職歴に空白期間があると、就職や転職で不利になりやすい傾向があります。ただし、不利になりやすいのは、空白期間の存在そのものを隠したり、在籍期間を実際より長く偽ったりした場合です。空白期間となった理由を職歴欄に書き添えるかどうかは任意であり、期間の長さや理由によって書いたほうがよい場合と、面接で説明すれば十分な場合があります。空白期間となったやむを得ない理由や、その間に得たことを伝えられれば、ポジティブな印象を与えることも可能でしょう。
このコラムでは、空白期間の書き方やコツを紹介するので、ブランクがある求職者の方は参考にしてみてください。なお、このコラムでは、年月と在籍先を時系列で記載する履歴書の職歴欄を中心に解説します。業務内容や実績をまとめる職務経歴については、該当する箇所でその旨を明記するので参考にしてみてください。
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親の介護や病気による空白期間がある場合の履歴書の書き方
親の介護や自身の病気療養は、やむを得ない事情として採用担当者にも理解されやすい空白期間の一つです。ただし、伝え方次第では、今後の勤務にも影響が残るのではないかと不安を持たれてしまうこともあります。ここでは、介護と病気療養のそれぞれについて、状況別に履歴書の職歴欄でどう書けばよいかを具体的に紹介していくので、ぜひご一読ください。
親の介護で空白期間がある場合
親の介護による退職は、やむを得ない事情であることが伝わりやすく、空白期間が長くても納得してもらいやすい理由の一つです。ただし、書き方次第では「今後も介護で同じことが起こるのでは」と不安を与えてしまう場合があるため、書き方のポイントを押さえておきましょう。近年は仕事と介護の両立を目指す人も増えており、介護を理由とした退職そのものが大きなマイナス評価につながるケースは少なくなってきています。
以下では、職歴欄への具体的な記入例に加えて、介護がすでに終わっている場合と、現在も続いている場合とで書き方をどのように変えればよいかを順に説明していきましょう。
職歴欄には「親の介護のため退職」と記入する
職歴欄には、年月とともに「親の介護のため退職」と記入するのが基本です。特別な事情を伝える必要がない場合は、「一身上の都合により退職」と記載したうえで、面接で聞かれた際に説明する方法でも問題ありません。どちらの書き方を選んでも、採用担当者からの印象に大きな差が出るわけではないため、自分が話しやすいと感じるほうを選びましょう。以下に記入例を示します。
【記入例】
2021年 4月 株式会社△△△入社
2023年 6月 親の介護のため退職(現在は介護サービスを利用し、就業に支障のない体制を整えています)
履歴書の職歴欄の詳しい書き方については、以下のコラムもあわせてご確認ください。
介護が終わった場合は「現在は就業に支障なし」と添える
採用担当者が気にしやすいのは、「介護が今後の仕事に影響するか」どうかです。介護がすでに終わっている場合は、職歴欄の末尾に「現在は介護を終え、就業に支障はありません」のように一言添えると、安心感につながります。空白期間の長さにかかわらず、今後は問題なく働けることが伝われば、マイナスの印象を小さくできるでしょう。
介護が続いている場合は本人希望欄に勤務条件を書く
介護を続けながら働く予定の場合は、職歴欄で「介護が終わった」と偽る必要はありません。本人希望欄には、「時短勤務を希望します」など、譲れない勤務条件だけを簡潔に書くのがおすすめです。また、「現在は介護サービスを利用しており、勤務に支障のない体制を整えています」というように、働ける見通しが立っていることを具体的に伝えると、企業側に安心感を与えられるでしょう。
なお、育児・介護休業法では、介護休業(対象家族1人につき通算93日)、介護休暇、所定外労働の制限、短時間勤務などの制度が定められています。入社後に介護と仕事を両立する前提であれば、利用できる制度を確認したうえで、必要な配慮を面接や内定後の面談で相談することもできます。
参照元:厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」
親の病名や要介護度までは書かなくてよい
親の病名や要介護度といった詳しい情報まで、履歴書や面接で伝える必要はありません。プライバシーに関わる内容であるため、「介護が必要な状態であったため」程度の説明にとどめ、業務への影響や、今後どのように両立していくかを中心に伝えましょう。
病気の療養をしていた場合
空白期間ができる理由として、自身の病気療養もあります。病歴は個人情報保護法上の「要配慮個人情報」にあたり、履歴書に書く義務はありません。「一身上の都合により退職」と記載したうえで、面接で聞かれた際に差し支えのない範囲で説明するのも一つの方法です。
記載する場合は、断定を避けて事実のみを書くのが安全です。病状や通院の詳細まで記載する必要はなく、療養を終えて就業可能な状態になったことが伝わればよいでしょう。以下に記入例を示します。
【記入例】
2020年 3月 一身上の都合により退職(療養のため)
2021年 4月 療養を終え、就業可能な状態となる
「業務に支障はありません」のように将来を断定する書き方は、入社後に体調が変化した場合に説明が難しくなるため避けましょう。通院や治療が続く場合や、勤務時間などの配慮を希望する場合は、内定後や入社前の面談で、必要な範囲を自分で選んで伝えるのが一般的です。
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職歴に書く空白期間はどのくらいから?
職歴の空白期間とは、前職の退職日から次の入社日までの間に、就業していない期間が一定以上続く状態を指す言葉です。職歴の空白期間は、1か月から6か月程度であれば、それほどマイナスイメージにつながらないとされています。
一方で、半年以上にわたるブランクがある場合は、履歴書の職歴欄にその理由を簡潔に明記することが重要です。空白期間を隠したり、在籍期間を無理に埋めて偽ったりすることは避けましょう。面接時や入社時の書類で事実と異なることが判明すると、内容によっては内定取り消しや入社後の処分につながる可能性があります。空白期間の有無そのものを隠すのではなく、理由を適切に伝える方法を次の章から具体的に見ていきましょう。
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職歴の空白期間は不利にならないの?
職歴に空白期間がない人と比較すると、空白期間のある人は転職においてやや不利な可能性もあります。職歴に空白期間がある場合、採用担当者は「働く意欲が低い」「即戦力にならない」などのマイナスのイメージを抱いてしまうこともあるためです。職務経歴に空白期間がある理由を明記しなければ、書類選考の時点で不採用とすることもあるでしょう。
しかし、ブランクがある人は就職や転職ができないわけではありません。やむを得ない事情で働き続けることが難しくなった人や、スキルアップのためにあえてブランクを設けている人もいるでしょう。ニートやフリーターだった期間を、説明次第ではプラス要素に変えることもできます。ブランクの捉え方を変え、アピール要素にしていきましょう。
空白期間で得たことを整理する
空白期間をポジティブに伝えるには、「職歴のブランク」と捉えず、空白期間で経験したことをキャリアとして捉えることが大切です。職務経歴への空白期間の書き方としては、「その期間で何をしたのか」「そこからどのようなことを学んだのか」など、身につけた資格やスキルを整理してみましょう。ブランクの理由説明だけでなく、自己PRにつながることもあります。
志望動機につなげる
職歴の空白期間で得たことを、志望動機につなげることができると、さらに好印象です。「経理職に就くことを目標に、簿記の資格を取得した」「Webデザイナーになるため、スクールに通っていた」など、高い入社意欲につながる理由を述べられるとなお良いでしょう。
空白期間別!職歴の書き方
履歴書の職歴欄への空白期間の書き方は、期間によって記入すべき内容が変わってきます。職歴のブランクの説明において、大きな基準となるのは半年です。1か月から6か月程度の空白期間なら、それほどマイナスイメージにはならないでしょう。
一方、1年や2年など長期にわたってブランクが続いている人は、理由の説明次第で大きく印象が変わります。下記を参考に、職歴欄をブラッシュアップしてみましょう。
空白期間が1か月以内の場合
空白期間が1ヶ月以内である場合は、それほど不安に感じる必要はありません。職務経歴に特筆する必要もないでしょう。
在職中の転職活動はハードスケジュールになるため、退職してから転職活動を始める人も少なくありません。転職活動には、ある程度の期間が掛かるため、1か月のブランクであれば「転職活動のため」で十分です。
あるいは、前職在職中にはできなかった旅行や長期間の趣味に没頭していた場合もあるでしょう。一時的なリフレッシュ期間であり、今後の仕事へのモチベーションにつながっていることを説明すれば、さほど問題はありません。
空白期間が3か月以内の場合
空白期間が3か月ほどある場合も、わざわざ履歴書の職歴欄に理由を添える必要はないでしょう。
転職活動を開始してから入社するまでの平均的な期間は、3か月程度といわれています。自分の希望や能力に合う転職先を探していて、ブランクが長くなっていることを伝えられれば、大きなマイナスとはならないでしょう。
転職活動と並行して、資格取得や異業種理解などチャレンジしていることがあれば、アピールポイントにできます。職歴が空白となっている3か月の間にアピールできる材料はないか考えてみましょう。
空白期間が半年以上の場合
空白期間が半年以上ある場合は、履歴書の職歴欄に一言理由を添えると良いでしょう。記入例は、下記のとおりです。
【記入例】
2015年 4月 株式会社▲▲▲入社
2020年 3月 一身上の都合により退職(公務員試験受験のため1年間予備校へ通う)
職歴のブランクが半年以上になると、採用担当者はマイナスイメージを抱きかねません。転職活動をじっくり行っていたという理由だけでは採用担当者を納得させることは難しいため、マイナスイメージを払拭できる前向きな姿勢を示すことが大切です。
留学や難関資格取得のためといった理由であれば、数年のブランクがある場合も採用されることもあるでしょう。それ以外の理由の場合は、下記を参考に伝えてみてください。
ニート・フリーター・無職・留学・転職活動による空白期間がある場合
以下でニート・フリーター・無職・留学・転職活動による空白期間がある場合の職務経歴の書き方をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
ニート・無職期間がある場合の職務経歴の書き方
ニート・無職期間がある場合、履歴書には「一身上の都合により退職」と簡潔に表記します。空白期間に特別な事情がない場合、面接では自己PRや志望動機をしっかりと整理しておくことが重要です。これにより、採用担当者は本人の意欲や人柄についてより深く理解できるでしょう。
就職に向けた活動をしていた
空白期間に、単発のアルバイトや内職などに取り組んだことがあれば、それを伝えましょう。「ハローワークで職業訓練を受けていた」「就職エージェントで就職のアドバイスを受けていた」なども、働く意欲を感じさせる理由といえます。就職に向けて、どのようなことに取り組んできたのかを説明すると好印象でしょう。
資格取得を目指していた
空白期間中に資格取得を目指して勉強していた場合も、アピール材料になることも。ただし、「在職中でも資格を取得できたのでは?」「その資格はこの仕事でどう活かせる?」といった質問をされる可能性もあるでしょう。
何をモチベーションに取り組み、就職したらその知識をどのように活かしたいのかも答えられるようにすると効果的です。
フリーターをしていた場合の職務経歴の書き方
フリーターとして過ごしていた場合は、アルバイトをしていたことを伝えましょう。働く意欲を持ち続けていたことを伝える材料になります。また、アルバイトであってもスキルや経験が身についていることもあるので、自己PRや志望動機にも活かしましょう。
ただし、アルバイトの期間も偽ってはいけません。職務経歴の書き方として、空白期間やアルバイト期間も正確な情報を伝えるようにしてください。
語学留学していた場合の職務経歴の書き方
職歴に空白期間がある理由が、留学である人もいるでしょう。しかし、「留学のため」だけでは自己PRとしては不十分といえます。
「前職で実践的な英語の必要性を感じ、アメリカに留学しました」「工場が中国進出を続けているため、中国語や現地の文化を勉強したかった」などと語学留学のきっかけを説明しましょう。「身につけた英語力を活かして海外営業で活躍したい」と、入社後どのように貢献できるのかということも具体的にアピールできると、さらに好印象です。また、語学以外に留学で得たスキルや経験があれば、自己PRに盛り込むことができます。
転職に専念していた場合の職務経歴の書き方
資格取得や留学など特別な理由はなく、ただ転職活動が長引いてしまって空白期間ができてしまった場合には、無理にその理由を説明する必要はありません。前職を退職した理由をしっかり説明し、転職活動が長引いていることを伝えましょう。志望動機や自己PRなどで、意欲やスキルのアピールをするのも効果的です。
また、在職中は忙しく、転職活動の時間を十分に確保できないことも珍しくありません。そのため、「いったん退職してフリーターになり、時間をかけて慎重に転職先を探していた」というのは不自然な話ではないでしょう。そのような選択肢を選んだ理由や経緯も話せると、説得力が増します。「これまでの経験と反省を踏まえ、改めて自己分析をしていました」というのも、空白期間の理由になるでしょう。
退職理由は人によってさまざまですが、その理由を明確にしていないと、再就職しても同じ結果になってしまう可能性があります。そのため、原因を把握することは重要です。「職種に対して適性がなかった」「待遇に満足できなかった」など退職理由を自分で把握することも、自己分析といえます。
空白期間になった理由はごまかしても良い?
介護や病気療養など、やむを得ない事情で空白期間ができてしまった場合は、職務経歴に明記した方が好印象です。しかし、ニートやフリーターを続けていた場合や転職活動が長引いてしまった場合は、職務経歴にわざわざ記入する必要はないでしょう。卒業や退職の年月から、空白期間があることは伝わります。入社意欲や自己PRを充実させ、ポジティブなイメージを印象づけるのも手です。
職歴の空白期間をポジティブに伝えるコツ
空白期間の伝え方には、いくつか押さえておきたいコツがあります。同じ空白期間であっても、伝え方次第で採用担当者に与える印象は大きく変わるものです。マイナスに捉えられがちな期間も、見方を変えれば立派なアピール材料になるケースも少なくありません。
ここでは、特に意識しておきたい2つのポイントを紹介します。なお、面接で伝える際の例文は以下のコラムで詳しくご紹介しているので、あわせてご確認ください。
1.空白期間=ブランクではない
退職から再就職までの空白期間が長期化しても、職歴のブランクと考えない方が良いでしょう。空白期間をブランクと捉えマイナス思考になれば、空白期間で得たことを上手く伝えることが難しくなるので、空白期間をプラスのものと考えるようにしてみてください。
空白期間になった理由は人それぞれですが、その間に頑張ったことや得たことがあるはずです。それらをうまくアピール材料につなげることが、内定獲得のポイントといえます。
2.空白期間はごまかさない
職歴上の空白期間が採用において不利になることを恐れ、ごまかそうとする人もいるでしょう。しかし、空白期間をごまかすために事実と異なることを職歴に記載してしまうと、経歴詐称になることも。厚生労働省の「モデル就業規則」では、懲戒解雇の事由として「重要な経歴を詐称して雇用されたとき」が挙げられています。実際に懲戒の対象となるかは、詐称した内容が採否の判断に影響する重要なものであったかどうかなどによって判断されます。
書類選考や採用面接の場ではごまかせても、のちのち経歴が虚偽であったと判明する可能性は否めません。その内容が重要な経歴にあたる場合、懲戒解雇など重い処分の対象になることもあります。事実と異なる経歴を申告することはやめましょう。
参照元:厚生労働省「モデル就業規則」
まとめ
職歴に空白期間があっても、理由や期間に応じた書き方を押さえておけば、採用担当者に過度な不安を与えずに済みます。空白期間の存在を隠すのではなく、やむを得ない理由や、その間に得たことを整理したうえで、前向きな言葉で伝えることを意識しましょう。親の介護や病気療養による空白期間は、詳しい事情まで明かす必要はなく、今後の業務に支障がないことが伝われば問題ないといえます。書類選考の通過だけを目指すのではなく、入社後も安心して長く働ける関係を築くという視点を持って、履歴書の作成に取り組んでみてください。
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職歴の空白期間や親の介護に関するQ&A
ここでは、職歴の空白期間や親の介護に関するよくある質問をまとめました。
履歴書に書かないほうがいい資格は?
業務と関連性が低い資格や、取得から長期間が経過し実務で活かしにくい資格は、無理に記載する必要はありません。応募先の仕事に活かせる資格を優先的に書き、迷う場合は関連性の高さを基準に取捨選択しましょう。資格欄に書けるものが見当たらない場合は、無理に埋めず「特になし」と記載しておけば十分です。
介護職の履歴書の書き方は?
自身の介護職としての経験を書く場合は、担当していた業務内容や、保有する資格(介護職員初任者研修など)を具体的に記載すると伝わりやすくなります。利用者とのコミュニケーションや、他職種との連携経験があれば、あわせて伝えると好印象です。親の介護による空白期間とは別の話なので、混同しないよう整理して書きましょう。
履歴書に書いてはいけない「絶対NGワード」は?
前職への不満や他責的な表現、事実と異なる誇張表現は避けましょう。また、退職理由を感情的に書くのではなく、「一身上の都合により退職」など簡潔で前向きな表現にまとめることが基本です。特定の個人名や企業名を挙げて批判するような書き方も、印象を悪くするため避けてください。
親の介護を理由に転職した例文は?
「親の介護のため、2023年6月に前職を退職いたしました。現在は介護サービスの利用により就業に支障のない体制を整えており、貴社でも責任を持って業務に取り組みたいと考えております。」のように、理由と現在の状況をセットで伝えると安心感につながるでしょう。面接で詳しく聞かれた場合も、同じ内容を一貫して伝えることを意識しましょう。
退職理由や空白期間の理由に嘘をつくとどうなる?
事実と異なる退職理由や空白期間の理由を伝えると、経歴詐称とみなされる可能性があります。内容が採否の判断に影響する重要なものであった場合、入社後に懲戒解雇などの対象となることもあるため、事実に基づいた説明を心がけましょう。小さな誇張のつもりでも、のちに事実と異なることが判明すれば、信頼を大きく損ねかねません。
参照元:厚生労働省「公正な採用選考の基本」
参照元:厚生労働省「新たな履歴書の様式例の作成について」
参照元:厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」