ニートの定義とは?フリーターとの違いや就職を目指す際のコツも解説

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この記事のまとめ

  • ニートの定義は「無職で家事や通学をしていない15~34歳の人」とされるのが一般的
  • ニートと違い、フリーターの定義は「非正規雇用で働いているまたは働く意思がある人」
  • ニートと違い、引きこもりの定義は他者との交流や外出の頻度が指標になっている
  • ニートからの仕事探しのコツは、未経験OKや人手不足の業界の求人に注目すること
  • 就職への不安や疑問が大きい場合は、就職支援機関を活用するのもおすすめ

「ニートの定義は?」と疑問を抱く人もいるでしょう。一般的に、「仕事に就かず通学や家事をしていない若者」のことをニートといいます。ニート期間が長くなると就職しにくくなる可能性があり、早めに就活を始めるのが重要です。
このコラムでは、ニートの定義や、フリーター・引きこもりとの違いを解説します。ニートからの就職を目指す際にやると良いことや、仕事探しのコツも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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ニートの定義とは?

一般的に、ニートは「無職で家事や通学をしていない15~34歳の人」のことです。
「ニート」という言葉は、1999年に英国で作成された調査報告書の「Not in Education、Employment or Training」の頭文字を取ったものが起源といわれています。これは「就学・就労せず、職業訓練も受けていない若者」を指す用語のことです。

以下で、厚生労働省の定義と内閣府の定義について紹介します。

厚生労働省による「ニート」の定義

厚生労働省の「ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究報告書 3.ニートの類型化と試算(p.63)」によると、ニートの定義を「15~34歳の若者で、仕事に就かず、家事も通学もしていない人」としていることが分かるでしょう。 ここで用いられた「ニート」の定義には、就職意思がある人とない人どちらも含まれます。

ニートの定義については、「ニートとフリーターの違いとは?就職に向けてできることと行動を起こすコツ」もあわせてご参照ください。

参照元
厚生労働省
トップページ

内閣府による「ニート」の定義

内閣府の「平成27年版子供・若者白書(第2節 若年無業者、フリーター、ひきこもり)」では、ニートに近い概念として「若年無業者」が用いられています。若年無業者の定義は「15~34歳の非労働力人口のうち、家事も通学もしていない者」です。就職意思があっても、条件に当てはまれば無業者に含まれます。

参照元
内閣府
平成27年版 子供・若者白書(全体版)

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ニートとフリーターにおける定義の違い

ニートとフリーターの違いは、「収入と働く意思の有無」です。厚生労働省の「若者を取り巻く雇用環境と課題 フリーター・ニートの推移」によると、フリーターの定義は「パートやアルバイトとして働いている、もしくは働く意思がある15~34歳の若者」とされています。ニートは「仕事に就いておらず、就職意思もない状態」を指すため、フリーターのようにアルバイトで収入を得たり、就職先を探したりする人は該当しません。

ニートとフリーターの違いについては、「フリーターとは?一人暮らしは実現できる?正社員就職のポイントも解説」もあわせてご覧ください。

参照元
厚生労働省
第2回雇用政策研究会議事次第

ニートと引きこもりの違い

ニートと引きこもりの違いは、「他人との関わりや外出の頻度」です。厚生労働省は「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン(概要)」で、引きこもりの定義を「様々な要因の結果として社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職を含む就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ヶ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)を指す現象概念」としています。

一方、ニートは他者との交流や外出の頻度に関わらず、無職の状態にある人を指す言葉です。また、ニートが15〜34歳と定義されるのに対し、引きこもりの定義には年齢による括りが設けられていません。
引きこもりの定義については、「大学中退後のひきこもり状態から卒業!就職する方法やニートとの違い」のコラムもご一読ください。

参照元
厚生労働省
ひきこもり支援推進事業

ニートの現状は?定義と一緒に確認しよう

ここでは、ニートの人口や社会に与える影響について紹介します。ニートの増加は個人的な問題だけでなく、社会全体にも影響を与える問題です。

以下で、統計結果を交えて紹介します。

ニートの人口

総務省統計局の「労働力調査(基本集計)2023年(令和5年)平均結果の概要 (2)若年無業者は2万人の増加(p.17)」によれば、2023年の若年無業者数は約59万人でした。前年に比べて、約2万人増加したのが現状です。

参照元
総務省統計局
労働力調査(基本集計) 2023年(令和5年)平均結果

ニートが社会に与える影響

ニートの人が増加することで、少子化や労働力不足が進むのではと懸念されています。所得が安定しないことで、結婚を躊躇したり、結果として子どもが少なくなったりすることが考えられるでしょう。また、現代は高齢化社会です。労働人口が少なくなると、さらに労働力不足を招きます。

ニートになる理由

ニートになる主な理由は、「特に生活に困らない」「会社に馴染めない」などです。以下で、それぞれの詳細を紹介します。

働かなくても生活に困らない

生活に困っていないため、働かずにいることもあるようです。親や周囲から生活費を負担してもらうことで、就職せずに過ごしている場合が当てはまります。

人間関係や環境に馴染めない

人間関係や環境に馴染めないことも、ニートになる理由の一つです。つらい経験がトラウマとなり、働きたい気持ちがありながらも働けないこともあるでしょう。

学校

学校での人間関係や環境に馴染めなかったことが原因で社会に出るのが怖くなり、ニートになる場合があります。学校での経験からニートになった場合、就職活動ができず、何年も働けずにいることもあるでしょう。

会社

一度社会に出たものの、会社に馴染めなかったりつらい体験をしたりしたことも、ニートになるきっかけになり得ます。「コミュニケーションでつまづいた」「入社当初は楽しかったが、次第に億劫になった」といった経緯を経て、退職したまま働けずにいることもあるでしょう。

家庭環境

家族との人間関係が原因で、良好な人間関係を構築することに苦手意識をもち、働けなくなることもあります。
場合によっては、指示がない状態で自主的に動くことを困難に感じたり、タスクを進めるうえで自分の決断に自信がもてなかったりすることがあるでしょう。

ニートが就職しない理由

総務省統計局の「平成24年就業構造基本調査 結果の概要 イ 主な非求職理由は『病気・けがのため』(p.62)」によれば、就職したい気持ちはあるものの就活を行っていない人の理由としては、「病気・けがのため(26.5%)」「学校以外で進学や資格取得などの勉強をしている(12.3%)」が多く挙げられました。
また、就職を希望していない人の理由としては、「病気・けがのため(29.7%)」「特に理由はない(15.8%)」が多い結果でした。

参照元
総務省統計局
平成24年就業構造基本調査

このままニートでいた場合の末路とは?

ニートのままでいると、現在よりも年齢を重ねてから就職や結婚が難しくなったり、生活に困ったりする可能性があります。

以下で詳しく解決するので、将来を考える参考にしてみてください。

就職が難しくなる

就職は、年齢を重ねてニート期間が長引くほど、難しくなる可能性があるでしょう。
若いうちであれば、経験が少なくてもポテンシャルを武器に就職が決まる場合も多くあります。しかし、ある程度年齢を重ねると、スキルや実績を求められたり、働いていなかった時期の説明を求められるようになるのが一般的です。

今後働きたい気持ちになったとしても、就職が難しくなっている可能性もあるでしょう。

結婚が難しくなる

ニートのままでいると安定した収入がないため、結婚が難しくなることも。結婚生活にはお金がかかります。夫婦二人分の生活費や、子どもを育てる場合は養育費も確保しなければならないからです。また、仕事をしていないと社会的な信用を得にくいため、結婚後の新生活を始める賃貸契約の入居審査が難しい場合もあるでしょう。

生活に困る

ニートを続けていると、生活に困ることが考えられます。現在は周囲からの支援によって生活できているとしても、この生活を続けられるとは限りません。親に生活費を出してもらっている場合、この先親が高齢になり援助が難しくなる可能性があります。

孤独を感じる

家族以外の人との関わりが少ない生活だと、孤独を感じることもあるでしょう。同年代が就職や結婚で少しずつ疎遠になっていくことも。ニート生活が長くなると親や兄弟も高齢になっていき、さらに孤独感が増す可能性もあります。

ニートの人の将来については「ニートの末路とは?現状を打開する方法や就活のポイントを解説!」のコラムでも解説されているため、こちらも参考にしてみてください。

35歳以上での就職は経験やスキルが重視される

20代の就職とは異なり、30代の就職や転職では経験やスキルが求められる傾向にあります。20代は、将来性や柔軟性を重視してポテンシャル採用をしてもらいやすいのが一般的です。しかし、30代は即戦力を求められることが多いもの。
ニート期間が長引くほど就職が不利になりやすいため、早めに就活を開始することが重要です。

ニートが就職を目指す際にやると良い3つのこと

ニートの人が就職を目指す際は、「徐々に行動範囲を広げる」「就職先の選択肢を絞り過ぎない」「スキルや資格を取得する」などに取り組むのがおすすめです。

以下で、それぞれの詳細について解説します。

1.無理なく行動範囲を広げて就職活動につなげる

ニートから就職を目指す際は、自分のペースで無理なく行動範囲を広げてみましょう。たとえば、「料理や掃除などをやってみる」「疎遠になっていた友人に連絡してみる」「インターネットで求人検索してみる」といった方法があります。

今までとは異なる行動を取ることで、気持ちに変化が生じたり、次の行動に移りやすくなったりすることも。就職活動への第一歩も踏み出しやすくなるでしょう。

2.就職先の選択肢を絞り過ぎない

ニートから正社員を目指す場合は、就職先の選択肢を絞り過ぎないことも大切です。特定の企業や職種のみに固執したり、仕事の希望条件を多く設定し過ぎたりすると、「なかなか就職先が決まらない…」「仕事が見つからない…」といった状況に陥る恐れがあります。

就活では、仕事の希望条件を優先順位の高いものから2〜3個に絞って探すのがおすすめです。また、幅広い視点で仕事探しを行えば、不採用になった場合でも「応募先はほかにもある」と前向きに捉えて次につなげられるでしょう。

3.ニート期間中にスキルや資格を習得する

「ニートから正社員として働ける自信がない」と就活を始めることを躊躇している人は、仕事に活かせるスキルや資格を習得するのもおすすめです。自分が得意なことに専念しスキルアップを図ったり、興味がある業界や職種に関わる資格を取得したりしてみましょう。自分の自信につながるとともに、就活でアピールできる「強み」を得られます。

アルバイトや派遣から始めるのも一つの方法

「ニート期間が長期化し働くこと自体が久しぶり」「家族以外の人とコミュニケーションを取っていないので不安…」という人は、アルバイトや派遣から仕事をスタートするのも一つの方法です。少ないシフトから始め、慣れてきたら徐々にシフトを増やすのも良いでしょう。ただし、就職は年齢が若いほど選択肢やチャンスが多いといわれています。そのため、ニートから「アルバイト→正社員」を目指す場合、アルバイト期間が長引き過ぎないよう、目的設定したうえで期間を区切って働くのがおすすめです。

ニートからの就職を叶える!仕事探しの3つのコツ

この項では、ニートから就職するための仕事探しのコツを紹介します。仕事を探すうえでのポイントを押さえ、自分に合った求人を見つけましょう。

未経験者歓迎の求人を選ぶ

就労経験がない、もしくは経験があっても期間が空いているニートの人が就職するためには、「未経験OK」「未経験者歓迎」の求人を探すのがおすすめです。さらに、研修制度が手厚い企業を探すのもポイント。仕事の基礎から学べるので、「初めて働く」「久しぶりに仕事に就く」という人も安心して勤務をスタートできるでしょう。

人材不足の業界に目を向ける

人材不足の業界や成長過程の業界で求人を探してみるのも一つの方法です。このような業界は、需要に対して人材供給が追いつかず、資格や経歴を問わない求人も多数あります。採用後に資格を取る場合は費用を負担してくれる企業もあるので、キャリアアップを目指しやすいのもポイントです。そのため、無資格未経験のニートの人も挑戦しやすいでしょう。

近年は、IT業界や介護業界が人手不足の傾向にあるといわれています。詳しくは、「ニートにおすすめの職業11選!就職するための方法も解説」もぜひチェックしてみてください。

就職支援機関を利用する

就職支援機関を活用するのも、ニートからの就職を成功させるコツです。「仕事のブランク期間が長く、就活方法が分からない」「ニートで就労経験がなく自己PRに悩む」など、就職に関する不安や疑問を相談しやすいでしょう。ニートから正社員を目指すときに役立つ主な就職支援機関は、以下のとおりです。

ハローワーク

ハローワークは、国が所管する公共職業安定所です。職業紹介や職業相談、職業訓練などを行っています。求人はハローワーク内にあるパソコンで検索でき、必要であれば面接対策や履歴書の添削を行ってもらうことも可能です。厚生労働省の「ハローワーク」によれば、全国に500ヶ所以上あるため、利用しやすいハローワークを見つけやすいでしょう。

地域若者サポートステーション

「地域若者サポートステーション(サポステ)」とは、働くことに不安や悩みを持つ15〜49歳を対象とした公的な就労支援機関です。専門スタッフに相談でき、就業体験や就活セミナーを通して「働くために必要な力」を育てられます。
厚生労働省の「サポステ 地域若者サポートステーション」によると、地域若者サポートステーションの数は全国で177ヶ所です。悩みに合った支援策や就職後のフォローなど手厚いサポートを受けられるため、就職を考えているニートの方は利用を検討してみると良いでしょう。

地域若者サポートステーションについては、「サポステとは?就職支援サービスの内容や利用方法を解説」もぜひご参照ください。

参照元
厚生労働省
トップページ

就職エージェント

民間の就職エージェントの利用もおすすめです。エージェントでは、プロのアドバイザーから就活を支援してもらえます。
就職エージェントは求人を紹介してくれるだけでなく、書類作成や面接対策のサポートも受けられるため、就活に不安がある人におすすめです。求人企業の内部事情にも詳しいため、より自分に合った企業を見つけやすいでしょう。

ニート向けの就職支援サービスとは?おすすめの支援機関や就活のコツを紹介」も参考に、自分に合ったサービス提供機関を探し、就活で有効活用してみましょう。

ニートから正社員になるメリットは?

正社員は、給与や待遇が比較的安定している、就活で職歴として見なされるといったメリットがあります。ニートの状態に不安を感じている場合は、正社員としての就業を検討するのがおすすめです。正社員になるメリットについては、「正社員のメリットを解説します!非正社員との違いは?」もご参照ください。

就職・転職エージェントのハタラクティブは、ニートやフリーター、既卒など若年層に特化した就職支援を行っています。就活のプロであるキャリアアドバイザーが専任であなたをサポート。働くことについての相談やカウンセリングから、書類の書き方や面接練習といった具体的な内容まで、しっかりとサポートします。「ニートの定義に当てはまる場合の就活のコツが知りたい」「ニートから正社員になれるか不安…」「働きたい気持ちはあるけど何から始めるべきか分からない」という方は、ぜひお気軽にハタラクティブへご相談ください。

ニートの定義や就職にまつわるQ&A

ここでは、ニートの定義や就職にまつわる疑問にお答えします。疑問を解決して、就職への一歩を踏み出してみてください。

ニートの定義を教えてください

厚生労働省による「ニート」の定義は、「15~34歳の若者で、仕事に就かず、家事も通学もしていない人」です。就職意思のある人は含まないのが一般的とされています。
ニートの現状については、「ニート人口の割合はどれくらい?現状を脱して就職する方法とは」にまとめられているため、こちらもご参照ください。

参照元
厚生労働省
ニートの就労を支援する「地域若者サポートステーション」11ヶ所を追加選定

ニートの状態にある35歳以上の人が就職する方法はありますか?

35歳以上でニートの状態にある人が正社員を目指す場合は、できるだけ早く就活をスタートさせることが大切です。就職は年齢が上がるほど難しくなる傾向にあります。人手不足な業界の求人に目を向けるのもおすすめです。
35歳以上で就活する際のコツは、「35歳から始める仕事!就職しやすい業界や必要なスキルは?」をぜひ参考にしてみてください。

ニートとフリーターはどう違うのかを知りたいです

「ニート」が無職で働く意思がない状態にある若者を指すのに対して、「フリーター」はパートやアルバイトといった雇用形態で仕事をしている、仕事をする意思がある若者を指します。
それぞれの定義については、「無職とフリーターの違いは?将来のために有効的に時間を使おう!」でも説明しているので、ご参照ください。

ニートから正社員になりたい…何から始めればいいですか?

ニートから正社員になりたい気持ちはあるもののなかなか動き出せない場合は、「就職を見据えた生活リズムに変える」「身だしなみを整える」などの方法を試してみましょう。

ハタラクティブでは、経験豊富なアドバイザーが専任で付き、就活をサポート。所要時間1分程度であなたに合った職業が分かる適職診断も受けられます。就活に不安を感じているニートの人は、ぜひお気軽にご相談ください。

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