中卒者が通える専門学校とは?進学のメリットと特徴・選び方のポイント

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この記事のまとめ

  • 中卒者が行ける専門学校として、高等専修学校がある
  • 高等専修学校は、中卒者が社会に出る際に有利な実務面を重視した職業教育を実施
  • 中卒者が通える専門学校のうち、3年課程を卒業すると高卒資格が得られる
  • 中卒者が専門学校に行く場合は、高卒資格後を得てから進む選択肢もある

「中卒だけど専門学校へ行ける?」と悩んでいる人もいることでしょう。中卒者が通える専門学校(高等専修学校)は全国に400校以上あります。このコラムでは、就職に直結した職業教育を行う高等専修学校について詳しく解説するほか、学校選びのポイントをご紹介。また、専門学校卒業者の就職率や、高卒資格を取得してから専門学校へ行く方法などについても詳しく解説しています。

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中卒者が入学できる専門学校「高等専修学校」とは

中卒者が入学できる専門学校として、高等専修学校があります。高等専修学校は、1976年1月に新しい学校制度として定められました。根拠になる法律は、学校教育法第124条です。高等専修学校は、授業時間数や施設、設備などの一定の基準を満たしている場合に、都道府県知事の認可を受けて設置されます。

高校卒業資格を取得していないと進学できないとされる一般的な専門学校とは異なりますが、正規の学校である点では同じ。実務的なスキルの育成と教養の向上を目的としたカリキュラムが特徴です。

3年課程を卒業することで高校卒業と同等になる

専修学校高等課程の修業年限は、学科やコースによって1~5年とさまざまですが、3年の課程を卒業すると、高校卒業と同等になります。国家公務員受験資格や企業の求人への応募、初任給の設定においても高等学校卒業者の基準が適用されます。

また、「修業年限3年以上」「総授業時間数2,590単位時間」といった要件を満たし、文部科学大臣が指定する高等専修学校を卒業すると、大学入学資格も受けられます。そのほか、都道府県により異なるものの、高校生として認められれば、通学定期券の学割や奨学金制度も利用可能です。

各校で特色を持っている

高等専修学校の多くは、それぞれの特色を持ち、不登校生や高校中退者の受け入れに積極的に取り組んでいる学校もあります。そのほか、目指す職種で活かせる資格取得を奨励しており、そのためのサポート体制も整えている学校も多数あります。

参照元
e-GOV法令検索
学校教育法124条

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高等専修学校は8分野から学べる

高等専修学校は、多様な分野で活躍するスペシャリストを養成する教育機関です。中卒者が社会に出るにあたり、実務面を重視した職業教育を実施しており、その分野は以下の8つに分けられます。
以下の各分野における専門知識と技能を身に付け、社会で活躍できる人材育成を行っています。

分野具体的なカリキュラム内容
工業情報処理、コンピュータグラフィックス、自動車整備、土木・建築 電気・電子、放送技術、無線・通信など
農業農業、園芸、畜産、造園、バイオテクノロジー、動物管理など
医療看護、歯科衛生、歯科技工、臨床検査、診療放射線、理学療法、作業療法、言語聴覚療法、はり・きゅう・あんまマッサージ指圧、柔道整復など
衛生栄養、調理、製菓、製パン、理容、美容、エステなど
教育・社会福祉保育、幼児教育、社会福祉、医療福祉、介護福祉、老人福祉、精神保健福祉など
商業実務経理・簿記、旅行・観光・ホテル、会計、経営、医療秘書、流通ビジネス OA、ビジネス、福祉ビジネスなど
服飾・家政ファッションデザイン、ファッションビジネス、アパレルマーチャンダイジング、和洋裁、編物・手芸、スタイリストなど
文化・教養インテリアデザイン、音楽、外国語、演劇・映画、写真、通訳・ガイド、公務員、社会、体育など

調理師・准看護師・美容師などの資格も取得できる

高等専修学校に通学することで、国家資格や就職に有利な資格の取得、資格取得のサポートを受けられます。たとえば、調理師資格は中卒後に高等専修学校に入学して、卒業することで資格取得が可能です。

准看護師は中卒後に専修学校で2年間学習し、卒業と同時に受験資格を取得できます。理容師および美容師も、中卒後に専修学校にて現代社会や化学、保健など合計105時間の学習を受け、専修学校卒業と同時に受験資格が取得可能です。

さらに、各認定学科で、資格取得試験の一部が免除される分野もあります。中卒で目指す職業に資格が必要な場合は、高等専修学校に入学することで効率的に資格取得を目指せるでしょう。

中卒向けの高等専修学校と一般的な専門学校の違い

高等専修学校は中卒の人が対象で、専門学校は高卒の人を対象としているのが違いです。高等専修学校は対象が中卒者のため、高等課程を設けているのが特徴。高等課程を卒業することで大学入学資格を得られます。

一方、一般的な「専門学校」は高等課程を設けておらず、「専門課程」の学校です。高等課程を修了してからしか進学できません。専門課程を修了すると「専門士」という称号を取得できます。校名を「△△専門学校」としているのが一般的です。

また、高等課程を設置する「高等専修学校」は、15歳以上の中卒者が入学対象です。専門課程の専門学校は18歳以上の高卒者が対象で、一般課程の専門学校は入学資格を問われません。

入学のハードルは高くない

高等専修学校への入学試験は、面接・作文・書類選考がメイン。学科試験がある場合は、基礎学力テストとして国語・数学・英語・社会のなかから2科目を選択することもありますが、入学する際のハードルは高くない傾向です。

専門学校や高等専修学校の現状

この項では、専門学校と高等専修学校の数や生徒数などの現状について、専修学校関係基礎資料の数字とデータを交えて紹介します。

学校数

令和4年度現在、全国の専修学校数は3,049校です。大学の803校、短期大学の315校に比べると多く設置されています。しかし、そのほとんどが高卒者対象の専門学校であり、中卒者対象の高等専修学校は394校と、専修学校全体の14%にとどまっています。

 学校数
専門課程(高卒者対象)2,718校
高等課程(中卒者対象)394校
一般課程(年制制限なし)143校
合計3,049校

引用元:文部科学省「専修学校関係基礎資料

学生数

令和4年度現在、専門学校の生徒数は、3,049校で635,568人。各課程別の生徒数は下の表のとおりです。

 生徒数
専門課程(高卒者対象)581,516人(91.4%)
高等課程(中卒者対象)33,634人(5.2%)
一般課程(年齢制限無し)20,418人(3.2%)
合計635,568人

引用元:文部科学省「専修学校関係基礎資料

学生数も、学校数に比例していることが分かります。この結果から、一般的に「専門学校」というと専門課程の学校を指すことが分かるでしょう。

参照元
文部科学省
専修学校の質の保証・向上に関する調査研究協力者会議(第27回) 配付資料

中卒者が高等専修学校に通うメリット・デメリット

高等専修学校への進学を考えるにあたって、メリットとデメリットについて解説します。中高等専修学校のほか、通常の高等学校への進学や高卒認定試験などもありますが、高等専修学校に進学することで専門知識を身に着けられるのは大きなメリットといえるでしょう。

メリット

前述のとおり、高等専修学校は中卒者(15歳)以上を対象としています。通常の専門学校より早く入学ができるので、各分野の専門知識を早く習得することが可能です。また、入学と就職が早いため、一般的な専門学校卒業生より先に社会に出て多くの経験を積めます。

一般的な高等学校も、入学に際して年齢の上限は設けられていないため、中卒者の進路として候補に挙がるでしょう。しかし、一般的な高等学校では専門知識を身に着けることが難しいため、明確に就きたい職業や身に着けたいスキルがある場合は、高等専修学校がおすすめです

デメリット

高等専修学校では高卒資格が取得できるとはいえ、就職における専門知識を学ぶことをメインとした学校です。職業教育に特化しているので、将来の進路や職種が決まっていない人や資格取得を希望しない人にはマッチしないこともあるでしょう。

将来について明確な目標や目指すものがない場合は、「高卒認定試験とは?高卒とは違う?試験費用や就活での活用方法を解説」のコラムも参考にしてください。また、中卒として就職を考えているなら「中卒者のメリットを活かす就職活動」のコラムが役に立つはずです。

中卒者が専門学校を選ぶときのポイント

この項では、中卒者が高等専修学校(専門学校)を選ぶ際のポイントを紹介します。学校により特色があるので、多角的に見て選びましょう。

自分が将来やりたいことを明確にする

高等専修学校への進学を検討しているなら、自分が将来、働きたい職種や企業を決めることが重要です。高等専修学校は8分野から学べる」にあげた8つの分野から、目指したいことを探し、学べる学校を選びましょう。

やりたい仕事に必要な資格を確認する

次に、上記で就きたい仕事に必要な資格を取得できる、もしくは資格取得のためのサポート体制が整った学校を選ぶことが重要です。卒業することで資格取得できるだけでなく、資格取得を支援する授業を実施しているかを確認しましょう。

実習や部活の有無も確認しておこう

専修学校は分野によって異なるものの、原則的に実習時間を多く設けています。講義(座学)や校内実習のほか、企業と連携した企業内実習を実施しているかも確認すると良いでしょう。企業内実習は、就職後のイメージや、学習内容と実際の仕事との関連を学べる、重要な学習です。また、部活動の有無もポイントになるでしょう。部活動により、息抜きができる環境かどうかも学校選びの重要なポイントです。

中卒の選択肢は高等専修学校だけではない!一般的な専門学校に進学する方法

中卒で専門学校へ進学する道は、高等専修学校だけではありません。学びたい分野が高等専修学校になかったり、明確に通いたい専門学校があったりする方もいるでしょう。中卒から一般的な専門学校に行くためには、高卒資格や高卒程度の学力があることが条件となります。「高校へ通わない方法」と「高校へ通う方法」の2通りのパターンについて解説します。

高卒認定試験を受ける

中卒から高校に通わずに専門学校へ進学したい場合、高卒認定試験に合格しなければいけません。高卒認定試験に合格すると、高校を卒業した人と同じ学力であることを証明できます。

高卒認定試験とは、高等学校を卒業した人と同等以上の学力があるかどうかを認定するための試験。高卒認定試験に合格すると専門学校をはじめ、受験資格に「高卒または同等以上の学力」を設けている大学入試や各種資格試験の受験資格を得られます。

ただし、高卒認定試験はあくまでも、高校を卒業した人と同じ程度の学力を証明するものであり、最終学歴は中卒のままです。最終学歴を高卒としたい場合は、定時制や通信制の高校を卒業してから専門学校を受験するのがおすすめです。

高卒認定については、「高卒認定は就職に有利?高卒資格との違いや就活の注意点を解説!」にて取得できる資格や就職について解説しているので、参考にしてみてください。

高卒認定試験の内容

高卒認定試験の受験教科は国語・数学・外国語・地理歴史・公民・理科の6つで、試験科目は選択によって8〜10科目になります。試験は年2回開催されていて、通常の入学試験のような定員はありません。また、不合格になった科目があっても合格科目は免除されたうえで再受験が可能なので、自分のペースで全科目合格を目指せます。

定時制・通信制高校に行って高校卒業資格をとる

中卒から一般的な専門学校への進学を考えるにあたって、あらためて高校へ通う方法もあります。
高校中退の場合、定時制高校や通信制高校であれば、途中から学習できるので「あと少しで高校卒業できた」という人は、高校へ通う選択をするのも良いでしょう。

中卒から専門的な仕事に就きたいときは

中卒で特定の資格が必要となる業務独占資格や、資格がないと名乗れない名称独占資格の仕事を希望している場合は、高等専修学校に進学するのがおすすめ。高等課程と専門知識を一度に学べるので、効率よく就職を叶えられるでしょう。

一方、資格の必要ない専門的な仕事を希望していたり、無資格から挑戦できる専門的な仕事に興味があったりするなら、進学ではなく就職したほうがいいケースもあります
たとえば、IT関連や介護の仕事は無資格・未経験からスタートしやすい仕事。働きながらスキルと知識を身に着けて資格取得を目指せるので、学校に通うより働き始めたほうが効率がいいこともあるでしょう。

また、特に未経験の場合は年齢が若いほうが就職に有利とされています。いくら知識やスキルがあっても、年齢が高く業務未経験の場合は就職活動が難航する可能性も。年齢と業務経験の関係性については、「転職に年齢の壁はある?未経験者が希望の職種につくためには」のコラムでご確認いただけます。

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