理学部の就職先は?難しいと言われる理由と対策を解説

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この記事のまとめ

  • 理学部は、大学の専攻に直結する就職先が少なく就職が難しいと言われることがある
  • 理学部は就職より大学院進学率のほうが高い傾向にある
  • 理学部卒業生は進学か就職か迷ったら一度就職活動をしてみるのもおすすめ
  • 理学部に人気な就職先は、メーカーやIT業界など
  • 理学部卒業生は就職活動時に専攻や研究内容を分かりやすく説明できるようにしておこう

理学部卒業生は、就職が難しいと言われることもあり、就職に不安を感じている人もいるでしょう。実際は、理学部生の就職率は90%を超えている大学が多く、対策次第で十分に就職が狙えます。このコラムでは、「就職と進学はどちらが良いのか」について触れながら、理学部生に人気な就職先や就職活動をする際のポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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理学部の就職が難しいと言われるのはなぜ?

理学部の就職が難しいと言われるのは、大学の専攻に直結する就職先が少ない傾向にあるからです。研究職などの職種は、募集要項に制限が設けられている場合もあり、ハードルは高まります。しかし、視野を広げて就職先の選択肢を増やせば、就職は十分にできるでしょう。
厚生労働省の「平成24年 雇用政策研究会 第2回資料」を参照した以下のグラフを見てみると、理学部の「就職も進学もしない者の割合」は、1970年から2010年まで低く推移。また、厚生労働省の「令和3年度大学等卒業者の就職状況調査(令和4年4月1日現在)」だと、理学部生を含む理系大学の就職率は9割を超えています。これらを踏まえれば、就職活動のやり方次第で理学部の就職は十分に可能といえるでしょう。

【就職も進学もしない者の割合】

就職しにくい学科の増加①の画像

引用:厚生労働省「若者を取り巻く雇用環境と課題(就職しにくい学科の増加①)

理学部と工学部の就職状況の違いは?

上記の「就職も進学もしない者の割合」のグラフを見ると、理学部と工学部の数値は、年によって順序に変化があり、さほど違いはありません。厚生労働省の「令和3年度大学等卒業者の就職状況調査(令和4年4月1日現在)」によると、大学生における理系の就職率は97.4%と文系の95.4%よりも高い就職率となっており、理学部も工学部も、就職活動の対策を行うことで十分に就職が目指せるでしょう。

参照元
厚生労働省
第2回雇用政策研究会議事次第
令和4年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)を公表します

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理学部は就職と大学院進学どちらが良い?

文部科学省の「平成30年度学校基本調査について(p.8)」によると、理学部生の進学率(平成30年度)は42.8%、正規の職員等を進路に選び就職した人は47.3%でした。

 理学部工学部
進学者42.8%36.8%
正規職員等への就職47.3%58.4%

引用:文部科学省「平成30年度学校基本調査について(p.8)

工学部生と比較すると、理学部生の方が大学進学の割合がやや多い傾向にあるようです。

参照元
文部科学省
学校基本調査-平成30年度結果の概要-

理学部卒業生が就職するメリット

理学部卒業生は、就職と大学院進学の特徴をそれぞれ理解し、自分に合った進路の選択をしましょう。選択に迷っている人は、大学院進学を目指しながら、就職活動を経験してみるのも一つの方法です。就職活動を通し、仕事内容を知ったり、企業の人と面接の場で話したりする中で、自分の進みたい方向性が定まっていくこともあります。下記で解説するそれぞれのメリットも参考にしながら、自分に合った選択をしましょう。

1.新しい分野への就職に挑戦しやすい

理学部卒業生で、専門分野以外の就職先に興味のある人は、就職を検討するのがおすすめです。大学院に進学すると、専門性を高められる分、新しい分野への就職の難易度が上がる傾向にあります。一方で、大学卒での就職活動は、ポテンシャルを重視する企業も多いので、新しい分野への挑戦もしやすいでしょう。

2.給料が得られる

就職すれば給料が得られ、安定した生活を送れます。大学院へ進学すれば、その分費用がかかり、社会人として給料を得ることもできません。理学部生は大学院に進学すると研究に忙しくアルバイトする余裕がないという人もいるので、進学せずに就職し給料を得られることをメリットと感じる人もいるでしょう。

3.社会人経験が積める

理学部卒業生にとって、就職して社会人経験が積めることはメリットです。大学院へ進学すると2年就職が遅れる一方で、就職すれば、専門分野以外の業務に触れたり、社会人として必要なマナーが学べたりします。また、実務として経験を積むことで自身の成長のスピードを上げられることもあるでしょう。社会人としての仕事を経験したからこそ、必要な勉強を見つけ、大学院進学をする人もいます。

理学部卒業生が大学院進学するメリット

理学部卒業生が就職ではなく大学院進学するメリットには、主に、「研究が継続できる」「キャリアプランを考える時間が取れる」「市場価値を高められる」の3つがあります。

1.研究が継続できる

研究を続けたい人や専攻を深掘りしたい理学部生にとって、より専門的な内容を学べる大学院進学はメリットとなるでしょう。研究者などの専門的スキルが必要な進路を考えている人は、専門性を高めることで、就職に有利になるというメリットもあります。

2.キャリアプランを考える時間が取れる

大学卒業後の進路が定まっていない人にとって、キャリアプランを考える時間が取れることはメリットでしょう。理学部生は、専門性を高め「研究者・先生になる」、「民間の企業で就職する」など、さまざまな選択肢があります。新しい分野への就職を検討している場合には注意が必要ですが、卒業まで勉強を続けながら、じっくり将来の働き方について考える時間を取るのも良いでしょう。

3.市場価値を高められる

大学院卒業後に就職した場合、博士号保持者として市場価値が上げられるというメリットがあります。「2021年3月卒「新規学卒者決定初任給調査結果」の概要(p.3)」によると、大学院卒(技術系)の初任給水準は、大学卒の初任給より17,781円多い238,219円でした。大学院を卒業して就職後に、市場価値を上げて給料水準を高められることは、理学部生が大学院進学するメリットといえるでしょう。また、メーカーなどの研究職に応募する場合、博士号の学位を必須としている企業もあります。専門スキルが必要な進路を検討している人は、進路先を増やせるのがメリットです。

参照元
日本経済団体連合会
2021年3月卒「新規学卒者決定初任給調査結果」を公表

理学部の既卒は就職が難しい?

理学部の既卒生は、研究職としての就職先を探すのは募集が少なく、ハードルが高い傾向にあります。しかし、論理的に考えられる理学部生の特性を活かし、視野を広げて就職先を検討できれば十分に就職が目指せるでしょう。「理系の既卒者は就職できる?就活成功のためのコツを紹介」のコラムでは、理学部の既卒生が就職を成功させるコツや、就職しやすい業界を解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

【学科別】理学部に人気な就職先は?

厚生労働省の「若者を取り巻く雇用環境と課題(p14)」によると、平成23年度の調査では、理学部生が専門的・技術的職業従事者として就職する割合は、半数以上を占めます。続いて、事務職、販売職、農林漁業などの順です。

 専門・技術職事務職販売職農林漁業
理学部52%21%15%3%

引用:厚生労働省「若者を取り巻く雇用環境と課題(p14)

表から分かるように、理学部生は、専門分野を生かした就職先に人気が集まる傾向にあるようです。
注意点は、大学院を卒業していないと応募できないところもあること。研究職などの専門性のある職種は特に、募集の条件が厳しいので必ず確認するようにしましょう。
ここでは、理学部生の学科ごとの就職における強みと、卒業後どのような就職先を選んでいるのかを見ていきます。

参照元
厚生労働省
第2回雇用政策研究会議事次第

理学部【数学・物理学系学科】

数学や物理を学んだ方の強みは、物事を論理的に分析する力を持っていることでしょう。目の前にあるもの、起こっている現象を解決する際、明確な根拠に裏打ちされた論理を展開できる方が多いようです。理学部の数学・物理学科出身者が就職し活躍している職種には、以下のようなものがあります。

1.ITエンジニア

理学部は、数学や統計の知識を活かし、ITエンジニアとして就職する人もいるようです。その中でも「アルゴリズム開発者」と「データサイエンティスト」が近年注目されています。
アルゴリズム開発者の業務は、コンピュータが情報を処理するための計算方法や問題解決の手順を構築することです。
データサイエンティストは、業務システムやインターネットのアクセスログといった膨大なデータから必要な情報を取り出して分析し、企画や経営への有益な情報を提案するのが仕事です。

2.保険や金融に関する専門職

理学部の中では、比較的人数は少ないですが、金融や保険関係に就職する人もいます。その中でも、ローンや保険製品の開発、投資などに携わる「アクチュアリー」や「アナリスト」として活躍する人も。
アクチュアリーは、保険加入者のリスクを分析する、保険料率の算定をするなど、保険と金融に関するさまざまなことをシミュレーションします。
アナリストは、市場動向や企業を調べ、経営リスクや業績などを分析。その見解を基に、投資家に提案を行う仕事です。

3.メーカー

理学部全体としても人気のある就職先がメーカーです。数学・物理学系学科の理学部卒業生は、「電機メーカー」「半導体メーカー」「医療機器メーカー」などに就職を希望する人が多い傾向にあります。

4.光学設計

理学部の中には、物理学で学んだ光の特性の知識を活かして、レンズや照明の設計に携わる職へ就職する人も。カメラやマルチコピー機、医療用具、電化製品など多岐に渡っています。

理学部【生物学・生命科学系学科】

生物の生態系や遺伝子レベルなど専門的な知識を習得することから、理学部の中でも大学院へ進学する割合が多い学科ですが、大学卒での就職も可能です。学んだ知識を活かせる職種には、研究開発職や臨床検査技士などがあります。

研究開発職(化学系メーカー)

理学部の生物・生命科学系学科からは化学系メーカーの研究開発職が人気のようです。就職工業薬品や化粧品、医療品、洗剤など、生活と密接に関わりのある化学製品の研究と開発に携わります。

臨床検査技士

医療機関や検査センターで患者の健康状態を調べるのが仕事で、国家資格が必要です。主に、脳波や心音図、心電図などのデータを計測する生体検査と、体液や血液、排泄物などを分析する検体検査を行います。

理学部【地学系学科】

理学部の地学系学科は、地質調査の知識を活かし、環境計画や都市計画に伴う土木建設や環境エネルギーの領域で活躍する人もいます。測量士や地盤調査など、専門性の高い業務に携わることが多いようです。

測量士

測量法に沿った安全な工事計画となるよう、あらゆる建設工事の測量を行う仕事です。測量士になるには、国家資格の取得が必要となります。

地盤調査

地盤調査とは、建設予定地の地盤の状態を調査し分析する業務です。数値やデータ、環境から見えてくるものを緻密に分析します。理系センスが発揮される業務だといえるでしょう。

まずは会社選びの参考に

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所要時間30

就職活動で理学部卒業生が注意すべきことは?

理学部卒業生が就職活動で意識すると良いポイントは、「大学の選考にこだわりすぎない」「専攻の勉強内容は説明できるように準備しておく」「学業への姿勢をアピールする」の3つです。それぞれ解説していきます。

大学の専攻にこだわりすぎない

理学部は、大学の専攻や研究を活かせる職業に絞ると、該当する会社の数が限られ、就職の難易度が上がりやすいです。理学部卒業生は、専門的な勉強内容だけでなく、学問への熱心な取り組み姿勢や研究で培った計画力など、知識だけでなく仕事に活かせる要素を多く持っています。それらを活かした仕事にも目を向けて、就職先の選択肢を増やしておくと就職の可能性を高められるでしょう。

専攻の勉強内容は説明できるように準備しておく

理学部卒業生は、面接で「専攻の勉強内容」を聞かれると思って準備しておきましょう。特に、理学部の学問は初めて耳にする人も多いので、分かりやすくまとめておくことをおすすめします。第三者に内容を聞いてもらい感想をもらっておくと安心です。「面接練習の方法とは?必要な準備や選考の流れを解説!アプリでの対策も」のコラムでは、質問内容や回答例など就職活動に役立つ情報を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

学業への姿勢をアピールする

企業は採用にあたって、コミュニケーション能力や基礎学力、積極性、責任感などを求める傾向があります。理学部卒業生は、就職後にも活かせる勉強への取り組み姿勢もアピールしていきましょう。研究のために自ら考え行動したことや改善したこと、チームとして研究を進めるために取り組んだことなど、学問への取り組みの姿勢はアピールできる要素が多く秘められているはずです。「「学業で力を入れたこと」の回答法や例文を紹介!分からないときの対処法も」では、アピール方法を具体的に解説しているので、興味のある方はこちらもご覧ください。

就職活動に不安がある理学部卒業生は、就職エージェントに相談すると良いでしょう。就職・転職エージェントのハタラクティブでは、求人の紹介だけでなく、面接対策や履歴書の添削なども行っています。プロからアドバイスを得ることで、自分では気づけなかった視点を得られたり、有益な情報を得られたりすることもあるので、上手に活用するのがおすすめです。

理学部の就職に関するQ&A

ここでは、理学部の就職に関してよくある質問を紹介します。

理学部の就職は大学院に行っていないと難しいですか?

理学部は、視野を広げて就職先の選択肢を増やせば、就職は十分にできるでしょう。専門性を高めたい人は大学院への進学をおすすめしますが、新しい分野への就職に興味のある人は、進学ではなく、就職を検討するのも良いでしょう。このコラムの「理学部は就職と大学院進学どちらが良い?」では、それぞれのメリットを紹介しているので、参考にしてみてください。

理学部で人気のある就職先はどこですか?

理学部で人気な就職先は学科により異なりますが、主にメーカーやIT業界が人気です。数学・物理系学科であれば、保険や金融業界に就職する人もいます。このコラムの「【学科別】理学部に人気な就職先は?」では、学科ごとに人気な就職先を詳しく紹介しているので参考にしてみてください。

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