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鳶職とはどんな仕事?給料や業務内容を知りたい!就職方法も解説
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この記事のまとめ
- 鳶職とは、建設現場において主に高所作業を行う職業のこと
- 鳶職は業務内容ごとに「足場鳶」「鉄骨鳶」「重量鳶」といった種類に分類される
- 鳶職の経験を積むごとに昇給を目指せる傾向がある
- 鳶職で職長や親方になれば、高収入を得られる可能性がある
- 建設会社に就職し、見習いとして経験を積むと鳶職を目指せる
鳶職とはどのような仕事か興味を持つ方もいるでしょう。鳶職は高所で作業する職人のこと。建設作業のための足場を組んだり、建築物の鉄骨を組み立てたりします。このコラムでは、鳶職の仕事内容や給料などをまとめてご紹介。また、鳶職に必要なスキルや就職を目指す方法も解説しています。やりがいがあり、仕事を通して成長できる鳶職が気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
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鳶職とは?主な仕事内容
鳶職とは、建設現場において高所作業を専門に行う職業。読み方は「とびしょく」です。鳶職は建築や土木において、新築・改修に関わらず、真っ先に工事現場に入り作業を始めます。
一口に鳶職といっても足場を組む「足場鳶」や鉄の骨組みを作る「鉄骨鳶」など、作業内容によって呼称が細かく分類される場合もありますが、いずれも建設に欠かせない重要な存在です。
鳶職の1日の仕事の流れ
基本的に、鳶職は直行直帰です。始業時間に現場へ集合して作業を行い、定時に現地解散するというシンプルなスケジュールといえます。以下は一般的な足場鳶の1日のスケジュール例です。
- ・午前7時 現場に直行して出勤し、準備や朝礼を行う
- ・午前8時30分 足場を組み立てる作業を開始する
- ・午前10時 小休憩
- ・午後12時 昼休み
- ・午後1時 足場を組み立てる作業を再開する
- ・午後2時30分 小休憩
- ・午後4時 作業を終え、片付けや清掃を行う
- ・午後5時 現地で解散して帰宅する
始業・終業時間は現場によって異なります。暗い場所での作業は安全面のリスクが高まるので、残業があまり発生せず、作業の進行が早ければ定時前に解散できる場合もあるようです。
鳶職では「安全第一」の徹底が重要
高所作業では、疲労や気のゆるみが大事故につながる恐れがあります。そのため、鳶職の1日のスケジュールは、安全を守るための工夫が凝らされているのが特徴です。
一般的に、朝礼では「危険予知ミーティング(KYミーティング)」やけが防止のための体操が行われます。また、きちんと休憩を確保し、日暮れ前に作業を終えるのも安全管理の一環です。
鳶職と大工の違い
鳶職と大工はどちらも建築に関わる職人ですが、仕事内容が異なります。鳶職の主な仕事は、足場の組み立てや解体。一方、大工は設計図に基づいて建物を建築します。
鳶職や大工などものづくりに関わる仕事に就きたい場合は、「ものづくりの仕事がしたい!業界・職種の種類や未経験からの挑戦に役立つ資格をご紹介」で職種や仕事内容を確認してみてください。
鳶職の種類とは?
先述のとおり、鳶職とは作業内容によって細かく種類が分類される場合があります。ここでは、鳶職の種類とそれぞれの仕事内容について詳しく解説。より鳶職の理解を深める参考にしてみてください。
鳶職の種類
- 足場の担当
- 建築物の鉄骨や棟梁の担当
- 重量物の担当
- 送電線架線の担当
足場を担当する鳶職
足場を担当する鳶職は「足場屋」「足場鳶」とも呼ばれ、工事現場に作業スペースとなる足場を設置します。また、解体も足場鳶の役目です。建設業界で聞かれる「建設は鳶に始まり、鳶に終わる」という言葉は、まさに足場鳶の仕事を指しているといえるでしょう。
鳶職と足場工事の違い
足場鳶は「足場工事」の職人と混同されがちですが、両者は別の職業です。足場鳶は、主に住宅やマンションなどの建設工事現場の足場を組み立てます。一方、足場工事の職人は舞台やステージといったイベント会場の設営も行うのが一般的です。
建築物の鉄骨や橋梁を担当する鳶職
鉄骨造の建築物を作る際に、骨組みを専門的に行うのが「鉄骨鳶」です。クレーンで吊り上げられた鉄骨を高所の足場で組み立てていきます。ビルやマンションなど高層建築物の工事現場に入るため、危険を伴う作業もあるようです。
さらに、鉄骨を担当する鳶職のなかでも、橋や高架線、ダムなどの骨組みを専門的に行う職人は「橋梁鳶」と呼ばれています。
重量物を担当する鳶職
大型の機械や設備など、重量物の設置を専門に行う鳶職もあります。「重量鳶」とも呼ばれ、ときには数トン単位の重さの設備を扱うことも。建物の高所で作業する機会は少ない傾向にありますが、空調や電気、給排水など、建築設備に関する専門知識が求められるのが特徴です。
送電線架線を担当する鳶職
架空送電線を支える鉄塔に上って作業を行うのが「送電鳶」です。「送電線架線工」や「ラインマン」とも呼ばれており、電線や鉄塔の建設や点検などを行います。足場を設置せずに高い鉄塔で作業する機会があるのが、送電鳶の特徴の一つです。
鳶職の分類からも、建設業には多様な業務と役割があることが分かるでしょう。さらに建設業について詳しく知りたい方は「建設業とは」もご参照ください。
鳶職の給料はどれくらい?
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、鳶職が含まれる土木技術者の平均所定内給与は下記のとおりでした。
所定内給与額 ※企業規模計(10人以上) | |
---|---|
男女計 | 368,600円 |
男性 | 375,900円 |
女性 | 289,300円 |
参照:e-Stat政府統計の総合窓口「賃金構造基本統計調査 / 令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」
鳶職は経験・年齢を重ねるごとに昇給する傾向があり、職長や親方といった現場のまとめ役になれば、さらに高収入を目指せるようです。
なお、上記のデータによると、土木技術者の年間賞与・その他特別給与額は男女計で1,191,200円。男性が1,202,000円、女性が1,073,400円でした。同調査の全産業計の年間賞与・その他特別給与額は909,000円のため、土木技術者のボーナスは高い傾向といえるでしょう。
ただし、ボーナスの支給額は企業によって差があるので注意が必要です。
参照元
厚生労働省
賃金構造基本統計調査
鳶職が高収入を目指せる理由
鳶職に就くと高収入を目指せるのは、危険を伴う業務を行う可能性があるためです。鳶職は建物の高所で仕事したり、重い荷物を運搬したりと、常に危険と隣り合わせの仕事に従事しているため、収入も高い傾向にあります。
また、専門性の高さも給料と関係しているでしょう。経験を積んで高い技術を身につけたり、安全策を講じたりできるようになれば、仕事に対する信頼と安全性の向上にもつながるため、さらに給料が上がると考えられます。
「日給月給制」の職場もある
鳶職の給与形態は、「日給月給制」である場合も少なくありません。日給月給制とは、あらかじめ決められた月給から、欠勤・遅刻・早退した時間分の給与を差し引く給与形態です。
そのため、悪天候や体調不良などによって働く日数が減ると、給与も下がってしまいます。完全月給制の職場に勤めたい方は、求人情報をよく確認しましょう。
日給月給制について詳しく知りたい方は「日給月給制ってなに?社会人なら知っておきたい給与形態一覧」も参考にしてみてください。
鳶職に必要なスキル
鳶職は経験や専門的な知識がない場合も就職を目指せる職種の一つ。しかし、仕事をするうえで冷静さや協調性が求められます。鳶職への就職や転職を検討している方は、以下で必要なスキルを確認しておきましょう。
高所で冷静に作業する力
鳶職は建物の高所で緊張感のある仕事を担うことがあるので、常に冷静さが求められます。そのため、状況に応じて適切な対処ができる判断力のある方に向いているでしょう。危険を伴う場所でも冷静に判断しながら働く力は、経験を積むなかで培われるとも考えられています。
チームで働くための協調性
鳶職として働くためには協調性も大切です。建設現場で足場を設置したり、建築物の鉄骨を組み立てたりする仕事では、チームで協力することで効率的に作業を進められます。コミュニケーション不足が予期せぬ事故やミスにつながる恐れもあるため、チームで協力し合う姿勢を持つことが重要です。
協調性を身につける方法を知りたい場合は、「協調性の意味をわかりやすく解説!ある人の特徴や自己PRの例文も紹介」もご一読ください。
鳶職の魅力ややりがいとは?
鳶職は専門性の高い職種なぶん、魅力ややりがいを感じやすいでしょう。ここでは、鳶職の仕事で実感できる魅力ややりがいをまとめました。
達成感を得られる
鳶職の魅力は、目に見える成果を実感しやすいことです。たとえば、建物を建設するための足場が完成したり、骨組みを組み立てた建物ができたりすると、自分の努力が形になる達成感を得られるでしょう。目で見える成果があれば、仕事へのモチベーションがさらに高まると考えられます。
働きながら専門知識や技術を習得できる
働きながら専門知識や技術を身につけていけるのも鳶職の魅力の一つです。高所での作業や重いものの運搬には、危険を回避したり、効率的に作業したりするためのスキルや判断力が求められます。
鳶職の業務で専門的なスキルや判断力を習得できれば、自分自身の成長を実感できるだけでなく、仕事のパフォーマンスが上がって周りから高く評価されることもあるでしょう。
鳶職になる方法とは?
鳶職とは、学歴・経験を問わずに目指せる職種です。また、鳶職になるために必要な資格もありません。しかし、取得しておくことで仕事の幅を広げられる資格はあります。
ここでは、鳶職になる方法とおすすめの資格をご紹介。鳶職への就職や転職を考えている方は参考にしてみてください。
建設会社に就職する
鳶職になるには、建設会社に就職し見習いとして、少しずつ現場経験を積んでいくのが一般的です。初めのうちは足場のパーツや鉄骨といった重いものの持ち運びにつらさを感じることも。また、外気の暑さ・寒さや安全指導の厳しさにストレスを感じる場合もあるようです。
しかし、鳶職の作業現場では気のゆるみは許されません。厳しい指導は人命に関わる事故を防ぐためのものと理解して、緊張感を持って仕事に取り組む必要があります。
18歳未満で鳶職を目指す場合の注意点
基本的に、18歳未満は高所作業への従事が法律で禁止されています。18歳未満で鳶職を目指す場合は、しばらくは地上での業務が中心になることを覚えておきましょう。
鳶職におすすめの資格
鳶職におすすめの資格は以下のとおりです。無資格で就職した場合も、キャリアアップを目指すのであれば取得しておくのが望ましいでしょう。
玉掛け | クレーンのフックに荷物を掛け外しする作業に必要な資格 |
足場の組立て等作業主任者 | 特定の足場の組み立て・解体・変更を行う際、作業主任者に必要な資格 |
建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者 | 5m以上の金属製の骨組みや塔の組み立て・解体・変更を行う際、作業主任者に必要な資格 |
とび技能士免許 | 鳶職に関する技術と知識を証明する資格 1級を取得すれば独立や職業訓練校の指導員になることも可能 |
上記の資格以外にも、業務内容によっては「鋼橋架設等作業主任者」や「フォークリフト運転技能講習」などもおすすめ。数年の実務経験を積むと一定時間の講習で取得できる資格もあるので、働きながらスキルを身につけていくのが望ましいでしょう。
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鳶職とはどんな仕事?Q&A形式でご紹介!
ここでは、鳶職に関する疑問をQ&A形式でご紹介します。鳶職の仕事への理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
鳶職の読み方は?
鳶職の読み方は「とびしょく」です。江戸時代に火消しをしていた鳶職人が、「鳶口」というくちばしに似た形の道具を持っていたことが由来で、「鳶職」と呼ばれるようになったといわれています。
鳶職に就けばお金持ちになれますか?
厚生労働省のjob tag「とび」によると、鳶職の求人における賃金は月額300,000円程度のようです。職人として経験を積めば収入が上がる傾向にあり、親方として独立すれば年収10,000,000円以上を目指せる可能性もあります。経験年数の積み重ねや昇進によっては、高収入を目指せるといえるでしょう。
参照元
厚生労働省
職業情報提供サイト job tag
鳶職の厳しい点は何ですか?
鳶職は高所で作業したり、足場部品や鉄骨などの重量物を扱ったりする職人です。そのため、事故が起きないよう常に緊張感を持たなければなりません。また、暑さや寒さ、重量物の運搬による体力の消耗には覚悟が必要でしょう。
しかし、厳しい点だけに目を向けて就職先の選択肢を狭めるのは望ましくありません。
鳶職のやりがいは何ですか?
建設現場や建物の安全は、鳶職によって守られているといえます。その重大な役目にやりがいや誇りを感じられるようです。また、自身が携わった建物が完成したときの達成感はひとしおでしょう。
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その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。