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コールセンターの仕事
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コールセンターとは
コールセンターとは、顧客(消費者)に対して電話応対をする仕事です。電話を受けて問い合わせやクレームに対応する場合や、こちらから電話をかけて商品を売り込んだり、提案したりする場合があります。企業によっては、FAXやメールへの対応も仕事に含まれるようです。また、一般的には電話による市場調査を意味するテレマーケティングもコールセンターの仕事となります。
コールセンターの仕事内容
コールセンタースタッフとしての仕事は大きく分けて3つです。それぞれの主な業務内容を紹介します。
具体的な業務内容
コールセンターと一口にいっても、インバウンドとアウトバウンドでは求められる役割が異なります。さらに、企業の業種や扱う商材によっても実務に違いがあるようです。
この項では、コールセンターの業務内容について、概要を紹介します。
インバウンド(受信業務)
お客さまからの電話での問い合わせや注文受付などに対応する業務です。
主に、サービスや利用方法の詳しい説明、担当者への取り次ぎ、または通販の注文受付や保険などの申込み手続きを行います。電話応対をしながらデータ入力を完了させるまでが仕事です。
アウトバウンド(発信業務)
コールセンタースタッフから消費者に対して電話をかけ、商品やサービスの提案を行います。
電話での営業なので、商品・サービスの知識やトークスキルの高さが必須となる業務です。
SV(スーパーバイザー)/マネージャー
コールセンターのスタッフをまとめる役割を担います。新人の教育や在籍スタッフへの指導、職場環境の改善などが主な業務です。
インバウンドとアウトバウンドの割合
先述にあったよう、コールセンターには「インバウンド」と「アウトバウンド」の業務に分かれています。コールセンターの求人では、インバウンドが8割、アウトバウンドが2割程の割合です。
コールセンター業務は主にインバウンド(受電業務)が多く、そのなかでも「テレフォンオペレーター」「カスタマーサポート」「テクニカルサポート」の3つに仕事が分かれています。アウトバウンドの業務は、「テレフォンアポインター」「テレマーケティング」の2種類あるのが特徴です。
テレフォンオペレーターの仕事については「テレフォンオペレーターの仕事」のコラムで解説していますので、ご覧ください。
コールセンターが活躍する場
企業のなかにあるお客さま相談室や問い合わせ窓口、注文受付窓口などがコールセンターの活躍の場です。そのほか、セールス部門や企画部門などに配属されることもあるでしょう。
コールセンターは業界・業種を問わず、多くの企業に存在します。たとえば、家電メーカーやクレジットカード会社、派遣会社などの問い合わせ窓口が就職先です。
また、コールセンターをアウトソーシングしている企業もあります。そのため、コールセンターの専門会社も増えており、活躍の場の一つといえるでしょう。
お客さま問い合わせ窓口
お客さま窓口は、お客さまから企業の商品やサービスに関するお問い合わせを受ける窓口のことです。主な業務としては、お客さまから電話を受けて商品やサービスに関する質問やご要望をお伺いし、対処していきます。
企業によって取り扱っている商品やサービスが異なるため、それぞれの専門知識をしっかり理解しておく必要があるでしょう。
注文受付窓口
注文受付窓口の主な業務は、通販やテレビショッピング、広告などを見たお客さまから注文の電話を受け、商品の注文受付、発送手続きを行います。特にテレビショッピングなどで、タイムセールスを行った場合、一時的に電話が増えることがあるのも特徴です。
注文受付は正確に注文数を聞き取り発送準備を行うことが重要なので、責任感のある方などに向いている仕事でしょう。
コールセンターのやりがい・大変なところ
コールセンターは多くの業界に所属しており、生活のなかでも身近に感じられる職業です。ここでは、コールセンターのやりがいや大変なところを詳しく見ていきましょう。
お客さまから直接感謝の声を得られる
コールセンターは対面でお客さまを対応することはありませんが、電話を通してお客さまと直接つながれるお仕事です。
コールセンターの仕事で特にやりがいを感じられるのは、お客さまからお褒めの言葉や感謝の言葉を直接聞けることがあげられます。お客さまから「説明がわかりやすかった」「対応が丁寧だった」と直接評価していただけることがあると、仕事のモチベーションも上がるでしょう。
コミュニケーション能力が身につく
コールセンターで働くと毎日お客さまと会話を行うので、自然とコミュニケーション能力が身に付きます。慣れるまでは緊張して上手く話せないこともあるかもしれませんが、日々の業務のなかで、お客さまと話すことにより経験値も高まり自然と受け答えができるようになるでしょう。
また、コールセンターのお仕事はお客さまのお顔が見えないため、表情から気持ちを読み取れません。そこで、お客さまにわかりやすく説明を伝えるために考えながら会話を行うようになります。お客さまに理解しやすい言葉で話すことを心掛けているうちに、自然とコミュニケーション能力が養われていくでしょう。
クレーム対応
コールセンターの仕事で大変さを感じるのは、クレーム対応をするときでしょう。
自分が原因で怒られていないと分かっていても、人のネガティブな感情に触れていると気が滅入ってしまうことがあります。うまく対応できずに怒りを増加させてしまい、落ち込むこともあるようです。
また、アウトバウンドの場合は話を聞いてもらえる機会が少なく、成果が出にくいことに悩む人が多いといわれています。しかし、コミュニケーション力やトーク力が身につき、契約が取れるようになったときの達成感は大きいのも事実です。企業によってはインセンティブがつくので、収入アップがやりがいの一つになるでしょう。
コールセンターの年収
厚生労働省が提供する職業情報提供サイト(日本版O-NET)の「コールセンターオペレーター」によると、コールセンターオペレーターが属する主な職業分類「電話応接事務員」の年収は369万6,000円となっています。
企業によっては基本給+歩合という制度を導入していたり、地域によって差があったりするのがこの職種の特徴です。たとえば、東京都の平均年収は422万4,000円、大阪府では363万9,000円、北海道では331万9,000円と開きがあります。
なお、非正規雇用では時給制で1,000〜1,500円前後が一般的です。
参照元
職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag
コールセンターオペレーター
コールセンターの将来性
IT技術の進化によって電話を使う頻度は減少傾向にあり、コールセンターの将来性を不安視する声もあるでしょう。簡単な注文や問い合わせにおいては、すでにAIの導入が進んでいます。一方、人にしかできない対応もあり、コールセンターの需要がなくなるとは考えにくいのも事実です。
この項では、コールセンターの将来性と、就職後のキャリアについて解説します。
ニーズ
コールセンターの仕事は、将来システム化やAI(人工知能)を導入することで減っていく、という意見があるようです。実際のところ、インターネットが普及して実店舗を持たない店が増加しており、サービスや商品の注文はパソコンやスマートフォンから手軽にできるようになっています。どのような企業でも顧客とのやり取りはメールやSNS、チャットなどで気軽にできるようになっているため、電話という手段を選ぶユーザーは減りつつあると考えられるでしょう。
しかし、「顧客の感情を受け止める」という人にしかできない側面もあります。今後もクレーム対応や相手の要望に合わせた提案、きめ細やかな説明などは、コールセンターのスタッフが対応すると考えられているようです。
また、日本は高齢化社会なので、電話応対へのニーズは将来的にも続く可能性が高いといえます。
キャリアアップ
コールセンターのスタッフとしてキャリアアップしていくためには、まずはオペレーターとしてのキャリアを積みましょう。言葉遣いや電話応対のスキルを高め、リーダーを目指します。リーダーはSVのアシスタントとして、新人教育やほかのオペレーターのまとめ役を務めるようです。
実務経験やスキルが高く評価されれば、オペレーターの管理者であるSVに昇格できます。オペレーターを評価したり、コールセンターの収支を考えたりするなど、経営を意識して仕事を行うのがSVです。オペレーターとしてのスキルだけでなく、マネジメントスキルも必要でしょう。
さらに、センター長を目指すという道もあります。センター長は会社全体の経営にも精通し、業績を上げるためにコールセンターがどのように成長していくべきかを考える人です。センター長になるためには、経営戦略や人材育成における知識とスキルが求められます。
コールセンターに必要な資格
コールセンターに必要な資格
- コンタクトセンター検定
- CSスペシャリスト検定
- 電話応対技能検定
コールセンターのスタッフになるために必須の資格はありません。コールセンターには未経験歓迎、学歴不問の求人が多く、就職しやすいといわれています。ただし、資格があると未経験でも知識があることの証明になるので、取得しておいて損はないでしょう。
この項では、選考でアピールできる資格や、コールセンターの仕事に役立つ資格を紹介します。
コンタクトセンター検定
一般社団法人 日本コンタクトセンター教育検定協会が実施する試験です。電話でのコミュニケーションを業務で行う上でのマナー、心構え、クレーム対応の基礎などが出題されます。
「エントリー資格」「オペレーター資格」「スーパーバイザー資格」「オペレーションマネジメント資格」「コンタクトセンターアーキテクチャ資格」といった5つの段階があり、段階が上がるにつれて経営戦略や財務、人材マネジメントに関する問題が中心になるようです。
エントリー資格はWebサイト上で受験できるので、コールセンターへの就職を目指す際に挑戦するのも良いでしょう。
CSスペシャリスト検定
一般社団法人 CSスペシャリスト検定協会が実施している検定です。CSとは、Customer Satisfactionの略で顧客満足度を指します。この検定ではCSの理論と実践を学べるので、資格取得を目指すことで顧客との関わり方、難しいクレームへの対応などができるようになるでしょう。
コールセンターのみならず、多種多様な仕事で役立つ資格です。ベーシックレベル、プロフェッショナルレベル、スペシャリストレベルの3つがあり、スペシャリストレベルを取るためには、3カ月の通信講座を受講する必要があります。
電話応対技能検定
公益財団法人日本電信電話ユーザ協会が主催しており、ビジネスにおける電話応対のエキスパートを育成するための試験です。電話応対のマナーや正しい言葉遣い、状況に応じた対応ができるようになり、コミュニケーション能力の向上を目指します。4級では社会人としてのマナーや電話と対面の違いなどを学び、1級になるとクレームの電話対応や法的知識も出題されるようです。
上記のほか、MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)や、日商PC検定もコールセンターの仕事に役立ちます。コールセンターでは文書作成やデータ入力を行うことも多いため、基本的なPCスキルがあると良いでしょう。就職前に資格が取得できていなくても、「勉強中」としてアピールするのも可能です。
「履歴書にある免許・資格欄の「勉強中」の書き方とは?」のコラムで、履歴書に資格欄に記載する方法を紹介していますので、ご覧ください。
コールセンターのスタッフになるには
コールセンターのスタッフになるには、求人を出している企業に応募をして採用してもらうのが一般的です。また、アルバイトや派遣社員から始めて正社員を目指すのも良いでしょう。コミュニケーションスキルやトーク力といった強みを活かして実績を上げれば、企業側から正社員の声がかかる可能性もあります。
就業までの流れ
コールセンターで活躍しているスタッフは、アルバイトや派遣社員、契約社員であることが多く、正社員は少ないようです。そのため、正社員としてコールセンターで働きたいという場合には、派遣や契約社員から経験を積み、正社員登用を目指す場合が多いでしょう。
前述の通り、採用にあたっては「未経験歓迎」「学歴不問」が多いので、職種経験や学歴が不安な方にもチャンスがあります。
プラスになるスキルや要素
顧客のニーズを汲み取れる能力、コミュニケーションスキルやトーク力があると良いでしょう。電話越しでのやり取りなので、「対面時よりもより正確に情報を伝えられるよう気を配る」という意識が大切です。
前述の通り、クレーム対応があるといった大変な側面もあり、メンタルの強さもプラスになるスキルの一つ。入社時の研修で学んだことをそのまま実践できる、マニュアルに沿って仕事が進められるという点も重視されるようです。
コールセンターの志望動機
コールセンターの志望動機では、適性や意欲を伝えるのはもちろん、応募先企業を選んだ理由を明確にするのも大切です。コールセンターは様々な業界で活躍しているので、「なぜこの企業のコールセンターでなくてはならないのか」という理由を言えるようにしておきましょう。
また、面接での態度は「お客さま対応に向いているか」の判断基準になります。扱う商材によって「明るくハキハキとした話し方」「落ち着いて信頼感がある対応」など、求められる要素が異なるので、応募先企業に合わせた面接練習をしておきましょう。
コールセンターが向いている人
コールセンターの仕事に向いている人は、相手の立場に立って物事を考える「ホスピタリティマインドの高い人」や、場面に応じて対応できる「臨機応変さがある人」です。そのほか、クレームに動じない冷静さや、忍耐力も必要といえます。
また、コールセンターの仕事は話すのがメインと考える人もいるようですが、実際には「聞き上手」であるのも重要です。話を聞いてもらうだけで満足するお客さまもいるので、相手に寄り添ってじっくりと話を聞く能力が求められます。
未経験者の志望動機
未経験者の志望動機では、なぜコールセンターで働きたいのかを伝えましょう。また、上記で紹介した「ホスピタリティマインド」「臨機応変さ」などの特性がある点もアピールするのが大事です。
『私は御社のコールセンターで大変丁寧な対応をしてもらった経験があります。近年はメールやチャットでの対応が多いなか、じっくりと私の話を聞き、きめ細かな対応をしてくれたことに感動いたしました。
私は友人から「聞き上手」といわれます。そのため相談を受けることが多く「聞いてもらえて救われた」「ありがとう」といわれることに喜びを感じます。この特技を活かし、御社のコールセンターで人から感謝されるオペレーターを目指したいと考えております。』
上記の志望動機では、応募先企業を選んだ理由が説明できており、さらに自分の特性もアピールできているのがポイントです。面接では言葉遣いや話し方、声の明るさなどにも気を配りましょう。
経験者の志望動機
経験者はオペレーターとしてのスキルやこれまでの経験を伝え、即戦力として評価されるのが大事です。
『私は今までインバウンドのオペレーターを経験してきました。コールセンターの仕事は、ビジネスマナーやコミュニケーション能力が身につき、スキルアップができる点にやりがいを感じております。ただし、インバウンドは受け身の仕事が多いため、次のステップとしてアウトバウンドに挑戦したいという思いが募り、転職を決意いたしました。
御社が扱っている子ども向けの教材は、私も幼少期に利用していたことがあり、人に薦めたいと思える商品です。電話応対技能検定2級の知識や前職での経験を活かし、御社の売上アップに貢献したいと考えております。』
転職理由や応募先企業で活かせるスキルが明確なので、入社後の活躍が期待できます。資格取得は、学ぶ意欲が高いことのアピールにもなるでしょう。
前職の在籍期間が短い転職者は、「今度は長く働きたい」と面接で意欲を示し、早期離職を懸念されないように心がけましょう。「模擬面接とは?やり方や聞かれることを解説!オンラインでも対策できる?」のコラムで面接でチェックされるポイントを解説していますので、ご一読ください。面接に不安がある人は、就職支援サービスを利用して模擬面接を行うのもおすすめです。
コールセンターに関するFAQ
ここでは、コールセンターの仕事や就職事情に関する疑問をQ&A方式で解消します。
コールセンターの求人はアルバイトが多い?
コールセンターの求人はアルバイトや派遣社員、契約社員が多いといわれています。
正社員の求人は少ないようですが、全くないわけではありません。特に、リーダーやSVの求人では、未経験歓迎の正社員求人もあります。また、正社員登用制度がある企業なら、アルバイトから正社員を目指すのも可能です。正社員登用制度について「正社員登用制度とは?読み方や必要な実績・試験について解説!」のコラムで解説していますので、参考にしてみてください。
コールセンターの仕事はきついって本当?
ノルマがあったり、クレーム対応が続いたりしたときに、「きつい」と感じる人もいるようです。
ただし、ノルマやクレームを「インセンティブで稼げる」「接客マナーや対応力が身につく」といったメリットとして捉える人もいます。「営業がきついとされる8つの理由とは?対処法と向いていない人の特徴も紹介」のコラムでは、コールセンターと同様、人と接する仕事である営業職の醍醐味を紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。
SVに向いてる人の特徴は?
SV(スーパーバイザー)に向いているのは、面倒見が良く、目標管理能力や冷静な判断力がある人です。
SVの主な仕事はスタッフの育成・管理やコールセンターの運営になります。コールセンターでSVを経験すると、マネジメント能力が身につくため転職で有利になることもあるようです。「マネジメント経験とは?転職時にアピールするコツや例文を紹介」のコラムでマネジメント経験とは何かを詳しく解説していますので、ご一読ください。
コールセンターの正社員になるには?
アルバイトで実績を積み、オペレーターとしてのスキルを身につけてからSVを目指すのが一つの方法です。
また、営業職や販売職でマネージャーの経験がある場合は、中途採用で正社員のSVになれる可能性もあります。現在アルバイトの人は「正社員のメリット・デメリットとは?派遣や契約社員についても解説!」のコラムで紹介しているメリットを参考にして、正社員を目指すのがおすすめです。どうしたら正社員になれるのかわからない人は、求人探しや面接対策をサポートするハタラクティブにご相談ください。
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その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
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