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転職で年収アップはできる?企業の選び方や交渉のコツもご紹介
更新日
この記事のまとめ
- 転職して年収をアップを実現することは可能
- 転職で年収アップできる割合は、若いうちに多い傾向がある
- 転職で年収アップを目指すなら、同業種や平均年収が高い仕事がおすすめ
- 転職で必ずしも年収アップするとは限らない
- 転職で年収の交渉をするなら、具体的な実績をアピールしよう
「転職で年収アップは叶うの?」と考える方もいるでしょう。転職をして年収を上げることは可能です。転職先を選ぶ際は、自身がもつ強みを存分に活かせる企業を選びましょう。このコラムでは、転職で年収をアップさせるために注目すべき点やポイントなどを解説します。年収が高いおすすめの職種も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
転職して年収アップを実現することは可能
自分の置かれている状況やポイントを意識すれば、転職して年収アップすることは可能です。20代のうちは経験値が浅かったり、できる仕事が限られていたりするため、「年収アップは高望みかな」「さらに低くならないかな」と不安を感じることもあるでしょう。
しかし、20代はまだまだ伸びしろがあり、希望に満ちた世代です。そのため、希望する年収金額を叶えるためにできることから始めましょう。
転職で年収アップする割合は若いうちに多い傾向がある
厚生労働省の「令和2年転職者実態調査の概況」によると、年収アップを目的として転職を検討している場合は、20~34歳が有効であることが分かります。転職により賃金が上がった方の割合を下記にまとめました。
年齢 | 転職で賃金が上がった方の割合 |
---|---|
15~19歳 | 0.088 |
20~24歳 | 46.5% |
25~29歳 | 46.3% |
30~34歳 | 48.6% |
35~39歳 | 40.6% |
40~44歳 | 41.7% |
45~49歳 | 39.7% |
50~54歳 | 27.0% |
55~59歳 | 32.1% |
60~64歳 | 14.6% |
65歳以上 | 18.7% |
引用:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況 個人調査 1.直前の勤め先及び現在の勤め先の状況(3)転職者の労働条件(賃金・労働時間)の変化(17p)」
20~24歳で転職した人のうち、賃金が上がった方の割合は46.5%です。25〜29歳は46.3%、30〜34歳は、48.6%でした。35歳以上での転職からは、賃金が上がった方の割合が少しずつ少なくなっていることが分かります。
参照元
厚生労働省
令和2年転職者実態調査の概況
転職で年収がアップする理由と特徴
ここでは、転職により年収がアップする理由と特徴についてまとめました。転職で年収アップにつながる主なパターンは、以下のとおりです。
転職で年収がアップする理由と特徴
- 給与水準が低い業界・企業に身を置いていた
- 専門性の高いスキルをもっている
- 転職先で活かせるスキルがある
- 実力主義の企業に転職する
- 福利厚生や諸手当が充実している
1.給与水準が低い業界・企業に身を置いていた
前職が給与水準の低い業界や職種だった場合、転職による年収アップに期待できるでしょう。一口に「仕事」といっても、業界によって給与水準は大きく異なります。厚生労働省が実施した「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、「電気・ガス・熱供給・水道業」の産業が最も賃金が高く、「宿泊業、飲食サービス業」が最も低い結果となっています。
産業 | 賃金:男女計(年齢計) |
---|---|
鉱業、採石業、砂利採取業 | 366,700円 |
建設業 | 349,400円 |
製造業 | 306,000円 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 410,200円 |
情報通信業 | 381,200円 |
運輸業、郵便業 | 294,300円 |
卸売業、小売業 | 319,600円 |
金融業、保険業 | 393,400円 |
不動産業、物品賃貸業 | 340,800円 |
学術研究、専門・技術サービス業 | 396,600円 |
宿泊業、飲食サービス業 | 259,500円 |
生活関連サービス業、娯楽業 | 278,700円 |
教育、学習支援業 | 377,200円 |
医療、福祉 | 298,000円 |
複合サービス事業 | 302,000円 |
サービス業(他に分類されないもの) | 285,700円 |
引用:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 (5) 産業別にみた賃金」
さらに、同調査による企業規模別の賃金を見ると、企業規模によっても賃金に差があることが分かります。
企業規模 | 賃金:男女計(年齢計) |
---|---|
大企業 | 346,000円 |
中企業 | 311,400円 |
小企業 | 294,000円 |
引用:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 (4) 企業規模別にみた賃金」
大企業と小企業では5万円近い差が出ているように、同じ産業のなかでも企業規模によって賃金の差があると予想できます。以上のことから、「賃金水準の高い別の産業に転職する」「同じ産業で企業規模の大きな会社に転職する」などで、転職により年収をアップさせることができるでしょう。
そのほかにも、都道府県別や業種別など、さまざまな平均年収を知りたい方は、「平均収入の実態を年代別・男女別・地域別にご紹介!年収アップの方法も解説」のコラムもあわせて参考にしてみてください。
参照元
厚生労働省
賃金構造基本統計調査
2.専門性の高いスキルをもっている
専門的なスキルを身につけていると、年収アップが見込めることもあるでしょう。たとえば、同じ製造業でもフォークリフトや玉掛けの資格をもっていると、資格手当が見込まれることも。また、定期的に研修に参加することで自身の経験やスキルが身につき、基本給が少しずつ上がる場合もあるようです。
同じ社内においても専門性の高い資格や、スキルがある場合は、年収が上がりやすい傾向にあります。現職の給料が少ないと感じている方は、同じ業界や職種のほかの会社に目を向けてみても良いでしょう。即戦力として重宝される可能性があります。
3.転職先で活かせるスキルがある
異業界や異職種に転職する場合も、活用できるスキルをもっていれば年収が上がる場合もあるでしょう。「業界は変えたいけど行っている仕事は続けていきたい」という場合は、どの業界に移っても通用するようなスキルを一つでも身につけておくと安心です。
4.実力主義の企業に転職する
年齢が若い場合、年功序列の会社から実力主義の会社に転職すると、年収がアップする可能性があります。年齢に縛られず、自分が出した成果を評価されたいという方にはぴったりでしょう。ただし、給料が安定せずストレスを抱える可能性も考えられます。生活を安定させたい場合は見極めが肝心です。
5.福利厚生や諸手当が充実している
住宅手当や家族手当などの諸手当、福利厚生が充実した会社に転職すると、給料が変わらなくても実質的な年収は上がることがあります。
たとえば、家賃が全額会社負担の場合、手取りは低く感じても実際には出費が減らせて使える金額が増えることになるでしょう。一般的には手取り金額で多いか少ないかと判断しがちですが、必要経費を加味して給料を判断する視点も大切です。
福利厚生は、会社によって内容が異なります。「福利厚生には何がある?用意する目的と対象となる人の説明」のコラムでは、福利厚生の種類について詳しく解説しているので、こちらもあわせてチェックしてみてください。
年収アップを目指すならどのような転職先が良い?
転職を検討したとき、知名度の高さや安心感からつい大企業にばかり注目することもあるでしょう。ただし、大企業だからといって必ずしも給料が高いとは限りません。入社後の活躍次第では、むしろ中小企業のほうが昇給のスピードが早い場合もあります。
また、中小企業は大企業よりも役職者のポストが空いている場合もあり、若いうちから役職に就ける可能性も。早めの出世によって、結果的に収入アップにつながることもあるでしょう。
スキルを活かすなら同業種・同業界へ転職するのもあり
全く新しい業界や職種に挑戦するよりも、同業界・同職種へ転職したほうが自身の経験を活かしやすいため、キャリアアップに直結し年収アップにつながる可能性があります。「転職して年収を上げたい」と考えている方は、着実にキャリアを積み、多角的な視点をもって自分に合った仕事を探しましょう。
なお、同業界・同職種への転職は法律上問題ありませんが、現職で「競業避止義務」を交わしていた場合は注意が必要です。詳しくは、「同業他社への転職は違法?禁止されるケースや注意したい点を詳しく解説」のコラムを参考にしてみてください。
平均年収が高い業界や仕事
年収は業界や職種によって大きく差があるため、前述した表を参考に「年収が高い仕事」「年収が低い仕事」を把握しておきましょう。
賃金が高いのは、高い専門性が求められる仕事。インフラや研究職など特有のスキルや資格を保有しなければ働けない特徴があります。一方で、賃金が低い業種には「宿泊業、飲食サービス業」「生活関連サービス業、娯楽業」などがあります。いずれも、スキルをもたない未経験者も挑戦できる仕事が、賃金が低い傾向にあるようです。
転職で必ずしも年収アップするとは限らない
転職の際に注意したいのが、必ずしも年収アップするとは限らないという点。場合によっては今よりも年収が下がることもあるでしょう。たとえば、未経験の業界や職種に転職する場合は初心者から始めるため、賃金形態の一番下からスタートする可能性も考えられます。
また、現在の職場の給料が高い場合は、同じ業種であってもなかなか年収アップを狙えないこともあるでしょう。「転職する際は必ず年収アップする」と考えるのではなく、「年収を上げるにはどのように求人を探せばいいか」と考えるのがおすすめです。
年収以外の良さに着目する方法もある
なかなか年収アップを目指せる求人が見つからない場合は、福利厚生や社内の雰囲気などに着目する方法もおすすめ。たとえば、残業時間が少なかったり福利厚生で家賃補助や誕生日休暇があったりと働きやすい環境がある場合は、年収とはまた違った良さがあります。現在、給料以外の待遇で不満を抱えている場合は、福利厚生に着目してみるのも良いでしょう。
転職で年収が下がりやすい原因
転職によって年収が必ず上がるわけではありません。しかし、年収アップにつながらないのは、「自己分析をしていない」「キャリアアップに向けた努力をしていない」などが原因の場合があるでしょう。
自己分析をせずに未経験職種に転職する
自己分析をしておらず、自分がどのような業界・業種に向いているか分かっていない場合、転職後に年収が下がる可能性があります。たとえば、黙々と作業するのが苦手にもかかわらず、年収が高いからと製造業を選ぶケースです。自分の苦手な仕事を選んだ場合は働きにくいと感じ、「辞めたい」となる可能性も考えられます。また、人とコミュニケーションをとるのが苦手にもかかわらず、年収が高いという理由だけで営業職を選ぶことは避けましょう。営業職において人とのコミュニケーションは必要不可欠のため、ストレスを抱え「仕事に行きたくない」となりかねません。
転職で年収アップを目指すなら、まずは自分がどのような仕事が得意でどのような業界で働きたいか明確にする必要があります。転職先を選ぶ際には、「自己分析とは?実施するメリットや簡単に行う方法をご紹介」のコラムも確認してみてください。
業界・業種選びが誤っている
転職先として選んだ業界・業種によっては、年収アップが難しいことも考えられます。たとえば、一般的に年収が低いとされている業界・業種を転職先として選んだ場合、相対的に業界の賃金が低いため、年収アップしにくいでしょう。
業界・業種選びを行うには、業界分析や企業分析がおすすめです。自分の気になる業界・業種があれば、まずは将来性や平均的な年収などを調べてみるのが良いでしょう。
前職よりも役職が低い
前職で役職についていた場合は、転職後も同等の役職に就けるとは限らないため新しい会社で年収が下がる可能性があります。役職手当がなくなると年収は低くなりがち。この場合は、面接時に現在の役職について話したうえで交渉してみるのも一つの手です。
キャリアアップに向けた努力ができていない
転職で年収アップを目指したとしても、スキルが不足していたり努力ができていなかったりする場合は難しい可能性があります。年収アップを叶えるには、資格を取得したり知識をつけたりして面接の際にアピールできるポイントを作るのが大切です。努力をしていることが企業側に伝わると、将来的な年収アップに向けたキャリア構築ができたり面接時に交渉ができたりと選択肢が広がります。
なお、キャリアアップについては「キャリアアップとは?意味や具体的な方法などを紹介」で詳しく解説しています。
給与の確認や交渉ができていない
転職時は年収の確認を行い、企業側と給与の交渉をするのもおすすめです。求人に記載されている待遇が現在の給料やスキルよりも低い場合は、自分のスキルをアピールしたうえで交渉してみると年収アップを目指せる可能性があります。
ただし、自分の要望だけを主張するのは避け、「会社にとってどのように貢献できるか」を明確にして伝えましょう。
交渉で年収アップを叶えるためのコツとポイント
年収の金額に関して交渉をする際は、これまでの実績や活かせる強みなど、具体的な根拠を示す必要があります。自分が今まで培ってきたキャリアやスキルを振り返り、適正な年収金額を把握しておきましょう。
資格を取得する
転職に有利な資格があるのであれば、転職前の資格取得も視野に入れるのが得策です。転職に向けてスキルアップをしている姿勢が伝わると、企業側に好印象を与えられる可能性があります。
転職の際に役立つ資格について知りたい方は、「転職時に資格を取得するメリットは?選ぶ際のポイントも紹介!」のコラムもご覧ください。
資格取得は十分検討することが大切
「転職に有利になるから」と難易度の高い資格取得を目指した場合、資格取得に時間がかかってしまい転職のタイミングを逃すことも考えられます。また、年齢が若い場合は資格よりも人柄や将来性を重視されることも。資格がないと業務を行えないなど必須の場合を除き、本当に資格が必要かどうかを見極めることが大切でしょう。
キャリアプランや転職活動の軸を定める
交渉で年収アップを目指す際には、キャリアプランや転職活動の軸を定めておくのが有効。転職先を決める際には、目先の給料だけでなく「自分のキャリアプランを叶えられるか」「将来的に昇給が見込めるか」などに目を向けることで、目標の年収が叶う可能性があるからです。転職したばかりのときは年収が低くても、その後の実績次第で上がることも考えられます。
また、前述したように年収や待遇だけで判断すると、「自分に合っている仕事ではない」「やりたい仕事ではないので意欲がわかない」といった状態になる可能性も。年収ももちろん大事ですが、「自分がやりたい仕事なのか」「将来性・安定性は見込めそうか」など、ほかの部分にも着目してみましょう。
転職における市場価値を把握する
自身の「転職における市場価値」を把握しておくことも、交渉で年収アップを目指すコツの一つです。自分がもっているスキルや知識などが、転職市場においてどのくらい役立つのかを知っておくと、年収の交渉をするうえでの判断材料になり得るでしょう。
企業や業界研究をして戦略をねる
目指したい企業や業界の研究を行い、戦略的に転職活動を進めるのもおすすめです。「気になる企業側がどのような人材を求めているか」「業界全体ではどのような人が働いているか」を見たうえで、自分の長所と照らし合わせて自己PR文を作成しましょう。
なお、「企業・業界研究を行ったものの自分の強みとうまくマッチしない」という場合は、転職エージェントに相談してみるのも一つの手です。客観的に見て、適切なアドバイスをしてくれるでしょう。
想定年収を伝える
想定している年収を先に伝えておくのも有効です。ただし、相場よりも高過ぎる想定年収を伝えるのは「現実を見ていない」「過大評価している」といった印象を与えるので避けるのがおすすめ。自身の年齢の平均年収や業界・職種の平均、現在の年収などを鑑みて金額を算出します。
また、想定年収だけでなく今の年収と最低ラインの年収も伝えておくと、企業側も判断しやすいでしょう。
年収アップの転職を叶えるなら転職エージェントの利用もおすすめ
効率的に年収アップを目指すなら、転職エージェントを活用するのもおすすめです。転職エージェントは求人の紹介だけでなく、書類選考や面接対策まで行ってくれます。
また、転職エージェントでは一般に公開していない求人を紹介してくれることもあるようです。転職エージェントを利用することで、自分だけでは見つけられなかった求人を見つけられたり、今まで気づかなかった自分の長所を見つけられたりする可能性があります。プロがアドバイスを行うので、転職活動が初めての場合も安心して挑戦できるでしょう。
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転職と年収アップに関するQ&A
ここでは転職で年収アップを目指したい方がよく抱える悩みに回答します。
異業種への転職でも年収アップは可能ですか?
異業種の転職であっても、求人によっては年収アップが可能です。
特に、業種などが異なっても活用できるマネジメントスキルや実績があると評価されやすいでしょう。
未経験職種への挑戦を検討している場合は、「転職に役立つスキル一覧!仕事が変化しても通用するポータブルスキルとは?」のコラムも参考にしてみてください。
転職回数が多いと年収アップは目指せますか?
転職回数が多い場合も、年収アップを目指すことは可能です。ただし、「この人は長く続かないのでは?」と懸念され、企業側にあまり良い印象を与えられない可能性もあります。
求人を選ぶ際は年収アップだけでなく「長く働けるか」に着目して転職回数をなるべく押さえられるようにしましょう。「転職成功率を高める方法とは?退職回数が採用に与える影響についても解説」のコラムでは、転職回数について詳しく解説しています。
スキルがないので転職で年収アップが難しい気がします…
「スキルが不足している」と感じる場合は、転職前に資格を取得したりアピールできる経験を積んだりするのがおすすめです。今の環境で履歴書に記載できるキャリアを身につけましょう。また、目指す業界で資格が必要な場合はコツコツ勉強するのも大切です。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。