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大学中退者が編入する方法や条件を解説!大卒の経歴を得て就職を目指そう
更新日
この記事のまとめ
- 大学中退から数年たっていても、過去の単位を引き継いで他大学への編入ができる可能性がある
- 大学中退者が編入する際の条件は大学により異なるが、3年次編入のところが多い
- 大学編入における筆記試験は「語学」と「専門科目」の2つで組まれているのが一般的
- 通信制大学では編入の際に学科試験が行われず、書類選考のみの場合もある
- 大学中退後の編入を検討する際は、「なぜそうしたいのか」をしっかり考えて決めよう
「大学中退したけど、もう一度編入したい」という方もいるでしょう。大学中退後に他大学へ編入することは可能です。しかし、編入枠は狭き門といわれているため、事前に編入試験の概要や「なぜ編入したいのか」について理解する必要があるでしょう。
このコラムでは、大学編入の方法や条件、比較的編入しやすいとされる通信制大学などについて紹介します。大卒の学歴を手に入れて就活に活かしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
大学中退後も他大学への編入は可能
大学中退後も、他大学への編入は可能です。在学中に修得した単位は、「除籍」でない限り基本的には無効になりません。そのため、大学中退から数年経っていても、過去の単位を引き継いで編入ができるという大学が多いようです。
ただし、募集人数が限られていたり、倍率が高かったりするなど編入は狭き門であるともいわれています。単位さえあれば簡単に編入できるというわけではないことを、念頭に置いておきましょう。
編入の募集人数は多いとはいえない
編入学試験の募集人数は決して多いとはいえず、各大学の学部ごとに10〜20名ほどの場合が一般的なようです。また、募集人数を「若干名」として明確な数字を発表していない大学も。志願者に対し合格者が0人という場合もあり、募集があるからといって必ずしも当初の予定人数を受け入れるわけではないようです。
有名大学になるほど編入の倍率が高くなる
有名大学や人気の学部の場合、募集人数に対し多くの編入希望者が集まるため倍率が高くなる傾向にあります。有名大学を目指す場合はライバルが増えるため、より一層の努力や対策が必要となるでしょう。
有名大学出身だからといって内定がもらえるとは限らない
有名大学に編入したからといって、必ずしも内定がもらえるとは限りません。そのため、必要以上に有名大学にこだわらず、広い視野で編入する大学を選びましょう。詳しくは「就職できない要因とは?内定が出ない理由や対処法を紹介」でも解説しています。
大学中退者が他大学に編入するための条件
大学中退者が他大学に編入するためには、編入する学年や必要単位などの条件を満たす必要があります。詳細は各大学によって異なるものの、ここでは主な条件について説明します。気になる大学がある人は、Webサイトで最新情報を確認してみましょう。
大学中退者が他大学に編入するための条件
- 編入可能な学年
- 単位数と在籍期間
- 語学力
編入可能な学年
大学の編入学においては、3年次編入が一般的。ただし、2年次編入や4年次編入を行っている大学もあるようです。3年次編入の場合、大学の1、2年次を修了済みである、または修了見込みである人が対象となります。
単位数と在籍期間
文部科学省「大学への編入学について」によると、大学への編入に関しては、下記のような規定が設けられています。
- ・短期大学(外国の短期大学及び、我が国における、外国の短期大学相当として指定された学校(文部科大臣指定外国大学(短期大学相当)日本校)を含む。)を卒業した者(法第108条第7項)
- ・高等専門学校を卒業した者(法第122条)
- ・専修学校の専門課程(就業年限が2年以上、総授業時数が1,700時間以上又は62単位以上であるものに限る)を修了した者(法第132条)
- ・修業年限が2年以上その他の文部科学大臣が定める基準を満たす高等学校専攻科修了者(学校教育法施行規則第100条の2)
法律上、大学編入者はいずれかに該当する方のみ認められます。大学によってはこのほかにも条件が設定されているところもあるため、注意が必要です。
参照元
文部科学省
大学・大学院入学資格について
語学力
語学力は編入に必須ではないものの、大学編入の条件として英語力を設定している大学もあるようです。英語のスキルを証明するための手段として一般的なのが、TOEIC試験。難易度の高い大学の場合はTOEICで700〜800点、それ以外の大学でも目安として600点以上のスコアが求められる傾向があります。編入学試験前の勉強も兼ねて、TOEICに挑戦しておくのも良いでしょう。
TOEICは大学中退後の編入試験だけでなく、就職活動でも役立つことがあります。企業に評価される英語力については「TOEICは就職に有利?目指す点数やアピール方法も解説」でも解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
大学編入における試験枠
大学編入には「通常枠」「推薦枠」「社会人枠」があります。基本的には、条件がそろっていれば誰でも受験可能な通常枠に出願することが一般的でしょう。
ここでは、推薦枠や社会人枠についてもそれぞれの特徴を含めて解説するので、編入を目指す大学中退者の人は参考にしてみてください。
大学編入における試験枠
- 通常枠
- 推薦枠
- 社会人枠
通常枠
修得単位数といった、各大学の編入条件を満たしていれば誰でも受験できるのが通常枠です。大学の一般入試と比べて受験科目が少なく済むというメリットがある反面、専門科目について狭く深い知識を求められるため、簡単な試験とはいえません。
しかし、試験対策をすべき範囲が限定されているため、すでに基本知識を持っている場合は有利になる可能性があります。
推薦枠
一般入試のように、編入学試験にも推薦枠を設けている大学もあります。国立大学の一部では、主に、高等専門学校や短期大学で同一専攻を学んだ卒業見込者を対象に、この推薦編入学制度を実施しているようです。また、私立大学も系列や提携先の短期大学に対し、推薦編入学枠を用意していることがあります。
ただし、系列短大以外から推薦枠を利用して編入する場合は、在学している大学の学部長からの推薦状が必要です。推薦枠の編入は選考において有利ではあるものの、優秀と認められたうえで推薦状を書いてもらう必要があることから、ほかの試験枠と比べて受験までのハードルが高いといえます。
社会人枠
社会人枠は、大学中退後に一度社会に出て、正社員として働いた人に向けた試験枠です。試験内容は通常枠と同様であることが多いですが、志望理由を重視される傾向があるとされています。
また、社会人経験の年数や年齢などを応募条件に設定している大学もあるため、出願の際には注意しましょう。
社会人から大学編入のメリットは?
社会人として働き、ある程度お金を貯めてから大学編入に挑戦すれば、経済的な不安を軽減できるメリットがあるでしょう。大学入学には入学金や学費など、まとまったコストがかかります。そのため、「大学を中退しており編入を考えているけど、お金がない…」という場合は、今の仕事を続けて貯金し、社会人枠を目指す方法も検討してみてください。
大学編入のメリットに関しては「大学に入り直すのはあり?メリット・デメリットや金銭面の負担を解説」をご一読ください。
大学編入試験の主な内容は「筆記」と「面接」
大学編入試験は、主に筆記と面接で評価が決まります。いずれの試験枠で受験するにしても、これらは合否の判定に大きな影響を与えるため、しっかりとした対策が必要です。大学中退から編入を目指すのであれば、以下の対策を取りましょう。
筆記試験
筆記試験は語学と専門科目で組まれていることが一般的。語学は英語の読解力を問うような長文問題が多く、苦手な人は基礎から十分に復習しておきましょう。
専門科目の出題内容は分野によりますが、編入後の授業についていけるかを問うようなものになっています。学部で学ぶ内容の基礎から出題される傾向があるため、事前にしっかり対策しておきましょう。また、理数系以外の学部では小論文を出題されることもあるため、文章力を鍛えておくことも大切です。
面接試験
面接では、志望動機が重視される傾向があるため、「なぜこの大学・学部・学科を選んだのか」という理由を具体的に分かりやすく伝えることが大切。自分の体験やエピソードを交えて、編入後どのような形で学んでいきたいのか、将来何を目指しているのかという点を軸に、話す内容を組み立てておきましょう。
注意すべきなのは、どの大学でも実現可能な内容ばかりを語らないことです。「ほかの大学でも良いのでは?」と思われないためにも、その大学でしか叶えられない目標や夢を回答に盛り込むように心掛けましょう。
通信制大学の編入試験は書類選考のみのところが多い
一般的な大学と異なり、通信制大学への編入試験は書類選考のみの場合が一般的なようです。いわゆる学科試験が行われていないため、通常の大学への編入よりハードルは低い可能性があるでしょう。
ここでは通信制大学の概要や、編入するための方法について解説します。
通信制大学とは
通信制大学とは、毎日キャンパスへ通って勉強する大学と違い、自宅で学習することをメインとしたスタイルの教育機関です。場所を問わずに学べるという点が通信制大学の大きなメリットといえるでしょう。
しかし、通信制だからといって通学が一切不要というわけではなく、定期的にキャンパスや指定の会場で受講が必要なスクーリングがある場合も。一方で最近では、インターネット授業に切り替えることで従来のスクーリング授業を廃止するところも出てきているようです。そういった大学が増えることで、今後はますます場所に縛られずに学べる機会が増えていくと予想されます。
通信制大学への編入方法
通信制大学へ編入する際は、基本的に学科試験が行われません。通信制大学の多くは、原則、書類選考のみを行っているため、条件をクリアしていれば誰でも編入できるというメリットがあります。ただし、なかには小論文の提出や面接を行う大学もあるので、事前に志望校のWebサイトや資料で情報を確認しておきましょう。
大学中退後に編入試験を受けるまでの流れ
大学中退後に編入試験を目指すと決めたら、志望校(学科・学部)の選択や入試内容の確認などを行う必要があります。ここでは、大学編入までにすべき準備について順を追って紹介するので、各項目をしっかりと把握しておきましょう。
編入したい大学を絞る
最初に行うべきことは、編入先、つまり志望校の決定です。編入先の大学は、「編入条件」「大学で身につけたい知識やスキル」「卒業後に目指したい職業」などを考慮して決めるようにしましょう。
また、大学中退者もしくは中退予定者が編入試験を受ける際には、退学証明書や在籍証明書、成績証明書といった書類が必要となる場合があります。このような出願に必要な書類も、忘れずに確認しておくことが大切です。
学部・学科を決める
編入したい大学を決めたら、次は学部と学科の専攻です。編入試験を受けるうえで学部や学科ごとに編入条件が変わってくることもあるので注意しましょう。その大学に入り何を学びたいのかをよく考えたうえで、編入を志望する学部・学科を決定することが大切です。
編入試験の内容を把握する
希望の編入先大学を絞り込めたら、次は試験内容について確認しましょう。
試験内容は、大学のWebサイトや資料を取り寄せることで調べられます。Webサイト上の「入試情報」をクリックすると、編入学試験に関して記載されていることが多いので、チェックしてみましょう。
編入時に最低限必要な知識を身につけておく
先述したように、大学編入試験では主に専門科目と英語の知識を問われることが多いため、これら2つについては基本的なレベルまで実力をつけておく必要があります。専門科目に関する実力をつけるには、編入先で使用されている教科書や参考書を用いて学習するのがおすすめです。
一般入試と違い、編入試験に特化した参考書は基本的にはありません。そのため、大学で実際に使用されている教科書の内容を把握することが、編入試験対策として効果的だとされています。
過去問を解いて編入試験の傾向を知る
試験の傾向を知るためにも、可能であれば大学から過去問を取り寄せましょう。出題傾向や出題範囲を知ることで、より具体的な試験対策を行えます。実際に試験問題を解いてみると、手ごたえを図れたり、自分の苦手分野を把握できたりといったメリットも。自分が思っていた以上に難易度が高いと感じた場合には、志望校を考え直すきっかけにもなるでしょう。
大学中退者が編入する4つのメリット
大学中退者が編入するメリットとして、一度諦めた難関校に再度挑戦できることや、大卒の学歴を手に入れられることが挙げられます。それらを含め、ここでは大学編入に関するメリットを4つ紹介するので、自分にとってどのようにプラスに働くのかを確認しておきましょう。
大学中退者が編入するメリット
- 自分により適した道に進める
- 一度諦めた大学に挑戦できる
- 過去に取得した単位を活かせる
- 大卒のステータスを得られる
1.自分により適した道に進める
最初に入学した大学での経験から「自分が本当に興味があるもの」に気づいた場合は、編入することでより専門的に学べる環境へと進路を変更できます。社会人の場合も、あらためて学び直したいことがある方にとって、編入学は非常に有効な選択肢の一つです。
2.一度諦めた大学に挑戦できる
編入によって、過去に入学を諦めた難関大学に再挑戦できます。一般入試の際には試験科目が多く、第一志望に手が届かなかったという方もいるでしょう。しかし、専門科目に絞られた編入試験では力を十分に発揮できる可能性も。大学中退後の編入学は、自分が本当に進みたかった大学へ入るための再チャンスといえます。
3.過去に取得した単位を活かせる
大学中退から編入を目指す場合も、過去に修得した単位を活かせるのが編入試験のメリットの一つ。編入先では2年次や3年次といった途中からのスタートをきれるため、再度1年次から入学し直すよりも、卒業までに掛かる時間や学費を抑えられます。ただし、編入時に認定される単位は各大学によって異なり、自分が修得したものすべてが認められるわけではないため注意が必要です。
4.大卒のステータスを得られる
編入先の大学を無事に卒業できれば、大卒の学歴を得られます。学歴だけで人物の評価が決まるわけではありませんが、大卒であれば専門性や教養が評価されやすくなるため、就職活動でより求人の選択肢が増えたり、待遇の良い仕事を選べたりする可能性があります。求人に「大卒以上」のように条件を掲げている企業もみられます。
大学中退後は最終学歴が高卒となるため、どうしても選べる求人の幅が狭まってしまいます。編入によって大卒の学歴を手にすることは、就職先の選択肢を増やし、可能性の幅を広げることにもつながるでしょう。
大学を中退して編入することのメリットは「大学中退をして再受験するメリット・デメリットを解説!就職への影響は?」のコラムでもご紹介しているので、ぜひご一読ください。
大学編入と就職どちらの道を選ぶか迷った場合
大学編入を希望する場合、「なぜその大学・学部に編入したいのか」「将来どのような職業に就きたいのか」「どういった企業・業界で活躍したいのか」「なぜ今のままではそれが実現できないのか」といったことをよく考えておきましょう。
「このままでは就職できないから」というその場しのぎの理由だけでは、編入後にモチベーションが保てなくなってしまう恐れも。目的がないと学ぶことへの興味関心が薄くなりかねません。そうならないためにも、編入を希望する際には将来像を明確化しておくことが重要です。
大学中退後の大学編入は就活に影響する?
大学編入は就活に影響する可能性があります。明確な目標を持った大学編入であれば、就活に有利になることもあるようです。以下で、詳しく解説していきます。
目標を持った大学編入は有利になることもある
明確な目標を持った編入は、就職活動の際に有利に働く場合があります。
大学編入者が就職活動を行う際には、企業側から「なぜ大学中退後に他大学へ編入したのか」という質問を投げかけられることがあるでしょう。このとき、相手にポジティブな印象を抱かせるためには、明確な編入理由を持っているかどうかが重要だといえます。
「大学を編入してまで学びたいことや叶えたい夢があった」ということが伝われば、あなたが目標に向かって努力できる人物だということが証明できるため、企業側に前向きな印象を与えられるでしょう。
3年次編入の場合は就活と両立しよう
3年次編入をした場合、単位の修得と同時進行で就職活動を行う必要があるため、毎日が慌ただしくなる可能性も。しかし、単位取得と就職活動はどちらも大切です。どちらか一方をおろそかにしてしまわないように、うまく両立していく必要があります。
とはいえ、編入したばかりの慣れない環境の中で多くのタスクを抱えると、心身ともに負担がかかってしまうことも。やることが多過ぎてパンクしそうになったときには、周りの友人や先輩、そして大学の先生などに迷わず相談しましょう。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。