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専門卒フリーターの就職は厳しい?注意点や就活のポイントを解説
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この記事のまとめ
- 専門卒のフリーターの場合も就職できる
- フリーター期間が長く、年齢を重ねるほど就職の難易度は上がる
- 企業は専門卒のフリーターの方に対して、熱意やポテンシャルなどを期待している
- 専門卒のフリーターの方は、未経験歓迎の求人をメインに探すと良い
- おすすめの就職先は、プログラマーやエンジニアといったどの業界でも求められる仕事
「専門卒のフリーターから就職できるのかな…」と不安な気持ちから、なかなか行動に移せない方もいるでしょう。専門卒のフリーターの方も、若いうちに就活をすれば正社員になれる可能性は十分にあります。このコラムでは、専門卒のフリーターの方が就職するためのコツをご紹介。効率的に就職活動を行いたい方に向けて、情報をまとめています。フリーターから正社員に就職したい専門卒の方は、ぜひご覧ください。
専門卒のフリーターから就職できる?
専門卒のフリーターの方も、就職は可能です。専門学校卒業後のフリーターはもちろん、既卒のニートから正社員として就職する方もいます。
総務省統計局の「労働力調査(基本集計)2024年(令和6年)9月分Ⅰ就業者の動向(p.2)」によると、国内の就業者数6,814万人に対して、非正規雇用者数は2,107万人という結果でした。そこから専門卒のフリーターを絞るとさらに人数は減るものの、フリーターであることは珍しいわけではないと分かります。
年齢が若いほうが採用されやすい
フリーターから正社員になることは可能ですが、就職活動は若いほうが有利になりやすいのも事実です。20代のうちに就職活動を始めればポテンシャル採用のチャンスがあるため、希望する条件の会社から内定を貰える可能性が高まります。応募先によっては、専門学校で学んだ知識を活かせることもあるでしょう。
専門学校卒業後に一度は就職しない選択肢をした方も、「フリーターから正社員になりたい」と思ったらなるべく早く行動を起こすのがポイント。専門学校で学んだ知識が役立つ会社や、興味をもって取り組めるような仕事を探すことが、内定獲得への近道といえます。
「既卒者が内定をとるためのポイントを解説!新卒より厳しいって本当?」のコラムでは、専門卒をはじめとする既卒者向けに内定獲得の方法をご紹介しているので、ぜひ参考にご覧ください。
参照元
総務省統計局
労働力調査(基本集計) 2024年(令和6年)9月分結果
専門卒のフリーターの方が気をつけるべき点
専門卒のフリーターから正社員を目指す場合、「時間が経つにつれて難しくなる」と心得ておくことが重要です。現在フリーターとして問題なく生活を送れている方は、「そこまで急ぐ必要はない」と感じることもあるでしょう。しかし、フリーターのまま長く過ごしていると、正社員への就職のハードルは上がる可能性があります。以下では、専門卒のフリーターの方が就職活動で気をつけるべき点についてまとめました。
フリーター期間が長いほど就職は難しくなる
前項でも述べたように、正社員経験がない既卒の方も就職は可能であるものの、フリーターの期間が長いほど難しくなります。労働政策研究・研修機構の「労働政策研究報告書」によると、フリーター継続期間と正社員になれた割合は以下のとおりでした。
引用:労働政策研究・研修機構「労働政策研究報告書No.213 『大都市の若者の就業行動と意識の変容』 図表4-33 男女別 フリーター継続期間と正社員になれた割合(p.128)」
フリーター継続期間が長くなればなるほど、正社員になれた割合も下がっていることが分かります。フリーター期間が1年未満であればおよそ7割の人が就職できているものの、1〜2年が経過すると5割程度まで落ちているのが現状です。
参照元
独立行政法人 労働政策研究・研修機構
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学歴によって就職率も異なる
求人によっては「大卒以上」のように学歴が指定されている場合もあるため、学歴によって就職率に差が生じやすいのも事実です。厚生労働省の「令和6年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)を公表します」によると、大学の就職内定率が98.1%であるのに対して、一般的な専門学校を指す「専修学校(専門課程)」は97.5%という結果になっています。以下に、学校区分ごとの就職希望者に対する就職内定率をまとめました。
区分 | 就職希望率 | 就職内定率 |
---|---|---|
大学(国公立・私立含む) | 74.8% | 98.1% |
短期大学 | 80.2% | 97.4% |
高等専門学校 | 57.8% | 100% |
専修学校(専門課程) | 91.1% | 97.5% |
参照:厚生労働省「令和6年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)を公表します 令和5年度大学・短期大学・高等専門学校及び専修学校卒業者の就職状況調査(4月1日現在)について(p.3)」
専門学校の就職内定率は、大学や高等専門学校よりも低いことが分かります。このような差がある現実も踏まえ、正社員を目指している専門卒のフリーターの方は、早めに就職活動を開始するのが望ましいでしょう。
参照元
厚生労働省
令和6年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)を公表します
年齢を重ねるにつれ就職は厳しくなる
フリーターの方は、年齢を重ねるにつれて就職が難しくなるというデータもあります。
以下の表は、労働政策研究・研修機構による「問題提起 『就職氷河期世代』の全体像を把握する─平成29年版『就業構造基本調査』の二次分析から─|JILPT労働政策フォーラム(2019年7月25日)配布資料」の結果です。
非正規職離職者 | 構成比 | 正社員移行率 | |
---|---|---|---|
非典型雇用離職者計 (男女計) | 15,705人 | 100% | 20.9% |
15-19歳 | 348人 | 2.2% | 29.9% |
20-24歳 | 2,364人 | 15.1% | 32.7% |
25-29歳 | 3,081人 | 19.6% | 25.5% |
30-34歳 | 3,198人 | 20.4% | 18.1% |
35-39歳 | 3,197人 | 20.4% | 15.5% |
40-44歳 | 3,517人 | 22.4% | 15.6% |
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構「『就職氷河期世代』の全体像を把握する-平成29年版『就業構造基本調査』の二次分析から-過去1年間に非典型雇用から離職した者の性・年齢段階別正社員移行率(15~44歳、在学中を除く、実測値)」
男女ともに正社員への移行率は20代がピークであり、30代以降は下落傾向にあることが分かります。正社員を目指すためには、年齢が若いほど有利であるといえるでしょう。
フリーターの方が正社員になれる割合については、「フリーターの現状とは?企業から見た立ち位置や正社員との違いを解説!」のコラムでもご紹介しています。こちらも参考にしてみてください。
参照元
独立行政法人労働政策研究・研修機構
「就職氷河期世代」の全体像を把握する──平成29年版「就業構造基本調査」の二次分析から
専門卒のフリーターの方に対する企業の期待と不安
企業が専門卒のフリーターに期待しているのは、「仕事ヘのやる気」「ポテンシャル」などです。一方、「なぜ正社員にならずフリーターのままなのか」といった点が不安視されやすい側面も。ここでは、専門卒のフリーターに対して企業が期待していることと、不安に思っていることについて解説します。
企業が期待すること
専門卒のフリーターの方に対して、多くの企業は以下のことを期待しています。
- ・熱意
- ・ポテンシャル(将来性)
- ・人間性
企業はフリーターの方に対して、スキルや経験よりもやる気やポテンシャル、人間性といった要素に期待することが多いようです。正社員経験のない既卒のフリーターだからこそ、企業は本人のもつ可能性に期待しています。
また、企業側は応募者の「就職したい」という熱意をチェックしており、面接では、就職後のキャリアプランや今後取り組みたいことを述べると評価されやすいでしょう。専門卒のフリーターであることを不安視せず、前向きな姿勢で就職活動を進めることが大切です。
企業が不安に思うこと
専門卒のフリーターの方は、企業から以下のようなことを不安視されていると頭に入れて就職活動をしましょう。
- ・なぜフリーターになったのか
- ・専門学校で学んだことを活かして就職しなかったのか
- ・今まで正社員でなかったのは、何か問題があるからではないか
企業側が不安に思うこととして、「なぜ今までフリーターだったのか」や「専門学校で得た知識やスキルを活かして就職しなかったのか」などが挙げられます。面接で問われた際は正直に答え、反省点をしっかりと伝えることが大切です。資格の取得や特定分野の勉強というように、前向きな理由があれば具体的に説明しましょう。
卒業後すぐに就職しなかった理由をきちんと説明できれば、「今まで正社員でなかったのは何か問題があるのでは」という企業側の懸念も払拭できます。フリーター生活のなかでの反省、就職活動を始めたきっかけ、今後どのようにしていきたいのかなどを具体的に伝え、熱意や前向きさが伝わるようにしましょう。
「フリーターの空白期間は転職にどう影響する?アルバイト歴を伝えるコツも!」のコラムでは、フリーターの方が企業にアピールする方法について解説しているので、あわせてチェックしてみてください。
専門卒のフリーターから就職するための準備
正社員になるにはできるだけ早く行動を起こすのが望ましいですが、無計画に就職活動をするのは得策ではありません。以下の準備を万全にすることで、内定獲得の可能性が高くなるでしょう。
就職活動の費用を貯金する
専門卒のフリーターが正社員就職を目指すのに、ある程度の貯金がないと就職活動が難航する恐れがあります。就職活動に必要な期間は、目安として3ヶ月程度。その間に何の心配もなく就職活動に集中するためには、約3ヶ月間無収入でも生活できるほどの貯金をしておくことが重要です。
アルバイトと就職活動を並行する場合も、面接や選考対策、企業研究などにかかる時間を考慮すれば、週5日のフルタイム勤務は難しくなるでしょう。また、選考を受けるにも面接会場までの交通費がかかり、スーツや鞄を持っていない方はその分の費用も必要になります。就職活動中は何かと出費がかさむため、まずは必要な金額を計算して貯金をすることから始めましょう。
企業のインターンシップへ参加する
遠回りに感じるかもしれませんが、実績を作るためにインターンシップへ参加するのも就職準備の一つです。希望の求人に応募しても応募者が多かった場合、専門卒のフリーターと、スキル・実績のある転職者では後者が評価されやすいでしょう。
しかし、希望する職種・業界のインターンシップに参加すれば、自身の頑張りで実績を残せます。また、長期インターンシップであれば、給与が支給されることも多いでしょう。就職したい企業に関わる職種・業界で経験を積んだのちに就職活動を行えば、実績や努力が評価してもらいやすくなります。多少の期間は要するものの、インターンシップは専門卒のフリーターが効率的に経験を積むのにうってつけの方法です。
インターンシップに参加するメリットについては「インターンシップとは?参加のメリットや目的を解説!社会人は参加できる?」のコラムでも解説しているので、こちらもあわせてご覧ください。
準備期間に時間をかけ過ぎないようにしよう
フリーター期間が長引くと就職しにくいため、正社員を目指しているなら、準備期間を必要以上に長引かせないこともポイントですよ。「希望する業界について知りたい」という目的のためにその業界でアルバイトを何年間もしたり、「なんとなく」という気持ちで資格取得に時間を費やしたりするのは避けたほうが良いでしょう。年単位の準備期間を設けると、正社員就職が遠のくリスクも考えられます。できるだけ早く就職活動を行うことが、フリーターから正社員になるポイントといえるので、不安な方はぜひ私たちハタラクティブにご相談くださいね。
ハタラクティブキャリアアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
専門卒のフリーターから就職活動を成功させる6つのコツ
専門卒のフリーターから就職活動を成功させるには、やみくもに応募するのではなく「自己分析をする」「応用の利く職種を探す」といったことを意識すると有効です。就職活動が難航している方は、以下のポイントを押さえられているかチェックしてみましょう。
専門卒のフリーターから就職活動を成功させるコツ
- 未経験歓迎の求人を探す
- 自己分析を行う
- 多くの業界で応用の利く仕事を選ぶ
- フリーターの仕事で得た実績をアピールする
- なかなか内定が出なくても粘り強く続ける
- 就職エージェントを利用する
1.未経験歓迎の求人を探す
専門学校卒業のフリーターの方は、未経験者歓迎の求人をメインに探すのがおすすめです。専門卒・大卒を問わず、既卒のフリーターの場合は経験が問われる企業への応募は難しい傾向にあります。
未経験者を歓迎する求人のなかには、研修制度や資格取得支援制度で未経験者をサポートする企業もあるため、積極的に探してみてください。実務経験が求められる企業に応募したい場合は、前項でも述べたように、関連する職種や業界のインターンシップに参加して実績を作るのが良いでしょう。
2.自己分析を行う
専門卒のフリーターから就職をするには、自己分析を行い、自分の強みや特徴を洗い出すことも大切です。専門学校で得たスキルやアルバイト経験で学んだこと、日常生活のなかでの得意なことなどから、自分の「強み」といえるポイントを見つけ、企業にアピールしましょう。
自己分析のやり方が分からない方は、「自己分析のやり方が知りたい!簡単にできる方法や就活に活かせるコツを紹介」のコラムを参考にしてみてください。
3.多くの業界で応用の利く仕事を選ぶ
専門卒のフリーターから正社員就職するためのコツは、「多くの業界でも応用の利く仕事を選ぶこと」です。限られた業界でしか活躍できなかったり専門性が高過ぎたりする職種は、未経験のフリーターからいきなり就職を目指すには難易度が高いといえます。また、将来転職したいと考えた際に前職での経験が活かしにくく、転職活動やキャリア形成がうまくいかなくなる恐れもあるでしょう。
応用の利く職種の代表例は、プログラマーやエンジニアです。これらの職種が求められるのは、IT業界だけではありません。食品メーカーやサービス業全般、不動産会社など、一見ITとは関係ないように見える多くの場で活躍できます。就職先を決めるときは、やりたい仕事や待遇だけで選ぶのではなく、応用が利いて将来の選択肢に活かせるかも考えるようにしましょう。
4.フリーターの仕事で得た実績をアピールする
面接の場で過去のフリーター経験の実績を説明することも、既卒から正社員として採用されるための大切なコツの一つです。就職活動における採用の可否は、企業に対して自分をどれだけ売り込めるかが重要といえます。仕事に役立つ資格やアルバイトの経験・実績は、結果が出るまでの過程を細かく書き出し、面接でスムーズに説明できるよう日常的に練習しましょう。経験や実績を説明するときの要素は、以下のとおりです。
- ・経験や実績を身につけた具体的な仕事内容
- ・実績が伴うまでの過程
- ・前職での経験や実績をどのように活かせるか
ただ自身の経験について話すだけではなく、「経験を活かして企業にどのように貢献できるか」も説明することが重要です。自分の経験や実績を説明できるようになれば、多くの面接で役に立つでしょう。
5.なかなか内定が出なくても粘り強く続ける
何社もの面接を受けても内定が貰えないと「専門卒のフリーターでは厳しいかも…」と悩んでしまう方もいるでしょう。しかし、正社員になるには粘り強く就職活動を続けることが重要です。
先述したように、専門卒の既卒フリーターの方は、職歴がないため就職活動では不利になることがあります。また、採用されるかどうかは企業との相性もあるため、「自分の適性と合う企業ではなかった」と割り切る姿勢をもつことも重要です。すぐに結果が出なかったとしても、諦めずに就職活動を続けましょう。
6.就職エージェントを利用する
就職エージェントを活用するのも、正社員を目指す方法の一つです。フリーターの方が就職活動を行う方法として、無料で利用できる求人サイトやハローワークを活用する方も多いでしょう。しかし、求人サイトやハローワークは転職を目的とする方も多く利用しているため、フリーターの方向けの情報が少ない場合もあります。就職エージェントに相談すれば、専任スタッフが希望に合う求人を紹介してくれるため、ミスマッチが少なく効率的に就職活動を進めることが可能です。
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専門卒フリーターの方に向けたお悩みQ&A
ここでは、正社員を目指す専門卒フリーターの方が抱きやすい疑問をQ&A形式でまとめました。
専門学校で学んだことを仕事にするべき?
特定の知識や資格は就職において即戦力として評価されやすく、就活が有利になると考えられます。専門学校の特色として、大学などに比べて特定の分野を専門的に学べる点が挙げられるでしょう。しかし、若さや熱意をアピールできれば、専門学校で学んだこと以外の分野でももちろん就職は可能です。
専門卒者の就活については、「専門学校生の就職活動はいつから?スケジュールや成功のポイントを解説」のコラムでも解説しています。
フリーター期間があっても就職できる?
できます。不安なら、専門学校で学んだ分野が活かせる仕事やフリーターから就職しやすい仕事を選びましょう。専門分野以外でフリーターから就職しやすいのは、経験や学歴を問わない仕事です。具体的には、介護や営業、運送、販売などが該当します。
就職先を探す際は「未経験でもできる仕事は?正社員として就職しやすいおすすめの業界・職種」のコラムもぜひご覧ください。
専門学校に通っていたけど内定がないまま卒業となり、就職できなかったです…
専門卒で就職できなかったとしても、20代のうちに就活を始めれば正社員になれる可能性は高いといえます。年齢が上がるとともに応募できる求人は少なくなるため、専門卒のフリーターから就職したいと考えている方は、早めに動き出すのがポイントです。
「専門卒の就職事情!就活が厳しいと感じている方へおすすめの仕事もご紹介」のコラムでは専門卒の方に向けて就職のコツを解説しています。
専門卒の最終学歴は?
高校卒業後に専門学校に進学していれば、最終学歴は専門学校卒業となります。最終学歴とは、最後に卒業した学校ではなく「最高学歴」を示すもの。大学卒業後に専門学校に進学している場合の最終学歴は大卒になるので注意しましょう。
「履歴書の学歴欄の書き方!専門学校を卒業した場合の例文を紹介」のコラムでは、学歴の書き方についてまとめています。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。