さとり世代とは？ゆとり世代やZ世代と何が違う？生まれた年代や特徴を解説

さとり世代という言葉を耳にしたことはありませんか。ゆとり世代と同様に認知されつつありますが、「詳しく知らない」「ゆとりとの違いは？」という方も多いはず。また、「さとり世代の部下がどんな人かよくわからない」「支持待ち世代やZ世代とは違うの？」と悩むこともあるでしょう。このコラムでは、さとり世代の特徴について紹介します。さとり世代の方と良い人間関係を築く足掛かりにしてみてください。

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「さとり世代」とは

「悟り」を開いたかのように物欲や出世欲などの欲求をあまり持っておらず、「今が安定していたらOK」と考えている人たちを指す言葉とされている「さとり世代」。明確な定義はありませんが、一般的に1987年〜2004年頃生まれの人を指すことが多く、1991年〜1993年頃に起こったバブル経済の崩壊、2009年のリーマンショック、2011年の東日本大震災などの影響を受けているようです。

世界や日本を揺るがすような出来事を受けて、お金やモノを所有しない方が幸せだと考える人が増えたのがきっかけだといえるでしょう。

なお、ゆとり世代の次世代に位置づくといわれていますが、明確な区切りはなく、両者の年代は大きく違わないといえるでしょう。

さとり世代はインターネット上で生まれた言葉

「さとり世代」は、インターネット上で雑談・意見交換などができる匿名の掲示板を中心に広まった言葉のようです。また、2013年の新語・流行語大賞にノミネートされたことをきっかけに、インターネットを頻繁に利用しないという人たちにも、「さとり世代」という言葉の認知度が高まってきたと考えられています。

「ゆとり世代」との違い

言葉の語源には諸説あるゆとり世代。一般的には、2002年度に施行された通称「ゆとり教育」と呼ばれる学習指導要領に基づいた教育を受けた世代を指して使われる言葉です。生まれた年代は、概ね1987年〜2004年の間。誰かと競争するという意識が低く、周りと同じようにしたいというスタンスを好む傾向も見られるようです。

ゆとり世代を見て成長した人が多く、「他人に左右されない」「自分で必要なものは自分で選ぶ」といった人の姿も少なくありません。ぜひご覧ください。

「Z世代」との違い

Z世代についても明確な定義はありませんが、1990年代後半〜2000年代に生まれた世代の人を指すことが多いようです。この世代の人たちは、デジタル機器やインターネットが普及している中で生まれ、これらをいつでも利用できる環境で育ちました。日常の一部となったデジタル機器やインターネットの利用に抵抗を感じないこともZ世代の特徴だといわれています。

このような背景から、Z世代のことをSNSネイティブやデジタルネイティブなどと呼ぶこともあります。

「指示待ち世代」との違い

指示待ち世代とは、指示がなければ動けない世代を指して使われる言葉です。指示を待つばかりの人を意味するため、生まれた年代で分けられる「さとり世代」や「ゆとり世代」などとは異なり、性格や仕事のスタンスに起因するところが大きいといえるでしょう。

さとり世代の次は「つくし世代」？

つくし世代のつくしとは、「人に尽くす」という概念からきていると言われています。グループや仲間との繋がりを大切にし、相手に尽くしてみんなで幸せになりたいという思いが強いことが特徴。さとり世代の次世代とも考えられています。

このほか、つくし世代は、一人ひとりの個性を大事にしたいという人が多いこと、またSNSで昔からの友人と繋がっている、年齢を重ねても昔からの付き合いが変わらないなども、つくし世代の特徴です。

さとり世代のほかにもたくさんある「△△世代」一覧

さとり世代のほかにも、生まれた年代と時代背景によって多くの「世代」に分類されます。各世代の特徴をまとめました。

このように、生まれた年代や社会人として働き始めたときの時代背景によって、複数の世代に分類できます。時代が異なるため、世代間で意見が合わない・考え方が違うといったことは起きて当たり前とも考えるべきでしょう。

世代の壁を無くし、より良い関係を築くためにも参考に一読してみましょう。

さとり世代の5つの特徴

さとり世代は小さいうちからデジタル機器に振れているデジタルネイティブと呼ばれる世代です。また、人との衝突や言い合いを避けるなど、人当たりが良いといった特徴も見られるようです。ブランドや大きな夢に興味を持たず、自分で必要なものを選択するのもさとり世代の特徴だといえるでしょう。ここからは、さとり世代の特徴について紹介していきます。

1.デジタルネイティブ

今は、携帯電話やスマホでも簡単にインターネットが利用可能です。物心ついた頃からインターネットはいつでも利用でき、10代やそれ以下の年代からデジタル機器に触れる機会が多かったさとり世代は、デジタルネイティブであることが大きな特徴です。

パソコン機器などの扱いに慣れていることも多く、「基本的な操作は教わっていないけれど、触っているうちに自然に身についた」という人も少なくありません。

2.人当たりが良い

さとり世代は他人との衝突を好まない傾向にあります。職場の飲み会を避けたり、人と親密になりすぎることを避けたりするのも、さとり世代ならではの特徴の一つ。また、叱られることを避ける傾向も見られ、基本的に人当たりがよく、人間関係を良好に保てるコミニュケーション能力に長けている人が多いともいわれています。

さとり世代のように円滑なコミュニケーション能力を培う方法は「コミュニケーション能力を鍛えるには？具体的な方法をご紹介」のコラムで紹介しています。人からの信頼を集めたいなら、一読し、実践してみましょう。

3.非ブランド志向

さとり世代は、ブランド品にあまり興味を持たない傾向が見られるようです。高価な服や装飾品、高級車などで自分のステータスを上げるようなことにはあまり関心がなく、安くて実用性のあるコスパが良いものを求めることが多いようです。

さとり世代はインターネットを頻繁に利用することが多いため、通販やフリマアプリなどから手ごろで使いやすい商品を探すのも得意といえるでしょう。

4.現実主義

大きな目標や実現が困難な夢はあまり持たず、現実主義的な人が多いこともさとり世代の傾向だといわれています。前述の非ブランド志向でも少し触れましたが、コスパを重視する傾向があり、努力に対して見返りや結果がついてくることには真剣に取り組むけれど、挑戦しても無駄・できるかどうかわからないような物事には消極的という人が多いといえるでしょう。

5.インドア派を好む人が多い

インターネットの普及とともに成長したさとり世代は、アウトドアよりもインドアを好む人が多い傾向にあるようです。オンラインを選んで友人たちと交流したり、外出せず自分のペースで休日を満喫できたりすることも、さとり世代らしい特徴の一つだといえるでしょう。

 

さとり世代の社員や仕事における特徴

ここでは、社会人として働くさとり世代とうまく付き合っていくために、さとり世代である部下や社員の特徴を紹介します。仕事として関わっていくうえで、以下のようなポイントを押さえておきましょう。

スキルアップに意欲的

バブル崩壊後に生まれたさとり世代は、不況の中でも生き残るためのスキルアップに意欲的であるといえます。また、取得したスキルや資格を別の仕事でもっと活かせると考えるなど、転職活動に対するためらいも比較的少ないようです。

パソコンを使う作業に慣れている

デジタルネイティブであるさとり世代は、パソコンを使う作業にも慣れていて、デスクワークなどの事務仕事に向いている人も多いでしょう。また、教わったことは意欲的に吸収し、すぐに仕事へ活かすのも得意といえるでしょう。

効率化や処理能力が高い

デジタルネイティブでデバイスの利用に慣れていることから、物事の効率化を重視する傾向も見られます。さらに、処理能力も高いのが特徴。多様性が叫ばれるなかで育ったこともあり、従来のやり方にとらわれない働き方を実践する人も多いようです。

成果や成功よりもストレスフリー

さとり世代は、仕事で実績を残し出世や給与アップという考え方は持っていない傾向にあるといわれています。出世や成功よりも、「定時に退勤ができて、残業が少ない」、「休みがきちんと取れる」など、ストレスなく働けることを重視しているのです。

さとり世代にとって、仕事はあくまでも「人生を豊かに楽しく過ごすためにしなければならないこと」、「趣味などのためにお金が必要だから」という考え方ともいえるでしょう。

プライベート重視

さとり世代のなかにはプライベートを重視し、終業後の飲み会などに誘われるのを嫌う人もいます。また、急な残業を嫌がる人も少なくありません。また、昼休みや休憩時間も1人でいるのが好きというタイプも見られ、公私はきっちり分けたいと考えるのもさとり世代の特徴です。

慎重になりすぎて指示待ち人間といわれることも

さとり世代のなかには上司からの指示にはしっかりと従う反面、自主的に仕事を探すのは苦手という人もいます。リスクを避けるゆえの慎重さも見受けられるでしょう。

部下がなかなか自分から動いてくれない…そんな悩みをお持ちの方には、「指示待ち人間になる原因とは？周囲に与える影響や直し方、改善策などを解説」でも対策をご紹介しています。

さとり世代の社員と円滑な仕事をするために

さとり世代の社員と円滑に仕事を進めるには、さとり世代の特徴や考え方を理解することが大切。前述したように育った時代が異なれば、考え方や価値観も異なるもの。相手を理解し、適切な指示や育成を心がけることが大切です。

仕事の指示は具体的に出す

自主的に行動して失敗したくないと思っているさとり世代には、仕事の指示を具体的に出すと良いでしょう。指示内容が不明瞭であったり、どこまで進めればいいか曖昧であったりすると、さとり世代の人は仕事の進め方に迷ってしまうこともあります。仕事の具体的なやり方やはっきりした目標を定めてあげれば、十分に業務をこなしてくれるでしょう。

指示書やマニュアルを用意する

さとり世代には、合理性や効率化を重視することから「見て学ぶ」「とりあえず取り組む」といったことを苦手とする人も多いようです。安心してスムーズに業務を進めるためにも、指示書やマニュアルを用意すると良いでしょう。

プライベートを詮索しない

仲良くなろうと考えての行動であっても、プライベートを詮索するのは悪印象となってしまう恐れがあります。さとり世代にとっては、職場とプライベートの人間関係は別物と考えている人もいます。

また、上司と部下の垣根を越えて過剰に関わろうとすることも、仕事に悪影響が出る可能性があることもあるので注意が必要です。

重要な仕事は少しずつ任せる

さとり世代に限らす、どの年代にもいえることではありますが、責任の大きい重要な仕事はゆっくり少しずつ任せるようにしましょう。

経験の浅い社員に大きな仕事を振ってしまうと混乱してしまったり、「この業務は難しすぎるし、そこそこできていればいいよね」と中途半端な成果を目標に働いてしまったりする恐れがあります。最初は比較的簡単な業務から任せていき、仕事に対して自信をつけさせていくと良いでしょう。

良い距離感を保つ

これも世代を問わずにいえることではありますが、適度な距離感をキープするようにしましょう。仕事をしていると、話をする機会が多くなることもあるはずです。しかし、単に話す機会が増えたからと言って距離感を詰めるのは避けるべき。

さとり世代は、自分のペースやパーソナルスペースに侵入されたと感じることで、嫌悪感を抱く人が多い傾向にあるといわれています。また、前述したように距離を縮めたいあまりに、プライベートの話をすることも、良い方法とはいえません。

プライベートと仕事は基本的に切り離して考える人も多いため、プライベートの領域にまで踏み込むと、かえって壁を作ってしまう恐れがあります。

精神論や根性論で話すのは避けた方がよい

効率を重視し、成功や出世欲の少ないさとり世代は、精神論や根性論が通じる世代ではありません。成功や出世欲の少ないさとり世代を相手に感情に訴えかけたり、奮起を促したりするのは避けた方が良いでしょう。

「昔からやっている」「みんなが大切にしている」などの精神論では納得できないことも珍しくなく、そのような人を嫌う傾向も見られるようです。

仕事に対して達成感を与えよう

さとり世代は、不況や就職氷河期といった社会の厳しさも体感しているため、物事に対してどこか冷めている傾向にあるといわれています。指示された業務はこなすものの、仕事自体にあまりやる気がないという人もいるようです。

さとり世代に該当する年代の人のやる気を引き出すには、達成感が得られる仕事を与えたり、成果を褒めたりすることが大切だといえます。そうすれば、自ずと仕事の質も上がってくるでしょう。

 

さとり世代の就活のポイント

さとり世代が就活を成功させるためのポイントをご紹介していきます。

やりたい仕事とその理由を言語化する

自己分析や企業研究はもちろんですが主体性を持って、やりたい仕事とその理由を言語化できることが重要です。「欲がない」「指示待ちであることが多い」ともいわれるさとり世代の特徴も踏まえ、指示待ちをせず、自分から行動するよう意識していきましょう。

また、面接時においても「親に言われたし、周りもしているから」というような受動的な姿勢では、積極性がない人だと思われてしまう可能性があることも踏まえて、対応していくことが大切です。

志望する理由を明確にする

さとり世代と呼ばれる年代の人のなかには、欲がないという点ではやりたい仕事も特にないと思っている人の姿もあります。給与が良いから、家から通いやすいからなど、仕事内容と関連しない志望理由ではまず採用されないと考えたほうがいいでしょう。

「希望する職種は△△で、理由は▼▼です」というように、自分のやりたい仕事と理由を言語化できるようになることが就活の第一歩といっても過言ではありません。

「円滑な人間関係の企業で働きたい」「どんな仕事をすればいいかわからない」このような思いをお持ちの方は、ぜひハタラクティブにご相談ください。

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