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経理未経験から正社員になるのは難しい?役立つスキルや転職のコツを解説
更新日
この記事のまとめ
- 経理事務の主な仕事は、会社のお金の流れを記録して管理すること
- 経理職の競争率は高いものの、未経験OKや歓迎の求人もあるので未経験者も挑戦は可能
- 経理未経験から正社員就職を目指すときは、日商簿記やMOSの資格が役に立つ
- 未経験から経理事務へ就職や転職する際はコミュニケーションスキルを活かせる
- 経理職は給与水準が比較的高く、年齢が若いほどキャリアの目標を立てやすいのが魅力
「経理未経験から正社員になるのは難しい?」と疑問を抱く方もいるでしょう。経理職は未経験者を歓迎している求人もあるため挑戦は可能です。ただし、経理の仕事は人気なため、企業に自身の適性や意欲を積極的にアピールする必要があるといえます。
このコラムでは、未経験から経理職に就くときに役立つスキルや、効果的に自分をアピールする方法をご紹介。求人選びのポイントも解説しているので就職・転職活動にお役立てください。
未経験者向け!経理とはどのような仕事?
経理とは、簡単にいうと会社のお金の出入りを記録して管理する仕事です。企業が経営の維持・改善を行うには取引や財務状況を把握する必要があるため、経理は会社にとって重要な役割を担っているといえるでしょう。
経理の仕事内容
経理の仕事内容は、大きく分けると「毎日行う日常業務(日次業務)」「月に一度行う月次業務」「決算期に行う決算業務/年に一度行う年次業務」の3つです。それぞれの業務内容について下記にまとめたので、「経理がどのような仕事か分からない」という未経験の方は参考にしてみてください。
経理の主な業務内容 | |
---|---|
日常業務(日次業務) | 現金や預金の管理、経費の精算、伝票の起票、在庫の管理など |
月次業務 | 給与計算および支払い、売掛金・買掛金の管理、請求書発行など |
決算業務・年次業務 | 個別決算、連結決算、賞与計算、税務申告など |
経理未経験で入社した場合、日常業務やその補助からスタートします。経験を積むにつれて、月次業務や決算業務へと徐々にステップアップするのが一般的です。
日常業務(日次業務)
日常業務は、会社の各部署が日々行っている取引を記録する業務です。伝票の起票や経理システムへの入力作業、現金や預金の管理などが該当します。また、納品書や請求書、領収書といった書類のチェック、経費精算も日常業務に含まれるでしょう。経理未経験者は、まず日常業務や先輩社員の補助を任されることが多いようです。
月次業務
月次業務とは、従業員の給与や社会保険料、取引先への請求・支払い(売掛金・買掛金)といった、1ヶ月締めで行う経理業務です。また、月ごとの予算や実績の管理を行うこともあります。支払日は取引先によって異なるため、支払いがそれぞれ行われているか確認することが必要です。請求が来ているものは、支払日までに正しく支払いを行います。
決算業務・年次業務
決算業務とは、企業が月次や年次などに行う、決算の取りまとめに関する業務です。決算日は企業によって異なるため、四半期決算(3ヶ月に1回)や中間決算(事業年度の中間)を行うこともあります。
年次決算であれば、決算日は3月31日に設定している企業が多いでしょう。仮に3月31日が決算日の場合、経理の仕事は4月1日から3月31日の1年サイクルで行います。
そのほか、年次業務として税務署へ決算申告も行わなくてはなりません。決算内容に準じて、税金の納付が必要になります。また、従業員の所得税や社会保険料を調整する年末調整も、年に一度の業務です。年末調整は、会社の決算日に関わらず12月に実施します。
「経理」と「財務」「会計」との違い
前述したように、「経理」は会社における日々の金銭取引を記録・管理するのが主な仕事です。一方、「財務」は経理がまとめた資料やデータに基づき、会社の予算策定や資産運用といった資金計画の立案を担当します。
「会計」は会社の経営・財政状況を把握し、各関係機関に報告するのが役割です。会計業務は、社外の利害関係者に報告する「財務会計」と、経営方針を決定する組織上層部に報告する「管理会計」に大きく分けられます。会計業務には経理の仕事も一部含まれますが、報告を目的としている点が「経理」と異なるといえるでしょう。
経理未経験から正社員としての転職は難しいって本当?
経理事務の正社員求人には「未経験歓迎」「未経験者OK」と記載しているものもあるため、経理未経験の人も就職は可能です。前述したように、未経験の場合は経理補助の業務からスタートし、経験を積みながらキャリアアップを目指すのが一般的でしょう。
未経験から経理の仕事に就くのが難しいといわれる理由は?
未経験から経理の仕事に就くのが難しいといわれる主な理由としては、「業務において専門的な知識やスキルを求められるから」という点が挙げられます。そのため、即戦力を求めている企業の選考において、経理未経験者は経験者よりも不利になる可能性が高いでしょう。
また、経理の仕事は会社の金銭取引の記録・管理が仕事のため、細かい作業に抵抗があったり、お金を扱うプレッシャーに弱かったりする場合は、「難しい」と感じる可能性があります。
しかし、厚生労働省のjobtag「経理事務」のデータによると、54.5 %が「入職前の実務経験は特に必要ない」と回答しているのも事実です。「未経験者の採用を行っている企業もある」と前向きに考え、自分に合った求人を諦めずに探しましょう。
参照元
厚生労働省
職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag
経理職は人気が高いため「アピールの仕方」が重要
事務職は人気が高い職業の一つで、ライバルが多いのも事実。多様な業界で活かせる経験・スキルが積める経理事務の仕事も、「汎用的なスキルを得たい」と考える方から人気があるようです。そのため、未経験から経理職への就職・転職を叶えるには、採用担当者に自身の適性や意欲をいかにアピールするかがポイントといえます。
経験者が有利だが未経験者が採用されないわけではない
事務職のなかでも経理事務は専門性が高いことから、実務経験者が採用されやすい傾向にあります。しかし、就活成功へ向けた対策を取れば、未経験者も採用されないわけではありません。経理の仕事で求められるスキルを把握したうえで、資格取得を目指したり、自分をアピールする方法を工夫したりしましょう。
後述の「経理未経験者が履歴書・職務経歴書でアピールするための書き方」では、未経験から経理事務へ転職する際、どのように自分の魅力をアピールすると効果的かを紹介しているので、ぜひご一読ください。
経理への転職を目指すのにおすすめの時期は?
転職活動をするのであれば、求人数の増加が期待できる時期を狙うのがおすすめです。たとえば、年度変わりの4月入社が見込める1~3月、下半期スタートに向けて企業の動きが活発化しやすい9~10月などが狙い目といえるでしょう。詳しくは、「転職する時期は何月が良い?おすすめや避けるべきタイミングを解説」のコラムもご参照ください。
経理未経験者は派遣やアルバイトから正社員を目指すのも手
経理未経験の方は、派遣や契約社員、アルバイトから正社員を目指すのも一つの方法です。前述したように、経理職では実務経験者が採用されやすい傾向にあります。非正規雇用社員として経理の業務経験を積んでから正社員求人に挑戦すれば、「即戦力になる人材」と評価されやすく就職・転職できる可能性が高まるでしょう。
正社員
総務/一般事務
-
年収 319万円 ~ 365万円
-
未経験OK,残業少なめ,学歴不問,プライベート重視,諸手当あり
未経験から経理事務を目指すなら20代?30代?
未経験から経理事務へ正社員として就職・転職したいとお考えの方は、できるだけ20代のうちに転職活動をスタートしましょう。20代は意欲や将来性などを企業から期待される場合が多く、未経験の業種や職種であっても比較的採用されやすい傾向があるためです。
一方、30代〜40代になると、就職・転職活動で経験やスキルの有無を問われることが増え、未経験からの就職・転職の難易度は上がるでしょう。「実務経験なしだと経理事務への転職は難しい?志望動機の書き方も解説」のコラムでも、未経験から経理事務を目指す際の情報を掲載しているのでご覧ください。
経理事務の平均収入
厚生労働省の職業情報提供サイトjobtagの「経理事務」によると、経理事務の平均年収は約485万円です。ただし、未経験で入職した場合は上記の平均値を下回る可能性があることを理解しておきましょう。給与額は実績や勤務年数、役職などに鑑みて決まるからです。
このコラムの「1.給与水準が事務職の平均額よりも高い」には、経理事務とほかの事務職の給与額を比較した結果を掲載しているので、あわせて参考にしてみてください。
男女別の平均賃金
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査(一般労働者・職種)」をみると、経理業務を含むことが多い「会計事務従事者」の男女別の給与月額(企業規模計)は、以下のとおりでした。
※「きまって支給する現金給与額」…労働契約等規定による調査実施年6月分の支給額(控除前)
※「所定内給与額」…「きまって支給する現金給与額」のうち超過労働給与額を差し引いた額
性別(平均年齢) | きまって支給する現金給与額 | 所定内給与額 |
---|---|---|
男女計(43.0歳) | 32万3,500円 | 30万3,300円 |
男性(42.7歳) | 38万6,400円 | 36万1,200円 |
女性(43.2歳) | 29万1,100円 | 27万3,400円 |
参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)」
経理との関連が深い「会計事務従事者」の残業代などを除いた平均給与月額(所定内給与額)は、男性が約36万円、女性が約27万円となっています。男女あわせると、約30万円です。なお、上記の平均給与額に、賞与や特別給与は含まれません。
経理への転職で年収アップは見込める?
前職でもらっていた年収や業務の経験・スキルによっては、年収を上げられる可能性もあるでしょう。ただし、未経験から経理職に就く場合は、企業から「即戦力を期待するのが難しい」と判断されやすく、低めの給与設定にされることも少なくないようです。転職で年収が下がることもあると認識しておきましょう。
年収アップを目指すのであれば、資格を取得する、実務経験を積むなどして担当できる業務の幅を広げるのがおすすめです。経理職に就いた場合の収入が気になる方は、「高収入の経理職員になるには」もあわせてチェックしてみてください。
参照元
厚生労働省
職業情報提供サイト(日本版O-NET)jobtag
令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況
経理未経験の方は社会人経験やスキルを洗い出そう
未経験から経理の仕事を目指す方は、転職活動を始めるにあたって、過去の社会人経験や業務上のスキルを洗い出しておきましょう。
一般的に、就活における「社会人経験」とは、正社員として働いた経験を指します。社会人経験があれば、企業から「基本的なビジネスマナーやスキルは備わっている」と評価されやすく、転職活動でのアピール材料になるでしょう。
また、これまでに身につけた業務上の経験やスキルを整理しておくことも重要といえます。その際は、経理の業務に活かせるかどうかも踏まえるのがポイントです。たとえば、経理の仕事にパソコン作業は欠かせないため、前職でよく利用していたソフトウェアやパソコンの操作レベルなどを棚卸しするのも良いでしょう。
自分の持つ経験やスキルを把握することで、マッチする求人を見つけやすくなったり、採用選考で有効なアピールができたりする可能性が高まります。自身の経験やスキルを洗い出すには、自己分析を行うのがおすすめ。自己分析については、「自己分析とは?実施のメリットと就活・転職活動での必要性を解説」をチェックしてみてください。
経理の仕事に向いている人の特徴とは?
経理に向いている人の特徴として、「仕事が正確」「コツコツ物事に取り組める」「几帳面」などが挙げられます。経理事務の仕事は、小さなミスでも大きな問題に発展する可能性があるため、一つずつ確認しながら適切に物事を処理できる人は重宝されるでしょう。
経理未経験の場合は「正確さを意識して取り組んだエピソード」「細かい計算や勘定を扱う業務の経験」などがあれば、転職活動でのアピールポイントになり得ます。
経理に向いている人については、「経理の仕事内容とは?求められるスキルや向いているタイプについて紹介」でも解説しているので、あわせてご覧ください。
未経験から経理へ転職する際に役立つスキル
未経験から経理事務への就職・転職を目指す際は、経理の基礎知識やパソコンスキルを身につけておくとアピールにつながります。また、経理の仕事ではコミュニケーションスキルが役立つことも。以下で解説するので、自分にはどのようなスキルがあり、何を学んでおいたほうが良いか考えてみましょう。
1.経理の基礎的な知識
未経験者が経理事務に転職する場合は、お金を扱ううえで必要な経理の基礎知識を身につけておくと良いでしょう。たとえば、領収書の扱い方や伝票の作成方法などです。
また、簿記のスキルがあれば、転職活動で企業からの評価を得やすくなります。簿記とは、お金の出入りを管理するための記録方法です。簿記の検定試験を受けて、知識習得や資格取得を目指すのもおすすめ。ポピュラーな簿記の検定試験としては、日商簿記が挙げられるでしょう。このコラムの「日商簿記検定」で詳しく解説しています。
2.パソコンや会計ソフトの操作スキル
経理事務は、Word・Excel・Powerpointなどを使用して業務を行うので、パソコンスキルが役立ちます。そのため、これらのソフトを扱えることを証明する「MOS(マイクロオフィススペシャリスト)」の資格取得がおすすめです。後述の「MOS」もあわせてご確認ください。
また、経理や会計システムのソフトを導入し業務を効率化している企業もあります。使い方を学んでおけば、未経験から採用される可能性が高まるでしょう。
3.コミュニケーション能力やビジネスマナー
経理事務として勤務するときは、コミュニケーション能力やビジネスマナーも求められます。経理職は仕入れ・売上・在庫の確認など、他部署や取引先と情報を共有しながら進める業務もあるからです。内容にミスがあれば、改善を促さなければなりません。
また、担当する業務の幅が広がると、税理士や公認会計士とやりとりをする場面も出てくるでしょう。経理職では、さまざまな立場の人と円滑に業務を行えるようなコミュニケーション能力、調整能力が役立ちます。
4.数字を扱うスキル
経理業務では、お金を扱う際に正確な数字で処理することが求められます。そのため、数字の扱いが得意だと現場で重宝されるでしょう。経理職としての活躍も見込めるため、転職活動でアピールするのも有効です。高度な数学の専門知識はなくても問題ありませんが、計算や勘定といった数字の扱いに抵抗がないことが重要といえます。
未経験から経理へ転職する際に役立つ資格
未経験から経理の仕事へスムーズに転職するには、資格を取得するのもおすすめです。特に日商簿記の1級や2級を取得しておくと、スキルや意欲を高く評価してもらえる可能性があるでしょう。
日商簿記検定
前述したとおり、経理の仕事に就きたい場合は、簿記の知識を身につけるのが得策といえます。日商簿記には「初級→3級→2級→1級」の4段階があり、2級以上は難易度が高めです。簿記未経験の方は、まず初級や3級を取得し、段階的に2級以上を目指すと良いでしょう。日商簿記検定の概要は「簿記検定とは?」で紹介しています。
就職・転職活動では日商簿記2級以上が評価されやすい
一般的に、転職活動では「日商簿記2級以上が評価される」といわれているようです。簿記2級は、3級の試験範囲である商業簿記に加えて、工業簿記の知識も問われます。さらに高度な知識を問う1級は、会計学のスペシャリストと呼べるレベル。経理だけでなく、公認会計士や税理士などの資格取得を目指している方にもおすすめです。経理関係でのスキルアップを考えている方は、1級の取得も検討してみると良いでしょう。
資格取得後は実務スキルを上げる工夫をしよう
経理未経験の方が簿記の資格を取ったあとは、保有資格に見合った実務スキルの習得に努めることも大切です。知識はあるものの、実際に現場で働いてみると思うように対応できないといったことは少なくありません。なかなか転職先が決まらなかったり、入社日が先で時間に余裕があったりする場合は、経理の実務講座やセミナーを受けてみるのも一つの方法です。
MOS
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)とは、マイクロソフト社が認定しているWordやExcel、PowerPointなどの利用スキルを証明する資格です。WordとExcelに関しては、一般レベルと上級レベルの2種類があります。経理の仕事では、これらのマイクロソフトオフィス製品を活用するため、スキルがあれば業務に役立つでしょう。
FASS検定
FASS検定とは、経理や財務分野に関する実務知識やスキルのレベルを評価する検定試験です。経理・財務スキル検定とも呼ばれ、経済産業省の委託事業として一般社団法人の日本CFO協会が管理・運営を行っています。
試験の出題範囲は「資産分野」「決算分野」「税務分野」「資金分野」の4つから構成され、計100問の四肢択一形式です。試験に合否は設けられておらず、総合スコアをもとにレベルA~レベルEの5段階で評価されます。分野別の達成度合いも示されるため、経理未経験の方が自身のスキルレベルを客観的に把握するのにも役立つでしょう。
TOEIC
TOEICは、日常生活やビジネスシーンにおける英語のコミュニケーション力を測る、世界共通の検定試験です。外資系企業やグローバルビジネスを展開する企業の経理職を未経験から目指す場合に、TOEICで一定のスコアを取得しているとアピールポイントになるでしょう。
転職活動で選考書類に記載するのであれば、少なくともTOEIC600点以上が目安とされています。ただし、仕事で求められる英語力は企業によって異なるため、自分の志望先に応じた英語のレベルを事前に把握しておくことが大切です。
TOEICについて詳しく知りたい方は、「TOEICのスコアは就活でアピールできる?概要と学習方法について解説」もあわせてご覧ください。
公認会計士/税理士
経理職に転職したい場合、公認会計士や税理士の国家資格を保有していると有利でしょう。「公認会計士」は会計や監査に関する専門家、「税理士」は税務に関する専門家とされています。経理職未経験の場合も、転職活動で資格を持っていることを伝えれば、「経理業務を任せるのに十分な知識がある」と評価される可能性が高いでしょう。
ただし、どちらも難関資格といわれており、試験に合格するのは容易ではありません。なかには、数年掛けて資格を取得する人もいるようです。公認会計士と税理士の資格については、「金融業界の業務独占資格」もあわせてご参照ください。
就業に必要な資格は求人によって変わる
就業するのに必要とされる資格は求人によって異なります。そのため、転職活動を行う際は、自分の志望先で求められる資格を事前にリサーチしておくことが重要でしょう。また、資格は転職に役立つ可能性があるものの、取得すれば必ず採用されるというわけではありません。採用選考では、資格取得を通して仕事への熱意や貢献意欲をアピールすることが大切です。
ハタラクティブキャリアアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
経理未経験者が履歴書・職務経歴書でアピールするための書き方
経理職未経験の方が履歴書や職務経歴書でアピールするときのコツは、「経理の仕事に活かせる経験はすべて書く」「取得済みだけでなく勉強中の資格も書く」「志望動機では企業ニーズに沿った強みを伝える」の3つです。
履歴書を作成する際は、仕事で求められるスキルや自分のアピールポイントをしっかり伝えることを意識しましょう。
1.自己PRには業務に活かせる経験を書く
経理未経験の場合は、業務で活かせそうな経験を履歴書や職務経歴書の自己PR欄に盛り込みましょう。たとえば、「売上や在庫管理など数字に関わる業務に携わっていた」「営業職で日々多くの人とコミュニケーションを図っていた」などが挙げられます。
履歴書の基本的な書き方は「履歴書の書き方!【見本付き】職歴・学歴・志望動機などの作成方法を解説」で、職務経歴書については「転職時に職務経歴書は必要?履歴書と両方提出の理由や書き方を解説」で詳しく紹介しているので参考にしてみてください。
2.経理の関連資格は勉強中のものも書く
転職活動で履歴書や職務経歴書を作成するときは、取得済みの資格はもちろん、勉強中の資格も記載すると効果的です。意欲的な姿勢を示せるとともに、その資格の基礎知識があることをアピールできます。
ただし、経理の業務に関連性がない資格の記載は避けましょう。経理未経験でどのような資格を書けば良いか分からない方は、「履歴書に書くべき資格とは?」をチェックしてみてください。
3.志望動機では「企業ニーズに沿った強み」を伝える
未経験から経理職に転職する場合、履歴書の志望動機欄で「企業のニーズに沿った自分の強み」をアピールすることが大切です。職務経歴書に志望動機を書く場合も同様に対応しましょう。主張する強みが企業の求める人物像から外れていると、「自社や仕事への適性がない」と思われて採用されない可能性があります。
応募企業や職種に関連づく自分の特性を明らかにするためには、自己分析や企業研究を行うのがおすすめです。そのうえで、経理事務に就きたいと思った理由と紐づけると効果的でしょう。
「志望理由・動機の例文を解説!書き方の流れや作成時のポイントも紹介」では、志望動機の作成方法に加え、自己分析や企業研究のコツも解説しています。また、下記の例文もぜひ参考にしてみてください。
経理未経験者の志望動機の例文
「貴社の会社説明会に参加した折、経理の仕事に興味がある未経験者を積極採用すると伺い、ぜひ挑戦させていただきたく志望いたしました。私は、高校を卒業後コンビニエンスストアに就職し、正社員として3年勤務してきました。店長に代わって売上金や在庫の管理をしたり、商品発注を担当したりするなかで、お金の管理をする仕事に興味が湧きました。先日、日商簿記3級を取得し、現在は2級の勉強中です。今後もスキルアップに励み、少しでも早く貴社に貢献できる人材になれるよう努めたいと考えております」
未経験者に人気の理由は?経理事務に転職する魅力・やりがい
経理事務には、「給与水準が高い」「キャリアアップの目標を立てやすい」「会社の経営に深く関われる」といった魅力・やりがいがあります。未経験から経理への就職・転職を目指している方は、志望動機を考えたり自己分析をしたりする際に、以下の内容を参考にしてみてください。
未経験から経理事務に転職する魅力
- 給与水準が事務職の平均額よりも高い
- キャリアアップの目標を立てやすい
- 会社の経営に深く関われる
1.給与水準が事務職の平均額よりも高い
経理の仕事では、お金の動きや取引の履歴などを管理する専門的な知識が必要なため、ほかの事務職と比べて給与水準が高い傾向にあります。厚生労働省の「職業安定業務統計の求人賃金を基準値とした一般基本給・賞与等の額(時給換算)」を参考に、経理事務と事務的職業の給与を時給に換算した場合の金額を以下に記載したのでご覧ください。
職種 | 基準値 | 1年目 | 3年目 | 5年目 | 10年目 |
---|---|---|---|---|---|
経理事務員 | 1,174円 | 1,351円 | 1,504円 | 1,584円 | 1,726円 |
事務的職業 | 1,112円 | 1,280円 | 1,424円 | 1,500円 | 1,635円 |
引用:厚生労働省「職業安定業務統計の求人賃金を基準値とした一般基本給・賞与等の額(時給換算)」
経理事務と事務的職業全般の時給を比較すると、経理事務のほうが基準値で約60円、1年目であっても約70円高いことが分かります。1年目における年収は、経理事務で約285万円、事務的職業全般で約270万円となる計算です。その差は15万円ほどとなります(1日8時間勤務、完全週休2日制で1ヶ月あたりの労働時間が176時間の場合)。
また、企業によっては、取得した資格やスキルに応じて手当を貰えたり基本給が上がったりする場合もあるので、上記の結果よりも高い収入を得られる可能性もあるでしょう。
参照元
厚生労働省
派遣労働者の同一労働同一賃金について
2.キャリアアップの目標を立てやすい
未経験から経理事務として勤務をスタートする場合、年齢が若ければキャリアアップの目標を立てやすいのも魅力の一つです。「未経験者向け!経理とはどのような仕事?」で紹介したとおり、経理未経験者は入社後まずは日常業務を担当します。そのため、「●年以内に月次業務を担当→その後●年以内に年次業務を担当できるようになる」「経験を積んで転職・独立したい」といった目標を立てることが可能です。
年齢が若いうちから業務に役立つ資格を取得したり、経理の経験を積んだりすることで担当できる業務が増えれば、よりキャリアアップの見通しがつきやすいでしょう。
3.会社の経営に深く関われる
経理職は会社の経営に深く関わる仕事です。経理の業務で記録しているデータは、会社の経営陣が事業方針を判断するために使用する材料となります。経理の仕事は企業経営に必須の業務となるため、「会社の経営を陰で支えている」という誇りを持って勤務できるでしょう。さらに、スキルや専門性を高めれば、経営改善の施策を経営陣に提案する立場になれる可能性もあります。
経理事務のやりがいについては、「経理の仕事内容とは?求められるスキルや向いているタイプについて紹介」でも解説しているので、あわせてご覧ください。
正社員
経理
-
年収 252万円 ~ 288万円
-
未経験OK,土日祝休み,残業少なめ,賞与あり,学歴不問,プライベート重視,昇給あり,産休/育休,諸手当あり
経理未経験者が転職の成功率を上げるには?求人選びのポイント
未経験から経理職を目指すときは、求人に書かれた業務内容と自分の希望がマッチしているか確認することが大切です。また、「未経験歓迎・OK」や「経験不問」の求人に応募することで、採用される可能性を高められるでしょう。
以下で、経理未経験者が求人を選ぶときのポイントを解説するので、就職・転職活動をする際の参考にしてください。
1.業務内容が自分の希望とマッチしているかを確認する
未経験の方が求人を選ぶ際は、志望企業の経理職が行っている業務内容や「目標とするキャリアを実現できるか」などを確認しましょう。経理の仕事や役割は企業によって異なるため、「自分が携わりたい業務かどうか」を基準に選べばミスマッチを防げる可能性が高まります。
「企業選びの軸はどう見つける?人柄や社風から探すべき?例文も紹介」でも応募先の選び方を解説しているので、チェックしてみてください。
正社員
貿易・経理事務職
-
年収 250万円 ~ 286万円
-
大手企業,未経験OK,土日祝休み,残業少なめ,賞与あり,学歴不問,安定的な仕事,プライベート重視,昇給あり,諸手当あり
2.入社後研修や教育体制が整っているかを確認する
未経験で経理職への転職を目指すのであれば、入社後の研修や教育制度が整っている企業かどうかを確認することも大切なポイントです。新入社員のサポート体制が不十分な職場だと、入社後に質問をしたり学びを得たりする機会が少ない可能性も。経理の経験や知識がない状態で就職した場合、業務を遂行すること自体に難しさやストレスを感じる恐れがあります。
気になる求人を見つけたときは、未経験者や新人社員に対してどのようなサポートを行っているかをリサーチするようにしましょう。
3.前の仕事で培った経験を活かせる業界の経理職を探す
経理職未経験での転職を成功させるためには、「前職で培った経験を活かせる業界」の求人を探してみるのがおすすめです。たとえ職種の経験はなくても、業界で身につけた経験やスキルを現場で応用できれば、アドバンテージを発揮できる可能性が高いでしょう。また、業界の事情や専門用語に精通していることは、転職時のアピールポイントになります。
4.「未経験歓迎・OK」や「経験不問」の求人に応募する
経理の仕事に携わったことがない方は、「未経験者歓迎・OK」「経験不問」と明記されている求人を選んで応募しましょう。経験を問わない求人であれば、未経験者も採用される可能性が高く、入社後のフォローも手厚い傾向にあります。
反対に、経験者向けの求人に応募すると、採用後の研修が不十分だったり、未経験者には難しい業務を任されたりする場合も。前述したとおり、経理職の求人を選ぶ際は、未経験者を育てる環境が整っている職場を選ぶのがポイントです。
求人掲載数の多いサービスを利用するのがおすすめ
未経験から経理に就職する際は、求人掲載数の多いサービスを利用しましょう。経験を問わない経理の求人に応募したい場合、求人掲載数が少ないと条件に合った求人を見つけにくくなります。
一口に経理といっても企業によって求めるスキルや仕事内容などが異なるため、自分に合った求人を見つけるためにも、多くの求人を掲載しているサービスを活用するのがおすすめです。
5.就職・転職エージェントへ相談してみる
未経験から経理職の正社員を目指す場合は、就職・転職エージェントを活用するのもおすすめです。エージェントには、就職・転職活動をサポートするプロのアドバイザーが在籍しています。自分の悩みや企業に求めることなどを相談してみると、就活や転職活動をよりスムーズに進められるでしょう。
就職・転職サービスのハタラクティブは、第二新卒やフリーターなど20代の若年層に特化したエージェントです。専任のキャリアアドバイザーがマンツーマンでカウンセリングを行い、希望に合った求人をご紹介。また、必要書類の書き方や志望動機の考え方、未経験の職種へ転職するコツなどをアドバイスします。
これから経理職を目指す方、転職するかどうか迷っている方も無料で利用できるので、お気軽にお問い合わせください。
経理未経験から転職を目指す方のお悩みQ&A
未経験から経理職へ就職・転職したい方に向けて、よくあるお悩みをQ&A方式でまとめました。不安や疑問を抱えている方は、ぜひ目を通してみてください。
経理職へ未経験から転職するのは難しい?
経理事務は競争率が高いため、未経験での転職は難しいといわれることがあります。しかし、「経理未経験者歓迎・OK」としている求人もあるので、全く応募できないわけではありません。
未経験者は、「経理職に活かせる前職での経験」「業務への適性」などをアピールすることが重要です。詳しくは、このコラムの「未経験から経理へ転職する際に役立つスキル」を参考にしてみてください。
経理の仕事に一般事務の経験は活かせる?
一般事務の実務経験に基づいた事務処理能力やパソコンスキルは、経理の仕事に活かせます。経理未経験で就活や転職活動をする場合のアピール要素にもなるでしょう。
ただし、未経験者を歓迎する求人であっても、経理の基礎知識がある人とない人では、前者のほうが採用される可能性が高いといえます。より採用される可能性を高めたい方は、簿記2級の取得がおすすめです。簿記に関しては、「簿記で身につく力とは?保持するメリットと活用できる仕事」のコラムで解説しています。
経理職に応募する際の志望動機のポイントは?
「経理職に就きたい理由」「経理に活かせる経験」などをアピールしましょう。また、「その企業でなくてはならない理由」を具体的に伝えると、採用担当者へ好印象を与えられます。
志望動機については「転職の志望動機で好印象を与えるには?書き方や注意点も知っておこう!」のコラムも参考にしながら、選考対策や書類作成をしてみてください。
経理の求人を見ても応募先を決められない…
就職・転職エージェントで求人選びのアドバイスを受けるのも一つの手です。
ハタラクティブでは「未経験歓迎」「未経験OK」の求人を多数扱っています。企業に直接取材を行っているので、応募前に職場の雰囲気や福利厚生など細かい部分を知ることが可能です。「思っていた仕事内容と違った」「想像よりもしんどい…」といったミスマッチを防ぐことにもつながります。「経理未経験でなかなか応募できない」とお悩みの方はぜひご相談ください。
- 経歴に不安はあるものの、希望条件も妥協したくない方
- 自分に合った仕事がわからず、どんな会社を選べばいいか迷っている方
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ハタラクティブは、主にフリーター、大学中退、既卒、そして第二新卒の方を対象にした就職・転職サービスです。
2012年の設立以来、18万人以上(※)の就職・転職をご支援してまいりました。経歴や学歴が重視されがちな仕事探しのなかで、ハタラクティブは未経験者向けの仕事探しを専門にサポートしています。
経歴不問・未経験歓迎の求人を豊富に取り揃え、企業ごとに面接対策を実施しているため、選考過程も安心です。
※2014年12月~2024年1月時点のカウンセリング実施数
一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。