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大学院を辞めたい…中退すると就職やキャリアに影響は出る?
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この記事のまとめ
- 大学院を中退すると、応募要件が満たせず就活で不利に働く場合がある
- 大学院を辞めたいと思う理由には「目的がない」「理想とのギャップ」などがある
- 大学院を辞めたい人は、卒業することで得られるメリットを考慮する
- 大学院を辞めたいと思ったら、周りに相談したり休学を検討したりしよう
大学院に進学したものの、辞めたいと考える院生もいるでしょう。大学院を中退すると就活時にマイナスなイメージを与える恐れがあるため、慎重に考えることが大切です。このコラムでは、大学院の中退が今後に及ぼす影響や、対処法を紹介します。大学院を卒業するメリット・デメリットもまとめているので、ぜひ参考にしてください。
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大学院を辞めたい!今後に及ぼす影響
「大学院を辞めたい…」と思っても、就職を含む今後の人生に影響しないか不安な方もいるでしょう。ここでは、大学院を中退することで将来に与える影響についてまとめました。
就職時にマイナスの印象を与える場合がある
大学院を中退すると、就活時に企業からマイナスの印象を持たれる可能性があります。大学院を卒業していれば、「勉強熱心」「特定の分野に優れている」といった印象を与えますが、修了せず辞めていることで「忍耐力やメンタルが弱いのではないか」と考える企業もあるでしょう。
仕事には大きな責任が伴うため、良好な人間関係を築いたり、物事を継続して成し遂げたりするなど辛いことでもやり通す忍耐力が求められます。今後、仕事やその後の課題に対しても辞め癖がついてしまわないよう、大学院を辞めたい理由としっかり向き合い、根本的な解決策を探すことが大切です。
厳しい環境下での就職活動になる恐れもある
大学院を中退すると就活では学部の既卒扱いになるため、新卒に比べて応募できる求人数が少なくなる傾向にあります。面接の際は、大学院を中退した理由を聞かれるでしょう。前向きな気持ちを伝えられるよう、事前準備が必要です。
また、開発・研究職は、大学院卒でないと採用されにくい場合があります。大学院を辞めたいときは、厳しい環境で就活するかもしれないことを念頭に置きましょう。
「大学院を中退したら就職できない?就活を成功させる7つのポイントを紹介」のコラムでは、大学院中退後の就職活動を成功させるポイントについてまとめているので、あわせて参考にしてください。
文理選択や課程によって影響が異なる場合もある
文系の大学院に進んだ方で、大学院に進学した理由が資格取得の場合は、学歴に条件がある資格の受験資格を得られない可能性があります。臨床心理士や弁護士、検察官などの国家資格は、大学院を中退すると受験資格が得られないでしょう。
理系に進んだ方は、目指す仕事が研究内容と直結する場合は、中退すると就職で不利になってしまう可能性があります。研究者や理系の専門技術職を目指している方は、就活の難易度が上がる恐れもあるでしょう。大学院を辞めたいと感じる理由
大学院を辞めたいと感じたときは、その理由を整理してみましょう。今は漠然と「辞めたい」と考えている方も、自分を客観視して悩みを紐解いていけば、明確な理由が分かるはずです。
大学院は専門的な研究や勉強ができる場所であり、修士や博士といった上級学位が取得できる教育機関でもあります。辞めるときは、後悔がないように時間を掛けて決断することをおすすめします。以下では、大学院を辞めたい理由として考えられるものをまとめました。当てはまるものがないか参考にしてみてください。
大学院を辞めたいと感じる理由
- 最初から目的なく進学した
- 理想と違っていた
- 学費を工面するのが難しくなった
- 教授との相性が良くない
- 研究に興味が持てなくなった
- 就職した人との違いに焦りを感じた
最初から目的なく進学したから
「学歴に箔をつけたい」「就職しやすそう」という抽象的な考えで進学した結果、周囲との意識の差や研究発表で無力さを感じ、大学院を辞めたと思う方もいます。特に、学習意欲がなく、研究したい分野もないとやる気も出にくいでしょう。そもそも、大学院に進学したからといって必ずしも就職が有利になるわけではありません。
理想と違っていたから
自分が思い描いていた生活と現実とのギャップに悩み、大学院を辞めたいと思う人もいるでしょう。進学前は「好きな分野の研究ができる」と喜んでいても、実際に研究を続けるのは忍耐力が必要とされる傾向にあります。なかなか成果を出せないと、辛くなってしまうこともあるでしょう。
学費を工面するのが難しくなった
学費の工面で悩んでいることも、大学院を辞めたいと思う理由の一つです。大学院は研究がメインになるため、学費が高額となる傾向があります。自分で奨学金を借りて進学している場合、莫大な借金に不安を覚える人もいるでしょう。
そうでなくても、親に学費を負担してもらうことに気を病んだり、アルバイトを掛け持ちして学費を払うことに疲れたりと、学費の工面の難しさから中退を考える人もいるようです。学費が理由で辞めたいと思う場合は、一度休学をしてお金を貯め直すのも1つの方法。なるべく気負わずに自分がお金を工面できる方法を考えると良いでしょう。
教授との相性が良くないから
大学院を辞めたいと悩んでいる人のなかには、「教授との相性」が理由の人もいます。大学院は教授の研究室に所属して、研究や論文作成を行うのが一般的です。そのため、教授との相性が悪いと居心地が悪くなったり、研究を続けにくいと感じることもあります。人間関係は解決が難しいうえに、どこでも起こりうる問題といえるでしょう。
研究に興味が持てなくなったから
入学当初は興味があった分野であっても、時間が経って熱が冷めると目的がなくなり、大学院を辞めたいと感じることがあります。一度興味がなくなってしまうと熱意や意欲が失われてしまい、研究を苦痛に感じる場合もあるでしょう。
就職した人との違いに焦りを感じたから
一般的に、大学卒業後は就職する人の割合が高いため、大学院に進学した人は「本当にこの進路で良かったのか?」と悩むこともあるでしょう。就職した友だちと自分を比較して将来を考えたときに、大学院を辞めて就職した方が良いと考えることもあるようです。
「大学院中退後就職するには?内定取り消しの可能性や新卒扱いについても解説」のコラムでも、大学院の中退理由や中退率についてまとめているので、ぜひご覧ください。
大学院を卒業することで得られるメリット
大学院を卒業することで得られるメリットには「学歴が手に入る」「研究職に就きやすくなる」「仕事に活かせるスキルが身につく」が挙げられます。以下でそれぞれのメリットについて詳しく解説するので、「大学院を辞めたい」と悩む方は参考にしてみてください。
大学院を卒業することで得られるメリット
- 学歴が手に入る
- 研究職に就きやすくなる
- 仕事に活かせるスキルが身につく
学歴が手に入る
大学院を卒業すれば、高い最終学歴が手に入るでしょう。一般的には、「博士課程修了」が最高学歴で、次が「修士課程修了」です。いずれも大卒より高い学歴であり、企業によっては給与設定も通常と異なる場合があります。具体的な給与額については「院卒と学部卒の違いは?就職におけるメリット・デメリットも紹介」をご確認ください。
研究職に就きやすくなる
特に理系の場合、大学院を卒業することで研究職としての道が広がるでしょう。一般的に、民間企業の研究職では修士号、教育機関では博士号が必要な傾向にあります。
民間企業の場合は大卒で就職も可能な場合もありますが、専門性や研究実績などから大学院卒が有利になることも。よって、大学院を卒業すると将来の選択肢が増えるため、大きなメリットだといえるでしょう。
仕事に活かせるスキルが身につく
大学院を卒業すると、専門的な知識以外に、スケジュール管理や論理的思考力、プレゼン能力などといった仕事に活かせるスキルも身につきます。
大学院は研究が忙しく、研究の合間に課題や学会に参加することも珍しくありません。そういった日々を過ごしているうちに自然と、忙しい状態でタスクをこなすスケジュール管理能力が身につくでしょう。
また、特に理系の大学院を卒業すれば、物事を論理的に捉えて考える論理的思考力、研究結果を多くの人に伝えるプレゼン能力が身につく可能性があります。これらの能力は職種を問わずに必要とされるスキルのため、社会人としてスムーズに働き始められるしょう。
大学院を卒業することにデメリットはある?
大学院を卒業するデメリットは、「学部卒との年齢差が生じる」「学部卒より社会経験が少なくなる」といったデメリットが挙げられます。「やっぱり辞めたい…」と悩まないためにも、卒業することのデメリットにも目を向けましょう。
大学院を卒業するデメリット
- 学部卒との年齢差が生じる
- 学部卒より社会経験が少ない
学部卒との年齢差が生じる
大学院課程を修了し大学院新卒として就職した場合、周囲の学部新卒生との間に年齢差が生まれます。大学院修了時の年齢は、人によりますが20代半ば~30代近くになることも。学部新卒生はおおむね22歳なので、同期であっても年齢差が生じます。
企業によっては年齢が自分より下の人が直属の上司になることも。時には仕事でミスをして叱られることもあり、素直に受け入れられず悩む人もいるでしょう。「年下上司との接し方は?うまく付き合うための方法をご紹介!」では社会人としての心構えや年下上司との接し方について解説していますので、ご一読ください。
学部卒より社会経験が少ない
大学院卒は学部新卒として就職した人と比べると、2〜7年ほどの社会経験の差が生まれる可能性があります。人によっては仕事で大きな成果を残していたり、役職に就いていたりすることもあるでしょう。
また、社会人経験や実績を活かしてキャリアアップや転職を考える人もいます。学部新卒者と比較して「年齢に見合った社会経験がない」と悩む方もいるでしょう。
「大学院を辞めたい…」と悩んだらときの対処法
大学院を辞めたいと悩んでいる方には、「早めに周囲に相談する」「休学を考える」などの対処法がおすすめです。自分の気持ちを我慢し続けると、精神的に疲れてしまったり体調を崩してしまったりして、大学院に通い続けるのが難しくなる可能性もあります。現実と向き合って、自分の状況を整理しながら今後について考えましょう。
「大学院を辞めたい…」と悩んだときの対処法
- 大学院を辞めたい気持ちを整理する
- 周りに相談する
- 休学や就職を考えてみる
大学院を辞めたい気持ちを整理する
大学院を辞めたいと思ったら、まずは落ち着いて自分の気持ちを整理させましょう。「大学院を辞めたいと感じる理由」でも説明しましたが、気持ちがはっきりしないまま辞めると後悔する可能性があります。
辞めたい理由に対して、「本当に辞めるしか方法はないのか」「頼れる人や解決できる方法はないのか」よく考えることが大切です。また、大学院を中退すると、就活の面接で中退理由について聞かれる場合もあるでしょう。前向きな気持ちを伝えるためには、中退理由とあわせて「今後どうしていきたいのか」を考えておく必要があります。「大学院を辞めたい」という気持ちだけではなく、続けるメリットも考慮しながら判断しましょう。中退理由の答え方については「大学院中退の理由と就職活動で回答するときのポイント」をご一読ください。
周りに相談する
一人で悶々と考え込んでも、良い結果にたどり着けるとは限りません。客観的な判断をするために、親や友人など周りの人に相談してみると良いでしょう。人に話すことで、自分が悩んでいたことや辛かったことが把握しやすくなる場合があります。客観的な視点からアドバイスをもらえれば、選択肢の幅が広がるでしょう。
休学や就職を考えてみる
やむを得ない事情や心身の不調などで大学院に通い続けるのが難しい場合、休学や就職を検討してみるのがおすすめです。「研究は続けたいけど余裕がない…」というときは、休学を申請してゆっくりする時間をつくると、今後について考える良い機会になるでしょう。
また、休学中に「大学院を続けるより、就職した方が自分のためになる」と考えるのであれば、中退して就職活動に励むのも一つの方法です。
大学院を辞める手続き
大学院を辞めたい気持ちが固まったのであれば、辞める手続きについても把握しておきましょう。大学院によって異なりますが、辞める手続きの一般的な流れは以下のとおりです。
- ・1.学務課に退学の旨を伝え、必要書類を提出する
- ・2.担当教員や学部長と面談を行う
- ・3.退学が承認されると、退学届に承認印が押される
- ・4.学生証や意見書、退学届などを学務課へ提出する
- ・5.2週間~1ヶ月後程度で退学許可通知書が届き、正式な退学となる
面談では、退学理由について詳しく聞かれるでしょう。引き止められる可能性もありますが、自分の意思をはっきりと伝えることがポイントです。
また、上記の流れはあくまで一つの例であり、退学の手続きは大学院によって異なります。実際の流れについては学務課や教務課などの窓口に問い合わせましょう。
大学院中退者の数
文部科学省の「令和5年度 学生の中途退学者・休学者数の調査結果について」によると、令和5年度は2.85%が大学院を中退しています。人数でいうと7,647人という結果に。
大学院中退者の数は決して少なくありませんが、大学院中退後に進みたい道を明確にしておきましょう。「大学院を中退したいのは逃げではない!就職までの流れや体験談も解説」では中退後の行動について解説していますのであわせてご覧ください。参照元
文部科学省
学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査
大学院を中退して就活するときの注意点
就活を始めるときは、中退理由が不利に働かないように注意してください。先述したように、面接において中退理由は必ずといって良いほど聞かれます。ネガティブな理由をそのまま伝えると、採用担当者に良くない印象を与えてしまうこともあるでしょう。
「研究を進めるうちにやりたいことがはっきりした」「前向きに改善の努力をしてみたが、解決に至らなかった」など、努力した姿勢や自分の考えをポジティブに話すことで、良い印象を与えられます。
中退理由の伝え方のコツ
中退理由は嘘をつかず、正直に伝えるのが基本です。中退理由がネガティブな内容だった場合は、今後の目標や意欲などを伝えてポジティブに締めくくるのがポイントです。中退したときの反省点を考えて、「同じことを繰り返さない」といった気持ちを伝えるのも良い方法といえるでしょう。詳しくは、「大学を中退した理由は面接でどう伝える?履歴書の書き方や就活のコツを解説」で例文もあわせてご紹介しています。「大学院を辞めたいけど、就職できる自信がない」「志望分野でなかなか内定が出ない」などでお悩みの方は、ハタラクティブにご相談ください。ハタラクティブは、若年層向けの就職支援サービスです。プロのアドバイザーが希望やこれまでの経験をもとに、条件に沿った求人を紹介。
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大学院を辞めたい人に関するFAQ
ここでは「大学院を辞めたい…」と考えている方のよくあるお悩みに、Q&A形式でお答えします。
大学院を辞めたら将来に影響がある?
大学院を辞めると、就職時にマイナスの印象を与える場合があるでしょう。企業によっては途中で辞めたことに対して「仕事も辞めてしまうのでは」と懸念を抱く場合もあります。そのため、就活時には将来やりたいことや、入社後に携わりたい業務について話し、仕事への意欲をアピールするのが大切です。
文系で学んでいる方は、大学院に進んだのが資格取得のためでなければ、大きな影響はないといえるでしょう。一方、理系で学んでいる方は、研究内容が仕事に繋がることが多いため、中退すると就職で不利になる可能性があります。詳しくは、このコラムの「大学院を辞めたい!今後に及ぼす影響」を参考にしてください。
大学院の退学率はどれくらい?
文部科学省の「第4章 授業料滞納・中途退学・休学の状況」によると、大学院の中退率は修士課程が2.6%、博士課程が5.4%であることが分かりました。
実際に辞めた人は全体の数%ではありますが、悩んでいる人はそれ以上にいます。
「大学院中退率と就職に与える影響を解説!就活で後悔しないポイントも」でより詳しい数値を解説しているので、気になる方はご一読ください。
参照元
文部科学省
経済的理由による学生等の中途退学の状況に関する実態把握・分析等及び学生等に対する経済的支援の在り方に関する調査研究
大学院中退は履歴書に何と書けば良い?
大学院を中退した場合、履歴書の学歴欄に大学名と専攻学科名、課程を記載し、続けて「中途退学」と書きます。書き方のポイントは、学歴や課程を正しく記載することです。
「大学院中退の履歴書はどう書く?学歴の正しい記載方法と就職の叶え方」で書き方の例を挙げて解説しているので、あわせてご覧ください。
大学院を中退しても就職できる?
大学院を中退しても自分次第で就職はできます。
ただし、中退理由の伝え方によっては不利に働く場合もあるので、「ほかにやりたいことが見つかった」といった前向きな言葉で伝えましょう。中退理由の書き方や伝え方で悩む方は、ハタラクティブをご利用ください。専任のキャリアアドバイザーが、就職活動をサポートします。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。