キャパオーバーとは?仕事が忙しすぎて頭が回らないときの対処法

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この記事のまとめ

  • 「キャパオーバー」とは、和製英語「キャパシティーオーバー」の略語
  • キャパオーバーになると、仕事だけではなく私生活まで影響が出ることもある
  • キャパオーバーになりやすいのは、責任感が強く頼まれたことを断れない性格の人
  • キャパオーバーになると、普段ならしないようなミスをしてしまうなどの症状が出る
  • キャパオーバーを防ぐためには、無理せず自分にできる量の仕事を引き受けるのが大切

キャパオーバーで仕事を抱えきれなくなると、仕事だけでなく私生活や心身の健康にも悪い影響が及んでしまいます。このコラムでは、キャパオーバーの具体例や、予防・対処方法について詳しくご紹介。頼まれたら断れずに処理し切れないほどの仕事を引き受けてしまいがちな人は、ぜひ参考にしてみてください。

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キャパオーバーとはどういう意味?

日本では「キャパオーバー」は、「人または物の能力や許容範囲の限界を超えること」「精神的に限界に達している」という意味で使われることが多いようです。「仕事が多過ぎてキャパオーバーだ」、「トラックの荷台はすでにキャパオーバーなのでこれ以上の荷物は乗せられない」などという表現がよく使われます。

キャパオーバーは和製英語「キャパシティーオーバー」

「キャパオーバー」とは「キャパシティーオーバー」の略語です。
キャパシティー=capacity(容量、能力、容積)という意味の名詞であり、オーバー=over~(~を越えて)という意味の前置詞なので、元々英語で「Capacity Over」と使われることはありません。
和製英語の表現であるため、英語圏の人に対して使わないようにするのが無難です。

キャパオーバーの正しい英語表現

仕事量が処理し切れないほどたくさんある状態を表すときは、「精神的に圧倒させられる、忙殺される」という意味の「overwhelmed」という単語を使います。
「overwhelmed by/at/with work」で「仕事に忙殺されている」という表現になります。
また、「水浸しにされた/殺到された」という意味の「inundated」「swamped」を用いて「inundated by/with work」「swamped by/with work」とも表現できます。
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キャパオーバーを起こす原因

ビジネスシーンにおける「キャパオーバー」は、自分の能力や許容範囲を超えている状態を表します。単純に多くの仕事を抱えてキャパオーバーになることもありますが、慢性的にキャパオーバーを起こす原因は「悩みが多い」「優先順位がきめられない」といったことが考えられます。

多くの悩みを抱えている

仕事・私生活問わずに悩みが多いと、作業は進まなくなるもの。思考の多くを悩みに費やすため、やるべき仕事や作業に気持ちが向かなくなり、結果としてキャパオーバーを起こすでしょう。

仕事の優先順位が分からない

担当している仕事や作業の優先順位が分からないと、先に片付けるべき仕事を後回しにしてしまい、期日が迫ってキャパオーバーになる…といったことも。結果的に成果につながらず評価に影響してしまう可能性もあるでしょう。

時間的な余裕を持てない

やるべきことが多すぎて、時間に余裕を持てなくなるのもキャパオーバーを引き起こす原因に考えられます。時間に余裕がない状態が続くと、一つ一つの作業に集中できなくなりミスを起こすことも。気持ちに余裕が持てなくなるため、小さなミスをいつまでも引きずってしまうことも考えられるでしょう。

キャパオーバーになりやすい性格とは

キャパオーバーになって仕事でパンクしてしまう人には、共通する性格があるようです。この項目でいくつかその特徴を見てみましょう。

責任感が強い

責任感が強い人は、自分の仕事を完璧に仕上げなければならないと思って努力します。そのため、確認作業に必要以上に時間を掛けてしまい、疲労しがちです。ミスをしたときも責任感の強さから人一倍重く受け止めるため、ストレスが多くたまってしまい、キャパオーバーに繋がります。責任感の強さはプラスに働くことが多いものの、強過ぎる責任感には注意が必要です。

頼まれたことを断れない

仕事を頼まれたら断れない性格の人も、キャパオーバーになりがちです。気に入られたい上司に頼まれたから、同僚の役に立って評価されたいから、または困っている人を助けたいからと何でも仕事を引き受けてしまうと、処理し切れずにパンクしてしまいます。とはいえ、頼まれたことをすべて断っていると人間関係に支障をきたす可能性があるため、自分にできることのみ引き受けるように心掛けましょう。

ほかに悩み事が多い

普段からほかの人に比べて悩み事が多いと感じる人は、キャパオーバーになってしまいがちです。仕事のほかにも恋愛や友人関係、家族の問題、金銭トラブルなど、人生にはさまざまな悩み事がつきもの。悩み事が気になって仕事に集中できなくなり、結果処理し切れずにキャパオーバーになってしまいます。悩み事が重なったときには、あまりたくさんの仕事を抱えないようにコントロールしましょう。

複数の仕事を計画的にこなすのが苦手

複数の仕事を同時進行で計画的に処理するのが苦手な人も、キャパオーバーになりやすいといえます。集中力は高くても1度に一つのことしかできないタイプの人は、複数の仕事を振られただけでパニック状態に陥りがちです。しかし、仕事はどうしてもマルチタスクになることが多いため、一つのことしかできない人は常にキャパオーバーになってしまいます。少しずつできることから複数の仕事を同時にこなす訓練を重ねてみるなどして、慣れていきましょう。

スケジュールやタスク管理が苦手

キャパオーバーになりやすい人の多くは、スケジュールを立てたり、担当しているタスクの管理が苦手だったりする傾向にあります。自分の持っている仕事がどれほどあるのか、それぞれいつ終わりそうか把握していないので、新たな仕事を引き受けてしまったり、仕事に必要以上に時間をかけたりしてしまうためです。スケジュールを立てることについて面倒だと感じる人は、これまでの習慣について見直す必要があるでしょう。

キャパオーバーになりそうなときにの特徴は?

キャパオーバーになりそうなときは、以下のような特徴が出やすいといわれています。最近仕事で疲れを感じている方は、自分に当てはまるところがないかどうか、チェックしてみてください。

いらだちが収まらなくなる

以前は気にならなかったのに、上司や同僚に対してイライラしてしまうときは、キャパオーバーになりかけの可能性があります。自分に余裕がないときは、受け流したり許容したりすることが難しくなるものです。タスクが処理し切れずに溜まってしまうとどうしても焦りがちに。残業が多いと十分な睡眠も取れず、疲労のためにちょっとしたことでいらだってしまいます。

いつもはしないようなミスをしてしまう

キャパオーバーで集中力が失われると、普段ならしなかったようなミスも起こしてしまいます。着手している仕事によっては、会社に大きな損失が出るようなミスにつながることも。自分らしくないミスをしてしまったと気づいたときは、焦らずにまずは現在抱えている仕事を整理して、チェックの工程を増やすことをおすすめします。

笑う余裕がなくなる

キャパオーバーになりかけている人は、笑う余裕すらなくなってきます。仕事が気になるため、普段なら笑って対応できることもできなくなり、職場の人間関係にも悪影響を及ぼすことも。上司や同僚の様子がいつもと違うな、と感じたら、自分の笑顔が失われている可能性も考えられます。本格的なキャパオーバーになる前に、休養を取ることを心掛けましょう。

ちょっとしたことで涙が出てくる

キャパオーバー寸前の人は、意味もなくふとした拍子に泣くことも。涙にはストレス物質を体外に排出する作用があるといわれており、自分の意思ではコントロールできない涙が出るのは、体からのSOSといえます。思考が停止して涙が出てくるような場合は、放っておかずに周囲の人に助けを求めたり、休養を取ったりして、心と体を休めることをおすすめします。

友達や親しい人でも会いたくなくなる

キャパオーバー一歩手前の状態だと、仕事以外で友達や恋人など親しい人と過ごすことがかえってストレスと感じてしまう場合もあります。いつもなら友達と遊んだり、恋愛を楽しんだりする時間がストレス発散になるという方でも、キャパオーバーすると人と会うこと自体が億劫になってしまうのです。親しい人からの誘いでも断りたくなる症状に気づいたら、心も体も疲れているサインだと覚えておきましょう。

寝付きが悪くなる

疲れているはずなのにベッドに入ってもいつまでも仕事のことを考えてしまって、眠れなくなるときも要注意です。睡眠で心と体の疲れをリセットできないと、仕事に支障を及ぼします。寝付きが悪い日が何日も続いたり、日中に眠気が出るほど睡眠時間が足りないと感じたりする場合は、キャパオーバーの前兆だと自覚しましょう。スマホの画面は光の刺激が強いため、入眠時には見ないように心掛けると眠りやすくなります。

寝付きの悪さには寝具も関係している

厚生労働省の「eーヘルスネット[情報提供] 快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係」によれば、枕や布団などの寝具を自分に合ったものに替えることで、寝付きの悪さを改善する効果が期待できます。枕は首と敷布団との角度が約5度になるものを選ぶのがおすすめです。敷布団やマットレスは適度な硬さを持ち、仰向けに寝たときに腰と敷布団やマットレスとの間に2~3cmの隙間ができるものを選びましょう。

参照元
厚生労働省
eーヘルスネット[情報提供] 快眠のためのテクニック -よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係

キャパオーバーにならない6つの予防・対処方法とは

キャパオーバーになってしまうと仕事にも私生活にも多大な悪影響を及ぼしてしまうため、予防することが大切です。なってしまった後にも解決していけるので、焦らずにこの項目で確認しましょう。

1.無理せず周囲に自分ができる仕事量を伝える

キャパオーバーにならないためには、あらかじめ自分でどの程度の仕事を処理できそうか見通しを立てて、上司や同僚に知らせましょう。「できない」と伝えるとネガティブな印象を与えるのではないか、と抵抗を感じる人もいます。しかし、自分のできる範囲がどこまでか自分で把握し、計画を立てられる力があることは、抱えきれない仕事を安請け合いしてしまうよりもかえって評価されるでしょう。

2.スケジュールを管理しやすいように整理する

自分は今いくつのタスクを抱えているのか、どのタスクをどこまでやったか、それぞれの納期はいつまでなのか、可視化して整理しておくと慌てずに済みます。タスクを整理したら、優先順位をつけて順番に処理しましょう。誰が見ても分かるように管理しておけば、怪我や病気などで急に休まなければならなくなった場合にも、引き継ぎが楽にできて便利です。

ファイルを活用しよう

デスクワークでは多くの書類を扱うため、インデックスやファイルを活用して、どこに何があるのか普段から整理しておきましょう。PC画面においても、たくさんのタブを開きっぱなしにしたり、ファイルを何でもデスクトップに貼り付けたりするのは混乱の元。不要なものはすぐ削除するように心掛けると、作業がスムーズに進むためおすすめです。「効率の良い仕事の進め方を知りたい!業務が早い人は何をしている?」では、効率の良い仕事の進め方についてほかにも詳しく解説。業務を効率化する方法についてさらに知りたい人は、参考にしてみてください。

3.焦らず一つずつ仕事を片付ける

キャパオーバーになりがちな人は、優先順位の高い仕事から一つ一つ確実に処理していくことを心掛けましょう。どうしても同時にこなさなくてはいけない案件も出てくるため、できるだけ同時進行するタスクを最小限に留められるように、あらかじめ周囲の人に伝えておくとスムーズです。いくつ程度であれば同時にこなせそうか、自分の処理能力を普段から客観的に把握できるように心掛けましょう。

ポモドーロ・テクニックで一つずつ集中して処理しよう

ポモドーロ・テクニックとは、90年代初めにイタリアで発案された、集中力と生産性を高める時間管理方法です。一つの仕事を細かく分割して、25分ごとに休憩を取り、25分の間は一つのタスクだけに集中して取り組みます。この方法は一つの仕事だけに集中するため、マルチタスクが苦手な人にもおすすめ。仕事の内容によってはこの方法が向かないものもありますが、気になる人は「集中力と生産性をアップ!ポモドーロ・テクニックとは?」を読んで、参考にしてみてください。

4.身近な人に相談する

キャパオーバーになりやすい人は、近くの人に相談することをおすすめします。責任感の強い人は、相談すると迷惑ではないか、自分だけでやり遂げなければ、と思い込みがちです。しかし、その結果キャパオーバーを起こしてしまい仕事が終わらなければ、かえって周囲の人に迷惑をかけてしまうことに。処理速度を上げるためにも、経験者にアドバイスやコツを聞きましょう。
仕事の相談をすると、周囲にも自分が抱えている仕事の状況を分かってもらえるため、仕事を割り振りする上司にとっても管理しやすくなります。新しい仕事を振られる心配も少なくなるでしょう。

5.ストレスをためこまずに休息を取る

心の疲れは身体の疲れと直結しているため、無理せず休暇を取りましょう。好きな映画を観たり、行きたいと思っていたカフェやレストランで美味しいご飯を食べたりするなど、自分が楽しいと感じることを経験することでストレスが発散されます。溜まった家事を片付ける時間しか取れないという人は、好きな音楽を聞きながら部屋をきれいにしましょう。いらないものを捨てて、整理整頓された部屋でくつろげば、仕事から帰ったときの疲れも取れやすくなるためおすすめです。
すでにキャパオーバーになっていて思考停止の状態が多いと感じている人は、無理に休日を充実させようとせず、何もしない日を作りましょう。

6.普段から健康を保つために生活リズムを整える

キャパオーバーを予防するために、普段から生活習慣や健康管理に気をつけましょう。精神的な余裕を保つ効果が期待できるので、おすすめです。

厚生労働省の「eーヘルスネット[情報提供] 不眠症」によれば、睡眠時間は人それぞれであり、日中に眠気を催さない程度に睡眠時間を取ることが大切であると述べられています。自分に合った睡眠時間を確保するためにも、入眠直前までテレビやスマホの光を見続けないように心掛けましょう。休みの日であっても、朝は太陽の光を浴びるようにすると、体内リズムが整って毎日の睡眠時間を確保できます。

食事は忙しいと炭水化物や脂質中心になりがちですが、なるべく野菜を摂取するように意識しましょう。食べ過ぎにも、夏バテなどによる食べなさ過ぎにも注意です。
事務仕事の人は適度に体を動かし、一日中座りっぱなしにならないよう心掛けましょう。体を動かせば寝付きも良くなる効果が期待できます。

いくら対処してもキャパオーバーの状態から抜け出せないでいるのであれば、思い切って転職してみるのも手です。自分に合った勤務条件や職場環境で働くことにより、これまで抱えてきた憂鬱な気分や心身の不調から解放されることでしょう。

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参照元
厚生労働省
eーヘルスネット[情報提供] 不眠症
※今回は生活リズムを整える上での対応として、上記データを参照しておりますが、実際に不眠症の症状に近いと感じた場合は、個別で治療が必要な場合もあります。別途病院での診察を受けることを推奨いたします。

キャパオーバーになってしまったら?お悩みQ&A

キャパオーバーになって仕事が処理できないと、ストレスがたまって心身の健康にも悪影響が出ます。そうならないために、仕事の進め方や人間関係に関する悩みを解消しましょう。

キャパオーバーするほど常に仕事が多い…

キャパオーバーになるほど「常に仕事が多い理由」を明らかにしてみましょう。理由が分かれば、適切な対処法も見つかります。「仕事量が多い人の特徴は?ミスやストレスが原因?相談先で悩むときの対処法」では、原因別に仕事が多いときの解決方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

キャパオーバーなのに仕事を引き継ぐ人がいない…

まずは、キャパオーバーになる前に仕事を引き継いでくれる人を探すように心掛けましょう。ギリギリになってから仕事を頼まれても、ほかの人も自分の仕事でいっぱいいっぱいの状態であることがほとんどです。「仕事が終わらない人は必見!原因&解決法まとめ」を参考に、どのタイミングで仕事の分担をお願いするか、当てはまる例と解決策を試してみてください。

キャパオーバーにならないストレス解消法は?

仕事の休憩時間や休日の過ごし方を工夫してみてください。
仕事に疲れたときの対処法とは?原因と心身の症状についても紹介」で解説しているように、休憩時間もオフィスにこもらず、近所のコンビニに行くだけでも気分転換になります。休日は仕事を忘れて趣味や家事に没頭したり、またはぼーっと何もしない日を作ったりして、自分に負担をかけないようにしましょう。

キャパオーバーなのに仕事を減らしてもらえない…

慢性的に人手不足の会社なら、限界であることを申し出ても仕事が減らないことも。業務を効率化したり、自分にできるストレス発散方法を試したりしてもキャパオーバーになってしまう状態なら、転職を視野に入れるのもおすすめです。
就職エージェントのハタラクティブを利用して、適性判断を行って自分に合う仕事を見つけてみましょう。

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