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契約社員と正社員の違いは?メリット・デメリットを分かりやすく解説!
更新日
この記事のまとめ
- 契約社員と正社員の違いは、雇用期間に定めがあるかどうか
- 契約社員は正社員と違い、雇い止めにあう可能性がある
- 契約社員と正社員の違いを比較すると、給与や長期的なキャリアは正規雇用が有利になる
- 契約社員を経て正社員になりたい場合は、正社員登用制度のある会社を選ぶのがポイント
- 契約社員から正社員を目指す際は、ほかの会社へ転職するのも手
契約社員と正社員の具体的な違いを知りたいと考える人もいるでしょう。契約社員と正社員の主な違いは、雇用期間の有無です。正社員は定年まで働くことを前提に雇用され、契約社員は契約期間満了日を定めたうえで雇用されます。
このコラムでは、契約社員と正社員の違いを、業務内容や給与といった観点から比較。それぞれの働き方のメリット・デメリットを理解し、就職・転職活動にお役立てください。
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契約社員と正社員の違いとは?
契約社員と正社員の主な違いは、契約期間の有無です。契約社員は会社と有期雇用契約を結んでいるため、契約に期限があるのが一般的。一方、正社員は無期雇用契約のため、契約期間に限りがないのが特徴です。
契約社員の定義
契約社員とは、前述したように会社と有期雇用契約を結んでいる社員のことを指します。厚生労働省の「さまざまな雇用形態」によると、雇用形態が契約社員の場合、一度の契約での上限は3年間。具体的な雇用期間は半年や1年など企業によって異なります。雇用期間満了時は退職、もしくは契約を更新し、同一の職場で働き続けることも可能です。
退職するか契約更新するかは企業と契約社員、双方の意思によって決まります。なかには、契約社員としての働きぶりが評価され、正社員に登用される場合もあるでしょう。
契約社員は「非常勤」「準社員」「嘱託」「臨時社員」「パートナー社員」など、企業によって呼び方が異なります。
正社員の定義
正社員とは、会社と無期雇用契約を結んでいる社員のことを指します。雇用期間に定めがないのが特徴です。よほどの事情がない限り定年まで継続して働き続けられるため、安定した雇用形態といえるでしょう。
正社員の特徴については、「正社員のデメリット・メリットとは?派遣や契約社員についても解説!」のコラムも参考にしてみてください。
参照元
厚生労働省
基本的な労働法制度・社会保険などについてお調べの方へ
契約社員と正社員の項目ごとの違い
ここでは、契約社員と正社員の違いについて解説します。どちらの雇用形態で働くべきか迷っている方は参考にしてみてください。
契約社員と正社員の項目ごとの違い
- 雇用形態・雇用期間
- 業務内容
- 給与・ボーナス
- 昇給・昇進
- 勤務時間・休日
- 転勤
雇用形態・雇用期間
契約社員と正社員の違いは、「雇用期間に定めがあるかどうか」です。正社員の雇用形態は「無期雇用」のため、途中で契約更新手続きを行うことなく定年まで働けます。一方、契約社員の雇用形態は、定められた期間だけその会社で仕事をする「有期雇用」です。
有期雇用と聞いて、「正社員と比べて解雇されやすいのでは」と不安に感じる方もいるでしょう。解雇については、契約社員にも労働基準法「第二十条」が適用され、会社側は正社員と同様、少なくとも30日前に労働者へ解雇の旨を伝える義務があります。契約社員だからといって「明日から突然職を失う」といったことはありません。
契約社員と正社員の就業規則の違いは?
正社員と契約社員で給与やボーナス、勤務時間、休暇、待遇などが異なる場合、それぞれの立場の人に向けた内容が就業規則に記載されています。また、セキュリティ管理や業務上の禁止事項などは、すべての従業員が守るべき項目として示されているでしょう。
正社員登用制度のある会社では、契約社員やアルバイトなど非正規雇用で働く人へ向けて、正社員へ転換できる条件や手続き方法が就業規則に記載されています。
参照元
e-Gov法令検索
労働基準法
業務内容
契約社員と正社員の業務内容の違いは、「任される仕事の範囲が限定されているかどうか」です。契約社員が担当する業務内容や責任範囲は、雇用契約を結ぶ時点で決められているため、その範囲内で力を発揮し成果を出すことを求められます。
一方、一般的な企業では正社員に対し、スキルやキャリアを積むため「責任のある業務に就き、多様な業務を経験して欲しい」と考えるようです。そのため、一定期間ごとに部署異動や転勤が行われている企業もあります。
給与・ボーナス
契約社員と正社員で、給与やボーナスに違いをもたせている会社もあります。正社員であれば定期的に昇進や昇給のチャンスがあるうえ、成果に応じたボーナスを支給されるのが一般的。一方、契約社員は担当する業務内容および勤務期間が限定されているため、基本給以外の収入を得られない場合があるようです。
契約社員として働く際は、昇給やボーナスの有無を確認するとともに、査定基準・支給されるタイミング・支給額などを確認しましょう。
正社員と同じ仕事内容なら同額支給される場合がある
厚生労働省は、正社員と非正規雇用労働者の間に不合理な違いが生じないよう「同一労働同一賃金ガイドライン」を設置。同資料によると、契約社員やアルバイトといった非正規雇用労働者が正社員と同じ仕事をする場合、給与・ボーナス・福利厚生・各種手当なども同一でなければならないと記載されています。
企業によっては正社員と契約社員の給与がほぼ同一である可能性も考えられるでしょう。
参照元
厚生労働省
同一労働同一賃金特集ページ
昇給・昇進
契約社員と正社員は、昇給や昇進制度にも違いがあります。正社員の場合は、定期的に仕事の評価が行われ、それに応じて昇給・昇進が発生するのが一般的です。
契約社員の場合は、基本的に労働契約を結んだ際の業務や役割を契約期間満了まで行うため、昇給や昇進の機会がない傾向にあります。企業によっては契約社員の仕事を評価し、昇給・昇進が行われる場合もありますが、雇用期間が定められているため一定の額や役職にしかつけない可能性が高いでしょう。
勤務時間・休日
一般的な会社であれば、正社員はフルタイム(1日8時間、週5日)で働くのが基本です。休日は労働基準法の「第三十五条」に則った形であれば問題ないため、曜日やタイミングは職種・職場によって異なります。
契約社員は正社員と同様の勤務時間・休日で働く場合と、「週4勤務」や「1日6時間勤務」など正社員とは異なる契約内容で働く場合があるでしょう。
なお、有給休暇は労働基準法の「第三十九条」によって、「雇用開始から6ヶ月以上経過し、労働日の8割以上出勤した労働者に与えなければならない」と定められているため、要件を満たしていれば雇用形態にかかわらず付与されます。
参照元
e-Gov法令検索
労働基準法
転勤
契約社員と正社員の違いの一つとして、転勤が挙げられるでしょう。基本的に契約社員は、雇用契約を結んだ際に指定された場所で働くため転勤はありませんが、正社員は企業によって転勤しなければならない可能性があります。
正社員に転勤がある目的については、「人事異動・転勤の目的とは?メリットや拒否する際の注意点も紹介」のコラムで解説しているのでぜひ参考にしてください。
福利厚生
福利厚生には二つ種類があり、一つは法定福利厚生と呼ばれる社会保険です。社会保険は、会社の従業員数や1週間の所定労働時間などの条件を満たしていれば、雇用形態にかかわらず加入が義務付けられています。どのような人が対象になるかは、厚生労働省の「社会保険適用拡大特設サイト」でご確認ください。
確定給付企業年金や企業型確定拠出年金、厚生年金基金といった企業年金は、企業によって対象者や加入方法が異なるため確認が必要です。
もう一つの福利厚生である法定外福利厚生は、会社が任意で設置している制度のこと。先述した各種手当や休暇の支給、社割、健康診断の補助など企業によってさまざまです。法定外福利厚生は内容や支給対象を企業が自由に決められるため、契約社員として働く場合は利用対象かどうかしっかり確認しましょう。
「福利厚生には何がある?企業が用意する目的と対象となる条件について解説」では、福利厚生についてより詳しくまとめています。あわせてご参照ください。
参照元
厚生労働省
社会保険適用拡大特設サイト
通勤費や家賃補助などの各種手当
通勤に必要な交通費や家賃補助、資格や役職によって付与される各種手当なども、雇用形態によって支給の有無が異なる場合があるでしょう。
昨今では交通費や役職手当、テレワーク手当など業務に関する手当だけでなく、家賃補助や結婚祝い金といったプライベートにも役立つ手当を支給する会社が増えているようです。なかには支給対象を正社員のみとしている企業もあり、契約社員はもらえる手当が限られていることも少なくありません。
ただし、会社から支給される手当には、時間外手当や休日手当、深夜手当など労働基準法の「第三十七条」で支給が義務付けられているものと、そうではない手当があります。前者は契約社員をはじめとする非正規雇用者も必ずもらえる一方で、通勤費や家賃補助は後者のため、手当の制度自体がない企業もあるようです。
参照元
e-Gov法令検索
労働基準法
社会保険
社会保険とは、会社に務める正社員または、一定の条件をクリアした従業員が加入しなければならない公的な保険のことです。契約社員も企業の条件を満たしていれば社会保険に加入することが求められます。
社会保険は、「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」などの種類があり、会社に務める従業員が怪我や病気をした際に保険金を受け取れる制度です。一般的には、健康保険や厚生年金保険が「社会保険」と呼ばれ、雇用保険や労災保険が「労働保険」と呼ばれています。
退職金
退職金はそもそも法的に支払い義務はなく、企業によって異なります。正社員だからといって、必ず退職金があるとは限りません。正社員も契約社員も、勤務先の企業に退職金制度があるかないかで退職金の有無は異なるので、自分で確認することが必要になります。
勤務先に退職金制度があったとしても、正社員が対象で契約社員は対象ではない場合もあるため注意しましょう。
契約社員とほかの雇用形態との違い
ここでは、契約社員とほかの雇用形態を比較し、その違いについてご紹介します。契約社員や正社員以外の働き方の特徴を知りたい方は以下をご参照ください。
契約社員と派遣社員の違い
派遣社員とは、派遣会社と雇用契約を結び、派遣会社に紹介された企業で業務を行う働き方です。業務は派遣先企業で行いますが、給与の支払いや社会保険の加入先は派遣会社となります。
契約社員や正社員と派遣社員の違いは、雇用契約の締結先です。契約社員および正社員は、勤務先企業と直接雇用契約を交わします。派遣社員の場合は、勤務先企業とは直接雇用契約を締結しないため、派遣会社との間に雇用関係が成り立っているのが特徴です。
派遣社員については、「派遣社員とは?正社員との違いやメリット・デメリットを分かりやすく解説」で詳しくご紹介しています。
契約社員とパート・アルバイトの違い
契約社員、パート、アルバイトはいずれも非正規雇用ですが、主な違いは労働時間になります。契約社員はフルタイム、もしくはそれに近い勤務時間で働く場合が多いようです。パートやアルバイトは、フルタイムの場合もあれば短時間勤務も可能といったように、時間や日数を柔軟に選択できます。より自分の都合に合わせて働きたい方には、パートやアルバイトが向いているでしょう。
厚生労働省の「さまざまな雇用形態」では、契約社員・短時間正社員・派遣社員・パートなど雇用形態の違いについて公開されています。どの働き方が自分に向いているか検討したい方は、「契約社員とパートの違いは?アルバイト・正社員・派遣社員の特徴も解説」のコラムもチェックしてみてください。
参照元
厚生労働省
基本的な労働法制度・社会保険などについてお調べの方へ
無期契約社員とは?
無期契約社員と契約社員の違いは、契約期間に限りがあるかないかです。契約社員は、同一企業で通算5年以上勤務した場合、契約を有期から無期に転換できる「5年ルール」が存在します。これは労働者から申し出があった場合、基本的に企業側は拒否できません。
無期契約社員は安定した働き方を実現できる一方で、雇用期間以外の雇用条件は変わらない可能性があります。無期雇用への転換を望む際は、給与や業務内容といった雇用条件をよく確認しておく必要があるでしょう。
無期雇用については、「無期雇用とは?パートや派遣は該当しない?正社員との違いを解説!」で詳しくご紹介しています。
企業が正社員ではなく契約社員を採用する目的
企業にとって契約社員は、人手不足の解消や人件費の削減・優秀な人材の選定などに貢献する存在です。以下で解説するので、契約社員がどのような目的で採用されているのか見ていきましょう。
人手不足の解消
企業が契約社員を採用する目的の一つは、一時的な人手不足の解消です。繁忙期や事業拡大などによって一時的に人員不足になった際、正社員を配置するには人事異動や外部への募集といったコストが掛かります。
契約社員であれば必要なときに必要な期間だけ雇えるため、最低限のコストで人手不足を解消できる点が企業側のメリットといえるでしょう。
人件費の削減
人件費削減のため、正社員ではなく契約社員を採用する企業もあるでしょう。一般的には、契約社員に退職金やボーナスを支給しないため、企業側としては人件費を抑えられます。基本給に関しても契約社員は業務範囲が限定されているので、正社員より低く設定する場合があるようです。
また、契約社員は契約期間満了日があらかじめ決まっているので、正社員に比べて研修や教育にコストを掛けない企業もあるでしょう。
優秀な人材の選定
企業が契約社員を採用する目的には、「契約社員のなかから優秀な人材を見つけたい」といった狙いもあるようです。比較的コストを抑えられる契約社員として採用すれば、企業が欲しいと思える人材かどうか、時間を掛けて見極められます。契約社員としての働きぶりを評価し、貢献度が高いと判断できれば正社員として雇用することも可能です。
契約社員からの正社員登用を希望している場合は、「会社で必要とされる人になるためには?仕事ができる人の7つの特徴も解説!」のコラムで、一般的にはどのような人が会社に必要とされるかを確認してみましょう。
契約社員に向いている人の特徴
契約社員に向いている人の特徴は、主に「プライベートと仕事を両立したい」「決められた仕事を確実にこなしたい」「多くのスキルや経験を得たい」の3つが挙げられます。以下で解説するので、自分が該当する項目があるか確認してみましょう。
1.プライベートと仕事を両立したい
プライベートと仕事を両立したいと考えている人は、契約社員に向いているといえます。契約社員は正社員と比較すると、勤務日数や勤務時間を自分の都合に合わせやすいため、希望に合った条件で働くことが可能です。家庭や趣味といったプライベートと仕事を両立させたい人には、適している働き方といえるでしょう。
2.決められた仕事を確実にこなしたい
決められた範囲の仕事を確実にこなしたい人には、契約社員や派遣社員が向いているでしょう。「自分のスキルを活かせる」で後述しますが、契約社員は契約時に業務内容が決められています。正社員とは違い、業務範囲外の仕事を任されることは基本的にないため、自分の作業に集中できるでしょう。
3.多くのスキルや経験を得たい
契約社員は正社員と違い、契約で業務がある程度決まっているため、業務内容に特化してスキルアップできます。雇用期間も正社員よりも短期間であることから、一つの会社に縛られることなく、自由に職場の選択が可能です。複数の職場で自分のスキルや経験を積みたいと考えている人は、契約社員として働くのも一つの手でしょう。
契約社員として働くメリットや正社員との違いは、「契約社員のメリットを解説!正社員との違いとは?」のコラムでもご紹介しています。どちらの働き方が自分に向いているか判断に迷った際は、あわせてチェックしてみてください。
契約社員のキャリアプランを考えてみよう
契約社員になるか迷っている方は、キャリアプランを考えてみるのもおすすめです。キャリアプランを明確に立てておくことで、より具体的に働く姿を想像しやすくなるでしょう。
契約社員になってからのキャリアプランの選択肢としては、「契約社員から正社員登用で正社員を目指す」「契約社員として5年間勤め、無期契約社員になる」「契約期間内でスキルや技術を身につけ、新たな職場でさらなるスキルアップを目指す」などが考えられます。
将来、自分がどのようにキャリアを積んでいきたいかを想像し、計画を立ててみましょう。
契約社員のメリットとデメリット
契約社員には「自分のスキルを活かせる」「仕事とプライベートを両立しやすい」といったメリットがある一方で、「長期勤務ができない」「正社員よりも年収が低い」というデメリットがあります。以下の解説を読み、契約社員のメリットとデメリットについて理解を深めましょう。
契約社員のメリット
「自分のスキルを活かしやすい」「プライベートの時間を大事にできる」などの点が、契約社員として働くメリットといえます。それぞれのポイントを確認してみましょう。
自分のスキルを活かせる
契約社員は、自分の保有するスキルや知識を活かせる企業に的を絞って仕事探しができる点がメリットです。契約社員は正社員と違い、契約の段階で業務内容や範囲が定められています。入社後に自分が希望していない仕事や、契約内容から逸脱する業務内容を任されることは基本的にありません。
転勤や人事異動がない
「契約社員と正社員の項目ごとの違い」で解説しましたが契約社員は、正社員と違い転勤や人事異動がないことがメリットの一つといえます。なぜなら、契約社員は雇用契約の時点で勤務場所や業務内容が定められているのが一般的だからです。
「家の近くで働きたい」「事情があって転勤が難しい」といった場合は、同じ場所で安心して働ける契約社員の働き方が適していることもあるでしょう。
ただし、会社の状況によっては、契約社員が転勤・部署異動を言い渡される場合も。指示が出される可能性や、拒否できるかについては就業規則に記載があるので、雇用契約を結ぶ際に確認しましょう。
勤務時間を調整しやすいためプライベートを充実させやすい
契約社員は、契約時に設定した勤務日数や勤務時間のなかで働けるうえ、正社員と比べて残業が少ない傾向にあります。勤務先によっては勤務時間を柔軟に調整できるため、仕事とプライベートの両立が叶いやすいでしょう。契約社員に対し副業を認めている企業もあるので、自己成長のために時間を捻出しやすい点もメリットといえます。
契約社員のデメリット
契約社員のデメリットには、「有期雇用のためキャリアアップが難しい」「正社員よりも年収が低い傾向にある」などが挙げられます。以下で詳しい理由について解説するので参考にしてください。
有期雇用のためキャリアアップが難しい
契約社員として出世するのは、難しいのが実情です。「労働基準法第14条」によると、契約社員は基本的に3年以上の契約期間を設定できません。会社と従業員双方の合意によって契約を更新することは可能ですが、会社の都合で契約更新ができない可能性もあるでしょう。
正社員と違い長期勤務できないことから責任の伴う業務にも携わりにくく、自己成長や昇進・昇格の機会が少なくなってしまいます。
正社員よりも年収が低い傾向にある
有期雇用の契約社員は、正社員と違い年齢や勤続年数に応じた年次昇給が期待できません。また、契約社員に対し退職金やボーナスを支給しない企業もあるため、正社員よりも生涯賃金も少ない傾向にあります。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概要 雇用形態別」を参考に、正社員と正社員以外の違いを以下の表にまとめました。
年齢 | 正社員の平均賃金 | 正社員以外の平均賃金 |
---|---|---|
20~24歳 | 22万8,700円 | 19万4,800円 |
25~29歳 | 26万3,600円 | 21万6,400円 |
30~34歳 | 29万4,100円 | 22万1,400円 |
35~39歳 | 32万7,000円 | 22万0,500円 |
40~44歳 | 35万4,600円 | 22万0,600円 |
45~49歳 | 37万4,500円 | 21万7,700円 |
50~54歳 | 39万4,300円 | 22万2,200円 |
55~59歳 | 40万4,800円 | 22万1,700円 |
参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概要 第6-1表 雇用形態、性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び雇用形態間賃金格差」
20代前半では正社員と正社員以外の賃金差は約3万4,000円ですが、50代になると約17万2,000円と賃金に大きな違いが生じています。この結果からも、契約社員と正社員の収入の違いは明らかでしょう。
ただし、この資料における「正社員以外」には、契約社員やアルバイトなど非正規雇用で働くすべての人が含まれています。業務の内容によっては、契約社員であっても、平均賃金以上の収入を得られる場合もあるでしょう。
契約社員のメリット・デメリットについては、「新卒は契約社員から社会人をスタートしてOK?メリットやデメリットを解説」でも触れているのでご覧ください。
昇給の機会や退職金の支給がないことがある
「給与・ボーナス」でも説明したように、正社員と非正規社員では給与額や昇給幅に差があります。定期的に昇給の機会をもらえたり、ボーナスや退職金の支給があったりする正社員とは異なり、契約社員は契約時の労働条件に記載されている給与額がベースです。
また、上記の統計には、ボーナスや退職金などは含まれていません。そのため、実際の両者の賃金差はより開いている可能性があると考えられるでしょう。
参照元
e-gov法令検索
労働基準法
厚生労働省
令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況
正社員のメリットとデメリット
正社員は契約社員と違い無期雇用のため、希望する限り働き続けられるのがメリット。一方で、異動や引っ越しを伴う転勤を命じられる可能性があるため、自由度の高い働き方は叶いにくいといえます。
正社員のメリット
正社員の大きなメリットは、雇用が安定していること。毎月の給与も安定しており、企業によっては時期や業績に応じたボーナスが出ることもあるでしょう。
雇用や収入が安定しているため社会的信用を得やすい
正社員は雇用期間の定めがない無期雇用のため、自ら退職を希望したり、会社が倒産したりしない限り働き続けられます。雇用や収入の長期的な安定が見込めるため、契約社員や派遣社員と比べ社会的信用も得やすく、クレジットカードや長期ローンの審査に通りやすいようです。
賞与や福利厚生に期待できる
一般的に正社員は、契約社員より賞与や福利厚生が充実している傾向にあります。「ボーナスとは?支給時期はいつ?もらえる条件や平均額もご紹介!」のコラムでまとめていますが、ボーナスは基本給を基準に計算するのが一般的です。勤続年数や昇進によって基本給が上がる正社員は、ボーナス額のアップも期待できるでしょう。
また、福利厚生も企業によっては、契約社員よりも正社員のほうが充実しているといえます。各種手当のほか、レジャーや学びに関する手当・支援制度など多様な福利厚生を用意している企業も。ただし、ボーナスの有無をはじめ支給基準や支給額、福利厚生の内容は企業ごとに異なるため、よく確認しておく必要があります。
裁量をもって仕事に携われる
正社員として働くメリットの一つとして、裁量をもって仕事に携われることが挙げられるでしょう。正社員は、能力や勤続年数によって業務の幅が広がる傾向にあります。大きなプロジェクトに携われる可能性もあり、責任がある分やりがいをもって仕事ができるでしょう。
キャリアアップのチャンスがある
正社員は長期的に働けるため、契約社員に比べるとキャリアアップの機会が多い傾向にあります。たとえ働き始めたばかりでも、成果次第では年齢にかかわらずキャリアアップが可能な会社もあるようです。
収入アップを目指すなら契約社員よりも正社員がおすすめ
正社員は一般的に、給与は月給制でボーナスも支給される企業が多く、成果や働きぶりに応じた昇進・昇給が可能です。契約社員の場合は給与は、「月給制」や「時給制」「年俸制」などがありますが、ボーナスの有無は企業によって異なります。
また、契約社員は契約時に自分の役割と給与額が決められているため、契約期間中の昇進・昇給は見込めないでしょう。
働き続けていくなかで収入アップを目指すなら、契約社員よりも正社員がおすすめですよ。
ハタラクティブキャリアアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
正社員のデメリット
正社員は転勤の可能性や休暇が取りにくいなど、契約社員に比べると自由度が低い傾向にあります。正社員として働くことを視野に入れている場合は、デメリットも把握しておきましょう。
転勤や人事異動などで希望の仕事ができないことがある
正社員は、自分が希望している部署に配属されない場合もあります。また、急な転勤や部署異動を命じられる可能性も。正社員は契約社員と違い、会社内の配置変更の範囲が広いため、必ずしも自分のやりたい仕事ができるとは限りません。
勤務時間が固定されている場合はプライベートを優先しにくい
正社員として働く場合、業務の進行状況によっては休日出勤や残業が発生します。契約社員よりも責任のある仕事を任されるため、休暇を取得できるタイミングが限られる可能性もあるでしょう。
プライベートな時間を確保するのが難しくなったり、休暇中でも仕事の電話やメールに対応せざるを得なかったりと、休んだ気にならないと感じる場面もあるようです。
副業ができないことがある
近年副業に対して好意的な企業が増えつつあるものの、なかには「正社員には副業を禁止している」という企業も少なくありません。副業が可能なところであっても、業務が忙しくて挑戦できないことも考えられます。
「収入を少しでも増やしたい」「副業で新しいことに挑戦してみたい」という方にとっては、デメリットとなり得るでしょう。
仕事の責任が重くプレッシャーになることがある
雇用期間が決まっている契約社員とは異なり、正社員は長く働くことが前提のため、それだけ責任のある仕事を任されやすい傾向にあります。大きなプロジェクトや新規事業などに携わる可能性もあり、「やり遂げられるだろうか」「自分には荷が重い」とプレッシャーやストレスを感じてしまう場面もあるようです。
転職時は年齢を重ねるほどスキルや実績を問われるようになる
20代のうちは、経験や実績よりもポテンシャルを重視される傾向にあるため、転職時は入社意欲や成長意欲をアピールするのが効果的です。年齢を重ねていくと、企業側は応募者に対し過去の実績や保有する資格・スキルなど、即戦力となる人材を求めるようになります。
「契約社員として働いてから正社員に転職しよう」と考えている場合は、「正社員になれるのは何歳まで?フリーターの最終期限やメリット・デメリット」のコラムも参考にしながら、何歳までに転職活動を始めるべきか考えてみましょう。
契約社員から正社員になるには?
契約社員から正社員になるには、「正社員登用制度を利用する」「ほかの会社に転職する」の二つの方法があります。以下で解説するので、契約社員から正社員を目指す際の参考にしてみてください。
正社員登用制度を利用して同じ職場の正社員になる
契約社員から正社員になるには、正社員登用制度を利用し、同じ職場で正社員として雇用してもらう方法があります。正社員登用制度とは、非正規雇用から正社員に登用する制度のこと。最初から正社員になるのが不安な場合は、契約社員として働きながらキャリアアップができます。
就職・転職活動の際、「契約社員として入社し、同じ会社で正社員になりたい」と考えているのであれば、仕事探しの段階で正社員登用制度のある会社を選びましょう。
ただし、正社員登用の際は面接や試験があったり、会社が定める実績や勤続年数といった一定の条件が設けられていたりします。会社側が「正社員と同じ給与を支払う価値がある」と判断した場合に、正社員登用が成立するのが基本的な流れです。同じ会社で働くほかの正社員と同等、あるいはそれ以上の能力があると認められれば、契約社員から正社員になれるでしょう。
契約社員から正社員登用を目指す際のコツは、「契約社員から正社員になるには?登用制度の利用や転職時のポイントを解説」でご紹介しています。あわせてご参照ください。
正社員登用制度の有無や実績を事前に確認する
契約社員からの正社員登用を実現できるかは、企業の経営方針によって異なるため、事前に正社員登用制度の有無を確認するのがおすすめです。また、契約社員と正社員では業務内容にどのような違いがあるか、過去にどれくらいの人数が正社員登用されたかを尋ねておきましょう。
ほかの会社に転職して正社員になる
契約社員から正社員を目指す際は、自分のスキルや経験を活かして、ほかの会社へ転職する方法もあります。正社員登用制度がない会社で契約社員として働いている場合や、より自分の希望条件に合う会社で正社員になりたい場合は転職も一つの選択肢です。
契約社員から正社員を目指すためにしておいたほうが良いこと
契約社員から正社員を目指すためにしておいたほうが良いことには、「キャリアプランやライフプランを考え直す」「労働条件通知書を確認する」などの方法が挙げられます。以下で詳しい内容について紹介するので参考にしてください。
キャリアプランやライフプランを考え直す
契約社員から正社員を目指すためには、キャリアプランやライフプランを考え直すのがおすすめです。契約社員は有期雇用契約のため、契約期間満了時に今後どのように働いていくかを選択肢なくてはいけません。事前にキャリアプランやライフプランを立てておくと、スムーズに正社員就職を目指しやすくなるといえます。
契約社員の期間が終わったら、そのまま正社員登用で正社員を目指すのか、転職をして新たなキャリアを積むのかを具体的に考えておくことが大切です。
労働条件通知書を確認する
契約社員から正社員を目指すときは、現在交付されている労働条件通知書をよく確認する必要があります。契約内容の認識を誤ると、退職時のトラブルにつながる恐れがあるからです。
なお、労働条件通知書には、「労働契約期間」や「業務内容」「勤務地」「労働時間」などが記載されています。労働条件の内容を踏まえたうえで、正社員を目指す時期を検討するのがおすすめです。
契約社員から正社員になるための面接対策
契約社員から正社員を目指そうと考えているものの、「選考の難易度が高いのでは」と躊躇してしまう方もいるでしょう。しかし、基本的なフローや社会人としてのマナーを押さえておけば、正社員の面接も乗り切ることは可能です。
ここでは、契約社員から正社員を目指す方に向け、基本的な面接対策について解説します。
よく聞かれる質問や選考フローを確認しておく
契約社員と正社員では面接のフローに大きな違いはなく、書類選考や筆記試験を経たうえで面接を2〜3回ほど行うのが一般的です。一次面接では人事、二次面接では管理職、最終面接では役員というように、担当を変えて行われる傾向にあるでしょう。
ただし、正社員登用制度を利用する場合は通常と異なるフローの場合があるため、事前に確認しておくことが重要です。
面接では、「正社員になろうと決意したのはなぜか」「正社員になる意欲はあるのか」といった点を深掘りされる可能性があります。志望動機や自己PRなどに正社員を目指した経緯や意気込みを盛り込んだり、個別に質問されても答えられるように回答を用意したりするのが望ましいでしょう。
非正規雇用から正社員を目指す際の面接のコツについては、「正社員を目指す方法を解説!なりたい理由を明確にして就職に成功しよう」のコラムをご覧ください。
マナーや身だしなみを確認しておく
面接でのマナーや身だしなみは、契約社員と正社員のどちらも一定の水準が求められます。契約社員だからといってチェックが甘いことはなく、スーツの着こなしや振る舞い、言葉遣いなど、正社員と同じレベルを求められると考えておきましょう。
面接では落ち着いた色のスーツを着用し、髪の毛が顔に掛からないよう、男女ともに整えておくのがポイントです。派手なアクセサリーや香水なども避け、清潔感と社会人としての落ち着きをアピールしましょう。
また、「ハキハキと受け答えする」「正しい敬語を使う」など、面接中の言動も重要。「取引先に連れて行けるか」「社会人として基本的なコミュニケーションを取れるか」といった点も、面接で評価されるポイントです。
「面接マナーを解説!就職・転職活動に必須の礼儀作法と身だしなみとは」のコラムでは、面接のマナーや身だしなみについて詳しくまとめています。
契約社員から正社員を目指すなら転職エージェントがおすすめ
「契約社員から転職して正社員になりたい」と考えている方は、就職・転職サービスを活用するのがおすすめ。就職・転職エージェントは、一人ひとりに合った求人の紹介や、履歴書や職務経歴書などの書類の添削、面接練習もサポートしてくれます。
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ハタラクティブキャリアアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
契約社員から正社員を目指している人やエージェントの利用を考えている人は、ハタラクティブへご相談ください。ハタラクティブは、20代の若年層に特化した就職・転職エージェントです。
専任のキャリアアドバイザーが、あなたの希望や悩みを丁寧にヒアリングを行い、適性に合う求人をご紹介します。また、面接対策や応募書類の添削といったサポートも実施。ご利用はすべて無料なので、ぜひお気軽にご相談ください。
契約社員と正社員の違いに関するQ&A
契約社員と正社員どちらを選べば良いか、お悩みの方もいるでしょう。ここでは、契約社員と正社員に関するお悩みや疑問をQ&A方式で解決していきます。
働くなら契約社員と正社員どちらが良いですか?
長期的に見れば、正社員のほうが安定しているでしょう。一方で、正社員は拘束時間が長く、自分の時間を満足に取れない可能性があります。「プライベートを充実させたい」「目標があるので経験を積みたい」と考えている人は、ワーク・ライフ・バランスを整えやすい契約社員として働くのも手です。
このコラムの「契約社員と正社員の違いとは?」を参考に、それぞれの働き方について比較してみてください。
正社員にならず、契約社員のまま働き続けることはできる?
契約社員が一度の契約で働ける期間は、最長3年間と定められています。ただし、契約期間満了時に更新を行えば、正社員にならずに契約社員として働き続けることが可能です。
また、一つの会社で通算5年以上勤務していれば、有期雇用から無期雇用契約に転換できます。雇用期間については「契約社員の雇用期間は?無期雇用のルールや正社員との違いを解説」でまとめているので、あわせて参考にしてみてください。
契約社員はボーナスがもらえない?給与は正社員と同じ?
契約社員は、ボーナスがもらえなかったり正社員より給与が低かったりする可能性があります。ただし、ボーナスの支給範囲や給与の算定方法は企業によって異なるため、求人情報をよく確認しておくことが重要です。
契約社員の収入については、「契約社員にボーナスは支給される?平均的な金額や収入を上げる方法も解説!」でもご紹介しているので、あわせてご確認ください。
契約社員から正社員になることは可能?
可能です。会社の正社員登用制度を利用したり、正規雇用でほかの会社へ転職したりする方法があります。正社員登用制度は会社が設定する条件を満たす必要があるため、「制度があれば必ず正社員になれる」というわけではありません。より条件に合う職場で正社員になりたい場合は、ほかの会社へ転職するのも一つの方法です。
就職・転職サービスのハタラクティブでは、適性やスキルを活かせる正社員求人をご紹介します。
- 経歴に不安はあるものの、希望条件も妥協したくない方
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ハタラクティブは、主にフリーター、大学中退、既卒、そして第二新卒の方を対象にした就職・転職サービスです。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。