ホテル業界の仕事

ホテル業界の中には、部門ごとに数多くの職種があります。代表的なものを、いくつか紹介しましょう。

◯宿泊部門

《ホテルフロント》

利用者さまがチェックインやチェックアウトをされる際の手続きを行います。また、予約の受付や館内案内などもいたします。

《コンシェルジュ》

ホテルを利用される方の、あらゆる要望にお応えする職種です。観光案内や店の予約、乗車券の手配など、仕事内容は多岐に渡ります。また、外国の方へも対応できるよう、語学に堪能な人材が望ましいです。

《ドアマン》

ホテルの玄関口で、利用者さまを送迎する職種です。車のドアを明けたり、お荷物をおろしたり、お客さまのホテルライフの始まりと終わりを機敏にサポートします。

《客室係》

各お部屋の衛生管理を行います。清掃、備品の補充、ベットメイク、安全性の確認などを実施。快適な空間を作り出すお仕事です。

◯飲料部門

《ウエイター、ウエイトレス》

レストランやパーティー会場にて、オーダーを受け、給仕するお仕事です。美味しく召し上がっていただけるよう、ベストなタイミングを測ることが大切です。

◯営業

《企画》

ホテル独自の宿泊プランやウエディングプラン、レストランフェアなどを計画します。利益増を狙うため、市場のニーズを詳細にリサーチすることが重要です。

《広報》

ターゲットとなる年齢層や職業層に向けて、各種メディアや営業スタッフのマンパワーでPRします。効果的な宣伝方法を考えることがお仕事です。

◯管理部門

《総務》

法務や庶務、経営管理などの一般事務を請け負います。スタッフが快適に勤務できるように、サポートします。

《経理》

収支を始めとし、投資や資金調達の管理を行う職種です。ホテルの場合は、食材や備品の仕入れが占める割合が多いのが特徴と言えるでしょう。

《人事》

スタッフの募集・採用・配属など、人材管理に関わるお仕事です。

ホテル業界では、提供サービスの内容や目的により、ホテルそのものがジャンル分けされてます。代表的なものを業態別に説明していきましょう。

《シティホテル》

宿泊はもちろんのこと、飲食やパーティーにおいても、ハイクオリティーなサービスを提供してくれる都市型ホテルのことです。館内のデザインは洗練され、調度品は高級なものをセレクト。日々の喧騒から離れ、身も心もゆったりとホテルライフを満喫できるジャンルです。

例：帝国ホテル、ニュー・オータニ、ホテルオークラ、パレスホテル

《リゾートホテル》

観光や休暇を目的として滞在するホテルのことです。観光地や保養地と言われるエリアに主に立地しています。最近多いのは、テーマパークとコラボした「アンバサダーホテル」タイプのもの。テーマパークの世界観を大切に演出した部屋がファミリー層や若い女性に人気です。

例：星野リゾート、ワシントンホテル、ANAホテル、ミリアルリゾートホテルズ

《ビジネスホテル》

ビジネスの場面で利用頻度が高いホテルを指しています。主に出張時に宿泊するので、駅から徒歩圏内に立地。部屋の造りはシンプルなものが多く、大半はシングルルームです。また、最近では、Wi-Fiが完備されているホテルが増えています。

例：東横イン、アパグループ、ルートイングループ、ワシントンホテル

【現状・課題】

平成20年以降、ホテル業界は厳しい状況にありました。原因は世界的な経済不振や東日本大震災による観光ダメージ、個人のあたりの消費減など。しかし、平成24年より回復傾向にあります。特に、東京都内のホテル業界の上昇具合は顕著です。背景的な理由として考えられるのは、ビザ緩和を機にした訪日外国人の増加でしょう。特に、中国、韓国、台湾といったアジア列国からの観光客が極めて増えています。

一方、低価格を売りにする民泊の増加影響が課題としてあるのも事実です。

【今後の動向】

2020年に東京オリンピックを控えている現在、この好状況はしばらく続く見込みです。しかし、オリンピック以降の動向は不透明。今後の懸念案と言えるでしょう。

ホテル業界で働くスタッフが、利用者さまの満足を第一に考えるの当然です。しかし、いかに利益につなげていくのかも大切。それを可能にするには、以下のような資質をもった人材が必要だと考えます。

《対人スキルが高い》

サービス業である以上、対人スキルは不可欠です。しかも、ホテル業界は個々人へ寝食の場を提供するという、センシティブなサービス業でもあります。利用者さまの満足度と、スタッフの介入度が絶妙なバランスで成り立っているのは、やはり対人スキルの高さがなせる技だと言えるでしょう。

《語学力が高い》

ビジネスもレジャーも、グローバル化しつつある昨今、母国語プラス英語（外国語）ができる人材は重宝です。また、コミュニケーションスキルとして、外国から来られた方の立場や心に寄り添いやすい、という強みもあります。

《企画力がある》

ただ待っているだけでは集客が見込めません。市場のニーズをしっかりと調査し、現状を打破しようとする企画力と活動力を備えている人は、きっとホテル業界で活躍できるでしょう。

《視野が広い》

ホテル業界の景気は、経済の動向に左右されやすい面があります。ホテル業界や観光の面だけで物事を考えるのではなく、国内の政治経済、海外事情、スポーツの世界大会、などにも目を向けられる柔軟性が必要でしょう。

【上記を踏まえた志望動機例】

ホテル業界には、多くの職種があります。まず、自分がどの部門で働きたいのか、どんな職種に就きたいのかを決めることが必要です。それを踏まえたうえで、それぞれの職種にマッチする志望動機やアピールポイントを書きだしましょう。

例1《フロント、コンシェルジュ》

・人と接することが好きだから

・誰かの役に立つことが好きだから

・接客のアルバイト経験あり

・ボランティア活動の経験あり

・語学に長けている

例2《ウエイター、ウエイトレス》

・コミュニケーションスキルの高さを活かしたい

・飲食店でのアルバイト経験あり

・家事が好き

・英語が得意

例3《企画、広報》

・イベントに参加するのが好き

・学生時代、学園祭の実行委員の経験あり

・色々な物事に興味がある

・PC操作が得意