基本給と手取りの違いは?控除される税金や手取りを増やす方法も解説!

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この記事のまとめ

  • 基本給は毎月の基本となる賃金で、手取りは総支給額から控除額を引いた賃金を指す
  • 月給は基本給と各種手当を足した1ヶ月分の賃金で、正社員の一般的な給与形態
  • 20代の平均手取り額は、性別や学歴によって違いがある
  • 手取り額を上げるためには、社会保険料や各種控除の違いに着目して比較する必要がある

求人には、給与について「基本給」「手取り」などと記載されますが、具体的な違いが分からない方もいるのではないでしょうか。給与明細を正しく理解するうえで、給与に関係する用語への理解は欠かせません。転職時の求人チェックでも大事なポイントとなります。

このコラムでは、基本給と手取りの違いについてや手取りを増やすための方法をご紹介します。これから手取り額を増やしていきたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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基本給と手取りの違いとは

基本給は給与を計算する際のベースとなる賃金、手取りは実際に受け取れる金額を指します。

・基本給:給与の基本となる賃金
歩合給や手当などは含まれない
・手取り:総支給額から控除額(所得税、厚生年金、健康保険料、雇用保険料、住民税など)を差し引いた賃金
一般的な目安として、額面の75〜80%が手取り額となる
・月収:年収を12で割った金額
1年間で支払われたボーナスや手当を合わせて、1ヶ月あたりの賃金を割り出す

基本給に似た言葉として「月収」や「月給」があるので、間違った認識をしないようそれぞれの意味を理解しておきましょう。

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基本給に関する17個の用語と手当

基本給に関連した用語には、基本給や手取り以外にも「俸給」「額面」など、あまり聞き慣れないものもあります。ここでは、基本給に関係する17個の用語や手当について解説します。

1.俸給

俸給とは、会社などに勤めている人の働いた対価として受け取る賃金のことです。国家公務員に対して支給されている、諸手当を除いた基本給与を指す場合もあります。

2.固定給

固定給とは、決まった時間や日数の勤務に対して、毎月決まった賃金を支給する給与形態のことです。固定給+歩合給のように、プラスの業務によって決まった金額に手当がつくケースもあります。

3.歩合給

歩合給とは、仕事の成果に対して支払われる賃金や手当のことで「フルコミッション制」とも呼ばれています。完全歩合給の場合はあらかじめ決められた固定給がなく、業績によって毎月の給与が変わるため、リスクが伴います。

なお、営業職や販売職などにおいては、基本給よりも歩合給の方が高額になるケースもあるため、募集要項を事前に確認しておきましょう。

4.額面

額面とは、会社から従業員に支給されている金額を合計した賃金です。一般的には、基本給のほかに交通費や残業代などの手当ても合算されており、給与明細の「総支給金額」の欄に記載されています。

5.所得

所得とは、収入から必要経費を差し引いた際に残った金額のことです。たとえば、商品を販売して得た金額は収入ですが、支払っている商品の原価が必要経費になるため、収入から原価を引いた金額が所得となります。

6.時間外労働手当

時間外労働手当は、法定労働時間を超えた際に発生する割増賃金のことであり、いわゆる「残業代」と呼ばれるものです。

労働基準法第32条により、休憩時間を除き1日8時間または1週間40時間を超えて働いた際は、通常賃金に25%以上の額を上乗せした手当を支払うよう定められています。

7.深夜労働手当

深夜労働手当は、深夜の時間帯に労働を行った際に支払われる割増賃金のことです。具体的には、22時から翌5時までを深夜の時間帯としており、その時間帯に働いた場合は、通常の賃金に対して25%以上を上乗せした賃金で支払う必要があります。

8.休日出勤手当

休日出勤手当は、法定休日に労働を行った際に支払われる割増賃金のことです。従業員が法定休日に出勤して働いた場合、使用者は通常の賃金に対して35%上乗せした賃金を支払う必要があります。

9.営業手当

営業手当とは、営業職の社員に対し、社外での営業活動に必要な金銭的負担の補助を目的として支給される手当です。近年では、「みなし残業代」として営業手当を支払っている会社もあります。みなし残業代については「気になる企業のみなし残業制度を正しく理解しよう!」で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

10.資格手当

資格手当とは、会社の運営に必要な資格を取得する際に支払われる手当です。資格取得にかかる費用を、資格手当として会社が一部負担してくれます。個人的に業務に関する資格を取る場合、企業に申請をすれば手当を受けられる可能性があります。

11.技能手当

技能手当は、会社が求めている技能を有している社員に対して支給される手当です。技能を持っている社員を優遇することによって、ほかの社員の技能取得を応援したり、退職を防いだりすることを目的としています。

12.住宅手当

住宅手当は、主に家賃や住宅ローンの補助として会社から支払われる手当のことです。法定外福利厚生のため、導入するかどうかは企業によって異なり、引っ越し費用や社員寮といった形で補助を行う場合もあります。

社員1人あたり同じ金額を助成する場合もあれば、個々の事情に合わせた金額を設定する場合もあり、支払い方法はさまざまです。

13.出張手当

出張手当は、出張をした際に支払われる手当を指します。出張は、多くの企業で通常の勤務とみなされていますが、残業代がつかないのが一般的です。しかし、社員の肉体的、精神的な負担や出費が大きいため、慰労目的で出張手当が設けられています。

出張手当は法定外福利厚生であるため、導入は企業の任意です。役職や宿泊日数の長さなどを基準に支給額を決めており、会社の「出張旅費規定」によって定められていることが多いです。

14.家族手当

家族手当は、扶養家族がいる社員に対して支給される手当です。手当の額は社員が扶養する家族の人数に応じて決められており、社員の生活を支えることを目的に支給されています。ただし、対象となる家族の人数や扶養の範囲は会社により異なります。

15.通勤手当

通勤手当は、会社への通勤にかかる経費を補填することを目的に支給される手当です。一般的には、電車やバスなどの公共交通機関の交通費や、マイカー通勤に必要なガソリン代などを距離や時間から計算し、必要経費を手当として支給しています。

16.役職手当

役職手当は、管理職などの役職についている社員に支給される手当です。役職が与えられている人は、職務内容が複雑かつ責任が重いうえに、時間外手当の支払い対象から除外されていることが多いため、あらかじめ定額で手当てを支給しています。役職の責任が重くなるほど、手当が高額になることが多いです。

17.無事故手当

無事故手当は、一定期間無事故無違反だった場合に支払われる運送業特有の手当です。ドライバーが安全に運転できるようにすることを目的にしており、モチベーションを向上させる効果もあります。

参照元
e-Gov法令検索
昭和二十二年法律第四十九号 労働基準法

支給額から控除される主な社会保険と税金

勤務先から賃金を受け取っている場合、健康保険や厚生年金、所得税などさまざまな税金が控除されています。ここでは、支給額から控除される社会保険や税金について説明します。

1.健康保険

健康保険とは、保険料を納めることで病気や怪我で病院にかかった際の自己負担額を一定の割合に抑えることができる医療保険制度です。保険料は勤務先と従業員とで折半となります。

2.介護保険

介護保険とは、介護が必要になったときに1〜3割の負担で介護サービスを受けることができる保険です。40歳以上の国民に加入が義務づけられており、健康保険と一緒に保険料を納めます。

3.厚生年金

厚生年金は、将来年金をもらうために払う掛け金です。すべての従業員に支払い義務があるものの、企業が半額負担してくれるうえ、国民年金に上乗せして受け取れるというメリットがあります。

4.雇用保険

雇用保険は、退職後に失業給付を受けることで生活の安定を図ることを目的に加入する保険です。事業によってその保険料が違うのが特徴で、雇用条件に関わらず労働時間によって加入が決まります。

5.所得税

所得税は、稼いだ額に対してかかる税金です。給料から諸手当を引いた分に課税され、毎月源泉徴収で天引きされます。しかし、そのままでは所得税を払い過ぎていたり足りなかったりすることがあるため、年末調整や確定申告が必要です。

6.住民税

住民税は、居住する都道府県や市区町村に納める税金で、前年の年収でその金額が決まります。なお、年収によってはフリーターも住民税を支払う義務があるため注意しましょう。
住民税について詳しく知りたい方は「フリーターは住民税の請求がこない?課税される収入ラインと納付方法を解説」をご覧ください。

給与額のうち手取りはどのくらい?

給与額のうち手取りとなるのは、基本給や諸手当をすべて合わせた額面給与から控除額を差し引いた金額です。割合としては、額面の75〜80%といわれています。なお、ボーナスも給与と同様に一定の税金が差し引かれるため、手取りはおよそ75〜80%です。

就職をきっかけに一人暮らしをする場合は、自身の手取りが生活に大きく影響します。自身の手取りで一人暮らしできるか知りたい方は「18万円の手取りは?一人暮らしはきつい?計算方法と生活レベルの目安」をご覧ください。

手取り額を計算する方法

扶養家族がいない場合、年収の8割程度が手取りになるケースが多いため、手取りの金額は「年収×0.8÷12」で計算できます。

また、ボーナスが1ヶ月分の場合は「年収×0.8÷13」、ボーナスが2ヶ月分の場合は「年収×0.8÷14」でおおよその手取りが分かります。

20代の平均手取り額はどのくらい?性別や学歴別に解説!

厚生労働省では、毎年6月分の労働者の賃金を調査しており、令和4年時点の20代全体の平均手取り額は20万円を下回る額となっています。

ここでは、手取り額を月給の8割と仮定して、厚生労働省のデータからおおよその平均手取り額を割り出していきます。性別ごとの平均額に加え、学歴別の平均額も紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

参照元
厚生労働省
令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況 性別

性別ごとの手取り額の違い

年齢別に見てみると、20代前半(20〜24歳)の平均月給は男性が22万500円、女性が21万6,300円です。よって、おおよその手取り額は男性が約17万6,000円、女性が約17万3,000円となっています。

20代後半(25〜29歳)には、男性の平均月収は25万9,300円、女性は24万8,000円となっており、おおよその手取り額は男性が約20万7,000円、女性が約19万8,000円となります。

20代全体を通した平均手取り額は20万に満たないものの、男女ともに年齢を重ねると徐々に上がっていく傾向にあるようです。

参照元
厚生労働省
令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況 性別

学歴別の手取り額の違い

次に、学歴別に見た20代の手取り額を紹介します。

大卒

大卒の場合、20代前半(20歳〜24歳)の男性の月給平均額は23万5,100円で、おおよその手取り額は約18万8,000円。一方、女性の月給平均額は23万2,100円で、おおよその手取り額は約18万5,000円です。

20代後半(25歳〜29歳)になると、男性の月給平均額は27万2,800円で、おおよその手取り額は約21万8,000円まで上がります。女性の月給平均額は25万5,900円で、おおよその手取り額は約20万4,720円となります。

高専・短大卒

高専・短大卒の場合、20代前半の男性の平均月給は22万400円で、おおよその手取り額は約17万6,000円です。女性の平均月給は21万3,900円、おおよその手取り額は17万1,000円となります。

一方、20代後半では男性の平均月給は25万6,600円、おおよその手取り額は約20万4,000円。女性の平均月給は23万7,300円で、おおよその手取り額は約18万9,000円です。

高卒

高卒の場合、20代前半の男性の平均月給が21万1,400円で、おおよその手取り額は約16万9,000円。一方、女性の平均月給は約19万3,500円で、おおよその手取り額は約15万4,000円となります。

20代後半になると、男性の平均月給は23万9,200円で、おおよその手取り額は約19万1,000円、女性の平均月給は20万5,300円で、おおよその手取り額は16万4,000円です。

内容を整理すると、大卒では20代後半になると、手取り額が男女ともおよそ20万円に届く傾向です。高専・短大卒や高卒では、20代のうちは手取りが20万円に満たない可能性が高いといえるでしょう。20代のうちは、働きだして間もなく手取り額が増えにくい状況にあるといえますが、工夫によっては手取り額を増やすことも可能です。

参照元
厚生労働省
令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況 学歴別

手取り額を増やす方法

収入アップというと、基本給を増やすことを意識する場合が多いですが、今の勤務先からの給与をいきなりあげるのは難しいものです。しかし、少しの工夫同じ基本給でも手取り額を増やす方法があります。

ここでは、手取りを増やすための方法を4つご紹介します。比較的に取り組みやすいものばかりのため、ぜひ実践してみてください。

4~6月は残業や休日出勤を少なくする

社会保険料を抑えるために、4〜6月は残業や休日出勤を少なくしましょう。社会保険料は収入に応じて金額が定められていますが、4〜6月の給与を基準とし、平均した金額が適用されています。

そのため、4〜6月に多く残業してしまうと、年金額や保険料を多く納めなくてはならなくなってしまいます。4〜6月はオーバーワークし過ぎないようにタスクを調整し、社会保険料の抑制につなげましょう。

各種控除で節税する

控除による節税で、手元に残るお金を減らさないようにすることもできます。税控除にはさまざまな種類がありますが、働く人が関わる税控除の代表的なものは「所得控除」です。

所得控除とは、給与所得にかかる所得税を条件によって一定額差し引くことで、配偶者控除や扶養控除、医療費控除など全部で15種類あります。

副業を行う

副業が認められている会社に勤めている場合は、本業に支障が出ない範囲での副業を検討してみるのも一つの手です。求人を見てみると、副業可として募集をしている会社もあるので、注目して探してみてください。

ただし、副業を始める際は、無理なく続けるためにも自分に合う仕事を選び、スケジュールの自己管理には注意しましょう。また、副業での収入が20万円を超えた場合には、確定申告が必要になることも覚えておきましょう。

参照元
国税庁
給与所得者で確定申告が必要な人

昇給や転職につながるスキルを身につける

昇給や転職につながるスキルを身につけることも大切です。専門性の高いスキルや知識を身につければ、人事考課に良い影響をもたらし、給与や昇格などの待遇面に反映される可能性があります。

また、転職によって自分の収入を上げたいと考えている場合、経験を重ねてより高度な技術を吸収していくことはプラスになるでしょう。自分の市場価値を上げるためにも、目の前の業務に真摯に取り組み、スキルを身につけることをおすすめします。
キャリアアップする方法を詳しく知りたい方は「キャリアアップするための6つの方法!転職する場合のメリットも紹介」を参考にしてください。

基本給と手取りの違いを知っておこう

就職や転職活動を行う場合は、求人に記載されている給与や年収について正しく理解することが大切です。基本給や手取りについて、曖昧な認識のまま入社し「想定していた金額より少ない」という事態にならないようにしましょう。

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基本給や手取りに関するQ&A

ここでは、基本給や手取りに関するお悩みや質問をQ&A方式で解説します。

基本給と手取りの違いは?

基本給は給与を計算する際のベースとなる賃金のことで、手取りは総支給額から控除額を引いた実際に受け取れる金額のことをいいます。基本給に似た言葉としては、年収を12で割ることで1ヶ月あたりの平均額を割り出す「月収」や、基本給に諸手当を足した際の1ヶ月あたりの賃金である「月給」があります。

基本給20万円の手取りはいくらですか?

基本給20万円の手取りは、約16万円です。手取りの金額は、基本給や諸手当をすべて合わせた額面給与から税金等の控除額を差し引いた額であり、額面の8割程度です。そのため、額面が20万円前半の場合、手取りが20万未満になってしまうことが多いでしょう。

手取りの平均について詳しく知りたい方は「手取りの平均どれくらい?正社員と非正規雇用者の差」をご覧ください。

手取りを増やしたいときはどうしたらいい?

手取りを増やしたい場合は、社会保険料や各種控除に注目しましょう。また、転職につながるスキルを身につけたり副業をしたりすることで、本業以外からの収入を増やすのもおすすめです。

副業をすることの詳しいメリットは「副業をする会社員が注意したいこと」で解説していますので、ぜひご一読ください。

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