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農学部での学びが活かせる職業を紹介!就活事情や役立つ資格も解説
更新日

この記事のまとめ
- 農学部の就職率は約7割で、理系の中では高い数値を出している
- 農学部からの就職は一般企業のほか、自営農家や公務員になる道もある
- 獣医師や飼育員といった動物関係の職業も、農学部出身者の選択肢の一つ
- 農学部出身者が就活を行う際は、自身のスキルや知識とマッチした職業を選ぶのがポイント
農学部出身者の就職先には、どのような職業があるのか気になる人もいるでしょう。農学部出身者の主な進路は、「実家の農業を継ぐ」「企業へ就職する」「大学院へ進学する」の3つです。
このコラムでは、農学部出身者が活躍できる職業をピックアップして紹介します。就職先の方向性が定まっていない方は、職業や役立つ資格、就活のポイントもぜひ参考にしてみてください。
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農学部出身者の就職率はどのくらい?
2019年度に文部科学省が発表した「学校基本調査」によると、大学の学科別の就職率は下記のようになっています。
関係学科 | 正規就職者の割合(%) |
---|---|
人文科学 | 79.7 |
社会科学 | 85.8 |
理学 | 49.6 |
工学 | 59.2 |
農学 | 69.7 |
参照:文部科学省「令和元年度学校基本調査(確定値)の公表について2.高等教育機関2.卒業後の状況2.大学(学部)卒業者(7p)」
農学部の就職率は69.7%となっており、過半数の方が就職しています。
農学部は、農業関連以外の学科も多くあり、幅広い知識を得られる学部です。バイオサイエンスやゲノムサイエンス、地球環境に関わる分野もあります。そのため、大学で学んだ内容によっては、職業の選択肢を増やすことも可能です。
なお、理学・工学の学部生は大学院へ進学する人も多いため、農学に比べ就職率が低い結果となっています。
農学部出身者の主な進路
農学部出身者の主な進路は、以下のとおりです。
実家の農家を継ぐ
実家が農家の場合、後継ぎを理由に農学部へ進学する人もいます。そのため、大学卒業後は、就職活動を行わずにそのまま家業を継ぐ人も少なくありません。幼少期から家業を手伝っていた人も、大学で学んだ知識を活かして活躍できるでしょう。
大学院へ進学する
「農学部での学びをより深く研究したい」という思いから、大学院への進学を希望する人もいます。
農学系の大学院の学科は、農学研究科や連合農学研究科、生命科学研究科などさまざまで、大学院によって研究テーマが異なります。情報収集や研究室訪問を行い、自分の研究したい内容を明確にしておきましょう。
企業に就職する
「農学部出身者の就職率はどのくらい?」でご紹介したように、農学部出身者の約7割が新卒で企業に就職します。そのため、企業への就職は農学部出身者の一般的な進路といえるでしょう。
企業への就職には、大規模農場・農家を経営している会社への就職も含まれます。オフィス勤務ではなく、農学部の知識を活かして実践的に農業に携わりたい方におすすめです。
新卒で就職を希望する場合は、在学中から就活を行います。就活にかかる時間や準備について詳しく知りたい方は、「就活の時間配分は?自己分析・企業研究にかかる期間や面接の長さを解説!」のコラムをご参照ください。
農学部での学びが活かせる職業
農学部出身者は、農業関係だけでなくさまざまな業界・企業に就職が可能です。「SDGs」が求められる昨今、食や地球環境、健康への意識が高まっています。農学部出身者も専門的な知識を活かし、多様な業界での活躍が期待できるでしょう。
以下では、実際に農学部から目指せる職業を紹介します。
農学部出身者が目指せる一般企業での職業
ここでは、農学部出身者が就職しやすい一般企業を紹介します。農学部出身の場合であっても、一般企業への就職においては、ほかの学部生における就活と変わりません。農学部出身者が目指せる職業は、研究職や品質管理、営業職など、多岐にわたります。ぜひ参考にしてみてください。
食品業界
農学部出身者の代表的な就職先は、食品業界です。農学部では食物について学ぶことが多いため、加工食品・健康食品・飲料などを扱う食品メーカーでは在学中に得た知識を活かせるでしょう。
農林水産省「第7節 食品産業の動向(1)食品産業の現状と課題(食品製造業の労働生産性は低い水準)」によると、2017年度の食品製造業の有効求人倍率は2.78倍で、全職業平均の1.38倍を上回る結果となっています。また、食品製造業は人手不足も深刻化しているため、希望の職に就ける可能性が高いといえるでしょう。
食品業界の仕事内容については、「食品業界の仕事」のコラムもあわせてご確認ください。
参照元
農林水産省
第7節 食品産業の動向
住宅業界
農学部で農業土木や測量を学んだ方は、住宅業界や不動産業界の仕事も目指せるでしょう。大学に在学中は、一定の学業経験があれば試験を受けなくても取得できる「測量士補」の資格を取得しておくと、就職に有利になる可能性があります。「測量士補」の資格を取得すると、「土地家屋調査士」の受験科目が一部免除されるからです。
建築や土木業界
農学部で土木を学んだ方は、建築や土木系企業の職業に就く道も選択肢の一つです。大規模な建設や土木工事を総合的に手掛けるゼネコンや設計や施工を専門的に行う建築関係の中小企業が、建築・土木系企業に当たります。
また、建設コンサルティング会社では、農業農村整備を専門としている会社もあります。技術職での就職の場合、専門知識や技術が必要です。しかし、同じ会社でも業務内容が営業や事務の場合は、スキル面はさほど要求されません。
製薬業界
農学部でバイオサイエンスや生物を学んだ方なら、就職先として製薬会社も考えられます。製薬会社の研究職では、ハイレベルな専門知識が要求されるでしょう。製薬会社には、薬学部からの就職希望者もいます。
そのため、農学部から製薬業界へ就職を希望する方は、製薬業界で求められる専門知識を確認し、就活に活かせるよう準備しておきましょう。
化粧品業界
製薬会社と同じく、化粧品会社もバイオサイエンスの知識が活かせる業界です。新製品の開発や研究を行う研究職が、主な職種となるでしょう。研究や開発を職業にするのは、狭き門を通過しなければなりません。しかし、学部や学科の指定はないため、農学部からも挑戦できます。
化粧品業界の仕事内容については、「化粧品業界の仕事」のコラムでも詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
種苗メーカー
種苗メーカーも、農学部出身者が活躍できる職業の一つといえます。種苗メーカーとは、野菜や花の種子を研究し売り出す会社です。研究職の場合、バイオ研究を専門にしている大学院卒以外の入社は、難しいでしょう。
ほかにも、品種交配で新たな品種を作り出す「育種家」という職業もあります。気になる方はチェックしてみてください。
大規模農家
農学部の方なら、農業に興味を持っている方も少なくないでしょう。農業に携わりたいと考えている方には、大規模農家(ファーム)へ就職する道もあります。農作業のほか、生産過程の管理やお客さまの対応などの業務を行う職業です。
大規模農家は一般企業と同じく、福利厚生が整っている傾向にあります。給与や休日などの待遇も一般企業と比べて遜色ないため、就職の対象として考えてみる価値があるでしょう。
農薬や肥料のメーカー
農学部で農芸化学を学んだ方は、農薬や肥料のメーカーへの就職を視野に入れるのも良いでしょう。
しかし、肥料や農薬の品種改良や開発をする研究職は、専門知識が必要とされる場合もあります。研究職以外では、農協や園芸店に売り込みをする営業職で活躍する選択肢もあるでしょう。
営業職
営業職は農学部に限らず、どの学部からでも応募できる職業です。営業職では主に、自社の商品を顧客に販売したり、新規の取引先を増やしたりすることが求められます。消費者と直接接することが多いため、コミュニケーション能力を発揮できる仕事です。
製造技術職
製造技術職は、自社製品の開発に携わる仕事です。製造技術職の仕事内容は幅広く、開発する商品によって専門知識や求められるスキルも異なります。開発から商品完成までは、トライアンドエラーの繰り返しです。
そのため、コツコツと我慢強く取り組める人におすすめの職業です。
研究職
研究職には基礎研究と応用研究があります。大学や大学院では、論文発表を目的とした基礎研究を行います。一方、企業では事業化・利益化を目的とした応用研究が中心です。しかし、大手企業では、基礎研究と応用研究の両方を行う会社もあるようです。
内閣府の「総合科学技術・イノベーション会議」の資料からも分かるように、研究職に就く割合は大学院卒以上が多いようです。農学部卒から研究職に就きたい方は、大学院へ進学してからの就職が望ましいでしょう。
引用:内閣府「(参考)課程・分野ごとの就職先の割合(令和3年度)(p.39)」
参照元
内閣府
総合科学技術・イノベーション会議(本会議)
品質管理職
自社商品の品質が求める基準やレベルに達しているかを確認するのが、品質管理職の仕事です。
チェックの対象や仕事内容は、企業によって異なります。成分の分析を行う場合もあれば、製造環境の見直しをする場合も。そのため、自分の得意分野や専門性を活かせる企業やメーカーを選ぶのがおすすめです。
医療情報提供者(MR)
医療情報提供者は、通称MRとも呼ばれています。MRは、病院のドクターに自社製品の情報を届けたり、副作用情報を収集したりする仕事です。製薬業界とも関わりのある職業で、専門的な知識を活かした営業職といえるでしょう。
グリーンコーディネーター
グリーンコーディネーターとは、観葉植物を使用した空間演出を行う職業です。イベント会場やオフィス内など活躍の場は多岐にわたります。
グリーンコーディネーターとしてキャリアアップを目指す人は、「園芸装飾(室内園芸装飾作業)技能士検定試験」に合格しておくと知識や技術をアピールできるのでおすすめです。
農学部出身者が目指せる一般企業以外の職業
一般企業への就職以外でも、農学部出身者が活躍できる職業はあります。以下では、自営農家や公務員、獣医師などの職業についてまとめたので、参考にしてください。
自営農家
自営農家とは、自営業としての農家の仕事をする人のことです。自営農家の後継ぎとして仕事を行う場合や、個人で独立して農業を始める場合も、自営農家に該当します。
後継者不足により廃業する農家は増えており、新規で農業を始める人を支援する自治体もあるようです。国の新規就農支援施策として、「農業次世代人材投資金」や「青年等就農資金」といった資金を貸与してくれる制度もあるので、気になる人は調べてみましょう。
新たに農家を始めたい方は、「農家へ転職するのは難しい?農業の現実や失敗しないためのポイントを解説」もご一読ください。
参照元
農業をはじめる.JP
国の新規就農支援施策
公務員
農学部出身者は、公務員も目指せます。農林水産省や国土交通省、環境庁といった省庁や、地方公務員として活躍できるでしょう。
なかでも、農林水産省では農業支援や農地整備など、大学で学んだことを活かせる職業がそろっています。また、畜産試験場や農業試験場、農業研究センターなどの業種への就職も可能です。教員免許を持っている方は学校の教師という選択肢もあります。
公務員への就職を検討してみたい方は、「公務員になるのに学歴は必要?給料は異なる?試験対策のポイントもご紹介」も参考にしてください。
農業協同組合
農学部出身者の職業として、農業協同組合への就職があります。農業協同組合は、金融や共済事業まで、さまざまな事業を行っている組合です。
なかでも、農学部出身者が活躍しやすいのは、全国農業協同組合連合(JA全農)でしょう。農協では、農産物や畜産物の加工販売や、経営面のバックアップを行います。そのほか、畜産市場の運営や直販事業として販売を行うなど、農協が担う業務は多岐にわたります。
就活を始める前に、興味のある分野をチェックしておきましょう。
獣医師
農学部には獣医学科があるため、獣医として働く道もあります。獣医の仕事場は、動物病院だけではありません。動物園や水族館、牧場なども獣医が必要な職場です。
そのほか、獣医は保健所や食品会社などでも勤務できるため、職場環境は就職先によって大きく異なるでしょう。
飼育員
農学部で動物生態学を学んだ方は、動物園の飼育員になるのもおすすめです。動物園や水族館で、動物の世話をするほか、園内ガイドや動物ショーなどの業務があります。動物を優先するため、休日や退勤時間が調整しにくい場合もあるかもしれません。
しかし、動物好きの人や動物生態に詳しい人には適した職場といえます。求人の中には、学芸員の資格取得を条件とするものもあるため、事前にチェックしておきましょう。
農学部出身者が目指せる海外の職業
農学部で学んだことを活かせる職業の中には、海外での活躍が期待できるものも多くあります。将来的に海外で働いてみたいと考えている人は、可能性のある職業を選ぶと良いでしょう。
海外に挑戦する場合は、当然ながら英語や中国語などの外国語力が求められます。語学に関する資格を取得するなど、早めに準備を進めましょう。
農協の海外勤務
農学部の就職先の一つである農業協同組合では、海外勤務のコースもあります。海外で、農業技術指導や共同開発を担う職業です。海外勤務をするには、農協に就職後、協会内の試験を通過する必要があります。
海外研究機関
農学部での研究内容によっては、海外の研究機関に就職しても良いでしょう。また、上述した食品や製薬、化粧品などの一般企業で、外資系企業に就職する道もあります。語学力が身についていれば、農学部から外資系の職業に就くことも可能です。
農学部出身者が希望の職業に就くための3つのポイント
農学に関わる職業に就きたい場合は、農学部に進学を決めた理由を伝えられるようにしておきましょう。一方で、大学の専攻とは関連性のない業界に就職を希望する場合は、志望動機を明確にし、熱意や活かせるスキルをアピールすることが大切です。
以下では、農学部出身者が希望の職業に就くためのポイントを3つ紹介します。
農学部出身者が希望の職業に就くためのポイント
- 就職に役立つ資格を取得する
- 農学部で得た知識やスキルをどのように活かせるか考える
- 就職エージェントに相談する
1.就職に役立つ資格を取得する
資格を取得しておくことで、就活時に知識やスキルをアピールできます。農学部出身者におすすめの資格は以下のとおりです。
- ・大型特殊自動車免許(農耕車限定)
- ・HACCP管理者
- ・食品衛生管理者
- ・家畜人工授精師
- ・管理栄養士、栄養士
- ・測量士補
資格を取得する際は、就職先の業務に関連性のあるものを優先しましょう。上記の資格以外にも就職に役立つ資格を知りたい方は、「就職に役立つ汎用性の高い資格とは?企業が求めるスキルを解説」のコラムをご参照ください。
2.農学部で得た知識やスキルをどのように活かせるか考える
農学部は、生き物や農作物について専門的に学べる学部です。就活を行う際は、農学部で得た知識やスキルを振り返り、仕事に活かせる点を見つけましょう。自分のアピールポイントと採用側が求めるスキルがマッチすれば、採用される可能性が高まります。
就職面接に臨む際は、事前に企業研究や自己分析をしっかりと行いましょう。
3.就職エージェントに相談する
農学部で学べる分野は多岐にわたるため、幅広い知識や技術を習得していることが強みになるでしょう。一方で、「自分の強みが分からない」「強みをうまく伝えられない」とお困りの方は、一度就職エージェントに相談してみるのがおすすめです。
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職業選びについて農学部出身者からよくある質問
ここでは、農学部出身者の職業選びについてよくある質問に答えました。
農学部出身者の就活における強みはなんですか?
幅広い企業にマッチしやすいことです。食や環境、生活に関わる多彩な知識を持っているため、活かせる職業が多いのが農学部の強みといえるでしょう。
さらに、「就職に役立つ資格を取得する」でも解説したとおり、資格取得も強みになり得ます。
農学部出身者の就活で注意すべき点は?
農学部出身者は幅広い知識をアピールできる反面、理学部や工学部に比べると専門性がないと捉えられる可能性もあります。「農学部で得た知識やスキルをどのように活かせるか考える」でも述べたとおり、就活の際は就職先にマッチするスキルや知識を優先的にアピールすることが大切です。
- 経歴に不安はあるものの、希望条件も妥協したくない方
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。