無期雇用とは?パートや派遣は該当しない?正社員との違いを解説!

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この記事のまとめ

  • 無期雇用とは、雇用期間の定めがない労働契約の種類
  • 無期転換ルールとはパートや派遣社員、契約社員のまま雇用期間の定めがなくなる制度
  • 無期雇用転換したい派遣社員は、派遣元の会社に申し出る
  • 無期雇用転換した契約社員と限定正社員とは異なる雇用形態
  • 正社員を目指すなら、無期転換せずに転職する方がチャンスがある

パートや派遣社員、契約社員といった雇用形態で働く人のなかには「無期雇用とは?」「正社員と何が違う?」と疑問を持っている方もいるでしょう。

無期雇用とは、契約期間の定めがない働き方です。無期転換ルールを活用すれば、パートや派遣社員、契約社員のまま雇止めの心配なく働けます。このコラムでは、無期雇用の制度や正社員との違いを解説。無期転換のメリット・デメリットも紹介します。

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無期雇用とは

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無期雇用とは、雇用期間に定めのない労働契約です。無期労働契約ともいい、契約満了による雇止めの恐れがなく、企業が定める年齢まで働けます。契約期間に定めがあり、更新されるか不確かな有期雇用に比べて、無期雇用は安定した働き方といえるでしょう。

雇い止めとは?会社都合で簡単に実施できる?契約満了との違いとは」で解説しているように、有期労働契約者は会社都合で仕事がなくなる恐れがあります。安定した就労のためにも、契約社員や派遣社員、アルバイトなどで働く方は無期雇用へ転換するのも一つの方法です。

正社員として働くのと今のまま無期転換するのではどちらが良いか悩んでいる方は、「正社員のメリット・デメリットとは?派遣や契約社員についても解説!」をチェックしてみましょう。

無期雇用と正社員の違い

派遣社員や契約社員、パートが無期雇用になっても、契約期間の定めがなくなるだけで正社員になるわけではありません。雇用形態は変わらないため、給与や勤務時間、待遇も据え置きとする企業が多いようです。なかには無期雇用転換のタイミングで労働条件の見直しを行う企業もあるので、あらかじめ就業規則を確認したり上司に質問したりしておくと良いでしょう。

無期転換ルールとは

企業との雇用契約期間が通算5年を超えた有期雇用労働者は、申し出を行うことで無期雇用への転換が可能です。無期転換ルールは労働契約法18条で制定されており、企業側は無期転換の申し出を拒否できません。

万が一、企業から「無期転換を認めない」「企業方針なので従えないなら解雇する」と言われた場合は不当解雇といえます。無期雇用転換を断られたら、各都道府県の労働局に相談してみましょう。

参照元
e-Gov法令検索
労働契約法

無期転換ルールが制定された理由

契約社員や派遣社員、パートやアルバイトなどで働く人が雇止めに遭う懸念を払拭するため、無期転換ルールが制定されました。有期契約労働者が無期転換できるようになったのは、2013年4月に改正労働契約法が施行されてからです。

自由な働き方を選べるのは非正規雇用の魅力といえます。しかし、「雇止めになるかも…」という不安から、職場環境への意見を言えなかったり有給申請をしにくかったりするのも事実です。無期転換ルール制定後は、雇止めを心配する必要がなくなり、非正規雇用の人材も働きやすくなったといえます。正社員でなくとも将来設計を前向きに考えられ、キャリア形成がしやすくなるのは、無期転換ルールのメリットです。

雇止め法理とは

雇止め法理とは、労働契約法第19条により、不合理な雇止めに制限を加えることで有期雇用労働者を保護するものです。「雇止め」は労働契約の期間が終了する際に、使用者が契約を更新せずに打ち切ること。なお、雇止めはいつでもできるわけではなく、「客観的に見て合理的な理由であり、社会通念上妥当と認められたとき」のみ認められます。

参照元
厚生労働省
労働契約法改正のポイント

パート・派遣・契約社員も無期雇用の対象になる

無期転換ルールは、雇用形態に関わらず「2013年4月以降、通算5年以上同じ会社に勤務している方」が対象です。なお、派遣社員の場合は派遣元の企業に無期転換の申し出を行います。無期転換ルールや無期労働契約について詳しく知りたい方は、厚生労働省のWebサイトを確認してみましょう。

参照元
厚生労働省
有期契約労働者の無期転換ポータルサイト

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無期雇用派遣とは

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無期雇用派遣とは、派遣会社と無期労働契約を締結して派遣社員として働く雇用形態です。無期雇用派遣は、昨今注目を集めている新しい雇用形態の一つ。契約期間の定めがある有期雇用派遣と違って、常に派遣会社と派遣社員との間で雇用契約が継続されるため、働き方が安定するのが魅力です。

有期雇用派遣との違い

無期雇用派遣は、有期雇用派遣と違い契約期間の定めがなく、待機期間中も給料が発生します。有期雇用派遣の場合、派遣先が決まってから派遣会社と雇用契約を結ぶ「登録型」が一般的です。有期雇用の場合、派遣期間の終了と同時に派遣会社との雇用契約も切れるため、次の派遣先が決まるまでは給料が発生しません。

しかし、無期雇用派遣なら派遣元の会社に常に雇用されているため、派遣先が決まるまでの待機期間も収入が途切れません。安定した収入を得られるので、将来設計がしやすくなるのも無期雇用に切り替える魅力といえます。

無期雇用派遣は「常用型派遣」と呼ばれることもあります。詳しくは「無期雇用派遣とは?正社員との違いやボーナスの有無をご紹介」で解説しているので参考にしてください。

「派遣の3年ルール」と「無期雇用転換ルール」は違う

「派遣の3年ルール」とは、1人の派遣社員は同じ事業所の同じ事務所で働けないというルールのこと。どちらも「3年」「5年」といった期限があるため混同しやすいですが、「3年ルール」は派遣先での就業期間について。「無期雇用転換ルール」は派遣元との契約期間についての定めなので違いを把握しておきましょう。

無期契約社員とは

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無期契約社員とは、契約期間の定めがない契約社員です。給与や待遇は通常の契約社員と変わりません。「事情があり正社員になるのが難しい」という方にもおすすめ。通算5年以上契約社員として働いた場合、無期転換も検討できるでしょう。

有期契約社員との違い

一般的な契約社員には雇用期間の定めがあり、一定期間ごとに業績や社内評価などを参考に更新可否が決まります。一方、無期雇用に転換した契約社員は雇用期間の定めがなく、「クビになるかもしれない」という不安を抱えずに定年まで働けます。

正社員と無期契約社員の違いを知りたい方は、「契約社員と正社員の違いとは?登用制度や無期転換についても解説」を参考にしてください。

無期契約社員と限定正社員とは異なる

限定正社員は、育児や介護などと仕事を両立するために勤務地や業務内容、労働時間を一定の範囲内に限った雇用形態です。契約社員やパートと違って、限定正社員にはもともと契約期間の定めがありません。そのため、通算5年以上働かないと無期転換できない契約社員とは異なります。

無期雇用転換の3つのメリット

ここでは無期雇用になった人が感じる3つのメリットを紹介します。現在パートや派遣社員、契約社員として働いており、無期転換を考えている方は参考にしてみてください。

無期雇用転換のメリット

  • 期限を気にすることなく会社に在籍できる
  • キャリアアップ・スキルアップが見込める
  • 収入が途切れる心配がない

1.期限を気にすることなく会社に在籍できる

無期雇用は期間の定めのない労働契約のため、正社員と同様に定年まで在籍可能です。有期雇用派遣の場合は、派遣先が変わるたびに労働契約を締結します。次の派遣先が決まらなければ、他の派遣会社への登録や転職も視野に入れなければなりません。

また、アルバイトやパート、契約社員の有期雇用なら、会社が定める雇用期間ごとに契約を更新する必要があります。場合によっては「次の契約更新はしない」と言われることも。無期雇用なら、契約期間を気にすることなく安定した雇用条件で働けます。

2.キャリアアップ・スキルアップが見込める

無期転換によって雇用期間の定めがなくなるため、キャリア・スキルアップが見込めます。有期雇用の場合、いつ契約を切られるか分からず、キャリアアップのためにスキルを磨く余裕があまりありません。そこで、無期転換することによって、契約満了や次の職場探しなどの不安がなくなり資格習得やセミナー参加に前向きになれます。

派遣社員の場合、無期雇用派遣になると3年ルールが適用されなくなるので1つの職場でじっくりとキャリアを積み、スキルアップが可能です。いつまで働けるか分からない有期雇用に比べて、キャリア・スキルアップが容易な無期雇用で働くのはパートや派遣社員、契約社員にとってメリットといえます。

一般的に有期雇用でスキルアップは難しい

雇用期間に定めのある有期労働契約は、無期雇用の正社員に比べてスキルを磨いたりキャリアアップを目指したりする機会が少ないといえます。企業側も「一時的な労働力」と考えて採用している場合が多いため、有期雇用の人材育成には消極的なことも。スキルアップやキャリア形成を考えるなら、無期転換を考えた方が良いでしょう。

キャリアアップを目指すなら、転職して正社員になるのも一つの方法です。キャリアアップとは?目指すメリットや実現させるための5つの方法を解説!」では、キャリアアップを実現する方法をまとめています。転職するか無期転換するか悩んでいる方は、ぜひご覧ください。

3.収入が途切れる心配がない

無期労働契約を締結するとクビになりにくいため、有期雇用に比べると収入は安定しやすいでしょう。ただし、「無期雇用と正社員の違い」でも述べたように、無期雇用=正社員ではありません。雇用期間が無期になっても労働契約はアルバイトやパートのままなので、労働日数・労働時間が確実に増えるとは限らないので注意しましょう。

派遣社員の場合も派遣会社との労働契約が無期限のため、派遣先が決まらない待機期間にも給料が発生します。派遣期間が終了して次の派遣先が決まらない状態でも、収入が途切れる心配がありません。

無期雇用で働く2つのデメリット

無期雇用の働き方にはデメリットもあります。メリットとデメリットの両方を理解したうえで、自分に合った働き方を選択しましょう。ここでは、無期雇用で働くデメリットを紹介します。

無期雇用で働くデメリット

  • 自由な働き方ができなくなる
  • 残業やリーダー業務など責任が大きくなる

1.自由な働き方ができなくなる

無期雇用になると労働日数や時間が固定されることもあり、自由に働けなくなる可能性もあります。場合によっては、正社員と同様に週5日のフルタイム勤務を求められることも。「子どもの長期休暇に合わせて休みを取りたい」「短時間だけ働きたい」という場合には、不向きな雇用形態といえます。
ただし、前述したようにあくまでも雇用期間の契約のみが変わるのが無期雇用転換ルールです。雇用形態・労働条件の変更は基本的にないので、会社によっては「これまでと同じ」で済む場合もあります。

2.残業やリーダー業務など責任が大きくなる

無期労働契約への切り替え後、待遇は変わらないのにリーダー業務を任されたり残業を頼まれたりする場合もあります。責任ばかり大きくなって辛い思いをしないように、事前に情報を集めてみると良いでしょう。企業の就業規則次第ですが、無期雇用に転換するときに労働条件を変えられる可能性があります。

労働条件通知書とは?確認すべき項目や雇用契約書との違いを解説」のコラムでは、労働条件が確認できる労働条件通知書の確認ポイントを紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。

無期雇用で働くうえで注意すべき5つのポイント

有期雇用から無期雇用に転換する場合、雇用期間が無期限になることで雇止めの心配がなくなります。しかし、無期転換後の待遇は企業によってさまざまです。また、無期転換のタイミングについても抑えておく必要があります。無期雇用で働くうえで注意すべきポイントについて見ていきましょう。

無期雇用で働くうえで注意すべきポイント

  • 業務・待遇が変わるとは限らない
  • 与えられる役割は場合により異なる
  • 雇用状況を確認しておくことが重要
  • 申込権を持つ労働者が自ら申し出なければいけない
  • 社会通念上正当な理由があれば解雇対象になる

1.業務・待遇が変わるとは限らない

無期転換ルールは、雇用期間を有期から無期と定めるものであり、業務内容や待遇については各企業によって異なります。無期雇用に転換した場合も、労働時間や昇給・賞与の有無といった雇用契約の内容が変わるとは限りません。一般的には、待遇は変わらずに契約期間のみが無期限になるパターンが多いとされています。

2.与えられる役割は場合により異なる

無期転換後の労働者は、正社員や勤務地・勤務時間・職務に定めのある限定社員などへの登用が見込まれる場合もありますが、企業によって待遇が異なります。企業によっては、無期転換後の体制が整っていない場合もあるでしょう。

3.雇用状況を確認しておくことが重要

無期転換を希望する場合は、自身の雇用状況を確認しておきましょう。有期労働契約の期間が通算5年を超えた時点で、無期転換の申し出が可能になります。なお、有期労働契約期間中に無期転換の申込を行う必要があるため注意が必要です。

4.申込権を持つ労働者が自ら申し出なければいけない

無期転換を希望する場合、申込権を持つ労働者自身が申し出なければなりません。有期労働契約が通算5年を超えることになる契約期間中に、企業に意思表示をしましょう。労働者に無期転換できることを知らせる企業もありますが、企業側には申込権発生の通知義務はありません。自分自身で5年となるタイミングを管理しておきましょう。

5.社会通念上正当な理由があれば解雇対象になる

無期雇用転換したあとも、会社に大きな損害を与えたり勤怠不良が続いたりすると、解雇対象になる可能性があります。無期雇用になったからといってクビにならないとは限りません。契約期間が無期になったあとも、有期雇用だったときと同じように、仕事にはしっかり励むことが大切です。

仕事をクビになる理由は?どんなときに解雇される?」では、仕事をクビになる理由を解説しているので、あわせて確認してみてください。

無期雇用とはどのような働き方なのか理解しておこう

無期雇用とはどのような働き方なのか理解しておこうの画像

無期雇用は収入や雇用が安定しており、有期雇用と比較して多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。無期雇用の働き方を理解したうえで、選択肢に入れると良いでしょう。

なお、現在正社員を目指している場合、無期雇用への転換はおすすめしません。なぜなら、雇用形態による賃金格差は大きく、非正規雇用より正社員の方が収入も待遇も良いからです。無期雇用転換をしても、契約期間が無期になるだけで確実に正社員になれるわけではなく、登用制度があっても時間が掛かる可能性があります。

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無期雇用に関するQ&A

今の会社で無期雇用で働きたいと考えている人もいるでしょう。ここでは、無期雇用に関する悩みや疑問についてQ&A形式でまとめているので、参考にしてみてください。

無期雇用になる条件はなんですか?

2013年4月以降に、同じ企業での有期雇用契約が通算5年を超えた状態で更新されており、なおかつ本人から企業へ申し出があった場合に無期雇用への転換が可能となります。無期雇用に転換すると、契約更新の必要がなく、雇用期間を気にせず働くことが可能です。

ただし、無期雇用に転換しても雇用形態が正社員に変わるわけではないので、注意しましょう。また、無期雇用になっても勤務態度に大きな問題がある、会社に大きな損害を与えた、犯罪行為をしたといった場合は正当な解雇理由になるので、社会人としての良識を忘れずに働くことが大切です。

無期雇用とは正社員と同じですか?

結論から申し上げると、無期雇用と正社員は同じではありません。パートや派遣、契約社員から契約期間の定めがなくなるだけで、雇用形態はそのままとなるためです。

正社員になりたいと思っている方は、転職を検討してみましょう。企業によっては正社員登用制度を設けているところもあるので、調べてみるのもおすすめです。正社員登用制度については「正社員登用制度とは?読み方や必要な実績・試験について解説!」のコラムで解説しているので、あわせてチェックしてみてください。

無期雇用を申し出たらクビにされますか?

企業側は、無期雇用転換を申し出たことを理由に労働者を解雇することはできません。このコラムの「無期転換ルールとは」にあるとおり、企業側は無期転換の申し出を断ることは原則不可能です。また、労働契約法第16条により、客観的に合理的な理由もなく、社会通念上相当と認められない場合は解雇できません。そのため、条件を満たしており、普段の勤務態度に大きな問題がなければ、基本的に無期雇用転換は可能です。

参照元
e-Gov法令検索
労働契約法

無期雇用派遣で働くメリットは?

無期雇用派遣の場合は、このコラムの「2.キャリアアップ・スキルアップが見込める」でも述べたように「3年ルール」の対象外となるため、契約の更新を気にせず長期間働くことが可能です。

また、労働者派遣法改正により、派遣会社に「キャリア形成支援制度」の設置が義務づけられたため、キャリアアドバイスや研修を受けられる環境が整っています。キャリア形成がしやすくなるのは、派遣社員が無期労働契約を結ぶ最大のメリットといえるでしょう。

無期契約社員と限定正社員は何ですか?

限定正社員は、育児や介護などと仕事を両立するために勤務地や業務内容、労働時間を一定の範囲内に限った雇用形態です。契約社員やパートと違って、限定正社員にはもともと契約期間の定めがありません。そのため、通算5年以上働かないと無期転換できない契約社員とは異なります。正社員としての就職を検討している方は、就職・転職エージェントのハタラクティブまでご相談ください。

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