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学士とは?修士や博士との違いと就活に与える影響を解説
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この記事のまとめ
- 学士とは、大学を卒業した人に与えられる学位
- 学士とは、大学で卒業に必要な単位と試験・論文などを経て取得できる
- 修士とは、大学院の修士課程を修めた後に授与される学位のこと
- 博士とは、大学院博士課程を修めた後に博士論文が認められた人が取得できる
- 修士や博士が就活で問われるのは専門性で、社会人スキルが評価基準の学士とは異なる
- 学士のまま就職するか、進学するかで迷ったら就職エージェントに相談するのもおすすめ
学士とは何か、正しい定義が分からない方もいるでしょう。大学や大学院で無事学業を修めると「学位」が授与され、大学を卒業すると「学士」を得られます。このコラムでは、学士号・修士号・博士号の学位の違いや、社会的な評価についてまとめました。また、「短大卒は準学士?」「専門学校卒の称号は?」といった疑問についても解説するので、それぞれの違いを知って学位に合った就活時の参考にしてみてください。
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学士とは
学士とは、大学を卒業した人に与えられる学位です。卒業に必要な単位を履修したうえで卒業論文や試験に合格すると、卒業時に学士の学位が得られます。したがって、在学中の大学生は学士とは呼びません。
学士を得るための卒業要件
学士となるために必要な大学卒業の条件は、文部科学省の「大学設置基準 第三十二条(卒業の要件)」で「卒業の要件は、百二十四単位以上を修得することのほか、大学が定めることとする。」と明記されています。
つまり、大学を卒業するためには124単位以上を取得する必要があるということです。詳細は大学によって異なり、130単位以上を要件としている場合もあります。単位を取得するには、授業に出席するほか、課題やテストの点数などが影響する場合もあるため、事前によく確認しておくことが重要です。
また、科目ごとに必要な単位は大学が独自に定めており、必修科目・専門科目・自由科目をそれぞれ何単位取らなければならないかは異なります。そのほか、同じ大学でも、学部・学科によって必要な単位数や卒業論文の有無などに違いがあるようです。
なお、医学や薬学といった一部の学部については、卒業要件が異なります。
参照元
e-gov法令検索
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学位とは
学位とは、大学や大学院で学業を修めると授与されるものです。文部科学省は学位を以下のように定義しています。
- ・学術の中心である大学が与えるもの
・一定水準の教育を受け、知識・能力を持つと認められる者に与えられるもの
・授与された学位は国際的にも通用
称号とは異なり、国際的にも評価されるのが学位です。
称号とは
文部科学省は「新しい学位制度『短期大学士』がスタートします」のなかで、称号について以下のように解説しています。
たとえば、専門学校を卒業すると得られる「専門士」は称号に当たるでしょう。
参照元
文部科学省
短期大学士について
学位には法的な定めがある
学位は、大学や大学院において、以下の項目を修めた人に授与されます。
- ・規定の教育課程を履修
- ・試験や卒業論文に合格
- ・研究および論文を発表
これらは、文部科学省の定める「学位規則(昭和二十八年文部省令第九号)」により与えられる学位が定められています。
学位にはいくつか種類があり、学士もその一つです。
学位ごとに授与の要件が決められている
学位授与の要件は、学位によって異なります。
たとえば、修士の場合は「大学院設置基準 第十六条(修士課程の修了要件)」によると、「大学院に二年<中略>以上在学し、三十単位以上を修得し、<中略>修士論文又は特定の課題についての研究の成果の審査及び試験に合格することとする。」が要件です。
前述のとおり、学士の卒業単位は124単位以上であり、修士と異なることが分かります。同様に、博士についても個別の定めがあるようです。
学位には専攻分野も併記するのが原則
学位を記載する際は、専攻分野も表記するのが原則です。同省の「学位規則 第十条(専攻分野の名称)」には、「学位を授与するに当たつては、適切な専攻分野の名称を付記するものとする。」と明記されています。
たとえば、「学士(教育学)」「修士(生物学)」といった書き方が正式です。
学位を持っていると、専門的な知識や技術を習得している証拠になるので、就活の際などにスキルの証明になります。自分が学んだ専門分野に関連した就職先を目指す場合は、スキルの証明ができるので就活で有利になりやすい傾向にあるでしょう。
高卒と学位の違い
高卒と学位の違いは、学べる専門性の高さです。高卒資格の定義として「学校教育法 第五十一条」で、高等学校における教育は、「義務教育として行われる普通教育の成果をさらに発展拡充させ」ることを示しています。
一方、大学は「学校教育法 第八十三条」にて、「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開させたもの」と記載されており、それぞれで学べる専門性の高さが異なるといえるでしょう。
また、学位は選考した専門分野によって称号が異なり、教育学部は「教育学士」、文学部は「文学士」というように専門的な学問を修めたことを証明する学位を得られます。
参照元
e-gov法令検索
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学位・称号の種類を一覧で紹介
学士以外の学位には、「修士」や「博士」「短期大学士」などが挙げられます。そのほかにも、国が認めた専門学校を卒業した人に与えられる「専門士」という称号も。以下の一覧で学位・称号の全体像を確認してみてください。
主な学位・称号の種類
ここでは、厚生労働省の「学位及び称号について」を参考に、主な学位・称号の種類と要件をまとめました。
学位・称号 | 博士(大学院) | 修士(大学院) | 修士(専門職)等(専門職大学院) | 学士(大学) | 短期大学士(短期大学) | 専門士 専修学校(専門課程) |
---|---|---|---|---|---|---|
学歴 | 大学院 | 大学院 | ・専門職大学院 ・法科大学院 ・教職大学院 ・その他専門職大学院 | 大学 | 短期大学 | 専修学校専門課程(いわゆる専門学校) |
修業年限 | 標準5年 (必要に応じて5年以上、または3年も可) | 標準2年 (必要に応じて2年以上、または1年以上2年未満) | 2年 (必要に応じて1年以上2年未満) | 4年 (特別の学部においては4年以上) | 2年または3年 | 2年以上 |
授業時間数(修了要件) | ・5年以上(修士在籍含む) ・30単位以上 ・審査や試験に合格 | ・2年以上 (2年以外の場合は当該修業年限) ・30単位以上 ・審査や試験に合格 | ・2年以上 (2年以外の場合は当該修業年限) ・30単位以上 | ・4年以上 ・124単位以上 | ・2年以上(3年以上) ・62単位以上(3年の場合は93単位以上) | 1700時間以上 |
参照:厚生労働省「学位及び称号について」
なお、上記に加えて「高度専門士」の称号を付与する専修学校もあります。「高度専門士専修学校」は文部科学省が認定する専門学校で、4年以上の修業年限が必要です。
参照元
厚生労働省
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学士以外の学位・称号について特徴を解説
この項では、前項で紹介した主な学位・称号について、詳しい内容を説明します。
博士とは
博士とは、大学院の博士課程を修了、または博士論文が認められた人に授与される学位です。「ドクター」とも呼ばれ、博士と称されるもののなかには「課程博士」と「論文博士」があります。この2つの違いは、以下のとおりです。
- ・課程博士…大学院の博士課程へ進学後、研究をして博士の認定をされたもの
- ・論文博士…博士課程を経ずに博士論文を提出し、博士と認定されたもの
論文博士として称号を得るには、たとえば「修士修了後に企業へ研究職として就職し、仕事で研究論文を発表して認定を得る」といった方法があります。
自身の研究テーマに打ち込み、論文でその成果を発表するなどの研鑽を積むことで、将来的には大学教授への道も拓けます。
博士の就職について詳しく知りたい方は「博士課程に進むと就職は難しい?進学するメリット・デメリットや就活方法」のコラムもあわせてご覧ください。
修士とは
修士とは、大学院の修士課程を修めた後に授与される学位です。「マスター」とも称され、基本的には4年制学部で学士を得た後に、2年間の大学院修士課程を修了することで取得できます。しかし、以下の学部学科の場合は異なる場合もあるので確認しておきましょう。
- ・医学部医学科
- ・歯学部歯学科
- ・農学部獣医学科
- ・薬学部薬学科
これら6年制学部で学士を得た場合は、2年間の修士課程を経ずに修士4年制博士課程へ直接進学するので、学士から博士を取得することになります。
修士と博士の目的の違い
文部科学省の「博士、修士、専門職学位課程の目的・役割の焦点化」には、修士と博士の目的が記載されています。以下に概要をまとめました。
【修士課程】
幅広く深い学識を養い、研究能力に加えて高度な専門的職業を担うための卓越した能力を培う。
研究者として自立して研究活動が行える、あるいは社会の多様な方面で活躍できるほどの研究能力を身につけられるように、その基礎となる学識を養う。
修士は「高度専門職業人の養成」「高度で知的な素養のある人材の養成」が目的とも示されており、卒業後は社会的なニーズに応えることが重視されています。一方、博士は「多様な研究・教育機関の中核を担う研究者」「大学教員の養成」を目的としており、修士よりも研究者養成に重点を置いているといえるでしょう。
博士はドクター、修士はマスター、学士は?
修士号や博士号の呼称としてよくあるのが、「M1」「D1」「B1」など。Mは修士課程で「Master’s course」、Dは博士課程で「Doctor’s course」、Bは学士課程で「Bachelor」と呼ばれます。
これは大学院でどの程度の過程を習得しているかによって異なり、たとえば修士課程で1年の場合は「M1」と呼びます。
短期大学士とは
短期大学士とは、短期大学を卒業した人に与えられる学位のことです。短期大学士の必要期間は2〜3年が一般的であるため、学士よりも短期間で学位が取得できることがメリットの一つ。短期大学士の学位を取得すると、大学への編入ができるため、進路に幅ができます。
準学士とは
短期大学士は、2005年10月の制度改正で認められるようになった学位です。
1991年以降、短期大学を卒業すると「準学士」という称号が得られる仕組みでしたが、2005年から「短期大学士」の学位に変更されました。なお、「準学士」は、高等専門学校を卒業した場合に得られる称号として現在も存在しています。
専門士とは
専門士は学位ではありませんが、文部科学大臣が認めた専門学校を卒業した人に与えられる称号です。短期大学士と同じ扱いになり、大学への編入ができる場合も。専門士の称号が付与される専門学校の要件は、文部科学省の「専門士・高度専門士の称号とは」によると、以下が要件として定められています。
1.修業年限が2年以上
2.総授業時数が1,700単位時間(62単位)以上
3.試験等により成績評価を行い、その評価に基づいて課程修了の認定を行っていること
引用:文部科学省「専門士・高度専門士の称号とは 専門士とは」
高度専門士とは
文部科学大臣が認めた4年以上の専門学校を卒業した人には、高度専門士という称号が与えられます。高度専門士も学位ではありませんが、大学卒業と同じ扱いになり、大学院への入学ができる場合も。大学院へ入学するには、指定されている専修学校の専門課程を修了する必要があります。高度専門士の称号が付与される専門学校の要件は、以下をご覧ください。
1.修業年限が4年以上
2.総授業時数が3,400単位時間(124単位)以上
3.体系的に教育課程が編成されていること
4.試験等により成績評価を行い、その評価に基づいて課程修了の認定を行っていること
引用:文部科学省「専門士・高度専門士の称号とは 高度専門士とは」
専門士、高度専門士ともに学位ではないものの、その後の進路により、学位の取得が可能になります。
なお、専門職大学・専門職短期大学は2019年にできた制度で、専門職業人材の養成強化が目的です。産業界と連携して実践的な職業教育が行われ、卒業単位の3〜4割以上を実習科目とし、企業内実習などがあるのが特徴。専門職大学を卒業すると「学士(専門職)」の学位が与えられ、専門職短期大学を卒業すると「短期大学士(専門職)」の学位が与えられます。
参照元
文部科学省
専門士・高度専門士の称号とは
専門職学位とは
専門職学位は、専門職大学院や専門職大学、専門職短期大学を修了すると与えられる学位です。例としては、法科大学院を修了した人に与えられる「法務博士(専門職)」や、教職大学院を修了した人に与えられる「教職修士(専門職)」などがあります。
専門職大学院は、高度で専門的な知識とスキルを兼ね備えた高度専門職業人を養成することが目的です。法務博士や教職修士以外の一般専門職大学院を修了すると、「修士(専門職)」の学位が与えられます。
法学士とは?
大学の法学部を卒業すると、かつては法学士と呼ばれていたようです。しかし、現在は「学士(法学)」が正式な学位となっています。なお、法学部を卒業しただけでは弁護士にはなれず、司法試験に合格する必要があります。
学士・修士・博士の社会的な評価とは
社会的には、「博士>修士>学士」というように、博士号や修士号の難易度が高く認識される傾向にあります。「博士号は大学教授を目指す人が多い」というイメージや「学位の違いが就職後の初任給にも表れる」という実情も理由の一つでしょう。以下で詳しく紹介するので、参考にしてみてください。
初任給での違い
厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別に見た初任給」によると、大学院修士課程修了が23万8,900円と最も高くなっています。
学歴 | 初任給(男女計) |
---|---|
大学院修士課程修了 | 23万8,900円 |
大学卒 | 21万200円 |
高専・短大卒 | 18万3,900円 |
高校卒 | 16万7,400円 |
参照:厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況:1 学歴別にみた初任給」
上の表から分かるとおり、修士(大学院修士課程終了)と学士(大学卒)では初任給に2万円以上の差があります。1ヶ月の給料として見ると大差がないように思えますが、年収にすると34万円ほどの差になり、さらにボーナスも加えた場合の差は40万円以上です。
同調査では、博士号については触れられていませんが、修士と同程度もしくはそれ以上といえるでしょう。このことから、社会的な評価は「博士>修士>学士」という傾向であることが分かります。
参照元
厚生労働省
賃金構造基本統計調査(初任給)【令和元年調査をもって終了】
専門性の違い
学士・修士・博士では専門性のレベルも異なります。修士や博士は、大学院に通ったり研究所や企業に勤めたりしながら自分が専攻する分野の研究を行っていることから、学士に比べさらに専門的知識を持っていると評価されるでしょう。
研究職や開発職、そのほか専門分野に関連する仕事につきたい場合は、専門性が高いほうがより就活で有利になりやすいといえます。
日本と海外の違い
日本では博士を高く評価するのは研究職に限定される傾向にありますが、海外では社会的に高く評価されるようです。特に、アメリカでは博士号を取得すると給料が高く、昇進にも有利になるケースがあるといわれています。
したがって、海外への就職を視野に入れているのであれば、修士以上を目指すのが望ましいでしょう。
学費から見る学士・修士・博士の違い
学位はそれぞれ修了する課程で取得できるものが決まりますが、学位取得までにかかる学費にも差があることを踏まえて進路を考えることが大切です。下記を参考に、自分が進みたい道は何か考えてみてください。
国公立大学
国立大学は、入学料・授業料が「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(平成十六年文部科学省令第十六号)」によって標準額が定められています。
各国立大学法人は、標準額を踏まえ、「一定の範囲内」でそれぞれ定めているようです。国立大学の「標準額」と文部科学省の「国公私立大学の授業料等の推移」を参考に、公立大学の令和3年の平均額を紹介します。
区分 | 授業料の年額 | 入学料 |
---|---|---|
国立大学 | 53万5,800円 | 28万2,000円 |
国立短期大学 | 39万円 | 16万9,200円 |
国立大学院 | 53万5,800円 | 28万2,000円 |
国立法科大学院 | 80万4,000円 | 28万2,000円 |
公立大学 | 53万6,363円 | 39万1,305円 |
引用:e-GOV法令検索「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令(平成十六年文部科学省令第十六号)(授業料、入学料及び検定料の標準額等)」、文部科学省「国公私立大学の授業料等の推移」
上記の図のなかで最も費用が必要なのは、国立法科大学院です。弁護士、検察官、裁判官を養成するための教育を行う大学院で、先述した「法務博士」の学位だけでなく司法試験の受験資格も得られます。
私立大学
文部科学省の「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について 1.私立大学(学部)・短期大学・私立高等専門学校」によると、令和5年度の私立大学における授業料の平均は、95万9,205円となっており、入学料は24万806円です。以下、表にまとめましたのでご覧ください。
授業料の年額 | 入学料 | |
---|---|---|
私立大学 | 95万9,205円 | 24万0,806円 |
私立短期大学 | 72万9,069円 | 23万7,122円 |
参照:文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
授業料の年額と入学料ともに、私立短期大学より私立大学のほうが高いことが分かります。私立短期大学を卒業すると、先述したように「短期大学士」という学位を取得でき、その後は4年生大学への編入学や短期大学専攻科入学といった進路に進むことも可能です。
修士・博士の学費
文部科学省の「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について 2.私立大学大学院」によると、私立大学の大学院における授業料などの平均は、以下の表のようになります。
授業料の年額 | 入学料 | |
---|---|---|
博士前期課程(修士課程を含む) | 79万8,465円 | 20万1,752円 |
博士後期課程 | 60万4,592円 | 19万2,686円 |
専門職学位課程 | 106万7,207円 | 19万4,492円 |
参照:文部科学省「私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
ただし、大学院の授業料は、分野や学部によって差が出るのが一般的です。同じく文部科学省の「令和5年度 私立大学大学院入学者に係る初年度学生納付金等 平均額(定員1人当たり)の調査結果について」によると、修士・博士ともに、最も授業料が高いのは「家政・芸術分野」でした。進学を考えている場合は、自分が希望する大学や学部の授業料についてしっかり確認しておきましょう。
参照元
e-GOV法令検索
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学位による学費の差
国立大学では標準額が決められているため、学位による学費の差はありません。しかし、前述の「私立大学」の表から分かるように、私立大学の学費は、修士・博士よりも高いことが分かります。また、専門性が高い専門職大学院では、より高度な内容になるため、授業料も高くなるようです。学士・修士・博士の就活での違いとは
就活するにあたって、学士・修士・博士で求められることが変わります。ここでは、それぞれの学位で就きやすい職業などをご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
学士は社会人としての基礎スキルが評価基準
就活で学士に求められるのは、「学生生活での活動を入社後の業務に活かそうとする姿勢」「業務に関する知識やスキルを積極的に習得しようとする意欲」など社会人としての基礎的なスキルです。
学士は、修士や博士のように専門的なスキルや知識を習う機会が少ない傾向にあるので、専門性はそれほど求められないでしょう。そのため、専攻した分野に関わらずさまざまな業界・職種に挑戦しやすいのも特徴です。
学士は、就活の面接で「学生時代に一生懸命取り組んだことは何か?」といったことを聞かれた場合、主体的に動ける人材であることをアピールするのがおすすめです。その際、根拠となるエピソードとして学生生活での活動を具体的に挙げられると良いでしょう。
面接での回答についてより詳しく知りたい方は、「『学業で力を入れたこと』の回答法や例文を紹介!分からない場合の対処法も」のコラムもぜひご一読ください。
修士は専門職への就職に有利になる傾向がある
就活で修士に求められるのは、専門性です。そのため、学士よりも専門性が高い修士は、専門職への就職が有利といえます。研究や開発といった分野、シンクタンク、コンサルティングなどの業務では、修士の専門性を活かせるでしょう。
就活では、学生時代に経験した出来事よりも、研究の実績を伝え、専門分野の知識やスキルをアピールすることをおすすめします。
博士は研究職や教授職で役に立つ
博士号を取得した場合、民間企業への就職ではなく研究職や教授職で有利になりやすい傾向にあります。博士は、博士課程修了後に「ポストドクター(ポスドク)」といって、任期付きの研究員として大学で働くこともあるようです。将来的には、「助教→講師→准教授→教授」というキャリアアップも目指せるでしょう。
学士よりも修士や博士が就活で不利な傾向にある理由
ここでは、学士より修士や博士が就活で不利な傾向にある理由について紹介します。先述したように、社会的には学士よりも博士や修士の地位が高い傾向にあるといえるでしょう。しかし、就活においては、博士や修士よりも学士の方が求人数が多いのが実状です。その理由となるものは何か、以下でご紹介します。
専門分野の求人が少ないため
修士や博士は、専門分野の求人が少ないのが就活で不利といわれる理由の一つ。同じ分野を専攻している人口が多いと競争率は高くなり、同じ分野を専攻している人口が少ないとそもそもの求人数が少なくなってしまうため、専門職は狭き門といわれているのです。
また、未経験分野に就職しようとした場合も、企業から「修士まで進んだのになぜ専門職に就かないのか」と思われてしまうことも。そのため、未経験分野へのチャレンジが有利となる学士よりも、就活において不利だと感じることがあるでしょう。
人件費がかかるため
修士や博士よりも学士の求人が多いのは、人件費がかかることを敬遠している企業が多いことが理由です。先述したように、学士よりも修士や博士の方が初任給が高く設定されているため、ボーナスなども含めると学士よりも人件費が多く掛かります。
企業側はコストの掛かる修士や博士の採用にはどうしても慎重になるため、就活において不利になってしまうようです。
就活時の年齢が学士より高いため
修士や博士は、就活時の年齢が学士よりも高いことも就活で不利になりやすい理由の一つ。修了までに掛かる年数から、修士課程修了時の年齢はおよそ25歳、博士課程終了時はおよそ30歳であることが考えられます。若い人材を欲しがる企業のなかには、「専門知識より若さならではのフレッシュさが欲しい」と考え、20代前半の学士の採用に力を入れるところもあるようです。
さらに、修士や博士は2〜5年の間研究に没頭するため、「考え方が偏っているのでは」と懸念する採用担当者も。そのため、「柔軟性」を求められやすい新卒枠では、学士のほうが有利となることがあるでしょう。
修士や博士が不利なポイントを払拭するには
大学院へ進む際に、その分野における就職先がどの程度あるかをあらかじめ調べておくことは重要です。そのうえで、修士や博士が学士よりも不利な部分を払拭するには、研究で得たことを入社後に活かせるとアピールすることが大事になります。
人件費にコストがかかっても、それ以上の魅力や採用メリットがあると評価してもらえるよう、戦略を練って選考に挑みましょう。学士はそもそも就活で学位を問われる場合が少ない
学士の場合、就活市場では学位を問われることは少ないといえます。専門性が求められる資格職の場合は例外であるものの、総合職や一般職の場合は社会人基礎力やポテンシャルを評価する場合が多いでしょう。
そのため、「学士だから専門性が足りない」と自信を無くす必要はありません。学生時代の経験を振り返り、社会人としてのマナーや仕事をするうえで貢献できるスキルなどをアピールすれば、評価される可能性は十分にあるでしょう。
学位を問われるのは修士以上
就活で学位を問われるのは修士以上が一般的です。企業側から大学の成績証明書の提出を求められるのは、「大卒以上」を確認するのが目的であり、研究内容を確認するためとは考えにくいでしょう。
研究職や特定の専門職への就職を目指す場合は、選考で修士または博士の学位を求められたり、研究内容について詳しく聞かれたりする可能性が高いといえます。
大卒と大学院卒の就活の違いについては、「院卒と学部卒の違いは?就職におけるメリット・デメリットも紹介」でも詳しく紹介していますので、こちらもご確認ください。
学士の文系・理系別の就活ポイント
就活では、専攻が文系か理系かによって、求められるものが変わります。それぞれ、どのようなアピールが効果的なのか、以下をご覧ください。
文系は教養や社会経済への関心をアピール
文系は、専門分野に関する教養と、社会経済に対する関心の深さをアピールするのがおすすめ。文系は研究の内容がビジネスと結びつきにくい場合、基礎教養や個人の能力が重要視されるためです。
そのため、研究内容そのものより、研究活動から何をどう仕事に活かせるかを伝えることがアピールになります。
理系は専門性をアピール
理系は、研究職や技術職としての即戦力が期待されるでしょう。そのため、学生の間にしっかりと専門知識をつけておくことが重要です。
理系の場合、学士であっても卒論研究などで専門性の高い内容を扱う場合があります。就活では研究内容や自身の得意分野をアピールし、ほかの応募者との差別化を図りましょう。研究職への就職に関しては、「研究職の種類には何がある?文系・理系の就職先や向いている人の特徴も解説」でも詳しく解説しているので、ご確認ください。
就活を前に学士・修士・博士で迷ったら
就活の時期になり、学士のまま大学を卒業して就職するのか、大学院へ進学するのか迷う人もいるでしょう。迷ったときは将来の目標から逆算して考えるのも一つの方法です。また、どうしても決められないときはプロのアドバイスを受けてみましょう。
キャリアプランを立てる
就活を始める前にキャリアプランを立てると、将来の目標を実現できそうな進路が明らかになるでしょう。
たとえば、特定の研究分野を追及したいなら、修士や博士が向いています。一方、営業職や事務職といった専門職以外の職種を希望する場合は、早めに就職するのが望ましいでしょう。
また、専門職のなかでも、宅地建物取引士やファイナンシャルプランナーなど、働きながら資格を取得してスキルを高められる仕事もあります。
「キャリアプランを決められない」「どういう選択肢があるのか分からない」という方は、就職エージェントのキャリアアドバイザーに相談するのもおすすめです。
【体験談をご紹介!】大学院を中退して就職へ
ここでは、ハタラクティブを利用して正社員就職に成功した人の体験談を紹介します。
理系の大学院に通っていたものの、修士課程の2年目で中退したT.Tさん。修士1年目には新卒として就活しましたがうまくいかず、学費のことも考えて中退を選んだそうです。
その後、効率的な就活を求めて就職エージェントを探し、既卒や第二新卒を対象にしているハタラクティブに相談しました。
登録するとたくさんの求人を紹介され、そのうち3社の選考を受けたそうですが”実はどれにも興味を持てませんでした。”とのこと。大学院時代に希望していたメーカーとは違う業種、また特定派遣という形態にも不安を感じたそうです。
”でも、特定派遣は派遣元の正社員としていろいろな企業に出向いて働くんですよね。2〜3年のペースで派遣先や仕事内容が変わり、新しい技術や知識を身につけるチャンスがある。それは刺激的だしやりがいがありそうですよね。”
就職先はたくさんのメーカーに技術職を送り込んでいる会社。内定後は、”製造系の技術職として実力をつけたい”という目標ができたようです。T.Tさんの体験談は「大学院を中退。 新卒の就活失敗を乗り越え、念願の『製造系エンジニア』に」で詳しく紹介しています。
また、そのほかの体験談も「みんなの就職エピソード」で紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。
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学士に関するお悩みQ&A
ここでは、学位の一つである「学士」に関する疑問をQ&A方式で解決します。フリーターからの就職や中退した場合の学位についても回答していますので、ぜひ参考にしてみてください。
学士とは短大卒も含まれる?
短大卒の学位は準学士です。学士は大卒の学位なので、短大卒は含まれません。
学士を取得したい場合は、大学に編入する方法もあります。また、準学士として就職をするのも選択肢の一つです。「大卒に多い就職先は?ランキングや学部ごとの就職率も紹介」のコラムでは、大卒に多い就職先の産業や職種を紹介していますので、進路を検討するための参考にしてみてください。
学士取得後フリーターだった場合、正社員は目指せる?
大学卒業後に就職せずフリーターだった場合も、正社員を目指すことは可能です。
「既卒2年目はまだ間に合う!内定を勝ち取る就活の進め方とポイントをご紹介」でもお伝えしているように、正社員就職をするには早めに行動することが重要。第二新卒枠を設けている企業が多いように、中途採用ではポテンシャルのある20代が求められる傾向があるためです。年齢が上がるにつれてよりスキルを求められ、選択肢が狭まる可能性があるので注意しましょう。
最終学歴が学士とはどういう意味ですか?
最終学歴が学士とは、大卒を意味します。
大学を中退した場合は最終学歴が高等学校になるため、「学士取得」にはなりません。大学中退後に学士を取得したい人は、大学へ再入学するか再受験することを考えましょう。大学中退から学士を目指したい人は「大学に入り直すのはあり?メリット・デメリットや金銭面の負担を解説」のコラムも参考にしてください。
学士の文系と理系どちらが転職に有利?
転職活動において、文系と理系どちらか一方が確実に有利というわけではありません。
しかし、文系であれば営業や事務、理系であれば研究や開発などに向いているでしょう。応募する業界や職種によって求められる人材は異なるため、十分チェックしたうえで自身に合った企業を探しましょう。ハタラクティブでは、あなたに合った職種をご提案。内定まできめ細やかにサポートするので、ぜひご相談ください。
- 経歴に不安はあるものの、希望条件も妥協したくない方
- 自分に合った仕事がわからず、どんな会社を選べばいいか迷っている方
- 自分で応募しても、書類選考や面接がうまくいかない方
ハタラクティブは、主にフリーター、大学中退、既卒、そして第二新卒の方を対象にした就職・転職サービスです。
2012年の設立以来、18万人以上(※)の就職・転職をご支援してまいりました。経歴や学歴が重視されがちな仕事探しのなかで、ハタラクティブは未経験者向けの仕事探しを専門にサポートしています。
経歴不問・未経験歓迎の求人を豊富に取り揃え、企業ごとに面接対策を実施しているため、選考過程も安心です。
※2023年12月~2024年1月時点のカウンセリング実施数
一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。