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国民健康保険料は無職だと全額免除される?減免・猶予制度や利用条件を解説
更新日
この記事のまとめ
- 国民健康保険料は、現在無職だとしても全額免除はされない
- 国民健康保険料の支払いが困難な無職の方は、一部免除・徴収猶予制度を利用できる
- 国民健康保険料の滞納時は、延滞金発生や医療費全額自己負担などのデメリットがある
- 国民健康保険料の減免制度を利用できるのは、無職の方や大幅に収入の減った方が対象
- 国民健康保険料を支払うのが難しい無職の方における免除率は、市区町村ごとに異なる
国民健康保険料は無職だと全額免除される可能性はあるのか、無所得だと月額いくらになるのか知りたい方もいるでしょう。減額申請の可否や減免率は、無収入の理由や世帯状況などによって異なります。このコラムでは、国民健康保険料を減免できる条件や分割納付、猶予制度などを解説。自己都合以外で失業した人や実家暮らしの人などが、軽減対象なのかも説明します。保険料の支払いが困難なら、自己判断せず自治体に相談しましょう。
国民健康保険料は無職でも全額免除されない
国民健康保険料は、無職であっても全額免除はされません。ほかの社会保険(健康保険)の加入者や被扶養者、生活保護受給者などに該当しない場合、国民健康保険制度への加入義務があります。無職で収入がない場合でも国民健康保険に加入し、保険料を納めなければなりません。支払いが難しい場合は、負担を軽減する制度などを利用して決められた保険料を納付しましょう。
なお、無職の方と同様、以下に該当する場合も国民健康保険への加入義務があります。
- ・フリーターで会社の社会保険に加入していない方
・個人事業主
・年金受給者(後期高齢者医療制度加入者の方は除く)
・家族が加入している社会保険の扶養に入っていない方
退職して無職やフリーター、フリーランサー(個人事業主)などになる場合は、会社を辞めてから14日以内に国民健康保険への加入手続きが必要です。無職になった場合の手続きについては、「退職後に健康保険に入らない選択肢はある?加入方法や必要手続きを解説」のコラムもご一読ください。
参照元
厚生労働省
国民健康保険の加入資格について
国民健康保険は医療費の自己負担軽減が目的
国民健康保険料を支払うのは、病気やケガのときに掛かる医療費の自己負担額を少なくするためです。日頃から保険料を納めていれば、いざというときに自己負担額を1〜3割に減らせます。無職であることを理由に国民健康保険料を納めていないと、医療費は全額自分で支払うことになるので注意しましょう。国民健康保険料の支払いが減免・軽減になる条件
国民健康保険料は免除にならないものの、支払いが難しい方のために、減免や納付猶予の制度が設けられています。無職で収入がなく保険料の支払いが難しい場合は、自分が減免・軽減制度の対象になるのか確認しましょう。
無職もしくは大幅な収入減は減免の可能性あり
現在無職だったり、なんらかの事情により大幅に収入が減少したりした方は、国民健康保険料の一部を減免できる場合があります。免除の割合は、主に2割減・5割減・7割減の3種類。減免額は、世帯所得の合計金額をもとに各自治体によって決められます。国民健康保険料をどのように計算するのかは、後述する「国民健康保険料の計算方法」で詳しく解説しているので参考にしてください。
非自発的失業者は保険料が軽減される
非自発的失業者も、国民健康保険料を軽減できる可能性があります。非自発的失業者とは、自己都合ではなく、倒産や解雇、雇い止めなどの会社都合で、やむを得ず失業した65歳未満の人のこと。雇用保険区分では、特定受給資格者と特定理由離職者の一部が該当します。
軽減額は、前年度の給与所得を30/100で算出するのが基本です。具体的な軽減額を知りたい場合は、居住地を管轄する市区町村の役所へ問い合わせてみましょう。
なお、非自発的失業者として国民健康保険料の軽減を求める場合は、役所の窓口で手続きをする必要があります。退職日から一定期間経過してしまうと、軽減措置を受けられなくなる可能性もあるので、早めに申請しましょう。
参照元
厚生労働省
倒産などで職を失った失業者に対する国民健康保険料(税)の軽減措置
国民健康保険の保険料が決まる仕組み
国民健康保険の保険料は世帯単位での収入を計算して決定されます。国民健康保険の仕組みについて確認しておきましょう。
同世帯の所得の合計金額で支払額が決まる
国民健康保険料は、個人の所得額ではなく同世帯の所得合計金額によって、自分がいくら支払うかが決まります。実家暮らしの場合など、本人が無職で無収入だとしても支払いは免除されず、国民健康保険料を支払わなければなりません。なお、一人暮らしで同世帯に自分以外の家族・親族がいない場合は、自分だけの所得額を基準として保険料が算出されます。
前年の所得額によって今年の支払額が決まる
毎年の国民健康保険料は、前年の所得額によって決まります。前年の所得額が高いほど、国民健康保険料の金額も高くなる仕組みです。ただし、際限なく保険料が上がり続ける訳ではなく、上限は定められています。たとえば、2024年度の場合、国民健康保険の年間保険料上限は106万円です。
国民健康保険には「扶養」という考え方がない
国民健康保険には、社会保険のような「扶養」という考え方がありません。一人ひとりが国民健康保険に加入し「被保険者」となります。個人の国民健康保険料は、世帯内の所得額の合計金額から算出される仕組みです。詳細は「国民保険の仕組みとは?加入条件や計算方法を解説!」のコラムでも詳しく解説しているので、あわせて参照してください。国民健康保険料の算出方法
無職の場合、国民健康保険料の月額がどれくらいになるのか気になる方は、算出方法を覚えておきましょう。なお、市区町村ごとに、免除対象者の範囲や減免率などが異なります。詳細は、市区町村の役所の窓口またはWebサイトで確認してください。
国民健康保険料=医療分・支援金分・介護分の合計
国民健康保険料は、医療分保険料・後期高齢者支援金分保険料・介護納付金分保険料の3つの合計金額です。国民健康保険料を構成する、3つの保険料の違いを押さえておきましょう。
医療分保険料は医療機関利用の財源
医療分保険料とは、病気やケガなどで医療機関を利用する際の財源となる保険料です。国民健康保険の加入者が保険料を納めることによって、互いに医療費の負担額を助け合っています。
後期高齢者支援金分は後期高齢者医療制度の運用費用
後期高齢者支援金分保険料とは「後期高齢者医療制度」を支えるために支払う保険料です。後期高齢者医療制度は、75歳以上の方が加入する医療制度のこと。74歳以下の方が制度を支援する役割として支払います。
介護納付金分保険料は介護保険制度を支える費用
介護納付金分保険料とは、40〜64歳の方がいる世帯が「介護保険制度」を支えるために支払う保険料です。介護保険制度は、介護や支援が必要な方を市区町村をはじめ、国や県などでサポートし自立した日常生活を送ることを目指す制度のこと。40〜64歳の国民健康保険加入者が介護納付金分保険料を支払い、介護や支援が必要になったときに支援サービスを利用できる仕組みです。
各保険料は所得割・均等割・平等割をもとに算出
前項で述べた医療分保険料・後期高齢者支援金分保険料・介護納付金分保険料の各保険料は、所得割・均等割・平等割をもとに算出(3方式)されるのが一般的です。なお、市町村によっては、所得割と均等割をもとにする2方式や、所得割・均等割・平等割に資産割を加えた4方式で算出される場合もあります。
所得割は前年の収入に応じて決定
所得割は、前年の所得額に応じて決まります。高収入であるほど高額になり、前年に無職で収入がなければ0円です。一方、現在無職でも前年に収入がある場合は、前年の所得額に応じて金額が計算されます。
均等割は国民健康保険加入者の人数に合わせて算出
均等割は、同世帯内の国民健康保険加入者の人数に合わせて算出されます。1人当たりの均等割額は市区町村によって異なり、世帯人数が多くなるほど高くなる仕組みです。1人世帯の場合は、被保険者1人当たりの額がそのまま適用されます。
平等割は国民健康保険に加入する全世帯が均等に負担
平等割は、国民健康保険に加入する全世帯に等しく割り当てられるので、無職であっても免除されません。1世帯あたりの額は、市区町村によって異なります。2方式を採用している自治体の場合、平等割は算出要素の対象外です。国民健康保険料の計算方法は「国民健康保険料はいくら?無職は支払いを免除される?金額や計算方法を紹介」でも解説しています。さらに詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
参照元
厚生労働省
国民健康保険の保険料・保険税について
国民健康保険料が支払えないときの対処法
無職で収入がなく、国民健康保険料が支払えなくなってしまったときの対処法も覚えておきましょう。条件によっては、支払いの猶予を伸ばせたり、減免制度を利用できたりします。まずは自分が条件に該当しているかチェックしてみてください。
徴収猶予制度を利用する
保険料が支払えなくなった場合、徴収猶予制度を利用できる可能性があります。徴収猶予制度は、今後収める予定の金額を猶予してもらえるもの。天災や事業の休廃止、失業などにより収入が著しく減少して生活が困難となり、国民健康保険料の支払いが難しいと判断された場合に、適用される制度です。
すでに滞納している金額分の納付を猶予してもらえる「換価の猶予」という制度もあります。適用条件や申請方法、必要書類は、各自治体によって異なるため、お住まいの地域のルールをチェックしましょう。
減免制度を利用する
震災や火災、水害などの自然災害により損害が発生した場合には「国民健康保険法第四十四条」の規定にもとづき、一部負担金を減額または免除できる可能性があります。倒産や失業により職を失い、収入が大幅に減少してしまった場合も対象です。まずは、お住まいの地域の自治体ホームページで制度の内容や条件を確認しましょう。
参照元
e-Govポータル
国民健康保険法第四十四条
自治体の役所に分割納付が可能か相談する
猶予や減免の条件から外れていても、役所の担当者に相談することで分割納付を認めてもらえる場合もあります。分割金額は、支払いが難しい理由や現在の収入、詳細な事情を考慮して決定されるのが一般的です。
相談する際は、無理のない範囲で支払いできる金額を事前に決めて提示できるようにしましょう。具体的な計画を伝えることで、役所の担当者からも信頼を得られ、相談に応じてもらいやすくなります。
国民健康保険料を納めなかった場合のデメリット
国民健康保険料を納めなかった場合は、さまざまなデメリットがあります。保険料を滞納して不都合が生じることのないよう注意しましょう。
納付期限翌日から延滞金が発生する
国民健康保険料の支払いは、納付期限を過ぎた翌日から延滞金が発生します。滞納した場合、滞納期間の国民健康保険料+延滞金と、現在の国民健康保険料を支払わなければなりません。延滞利率は自治体ごとに異なりますが、多くの場合、延滞期間が3ヶ月以上になると利率が高くなります。支払いを忘れて延滞金が発生することのないよう期限内に納付をしましょう。
自治体から督促状や催告書が届く
国民健康保険料の納付期限から20日〜1ヶ月前後を過ぎても支払いを済ませていない場合、役所から督促状や催告書が届くため注意が必要です。
書類を受け取ったあとも滞納し続けると、電話で督促されたり担当者が訪問したりする可能性があります。督促状が届いたら、早めに一括で滞納分を返済しましょう。返済が難しい場合は、役所に減免や分納の相談を行ってください。
財産を差し押さえられる場合もあるので注意
支払い能力があるにもかかわらず、長期にわたって国民健康保険料を納めなかった場合、財産を差し押さえられる可能性もあります。督促状・電話連絡・訪問などの段階を踏んでも滞納している場合は「差押予告」「滞納処分」といった通知が届きます。通知が届いても滞納が続けば、預金口座の凍結および給与が差し押さえられる恐れがあるので注意が必要です。医療費が全額自己負担になる
国民健康保険料の納付期限から1年以上未納の場合、保険証を返還しなければならず、医療費が全額自己負担となります。保険証の代わりに「被保険者資格証明書」を取得すれば、医療機関の受診は可能ですが、費用は全額自己負担です。医療機関を受診したあとに市区町村の役所へ申請すれば、支払った医療費の一部を返金してもらえます。ただし、返金請求を行ったとしても、納めていない分の国民健康保険料+延滞料金に相殺されるので、結果的には1円も返金されない可能性もあるでしょう。
保険の給付が受けられなくなる
国民健康保険料の滞納期間から1年半以上が経過すると、保険の給付が受けられなくなる可能性があります。入院療養費や高額医療費などのすべて、もしくは一部が一時的に差し止められてしまうので注意しましょう。なお、一時差し止め後も滞納が続いている状況で保険給付を受ける事象が発生した場合は、保険給付金の額から滞納している保険料分を控除し、滞納分に当てられます。
「無職でどうしても支払えない」「免除・減免してもらいたい」などの事情がある方は、居住地を管轄する市区町村の役所へ相談することをおすすめします。退職する予定がある方や、現在無職の方で納付期限までに支払いが困難な場合は、自己判断で滞納するのではなく役所へ申し出るのが賢明です。無職の期間ができる限り短くなるよう、転職活動も同時に進めることをおすすめします。
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無職の場合の国民健康保険料に関するFAQ
無職の場合の国民保険料について、免除になるのか支払いが必要なのかなど、疑問に感じていることに対してQ&A方式で回答します。
無収入の申告で国民健康保険料は免除になりますか?
国民健康保険料は、加入している人数に対して均等割りによる支払い義務があるため、収入がなくても支払いが必要です。ただし、各自治体に収入がないことを申告をしていると軽減されるケースがあります。無職で収入がなく国民健康保険料の支払いが困難な場合は、市町村の窓口に相談しましょう。退職したあと無収入になる場合は「退職後の手続きは何をする?期限や順番、必要書類を分かりやすく解説!」のコラムも参考にしてください。
国民健康保険料の最低額はいくらですか?
国民健康保険料は年収や地域によって金額が異なるため、一概に最低額がいくらなのかは提示できません。国民健康保険料の支払額を知りたい方は、各自治体に問い合わせましょう。自治体によっては、国民健康保険料を試算できるシステムを提供している場合もあります。各自の条件に合わせて試算すると、大まかな金額を把握できるはずです。
国民健康保険料を安くする方法はありますか?
保険料の減額・免除申請を行えば支払い額を安く抑えられる可能性があります。確定申告の際に社会保険料の控除を適用すると、毎月の負担額の低減が可能です。無職の場合は、親族の扶養に入ったり、健康保険任意継続制度を利用したりする方法もあります。健康保険の任意継続制度は「健康保険の任意継続とは?国民健康保険との違いや手続き方法」で解説しているので、確認してみてください。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。