派遣社員とは何か?種類や正社員との働き方の違いを解説

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この記事のまとめ

  • 派遣社員とは、人材派遣会社と雇用契約を結んで派遣先企業に就業する人を指す
  • 派遣社員の種類には「登録型派遣」「常用型派遣」「紹介予定派遣」などがある
  • 派遣社員と正社員の大きな違いは、就業先企業との雇用関係の有無である
  • 登録型派遣社員が同一の派遣先に就業できるのは原則最大3年間である
  • 派遣社員としての経験は、正社員就職を目指す際のアピール材料になる

「派遣社員とは何か?」「正社員との違いは?」など、それぞれの働き方に疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。派遣社員は、正社員に比べて自身のライフプランに合わせた働き方を選択しやすい反面、雇用や収入が安定しづらいデメリットがあります。
このコラムでは、派遣社員の種類や各メリット・デメリットなどを解説。正社員との働き方の違いや知っておくべき派遣社員の事情もご紹介しているので、ぜひご一読ください。

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派遣社員とは何か

派遣社員とは、人材派遣会社と雇用契約を交わし、そこから派遣された先の企業に就業して働く人のことです。 派遣社員の給与支払いや福利厚生、勤怠管理などは登録先の人材派遣会社が担います。派遣契約の更新手続きも人材派遣会社と執り行うため、就業先の企業は関与しません。

派遣社員になるための大まかな4つの手順

派遣社員になるには、派遣会社に登録し、勤め先の会社を紹介してもらうのが一般的な流れです。以下で、派遣社員になるための大まかな手順を確認しておきましょう。

1.自身の経歴や希望勤務条件をまとめる
2.人材派遣会社に登録する
3.仕事を紹介してもらう
4.派遣先に出向する

派遣社員として希望に叶った仕事を紹介してもらうコツは、自身の要望やキャリアビジョンなどを具体的に伝えることです。また、各人材派遣会社の特徴や得意分野を把握したうえで、自分に合った登録先を選ぶようにしましょう。
派遣社員とは何かをより詳しく知りたい方は、「派遣社員になるにはどうしたら良い?登録までの流れも解説します!」もあわせてご覧ください。

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派遣社員という働き方のニーズとは何か

派遣社員の働き方には、企業側と求職者側それぞれの立場から見たニーズがあります。下記で、派遣社員のニーズについて理解しておきましょう。

企業側からのニーズ

企業側から見た派遣社員のニーズは、その時々の状況に応じて必要な人材を確保できる点でしょう。正社員のような無期限雇用ではないため、業務量の増減や経営状態によって人員を調整できるのが企業側のメリットと考えられます。

求職者側からのニーズ

求職者側から見た派遣社員のニーズは、自身の希望する勤務時間や労働条件に合わせた働き方がしやすい点です。派遣契約に準じて業務を遂行するため、特化した分野の業務のみに携わり、自身の専門的スキルを活かす仕事に専念することも可能でしょう。

派遣社員の働き方とは何かについては、「正社員より高給与も可能?派遣社員とは?」でも詳しく解説しています。

「長期派遣社員」と「単発派遣社員」とは何か

派遣社員の勤務期間は、「長期派遣社員」や「単発派遣社員」など派遣形態によって異なります。それぞれの概要を把握し、自分に望む働き方と照らし合わせてみてください。

長期派遣社員

長期派遣社員とは、派遣先で長期的に働くことを見込んだうえでの派遣形態を指します。派遣会社によって派遣期間の設定は異なりますが、6カ月以上~1年程度とするところが多いようです。長期勤務を見込んでいるとはいっても、年に数回程度は定期的な契約更新が実施されます。場合によっては、契約終了になる可能性もゼロではありません。
長期派遣社員は、安定した収入を得られるのがメリットです。仕事の成果を派遣先から認められれば、直接雇用に繋がることもあるでしょう。

単発派遣社員

単発派遣社員とは、短い期間に限って働く派遣形態です。短期派遣の括りに含まれることもありますが、短期派遣より短く設定した期間での勤務を指す場合が多いでしょう。
短期間の派遣契約とはいっても、労働者派遣法の改正により「一定要件を満たさない30日以内の日雇派遣は原則禁止」となったため、基本的に31日以上は勤務する必要があります。
単発派遣社員として働きたい方は、単発派遣形態の案件の有無や充実度をもとに派遣会社を選定したほうが良いでしょう。

参照元
厚生労働省
労働者派遣法が改正されました

派遣社員の種類と各メリット・デメリットとは何か

派遣社員の契約形態には「登録型派遣」と「常用型派遣」のほか、就業先の企業への直接雇用を前提とした「紹介予定派遣」などがあります。それぞれの働き方の特徴や、メリット・デメリットを見てみましょう。

登録型派遣社員

派遣元の会社に登録し、派遣先の企業で働くのが登録型派遣社員です。一般に「派遣」といえば、この形態を指すことが多いでしょう。 登録型派遣社員の雇用契約は就業している期間に限るため、実際に働いている期間のみ給与が発生します。

登録型派遣社員のメリット

勤務地や時給、業務内容など、派遣社員が自分の希望に応じた働き方を選択できます。

登録型派遣社員のデメリット

同じ派遣先には最大3年しか就業できないため、雇用が安定しづらいでしょう。また、派遣社員としての契約期間が満了したあとに次の就業先が見つからなかった場合、給与の保障がないので生活が不安定になることもあります。

常用型派遣社員

常用型派遣社員は、「無期雇用派遣社員」として派遣元の企業に入社したあと、就業先に派遣される雇用形態を指します。
月給制であることが多く、正社員に近い働き方になるのが特徴です。常用型派遣社員で契約期間満了後に次の就業先が見つからなかった場合、派遣元企業での就業あるいは待機となるため、その期間にも給与が発生します。

常用型派遣社員のメリット

派遣元企業の社員としての雇用なので、福利厚生も正社員に準ずる場合が多く、登録型派遣社員と比較して収入や雇用が安定しています。

常用型派遣社員のデメリット

勤務地や時間などを選びづらくなるので、派遣社員として自由な働き方をすることは難しいでしょう。また、同じ業務を行っていたとしても、直接雇用された正社員より待遇が低くなる場合もあるようです。

紹介予定派遣社員

紹介予定派遣社員とは、派遣先での正社員・契約社員などへの直接雇用を前提として働く人のことです。厚生労働省による紹介予定派遣の概要にもあるように、最長6か月間勤務し、その期間に派遣先の企業と派遣社員の双方が希望すれば、直接雇用を結べます。

紹介予定派遣社員のメリット

実際に働いてから就職を決められるため、正社員として入社する前に企業とのマッチ度を見定められます。通常の派遣社員とは違い、6か月以内という短期間で登用が決定されるので、働いて賃金を得ながら早期の直接雇用を目指せるのが利点といえるでしょう。

紹介予定派遣社員のデメリット

直接雇用は必ずしも「正社員」とは限りません。派遣と条件が変わらない契約社員や、その他の雇用形態での採用となる可能性も念頭に置いておきましょう。
また、通常の派遣社員とは異なり、内定の前に選考が行われるため、仕事が決まりづらい場合があります。企業によっては正社員採用と変わらない選考を実施するところもあり、その他の派遣社員に比べて就業が難しい傾向にあるでしょう。

参照元
厚生労働省
紹介予定派遣の概要

派遣社員と正社員・契約社員の違いとは何か

派遣社員と正社員・契約社員における雇用形態の大きな違いは、「就業先の企業との雇用関係の有無」です。
派遣社員は、あくまで派遣元の人材派遣会社と交わした契約のもとで、就業先の企業に派遣されて働く人のこと。そのため、前述したように、福利厚生や給与、有給休暇といった管理は派遣元である人材派遣会社が行います。
一方、正社員と契約社員は就業先企業と直接雇用契約を結んで働く人です。無期雇用の正社員と違い、契約社員は有期雇用契約となりますが、福利厚生や社会保険などは正社員と同じく就業先の企業が管理します。

ポイント別に比較!派遣社員と正社員・契約社員の違い

派遣社員と正社員・契約社員の違いを、「勤務時間」「休みの取りやすさ」「給与」「仕事内容」「交通費」の気になるポイントごとに比較してみましょう。

勤務時間

派遣社員:派遣元の人材派遣会社と結んだ契約の内容次第です。子育てや介護などさまざまな事情で残業ができない場合は、「残業はしない」という契約を交わしたうえで働けば、就業先で残業に応じなくても問題はありません。ただし、「残業も可」と契約を交わしていた場合は、残業対応を要することもあります。

正社員:正社員は派遣社員と異なり、実働8時間のフルタイム勤務が基本で、場合によっては残業もあり得るでしょう。会社や業務内容次第では、出張や転勤の可能性もあります。<

契約社員:就業している会社との直接契約のため、現場で命じられれば残業に対応しなければならないことがあるでしょう。雇用契約時に勤務地を限定できる場合が多く、転勤の可能性は低いといえます。

休みの取りやすさ

派遣社員、正社員、契約社員どの雇用形態においても、就業先の慣例や雰囲気次第というのが実情です。 また、繁忙期によっても休日の取りやすさは変わるでしょう。
ただし、派遣社員であれば、週4日や短時間の勤務など働き方を選べるメリットがあります。また、契約期間満了後、数週間の休業期間を設けたあと次の派遣先へ就業する…といった働き方も可能でしょう。

給与

派遣社員:派遣社員は時給制が一般的で、比較的高めに設定されていることが多いようです。しかし、祝日が多い月に勤務日数が少なくなれば、その分だけ支給額が減るため、収入が安定しづらいというデメリットも考えられます。

正社員・契約社員:正社員と契約社員は月給制・年俸制が一般的です。派遣社員と比べて時給換算した給与が少ないことはありますが、交通費の支給といった手当や待遇面で優遇される場合もあります。祝日が続き勤務日数が減ったとしても、安定した月額給与を受け取れるのもメリットでしょう。

仕事内容

派遣社員:派遣元の人材派遣会社が間に入った契約で業務内容を定めているため、派遣社員は担当する領域が明確になりやすい傾向にあります。また、派遣社員の場合は派遣元の会社がクッションとなり、派遣先との間を取り持ってくれるため、トラブルに発展しづらい環境です。

正社員:正社員になれば、本来の専門業務以外の仕事や雑務を任されることもあるでしょう。会社の集まりへの参加が必要な場合もあります。また、昇進して役職に就く可能性もあり、そうなると監督業務や責任が発生するでしょう。

契約社員:契約社員の場合、契約外の業務を命じられることもあるでしょう。就業先の企業によっては、正社員と同等の働きを要求されることもあるようです。

交通費

派遣社員:派遣社員は時給に交通費が含まれているのが一般的です。別途支給・一部支給される場合もありますが、その分時給が安く設定されることが多い傾向にあります。

正社員・契約社員:派遣社員とは異なり、正社員と契約社員は給与とは別に交通費が支給される場合がほとんどです。そのため、遠方から通勤することになっても安心でしょう。

派遣社員と正社員・契約社員にはそれぞれ違いがあり、働くうえでのメリット・デメリットもあります。それらを踏まえて、自分のライフプランに応じた働き方を選ぶことが大切です。派遣社員と正社員の違いとは何かについては、「正社員型派遣とは?派遣と正社員の働き方の違いについても解説」もぜひご参考にしてください。

知っておくべき派遣社員の事情とは何か

この項では、派遣社員として働くうえで知っておくべき知識やマナーについてまとめました。

派遣社員の契約期間

派遣社員のうち契約期間の定めがあるのは、「登録型派遣社員」と「紹介予定派遣社員」の2形態です。前述したように、紹介予定派遣社員の契約期間は、6か月以内と定められています。ここでは、「登録型派遣」の契約期間について確認しておきましょう。

登録型派遣社員の契約期間

登録型派遣社員では、同一の派遣先に最大3年間就業できます。
いきなり半年や1年という期間で契約するのではなく、最初は1カ月、その後3カ月、6カ月…と伸ばされるのが一般的でしょう。特に3カ月ごとの更新を採用している人材派遣会社が多いようです。
この「最大3年間」という期間には例外もあります。厚生労働省の平成27年労働者派遣法改正法の概要によると、下記の条件に該当する方は期間の制限を受けずに就業可能です。

【期間制限の例外】
・終期が明確な有期プロジェクトに関する派遣業務の場合
・60歳以上の派遣労働者の場合
・産前産後休業、育児休業、介護休業などを取得する労働者の業務に派遣される場合

上記のほか、先に説明した常用型派遣社員(無期雇用派遣社員)や月10日以下の派遣業務などの場合も、適用対象外となります。

参照元
厚生労働省
平成27年労働者派遣法改正法の概要

派遣先で契約外業務を頼まれ対応に困る場合がある

派遣社員の方の中には、派遣元の契約内容と就業先の環境で板挟みになり困る人もいるようです。
残業ができないから、専門的なスキルを活かして仕事がしたいから…など、派遣社員であるメリットを重視して働き始めたはずが、就業先で契約内容外の業務を断るのにストレスを抱えることも少なくありません。
このような状況に陥ったら、派遣社員として勤務しやすい環境で働けるよう、伝え方の工夫が必要です。ストレートに相手の依頼を断ると、悪印象を与える恐れがあるため注意してください。
たとえば、残業を頼まれたときには、「派遣元の担当者と相談してみます」と検討する姿勢を示すのも一つの方法です。また、「今は育児中で保育園のお迎えがあるので」と具体的な理由を説明し、相手の納得を得るのも良いでしょう。そのほか、「要望に添えず申し訳ないのですが…」とひと言添えるのもおすすめです。

派遣社員のほうが時給が高いのはなぜ?

派遣社員の給与は、契約社員や正社員と比較して高い場合があります。これは、派遣社員に「教育コスト」が掛からないためと考えられるでしょう。
日本の企業では、正社員を始めとする直接雇用の社員に対して、高い教育コストを掛ける傾向にあります。そのため、教育コストが掛かる若いうちは給与が低く、年齢が上がるにつれ給与が上がっていくのが一般的な流れです。
一方、企業にとって派遣社員は特定業務に対するスキルを提供してもらえる人材といえます。未経験からの募集が可能なものもありますが、基本的には即戦力を期待される場合が多いでしょう。企業側は教育コストを掛けずに部分的な業務をこなしてもらうべく派遣社員を採用するため、時給の単価が上がりやすいと考えられます。

派遣社員のままだとスキルアップしづらい

前項に挙げた理由から、派遣社員だとスキルアップしづらい側面もあるでしょう。
近年では、スキルアップや資格取得の支援サービスを設けている人材派遣会社も多いため、自ら学ぶ姿勢があればスキルを磨き続けることは可能です。しかし、研修や教育体制の充実した正社員には及ばない部分もあるでしょう。得意分野のみに限定した働き方では、将来的に仕事の選択肢が狭まっていく恐れもあります。
派遣社員として働くのであれば、能動的にスキルアップを図ったり、派遣元の制度やサービスを有効活用したりしながら、キャリアアップを目指すのがおすすめです。

派遣社員と正社員における労働条件の違いとは何かを知りたい方は「派遣から正社員登用を目指すには」もご参照ください。

派遣社員から正社員を目指す方法とは何か

最後に、派遣社員から正社員を目指す際の方法をご紹介します。派遣社員から正社員に就職したいと考えている方は、以下を参考に自分に合ったやり方でキャリアチェンジを叶えましょう。

派遣先に正社員として就職する

もともと派遣社員として勤めていた派遣先の企業に、正社員として改めて就職するのが一つの方法です。この場合、派遣先の企業から能力や人柄を買われて、正社員就職することが多いでしょう。派遣社員として勤務していた企業のため、職場の風土や人間関係などを把握したうえで就職できるのが利点といえます。

紹介予定派遣を利用して正社員になる

前述の「紹介予定派遣社員」の制度を利用して、正社員就職を目指す方法もあります。
紹介予定派遣社員は、派遣先と直接雇用契約を結ぶ想定で働く派遣形態です。そのため、派遣先との相性を確かめたうえで正社員になれる可能性があります。
ただし、直接雇用とはいっても、必ずしも正社員として採用されるとは限りません。正社員就職を目指すのであれば、事前に契約内容を確認することをおすすめします。また、派遣先の合意を得られなければ、直接雇用に至らない場合もあるため注意が必要です。

派遣社員としての職歴を武器に正社員へ転職する

派遣社員としての職歴を就職活動でアピールして、正社員に転職するのもおすすめです。
派遣社員で培った社会人スキルや業務経験は、就職活動で応募先企業に自身を売り込むための強みになります。これまでの職歴や保有するスキルを洗い出し、自身の採用メリットを応募先企業に自信を持ってアピールしましょう。

派遣社員として働く方の中には、「正社員未経験だから採用されないかも」「正社員になろうとして失敗したし…」といった理由で就職活動に踏み切れない方もいるのではないでしょうか。
一人での就職活動に不安を感じるときは、転職エージェントの活用がおすすめです。転職エージェントには、派遣やフリーターからの正社員就職・転職を支援しているサービスも数多くあります。

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