゃの企画を通じて、親子で楽しい時間を過ごしてもらいたいと思うようになったのが転職を考えたきっかけです。貴社(御社)は電子玩具の企画開発で豊富な実績があるうえ、今後は2世代にわたって楽しめる電子玩具の開発に力を入れていくという傾向を打ち出していることから、家電の商品企画で培った発想力をもとに電子玩具の企画に貢献したいと考え、志望いたしました」

玩具業界の経験はなくとも、自分のキャリアがおもちゃの開発に活かせることをアピールしています。このように、前職での経験を玩具業界の企業でどう活かせるのかを明らかにするのも志望動機のポイントといえるでしょう。

経験者の志望動機

経験者の志望動機では、なぜ業界内のほかの企業に転職しようと考えたのか明確にする必要があります。以下、経験者の志望動機の例文を見ていきましょう。

「私が玩具業界を志望したのは、子育てを通じて幼児の知育に興味を持ち、子どもの発達を促すおもちゃをより多くの家庭に届けたいと思ったからです。私は、これまで玩具メーカーで10年間営業を行ってきました。小売店の担当者の方と自社の商品をどのようにアピールするのか考え、売上を伸ばしていく業務にやりがいを感じていましたが、日々の育児に取り組んでいるうち、幼児の発達を促すおもちゃへ強い興味を抱くようになりました。長年おもちゃの営業を担当していた経験を活かし、知育玩具の老舗である貴社(御社)でより多くの家庭に知育玩具の良さを知ってもらえるような営業活動に取り組みたいと考え、志望いたしました」

同じ業界内でも「前職の企業と違う分野のおもちゃを扱ってみたい」など、転職でしか叶わない事柄について説明するのが重要です。また、同じ業界出身であることから未経験者に比べて前職での経験を活かせる点もアピールできると、より効果的でしょう。

玩具業界の面接時のポイント

先述したように、玩具業界は人気があり、倍率の高い業界の一つです。玩具業界の面接を受ける際は、その企業の売上割合や玩具の売上ランキングを事前にチェックしておくと、企業の今後の方針を把握した状態で面接に臨めるでしょう。業界紙などを読み、玩具業界全体の課題や現状を知るのもおすすめです。

玩具業界について理解を深め自分に合った仕事に就職しよう

玩具業界は、消費者の興味を引くような新しい企画を常に生み出す必要があるといった大変な面もありますが、おもちゃの発売を通じて社会に大きな影響を与えられる可能性があるなどやりがいや魅力も多くあります。また、世の中の情勢に柔軟に対応しながら、今後も新たな事業展開が行われることも考えられるでしょう。玩具業界への就職・転職を考えている人は、業界について理解を深め、自分に合った仕事を探してみることをおすすめします。

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玩具業界に関するFAQ

ここでは、玩具業界についてよくある質問と回答をご紹介しています。

玩具業界にはどのような企業がある?

玩具業界の主な企業の種類には玩具メーカーや小売店、製造企業があります。それぞれ企画開発、販売、生産が主な事業ですが、企画開発から販売まで一環して手がける企業や、自社で企画開発と製造を行う企業など事業を兼ねている場合も珍しくありません。 また、玩具業界というと大手企業を思い浮かべる人が多いようですが、中小企業のほうが「自分がやりたいこと」や「興味のあること」を実現できる可能性もあるため、事前に下調べをして自分に合った企業を選ぶと良いでしょう。大企業と中小企業の違いについては「大企業と中小企業の違いは?両者に就職するメリット・デメリットもご紹介」で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

玩具業界は未経験者も目指せる?

玩具業界では発想力や経験が重視されるうえ人気のある業界なので、未経験者には比較的狭き門といえます。しかし、異業種から転職する場合も、玩具業界に活かせる経験やスキルがあれば採用の可能性は十分あるでしょう。
未経験者から目指せる業界について知りたい方は「未経験でも就職できる仕事の特徴は?求人の見極め方やおすすめ業種を紹介」をぜひ参考にしてみてください。

玩具業界にはどのような人が向いている?

玩具業界には、コミュニケーション能力のある人や発想力のある人などが向いているといえます。また、世相やトレンドの影響を受けやすく幅広い業界と関わりがあるので、好奇心を持つことも必要でしょう。
自分に向いている仕事について知りたい方は「自分に向いてる仕事が分からない!適職の見つけ方とタイプ別のおすすめ職種」もご覧ください。

玩具業界は今後衰退していく?

玩具業界には、少子化により、子どもをメインターゲットにしたおもちゃの売上が減少傾向にあるという大きな課題がありますが、その対策として消費者層の拡大や販路の確保、海外市場への進出を行っている傾向があります。また、おもちゃ全体の売上は順調に伸びていることから、今後のさらなる発展も期待できる業界といえるでしょう。
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