- 「ハタラクティブ」トップ
- 記事トップ
- 「経歴別」の記事一覧
- 「ニート」についての記事一覧
- 「ニートの就職活動」についての記事一覧
- ニートから正社員になる方法とは?働かないリスクや就職成功の体験談を紹介
ニートから正社員になる方法とは?働かないリスクや就職成功の体験談を紹介
この記事のまとめ
- 未経験OKや職歴不問の求人もあるため、ニートから正社員を目指すことは可能
- ニートから正社員になる方法には、求人サイトや就職エージェントの利用などがある
- 正社員を目指す際の準備として、譲れない条件や就職後の展望を考えることなどが大切
- ニートから正社員になるコツは、「仕事に偏見をもたない」「変化を恐れず行動する」こと
- ニートが未経験から挑戦しやすい職種の例には、営業職やドライバーなどがある
ニートから正社員になりたいと考えているものの、「自分には無理かもしれない」「選考に受からないのでは…」と不安を抱える方もいるでしょう。職歴やスキルに不安があるニートの方も、若いうちに就職活動を始めることで就職できる可能性は十分にあります。
このコラムでは、ニートから正社員として就職する方法をまとめました。未経験から挑戦しやすい職種や業界も紹介しているので、就職活動を考えている方はぜひご覧ください。
自分に向いている仕事を
簡単に診断してみましょう
性格でわかる
私の適職診断
ニートからの正社員就職は無理じゃない!
結論からいうと、ニートから正社員を目指すことは可能です。「空白期間があると採用してもらえないかも…」と不安を感じるかもしれませんが、未経験OKや職歴不問の求人も多く存在しています。特に、年齢が若い求職者に対してはポテンシャルややる気を評価する会社もあるため、就職のチャンスは十分あるといえるでしょう。また、就職エージェントやハローワークといった就職支援サービスもあるため、一人で悩まずに専門家の力を借りながら就職活動を進めることも可能です。
ニートから正社員になる6つの方法
この項では、ニートから正社員になる方法を6つご紹介します。どの方法にもメリット・デメリットがあるので、自分に合う方法を試してみましょう。
ニートから正社員になる方法
- 就職・転職サイトで正社員求人を探す
- 就職・転職エージェントで正社員求人を紹介してもらう
- ハローワークのトライアル雇用を利用する
- 地域若者サポートステーションで就職支援を受ける
- アルバイトから正社員登用を目指す
- 派遣社員から正社員になる
1.就職・転職サイトで正社員求人を探す
できるだけ早くニートから正社員として就職したい方は、就職・転職サイトで求人を探すのも一つの手。運営会社によって掲載している求人は異なるので、複数の就職・転職サイトを利用して、幅広い情報を得るのがおすすめです。気になる正社員求人が見つかったら、エントリーボタンもしくは電話で応募しましょう。
メリット
就職・転職サイトを使用するメリットは、自分のペースで就活を進められる点です。パソコンやスマートフォンから簡単に利用できるので、場所や時間を選ばずに正社員求人を探せます。就職・転職サイトの会員登録は基本的に無料のため、経済的な負担なく利用できるのもメリットといえるでしょう。
デメリット
就職・転職サイトで仕事探しをするときは、Web履歴書の入力や選考日程の調整などを自身で行う必要があります。また、膨大な数の求人のなかから合うものを自分で選ばなければいけません。就職活動に慣れていない場合、自主性を求められる点にデメリットを感じることもあるでしょう。
ニートから正社員になる方法は、「ニートが就職するには?おすすめの職種や支援サービスをご紹介!」でもご紹介しています。
待遇や仕事内容などを確認しよう
就職・転職サイトで求人を探す場合は、待遇や仕事内容などが自分に合っているかよく確認しましょう。通えそうな勤務場所か、自分が働きやすい勤務時間かどうかもチェックすることが大切です。
求人情報でチェックすべきポイントについては、「求人情報の見方とは?確認しておきたいポイントを紹介!」のコラムもあわせてご覧ください。
2.就職・転職エージェントで正社員求人を紹介してもらう
ニートから正社員になるには、就職・転職エージェントの活用もおすすめです。就職・転職エージェントとは、キャリアアドバイザーによる求人紹介が受けられる、民間企業が提供している就職支援サービスのこと。選考対策を行っているエージェントもあるため、応募書類の作成や面接に自信がない方も安心して利用できます。
メリット
就職・転職エージェントでは、専任のキャリアアドバイザーが求職者と企業のマッチングを丁寧に行うため、自分に合った正社員求人を見つけやすいでしょう。企業に直接取材した求人を扱っているため、質の高い求人紹介が受けられるのも特徴です。また、キャリアアドバイザーが選考日程の調整や会社側との条件交渉を代行してくれるのもエージェントならではのサービスといえます。
デメリット
就職・転職サイトと同様、エージェントの対象者は会社によって異なります。正社員を目指すニートの方は、転職者向けや新卒者向けのエージェントを選ばないよう注意しましょう。
また、オンラインで対応するエージェントも増えているものの、面談のためにオフィスまで足を運ばなければいけない場合もあるようです。エージェントを選ぶ際は、対象者やサービスの内容が自分にマッチしているかをよく確認することが大切だといえるでしょう。
3.ハローワークのトライアル雇用を利用する
ハローワークのトライアル雇用を活用するのも、ニートから正社員になる方法の一つです。
厚生労働省の「トライアル雇用」によると、トライアル雇用とは「就業経験が少ない」「スキルがなくて不安」という方向けの雇用制度のこと。原則3ヶ月間、正社員就職を前提として試行雇用されるため、働きながら会社との相性や自分の適性を見極めることが可能です。トライアル期間終了後、求職者と会社の双方が合意すれば、正式に正社員として採用されます。
メリット
トライアル雇用は3ヶ月間の試行雇用期間が設けられているため、就業に不安のある方も仕事への適性をゆっくり見極められるのがメリットです。仮に正社員雇用に至らなかったとしても、職務経験が得られるのは大きな利点といえます。
デメリット
トライアル雇用を利用したからといって、必ず正社員採用されるわけではない点に注意が必要です。試行雇用後に不採用となれば、就職活動が長引く恐れがあるでしょう。また、地域によってはトライアル雇用の求人数が少ない場合もあるようです。幅広い選択肢のなかから選びたいニートの方にとってはデメリットといえるでしょう。
参照元
厚生労働省
雇用
インターン後に正社員を目指す方法もある
ニートの方は、インターン後に正社員を目指すのもおすすめです。インターンとは、自分が興味のある会社で一定期間実際に働ける制度のこと。会社の雰囲気を知れたり、経験やスキルを身につけられたりするので、いきなり正社員になるのが不安な方におすすめです。
インターンに申し込む方法としては、「企業の公式Webサイトから応募する」「ハローワークの窓口であっせんしてもらう」などが挙げられます。インターンの概要や申し込み方法については、「インターンシップとは?参加のメリットや目的を解説!社会人は参加できる?」をご覧ください。
4.地域若者サポートステーションで就職支援を受ける
ニートから正社員を目指す場合、地域若者サポートステーションを利用する手もあります。地域若者サポートステーションとは、働くことへの悩みを抱える若年層(基本的に15~49歳が対象)のための就職支援を行う公的機関のことです。厚生労働省の「地域若者サポートステーション」によると、現時点で全国177ヶ所に設置されています。
メリット
地域若者サポートステーションではキャリアコンサルタントから専門的なアドバイスを受けられたり、協力企業への就労体験ができたりします。「コミュニケーション講座」や「ビジネスマナー講座」といった就活に役立つセミナーも開催されているので、就職に向けて自信をつけたいニートの方におすすめです。
デメリット
地域若者サポートステーションでは、利用者に求人を紹介するサービスは行われていません。そのため、正社員就職を叶えるためには自主的に求人を探して応募する姿勢が必要となります。就職・転職サイトやエージェントといったほかのサービスと併用するのが望ましいでしょう。
地域若者サポートステーションについて詳しく知りたい方は、「サポステとは?就職支援サービスの内容や利用方法を解説」のコラムをご覧ください。
参照元
厚生労働省
人材開発
ジョブカフェで求人を探してみるのもおすすめ
ジョブカフェとは、各都道府県が主体的に設置する、若者の就職支援をワンストップで行う施設です。正式名称は「若年者のためのワンストップサービスセンター」で、現在46の都道府県に設置されています。
ジョブカフェでは求人探しや就労体験、就職相談といった就職活動に関わるさまざまなサービスを1ヶ所で受けられるのがメリットです。また、「カフェ」と名が付いているとおり、気軽な気持ちで立ち寄れるため、就職活動に不慣れなニートの方にとって心強いサービスといえるでしょう。
ただし、ジョブカフェは原則として15~34歳までを対象としているので、年齢によっては利用対象外となる場合があります。
5.アルバイトから正社員登用を目指す
「ニートからいきなり正社員になるのが不安」という方は、アルバイト先でて正社員登用を狙うのがおすすめです。正社員登用制度があるアルバイトに応募すれば、一定期間働いたのちに有期雇用から正社員雇用(無期雇用)に切り替えてもらえる可能性があります。
メリット
アルバイトは業務の責任範囲が正社員より狭いほか、シフトの融通が利きやすいため、無理なく正社員として働く準備ができるでしょう。アルバイトで職務経験や成功体験を積めば、自信をもって正社員として働くための土台になります。また、正社員として入社する前に、自分の適性が合っている仕事かどうかを確認することもできるでしょう。
デメリット
正社員登用制度が設けられていても、アルバイト全員が正社員になれるわけではありません。
厚生労働省の「労働経済動向調査(令和7年2月)の概況 Ⅳ 結果の概要(p.14)」によると、正社員登用制度を導入している会社であっても、登用実績は44%に留まっています。
ニートから確実に正社員になりたい場合は、アルバイト先の登用実績を確認したり、並行して就活を行ったりするのが望ましいでしょう。
参照元
厚生労働省
労働経済動向調査(令和7年2月)の概況
「無期転換ルール」の活用もおすすめ
「雇用形態に関係なくできるだけ長く働きたい」というニートの方は、「無期転換ルール」を利用するのもおすすめです。厚生労働省の「無期転換ルールについて」によると、無期転換ルールとは、同一の雇用者との間に結ばれた有期労働契約が5年を超えて更新された場合に、被雇用者からの申し出によって無期労働契約に転換できる仕組みのこと。アルバイトに挑戦して同じ職場で5年以上働き続ける可能性がある場合は、無期転換ルールの活用を検討してみましょう。
ただし、雇用契約期間が有期から無期に変わるだけで、雇用形態が正社員になるわけではない点に注意が必要です。無期転換ルールについては、「契約社員の雇用期間は?無期雇用のルールや正社員との違いを解説」のコラムも参考にしてみてください。
参照元
厚生労働省
無期転換ルールについて
6.派遣社員から正社員になる
派遣社員から正社員を目指す方法も、ニートの方におすすめです。単発・短期の派遣社員から始め、働くことに慣れたら正社員就職にステップアップする方法も検討してみてください。「紹介予定派遣」であれば、派遣先の企業で一定期間働いたのちに正社員を目指すことも可能です。
メリット
派遣社員として働くなかで得た職務経験や成功体験は、正社員として就職する際に大きなアピールポイントとなります。また、紹介予定派遣の場合は、派遣期間中に働きながら企業との相性をチェックできるので、ミスマッチも起こりにくい傾向があります。
デメリット
紹介予定派遣の制度を利用したとしても、派遣先で必ず正社員として働けるわけではありません。紹介予定派遣は派遣先企業との「直接雇用」が条件で、雇用形態に関しては決まりがないためです。企業によっては、正社員ではなく契約社員として直接雇用が成立することも。確実に正社員になりたい方は、アルバイトと同じく、派遣社員として働きながら就活を行うのが効果的といえます。
期間工から正社員になる選択肢も
期間工とは、メーカーの工場で一定期間働く契約社員のことです。期間工は一般的なアルバイトよりも給与が高く、寮が完備されていることもあるため、生活に困ることは少ないでしょう。期間工を募集する企業は規模が大きい傾向があるため、憧れのメーカーで働く経験を得られる可能性もあります。
ただし、期間工は雇用元が有名企業であったり好待遇であったりすることから、募集枠がすぐに埋まってしまうことも。また、期間工の勤務地となる工場は臨海部や特定の地域に集中している傾向があるので、「通勤に車が必要だけど免許を持っていない」「実家から離れて一人暮らしする自信がない」という場合は不都合が生じる恐れがあるでしょう。
期間工については、「期間工とは?向いている人の特徴や働くメリット・デメリットを紹介」のコラムでまとめているので、参考にしてみてください。
ニートから正社員就職が可能な5つの理由
冒頭でお伝えしたとおり、ニートから正社員になることは可能です。ただし、ニート期間が長引くほど正社員就職は難しくなる傾向にあるため、早めに行動を起こしましょう。
この項では、ニートからの正社員就職が無理ではない理由を解説しているので、就職を前向きに考えるための参考にしてみてください。
1.実際にニートから正社員になった人が存在しているから
労働政策研究・研修機構の「資料シリーズ No.217 若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状③―平成29年版『就業構造基本調査』より―」によると、2016年時点での「1年前にニートだった正社員就職者」の年齢階層ごとの割合は以下のとおりです。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
15~19歳 | 16.1% | 16.4% |
20~24歳 | 20.6% | 22.7% |
25~29歳 | 22.0% | 18.3% |
30~34歳 | 12.5% | 10.7% |
35~39歳 | 9.8% | 8.4% |
参照:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「図表3-18 1年前「無業・非家事非通学・無配偶で卒業者」(非求職無業+求職者)であった者の現状(p.23)」
上記の表を見ると、ニートからの正社員就職を成功させている人が一定数存在することが分かるでしょう。ただし、ニートやフリーターから正社員になった人の割合は、男性・女性ともに20代が最も高くなっています。年齢を重ねるごとに数値は下がっていく傾向にあるため、20代のうちに行動を起こすのが望ましいでしょう。
参照元
独立行政法人 労働政策研究・研修機構
トップページ
2.卒業後3年以内なら新卒枠で就活できる可能性があるから
卒業後3年以内のニートの方は、新卒として扱ってもらえる場合があります。厚生労働省の「青少年雇用対策基本方針(p.13~14)」には、以下のように記載されています。
学校卒業見込者の採用枠について、既卒者が学校等を卒業後少なくとも3年間は応募できるものとすること、できる限り年齢の上限を設けないようにすること等を定めたところである。この指針を活用し、事業主への周知啓発、指導を着実に実施することにより、学校等を卒業後の一定期間は『新卒』扱いとする、通年採用を拡大するなど、既卒者が正規雇用に応募する機会を広げる取組を促す必要がある
学校卒業後に正社員就職せずニートとして生活していた方にも、新卒として採用されるチャンスがあるといえるでしょう。
ただし、上記の内容は義務ではないため、企業によっては卒業後3年以内の既卒者を新卒とみなさないことも。求人情報をしっかりと確認し、応募できるかどうか確かめる必要があります。新卒や既卒の定義は、「新卒の定義とは?既卒・第二新卒との違いや就職活動についても解説」で解説しているので、参考にしてみてください。
参照元
厚生労働省
青少年雇用対策基本方針を策定しました
新卒就職の経験があれば第二新卒として採用される場合もある
新卒として就業経験があるニートの方は、「第二新卒」の枠で採用されるチャンスもあります。第二新卒とは、高校や大学、専門学校などを卒業後、新卒入社した企業からおよそ3年以内に転職を検討する若年層のこと。若さと社会人としての基礎が身についている点が強みです。
詳しくは、「第二新卒とは?高卒も入る?転職するメリットと成功させる秘訣を紹介」のコラムをご覧ください。
3.人材不足の影響で未経験者や若年層の採用が拡大しているから
近年は少子高齢化の影響で人材不足の傾向にあるため、ニートから正社員になるチャンスは十分にあります。
厚生労働省の「令和元年版 労働経済の分析 第2ー(1)-12図人手不足の緩和に向けた取組状況の概況(p.102)」によると、統計をとった企業の80%以上が、人手不足の緩和に向けて対策を講じているようです。具体的には、賃金の引き上げや応募条件の緩和、非正規社員の正社員登用といった対策が挙げられています。人手不足の業界では、人材確保のために応募しやすい条件の求人を出している企業も多く、ニートの方も正社員として採用される可能性があるでしょう。
また、厚生労働省の「将来推計人口(令和5年推計)の概要(p.1)」によると、2070年には日本の労働人口(15~64歳人口)は、2020年時点の約7,500万人から約4,500万人にまで減少すると予想されています。労働人口の減少を受け、若手人材の需要はますます高まっていくでしょう。
人手不足の傾向にある業界の例
ここでは、事業所における欠員を補充するための未充足求人の割合をもとに、人手不足の傾向にある業界を紹介します。
厚生労働省の「労働経済動向調査(令和7年2月)の概況」によると、2025年2月1日時点での未充足求人がある事業所の割合は、60%にものぼる結果となりました。また、未充足求人がある事業所の割合が高い業界は以下のとおりです。
業界名 | 未充足求人がある事業所の割合 |
---|---|
医療、福祉 | 70% |
宿泊業,飲食サービス業 | 70% |
サービス業(他に分類されな いもの) | 65% |
運輸業,郵便業 | 63% |
参照:厚生労働省「労働経済動向調査(令和7年2月)の概況(p.9)」
特に人手不足に悩んでいる業界は医療、福祉やサービス業など。これらの業界では採用活動が活発化しており、ニートから正社員就職を目指しやすいと考えられます。
参照元
厚生労働省
令和元年版 労働経済の分析 -人手不足の下での「働き方」をめぐる課題について-
第3回社会保障審議会年金部会
労働経済動向調査(令和7年2月)の概況
4.若者はポテンシャル採用の可能性があるから
年齢が若い方の場合、ポテンシャル採用のチャンスがあります。厚生労働省の「令和5年若年者雇用実態調査の概況 2若年労働者の採用状況」によると、事業者が15歳から34歳の若年者の選考(中途採用)で重視している点は以下のとおりです。特に割合の高い上位5つを抽出したので、確認していきましょう。
若年正社員の採用選考にあたり重視した点 | 事業所割合 |
---|---|
職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神 | 72.7% |
コミュニケーション能力 | 66.9% |
マナー・社会常識 | 58.1% |
組織への適応性 | 51.8% |
業務に役立つ職業経験・訓練経験 | 42.3% |
参照:厚生労働省「表4 採用区分、若年正社員の採用選考の有無及び採用選考にあたり重視した点別事業所割合」
この結果から、若年者の選考では経歴やスキルよりも、仕事への意欲や社会人としてのマナーを重視されやすいことが分かります。「ニート歴があって採用される自信がない…」という場合も、上記の要素をアピールできれば、正社員として就職できる可能性は十分にあるでしょう。
ただし、なかには資格職や専門職など、学歴や経歴が重視される求人もあります。このコラムの「ニートから正社員就職を目指しやすいおすすめの業界」を参考に、ニートから挑戦しすい業界や職種に絞って応募するのがおすすめです。
参照元
厚生労働省
令和5年若年者雇用実態調査の概況
ニートから正社員になりたい方は早めに行動を起こそう
ニートから正社員になりたい方は、なるべく早いうちに行動を起こしましょう。仕事への意欲やコミュニケーション能力、マナーが評価されやすいのは、30代前半までの傾向にあるようです。
30代後半からは、実務経験や保有スキルが問われやすい場合があります。選べる求人の選択肢が狭まる恐れもあるため、20代の若いうちに就職活動を開始するのがおすすめです。
ニートから正社員になる方法は、このコラムの「ニートから正社員になる6つの方法」で紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
ハタラクティブキャリアアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
5.好景気の時代と比べても有効求人倍率に大差がないから
好景気の時代と比べて有効求人倍率に大差がないことも、ニートから正社員就職が可能な理由の一つです。好景気とは、経済が活発に動き企業の業績が良く、人々の収入や雇用が増えている状態のことを指します。日本では1986年から1991年が好景気で、この期間は「バブル景気」といわれていました。
厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和7年2月分)について」によると、バブル景気の期間に最も有効求人倍率が高かったのは、1990年で1.43倍です。一方、2024年度の有効求人倍率は1.29倍、前年度の2023年も1.31倍となっており、バブル景気中の倍率と比べても大きな差がないことが分かります。そのため、現在ニートの方が仕事を探し始めたとしても、「昔より不景気だから」という理由で就職活動が困難になることはないといえるでしょう。
参照元
厚生労働省
一般職業紹介状況(令和7年2月分)について
正社員就職せずニートを続ける3つのリスク
ニートを長く続けていると、収入や社会的信用の面でリスクが生じやすくなります。いざニートを脱却しようと思っても、年齢を重ねてからだと就職しにくい可能性もあるでしょう。ここでは、「収入」「社会的信用」「就職の難易度」の観点から、ニートを続けるリスクを解説します。
1.ニートのままだと収入が安定しない
ニートを続けるデメリットの一つは、収入が安定しない点です。現在は家族に養ってもらって生活しているという場合も、家族が定年退職したり介護が必要になったりすると、収入や生活面が不安定になる恐れがあるでしょう。
また、仮にフリーターとして働き始めたとしても、正社員ほど安定した収入には期待できないといえます。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」によると、正社員と正社員以外の平均賃金は以下のとおりです。
年齢階級 | 正社員の平均賃金 | 正社員以外の平均賃金 |
---|---|---|
20~24歳 | 23万7,000円 | 19万7,300円 |
25~29歳 | 27万2,800円 | 21万9,600円 |
30~34歳 | 30万8,500円 | 22万1,900円 |
35~39歳 | 34万300円 | 22万1,600円 |
40~44歳 | 36万6,800円 | 22万2,600円 |
45~49歳 | 39万500円 | 22万7,900円 |
参照:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況 第6-1表 雇用形態、性、年齢階級別賃金、対前年増減率及び雇用形態間賃金格差」
上記のデータから、年齢を重ねるにつれて正社員と正社員以外の賃金差は大きく広がっていくことが分かります。フリーターを含む正社員以外の平均賃金は昇給率が正社員ほど広くなく、昇進の機会も限られるため、収入が上がりにくいようです。安定した収入を望むニートの方は、早めに正社員を目指すのが望ましいといえるでしょう。
参照元
厚生労働省
令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況
2.ニートを続けていると社会的信用を得にくい
ニートのままだと安定した収入や社会的地位がない状態のため、社会的信用を得にくいというリスクも生じます。社会的信用が低いと、クレジットカードの審査を通過できなかったり、ローンを利用できなかったりする場合もあるようです。将来的に住宅や車などの大きな買い物を考えている方は、安定した収入や地位を証明できる正社員を目指すのがおすすめといえるでしょう。
3.ニート期間が長くなると就職が次第に難しくなる
ニート期間が長くなると、就職活動の難易度が上がっていく傾向にあります。年齢が上がるにつれて、意欲や柔軟性よりも、経験やスキルといった即戦力としての能力を求められるようになるためです。
「4.若者はポテンシャル採用の可能性があるから」で解説したように、ポテンシャルを評価されやすい20代のうちであれば、経歴よりも仕事への意欲や将来性をアピール材料にできます。なるべく豊富な選択肢から自分に合った仕事を選ぶためにも、早めに行動を起こすのが望ましいでしょう。
ニートを続けるリスクをより詳しく知りたい方には、「ニートとひきこもりの違いは?このままだとどうなる?末路や脱出方法を紹介」のコラムもおすすめです。また、「28歳ニートが職歴なしから正社員になれる?就職を成功させるコツを紹介!」のコラムでは正社員になるメリットについて触れています。正社員の魅力を知ることで、就職の意欲が湧いてくる可能性もあるでしょう。
ニートから正社員就職を実現した方の体験談
ここでは、実際にニートから正社員として就職した方の体験談をご紹介します。
卒業後に無職…自分を変えるための就活で正社員に!
ブライダル関係への就職を目指し、短大在学中に教会の花屋でアルバイトをしていたものの、ストレスから退職したEさん(21歳)。卒業後は1ヶ月半ほど何もしていない時期が続いていましたが、意識を変えるために上京を決意し、就職活動をスタートしました。
「教会の花屋のアルバイトは人や仕事内容も良く、体力的にも問題ありませんでした。ただ、勤務地が自宅から2時間くらいかかるうえに、収入的に一人暮らしもできず、精神的にきついと感じていました。店長に相談して移動させてもらえたものの、最初の配属先と違った仕事のやり方に慣れるのが大変でストレスを感じてしまい、1ヶ月のお休みをもらってから退職しました。その後は実家で何もせずに過ごしていた時期が1ヶ月半くらい続いたのですが、このままではいけないと思い、東京に行って意識を変えようと決意しました。
未経験者で安定して働けることを重視して探した結果、ハタラクティブが合っていると思い、すぐに登録しました。アドバイザーさんが就職に対する不安を1つ1つ解消してくれたおかげで、サクサクと就職先が決まりました。私と同じように現状を変えたいという意識がある方は、一度足を運んで話を聞いてもらうことが大切だと思います」
卒業直前で内定取り消しから正社員に就職!
大学在学中に事務職の内定をもらったものの、卒業直前に取り消されてしまったM・Tさん(22歳)。内定取り消しのショックでしばらくは何も手につかない状態が続いていましたが、「このままではいけない」と就活を再スタートし、就職を実現しました。
「卒業直前で内定を取り消されて、しばらくは何も手につかなかったのですが、奨学金を返済しないといけないし、いつまでもニートでいる言い訳をしたくなかったので、また就職活動を始めました。ただ『事務職』と名がつく求人を探していた在学中とはやり方を変え、先輩から紹介されたハタラクティブに登録しました。
今まで自信をなくしていたのですが、アドバイザーさんが『几帳面で周囲をよく見ているので事務職に向いている』『困難があっても自力で立ち直れる』などの強みを見出してくださり、前向きな気持ちで就職活動ができました。現在は一般事務として周囲からも頼りにされて、毎日が楽しく充実しています」
ハタラクティブの「みんなの就職エピソード」では、さまざまな経歴や学歴の方が正社員として就職した体験談を紹介しています。「自分の経歴で就職できる?」と不安を感じている方は、ぜひご自分の経歴に近いエピソードを探してみてください。
ニートから正社員を目指す際にしておきたい9個の準備
ここでは、ニートから正社員を目指す際にしておきたい準備についてご紹介します。いきなり就活を始めることにハードルを感じる場合は、以下の行動から始めてみましょう。
1.自己分析をする
ニートの方が正社員を目指して就活を始める前に、自分の強みや価値観を把握するための自己分析をしてみましょう。自己分析をすることで、自分の得意分野や向いている仕事がイメージしやすくなります。また、自己PRや志望動機の内容を考える際にも役立つでしょう。
自己分析のやり方は、「自己分析とは?実施のメリットと就活や転職活動での必要性を解説」で触れているので、ぜひ参考にしてみてください。
自己分析が苦手な方には「他己分析」がおすすめ
自己分析が苦手な方は、家族や友人に「他己分析」をしてもらうと効果的でしょう。第三者から客観的に分析してもらうことで、自分では気づかなかった強みが見つかる可能性があります。
身近に相談できる人がいない場合は、ハローワークや就職・転職エージェントを利用するのもおすすめです。
「ニート向けの就労支援機関は?引きこもりから就職する方法を解説!」では、ニートの方がサポートを受けられる就職支援サービスを紹介しているので、チェックしてみてください。
2.仕事選びをするうえで譲れない点を明確にしておく
就職活動を始める前に、仕事選びをするうえで求めるものや譲れない点を明確にしておくことも大切です。仕事に求める条件が多過ぎると、求人探しが難航する恐れがあります。「譲れない点」を明らかにしておくことで、就活の軸が定まり、自分に合う仕事を探しやすくなるでしょう。
「仕事に対する条件が決められない」という方は、仕事内容・社風・給与・福利厚生・勤務時間・立地といった基本的な項目に、優先順位を付けてみてください。自分の希望を大まかに把握するのに役立つでしょう。
3.就職後の展望を考える
ニートから正社員を目指す方は、就職後の働き方やキャリアプランといった将来の展望を固めておきましょう。内定を得ることが就職の目的になっていると、入社後にモチベーションを保てなかったりミスマッチが生じたりして、早期離職につながる恐れがあります。「入社後に何をしたいか」「将来どうなっていたいか」など、正社員になったあとの目標を具体的に考えましょう。
汎用性の高い資格を取得するのもおすすめ
正社員を目指すニートの方は、業務に役立つ資格を取得して就職のチャンスを広げるのも手です。ただし、勉強に時間を掛け過ぎてしまうと空白期間が長引き、「若さ」という貴重な武器を失いかねません。希望する会社や職種に資格が必須でない場合は、資格の勉強よりも就活に専念するのがおすすめです。どうしても資格を取りたい場合は、期間を決めて勉強しましょう。
4.未経験歓迎や経歴不問の求人を中心に選ぶ
正社員を目指すニートの方は、「未経験歓迎」や「経歴不問」と掲げている求人を中心に選ぶようにするのがおすすめです。このような条件を提示している会社は、入社後に人材を育成することを前提にしているため、教育制度が整っている傾向にあります。入社後にスキルを身に付けながら成長していける環境は、ニートの方にとってメリットが大きいといえるでしょう。
未経験から挑戦できる仕事は、このコラムの「ニートから正社員就職を目指しやすいおすすめの職種」で紹介しているので、あわせてご参照ください。
5.大手企業や有名な会社にこだわらない
ニートから正社員を目指す場合は、大手企業や有名な会社にこだわり過ぎないようにしましょう。大手企業や有名会社は人気が高く、有名大学出身の新卒者や、実績を兼ね備えた転職希望者などがライバルになるため、就職の難易度が上がります。
知名度が低くても労働環境が整っている優良企業はあるので、なるべく視野を広げて求人を探してみてください。どうしても大手企業や有名な会社に入りたい場合は、別の会社で経験を積んでから再度挑戦する手もあります。
6.ブラック企業の特徴を把握しておく
「ブラック企業に入社しないか心配…」というニートの方は、ブラック企業の特徴を事前に把握しておくのもおすすめです。ブラック企業に明確な定義はないものの、一般的には以下のような特徴が見られます。
- ・過度に残業時間が長い
- ・給与が極端に高過ぎる
- ・離職率が高い
上記に当てはまるすべての企業がブラックであるとは限らないものの、離職率が高い企業や給与が極端に高過ぎる求人には注意が必要です。ブラック企業に就職してしまうと、心身へのストレス増加やモチベーションの低下といった事態を招く恐れがあります。入社してから後悔しないためにも、求人票や四季報などを見るときは、上記のポイントを意識してみてください。
ブラック企業の特徴は、「ブラック企業かも…面接を受けるべき?特徴や質問例を把握して不安を解消!」のコラムでも解説しています。
7.人と話すことに慣れる
人と会話することに慣れるのも、ニートから正社員になる準備の一つです。面接ではスムーズな受け答えや円滑な会話が求められるため、事前に練習しておきましょう。「人と話すのが苦手」という方は、家族や友人など身近な人と話す機会を増やし、ハキハキと声を出したり表情筋を動かしたりしながら、少しずつコミュニケーションに慣れる方法がおすすめです。
コミュニケーション力=話し上手ではない
ビジネスの場で求められるコミュニケーション力は、相手を笑わせたり、大勢の前で話したりする能力だけを指すわけではありません。大切なのは、相手の質問に対して適切に答えたり、分かりやすく物事を伝えたりすることです。
コミュニケーションに苦手意識がある方は、「まずは相手の質問に答えること」「分かりやすく伝えること」を日頃から意識して、少しずつ自信をつけていきましょう。
生活リズムや身だしなみを整えることも大切
ニートから正社員を目指すにあたって、生活リズムや身だしなみを整えておくことも大切です。ニート生活のなかで昼夜が逆転したり不規則な生活になったりしていた場合は、就職後に規則正しく起きて眠れるよう生活リズムを整えましょう。また、清潔感のある身だしなみは、社会人としてのマナーです。外見による第一印象が選考に影響を与える場合もあるので、髪型を整えたり髭を剃ったりするなど、清潔感のある身だしなみを心掛けてみましょう。
就活に備えて身だしなみを整える方法は、「正社員の面接の服装はどうすれば良い?男女ごとに詳しく解説!」で詳しくまとめているので、参考にしてみてください。
8.空白期間の伝え方を考える
ニートから正社員を目指す際には、これまでの空白期間についてどう伝えるかを事前にしっかり考えておくことがとても大切です。企業側は、これまで働いていなかった理由や、その期間に何をしていたのかを知りたいと考えるため、質問されたときに落ち着いて答えられるように準備しておく必要があります。
ポイントは、空白を「ただ何もしていなかった」と見せるのではなく、自分なりに前向きな姿勢を持っていたことを伝えることです。たとえば、「生活を立て直すために考える時間が必要だった」「やりたい仕事をするために資格の勉強をしていた」など、自分の状況を前向きに説明することが大切です。
9.面接でよく聞かれる質問を対策する
面接に備えて、面接官からよく聞かれる質問への回答を用意しておきましょう。特に、「ニートになった理由」や「ニート期間中の過ごし方」などは、聞かれる可能性が高い質問です。嘘をつくのは避け、「自分に合う仕事が見つかるまで妥協したくなかった」「やりたいことを見つけるため、定期的にセミナーへ参加していた」のように、前向きな回答を心掛けましょう。
「空白期間を聞かれても答えられない…」とお悩みのニートの方向けに、「ニートの面接対策を解説!空白期間の答え方や自己紹介の例文を紹介」のコラムで面接対策の解説をしているので、こちらも併せて参考にしてみてください。
ニートから正社員就職を目指しやすいおすすめの業界
この項では、有効求人倍率をもとに、ニートから正社員就職を目指す際に「仕事を見つけやすい業界」を解説します。有効求人倍率とは、「求職者一人に対してどれくらいの求人があるか」を表す指標です。有効求人倍率の数値が高いほど、求職者の需要が高いといえます。
以下は、厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和7年2月分)について」を参考に、有効求人倍率が比較的高い業界をまとめたものです。
ニートの状態から正社員就職を目指しやすい業界にはどのような特徴がありますか?
育成重視の業界なら未経験でも安心してスタートしやすいですよ
ニート状態から正社員就職を目指すなら、まずは未経験者を育成する体制が整った業界に注目しましょう。未経験でも働きやすいよう、入社後1ヶ月〜3ヶ月は研修期間やOJT(職場内訓練)がある、教育係がしっかり相談に乗ってくれるといった環境が整っていることが多いです。
具体的には「実務経験よりも将来の成長ポテンシャルや熱意を重視する」業界が、ニートでも正社員を目指しやすいでしょう。販売、サービス、介護・福祉、物流などの分野は、充実した研修制度やOJTを活用して、新たな人材を積極的に迎え入れているようです。
これらの業界では、短期間で即戦力を求められるのではなく、コツコツとスキルを磨く環境が整っており、過去の職歴がなくても再スタート可能です。自分の興味や向いている分野を見極め、企業の育成方針や働き方をしっかりチェックすることで、無理なく着実なキャリアアップを実現できるでしょう。
業界 | 有効求人倍率(倍) |
---|---|
建設・採掘 | 5.84 |
サービス職業 | 2.63 |
輸送・機械運転 | 2.45 |
販売 | 2.29 |
参照:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年2月分)について」
上記の表から、建設業界やサービス業、運輸業などの数値が高いことが分かります。以下でそれぞれの業界の特徴を解説するので、参考にしてみてください。
建設業界
住居や施設の建設、土地開発などを行う建設業界は市場規模が大きく、今後も需要が見込まれる業界です。現在は需要に対して人手が不足している傾向にあるため、経歴の有無を問わず若い人材を積極的に採用する企業も少なくないといえます。
「ものづくりに興味がある」「専門技術を身に付けたい」と考えるニートの方は、建設業界の仕事を視野に入れてみてください。「建設業界の仕事」のコラムでは、建設業界の主な職種を紹介しています。
サービス業界
サービス業界とは、形のある品物ではなく、目に見えない「サービス」を提供する業界のこと。幅広い業種を包括した業界名のため、事業の種類によって「生活関連サービス業」「技術サービス業」のようにさらに細かく分類される場合もあるようです。
サービス業の職種は多岐に渡るため、自分に合うものがないか、チェックしてみましょう。詳しくは、「サービス業とは?具体的な仕事例や接客業との違いについて解説!」のコラムをご覧ください。
運輸業界
運輸業界とは、鉄道や自動車、船などを操縦して人や物を運ぶ事業を行う業界のことです。運輸業界の代表的な職種は、鉄道の運転士やトラックドライバーなど。特に、トラックドライバーは物量に対して人手不足が続いている影響で「未経験者歓迎」の求人も見受けられます。
運輸業界の特徴や現状については、「運輸業界の仕事」で解説しているので、あわせてご一読ください。
小売業界
小売業界は、仕入れた商品を消費者に向けて販売する事業を行う業界のことです。具体例としては、スーパーマーケットやコンビニ、家電量販店などの業態が挙げられます。未経験から小売業界に挑戦する場合、特別なスキルを求められない販売スタッフから始めるのがおすすめ。スキルを積んでから店長やバイヤーなどにキャリアアップするプランが考えられます。
小売業界の仕事に興味があるニートの方は、「小売業界の仕事」のコラムもチェックしてみてください。
参照元
厚生労働省
一般職業紹介状況(令和7年2月分)について
ニートから正社員就職を目指しやすいおすすめの職種
ここでは、ニートから挑戦しやすい職種の例を7つご紹介します。基本的には自分のやりたい仕事をするのがおすすめですが、仕事探しに迷っている方はぜひチェックしてみてください。
ニートの状態から目指しやすい職種にはどのような特徴がありますか?
未経験者歓迎の仕事や人手不足の業界は目指しやすい
未経験者歓迎の仕事は特別なスキルや経験がなくても応募しやすく、研修制度が整っている場合が多いため、安心して働き始められます。たとえば、事務職やカスタマーサポートなどのオフィスワークは、基本的なパソコンスキルがあれば始めやすく、体力的な負担も少ないため人気です。
人手不足の業界も就職しやすい傾向にあります。たとえば、介護・福祉やIT関連は人材ニーズ高く、未経験から挑戦しやすい業界といえるでしょう。
また、ルーティンワーク中心の仕事もおすすめです。工場作業員や清掃員、警備員などは決まった作業が多く、マニュアル通りに進められるため、初めての方も取り組みやすいといえます。
こうした職種・業界で働きながらスキルを身につけることで、着実にキャリアアップを目指せます。
まずは働く自信をつけることが大切であり、自分の関心や得意分野に合った仕事を見つけることが「就職成功」に近づくポイントです。
1.営業職
営業職は経歴不問の求人が多い傾向にあるため、ニートの方が正社員就職を目指しやすいでしょう。ビジネスマナーや商材の知識は入社後に研修で教えてもらえる場合が多いため、初めて正社員になる方もスキルを身につけやすい仕事といえます。
営業職で身につけられるコミュニケーション力や企画力といったビジネススキルは、将来的に転職する際にも強力な武器となるでしょう。営業職はどの業界においても必要とされる職種で、将来のキャリアアップも望めるため、ぜひ選択肢に入れてみてください。
2.販売・サービス業
販売・サービス業は専門的なスキルが求められないことから未経験者も挑戦しやすく、ニートから正社員になれるチャンスがあるでしょう。ホテルの受付やアミューズメント施設での案内、ショップ店員など、さまざまな就職先があるので、自分の好きな分野で活躍できます。
販売職の場合は店長候補の求人もあるため、未経験から着実にキャリアを積んでいきたい方にもおすすめです。お客さまから直接感謝の言葉を聞けることが、働くうえでのやりがいにつながる場合もあるでしょう。
正社員
店舗運営スタッフ
年収 324万円 ~ 454万円
-
大手企業,未経験OK,学歴不問,安定的な仕事,昇給あり,諸手当あり
3.ITエンジニア
ITエンジニアは、IT技術の急速な発展により人手不足の傾向にあります。未経験者の採用と教育制度に力を入れている会社もあるので、熱意次第でニートからITエンジニアの正社員として採用されるチャンスがあるでしょう。
ただし、基礎知識が身についているほうが選考で有利になる場合もあるので、プログラミング講座や学習アプリを活用して事前に学習しておくのもおすすめです。
4.ドライバー
「運輸業界」で前述したように、物流の需要拡大に伴い人手不足に陥っている運送業界では、ドライバーの採用を積極的に行っている傾向にあります。免許取得の支援制度が整っている会社もあるので、未経験者やペーパードライバーのニートの方も挑戦しやすい職種です。
業務中は運転している時間が多いので、一人で黙々と仕事に集中したい方に向いているといえます。人とコミュニケーションを取りたい方には、宅配ドライバーやタクシードライバーがおすすめです。
正社員
タクシー乗務員
年収 245万円 ~ 311万円
-
未経験OK,諸手当あり
5.工場内の作業員
専門的なスキルを必要としない工場内作業員も、ニートの方が正社員就職を目指しやすい職種といえます。工場の仕事はマニュアル化されている傾向にあるため、未経験者も基礎から段階を踏んで業務を覚えていけるのがメリットです。
また、人と話す機会が少ないので、コミュニケーションを取るのが苦手な方も働きやすいでしょう。現場で経験を積めば、ゆくゆくは管理者にキャリアアップできる可能性もあります。
正社員
製造職
年収 343万円 ~ 437万円
-
未経験OK,残業少なめ,賞与あり,学歴不問,昇給あり,諸手当あり
6.警備員
警備員は年齢・経験不問の求人が多く、入社時点で特別なスキルや知識を求められにくいため、ニートからの正社員就職を目指しやすいでしょう。
警備員の仕事に「立ち仕事で辛そう」「夏や冬の現場は大変そう」といったイメージをもつ方もなかにはいますが、勤める企業によって業務内容は異なります。たとえば、オフィスビルの警備はモニター監視や入館受付など、室内で業務を行うのが一般的です。ほかにも、商業施設や工事現場など、活躍の場や業務内容は多岐にわたります。求人票の仕事内容などをよく確認し、自分に合った業務内容を選ぶのがおすすめです。
正社員
常駐セキュリティスタッフ職
年収 301万円 ~ 466万円
-
大手企業,未経験OK,賞与あり,学歴不問,安定的な仕事,昇給あり,諸手当あり
7.清掃業
清掃業は、主にオフィスビルや学校、病院などの施設の清掃を行う仕事です。就業するにあたって学歴や経歴を問われないため、ニートの方も就職を目指しやすい可能性があります。
勤務時間は早朝や夜勤などもあるため、自分に合った時間で働けるでしょう。一人で作業をすることが多いため、黙々と集中して仕事をこなすのが得意な方におすすめです。
正社員
作業員
年収 370万円 ~ 571万円
-
未経験OK,残業少なめ,賞与あり,学歴不問,昇給あり,諸手当あり
ニートの方が「正社員の選考に受からない」と悩むときの確認事項
正社員の選考に受からない場合は、仕事に対するネガティブな偏見が強かったり、自信がなかったりすることが原因の可能性があります。正社員の選考に受からないときの確認事項を紹介するので、チェックしてみてください。
「正社員の選考に受からない」と悩むときの確認事項
- 仕事に対するネガティブな偏見がないか
- 他責思考になっていないか
- 自信のなさが態度に表れていないか
- 積極的に行動しているか
- 変化を恐れていないか
1.仕事に対するネガティブな偏見がないか
仕事に対して「営業職はノルマが厳しいから嫌」「世の中はブラック企業ばかりだ」といったネガティブなイメージをもっていると、就職に対する意欲が湧かず、採用が遠のいてしまう恐れがあります。働きやすいよう職場環境や待遇を整えている企業を選べば、前向きに働ける可能性は十分にあるため、前向きな気持ちで就活に取り組んでみましょう。
2.他責思考になっていないか
他責思考が採用担当者に伝わってしまうと、「仕事でミスをしても人のせいにするのではないか」と思われる恐れがあります。すべてを自責思考で捉える必要はありませんが、冷静に物事を見つめ、自分の落ち度や改善点はないかを振り返ることも重要です。
「就職できなかったのは誰かのせい」「早期退職したのは企業が悪かったから」のように考えるのではなく、反省を踏まえて前向きに考える姿勢を意識してみてください。
3.自信のなさが態度に表れていないか
正社員の選考がなかなか上手くいかない場合は、「選考で自信のない態度をとっていないか」「堂々と受け答えできているか」を確認してみましょう。過去の失敗を引きずったりニート期間をマイナスに捉えたりしていると、発言がネガティブになりやすく、企業側に好印象を与えられません。
ニートの方を採用している企業の多くは、今後の活躍に期待を寄せています。自分自身の良いところを見つめ直し、胸を張って就職活動に取り組むことが大切です。
自分に自信がなくて就活が上手くいかない場合は、「働く自信がないときの対処法!相談先はどこが良い?ニートも卒業できる?」のコラムもお役立てください。
4.積極的に行動しているか
「ニートから正社員になりたい」と思うばかりで行動に移していないと、正社員になるのは難しいといえます。たとえば、「応募はしたものの選考対策ができていなかった」「面接の受け答えを考えていなかった」などが挙げられるでしょう。
正社員就職を成功させるには、求人を見たり応募したりするだけでなく、自己分析や選考対策といった行動を起こす必要があります。
就職に向けて何をしたら良いか分からない場合は、「『ニートが辛い…』悩みを解決に導くための行動や就職活動のコツをご紹介」もご一読ください。
5.変化を恐れていないか
これまでのニート生活を脱して正社員になる変化を恐れていると、就活への意欲が薄れる場合もあるようです。ニートから正社員に就職すると、「決まった時間に起床して出勤する」「自分の収入で生活を支える必要が生じる」というように、多少なりとも生活に変化が生じます。そのため、「社会人生活にうまく適応できるか不安」という気持ちから、就活のモチベーションが低下することもあるでしょう。
しかし、ニートから正社員になることで「自分で自由に使えるお金が増える」「生活が安定して安心感を得られる」「スキルアップして成長できる」などのメリットもあります。ネガティブな要素だけでなくポジティブな変化にも目を向け、就職へのモチベーションを高めましょう。
ポジティブ思考を意識しよう
ニートから正社員を目指すうえで、物事をポジティブに捉えることも重要です。前向きな考えを意識することで、モチベーションを維持したまま自信をもって就活に臨みやすくなります。
就活に前向きに取り組む方法は「就活はなんとかなるって本当?ポジティブに考える方法やメリットを解説」で紹介しているので、参考にしてみてください。
正社員への就職活動で苦戦している方は、働く意欲を意識して伝えましょう
正社員への就職活動で意識すべきポイントとして、まずは「働くことへの意欲」を再確認し、意欲が伝わるように応募書類や面接でアピールすることが重要です。企業は即戦力だけでなく、成長意欲や前向きな姿勢をもつ人材を評価する傾向にあります。
就職活動が思い通りに進まない場合は、応募先の企業や業界を広げることも有効です。人気企業や特定の職種にこだわりすぎず、自らの強みを活かせる未経験歓迎の職種や成長産業の求人に視野を広げてみましょう。たとえば、ITや介護、物流といった人手不足の業界は採用意欲が高いです。
また、面接での印象は大きな影響を与えるため、ビジネスマナーや基本的なコミュニケーションスキルも見直しておきましょう。自己分析を深め、自分の強みや過去の経験をどのように活かせるかを整理することで、自信を持って面接に臨むことができます。
最後に、就職エージェントやキャリアカウンセラーのサポートを活用することで、適切なアドバイスや面接対策を受けることができます。一人で抱え込まず、支援を求めながら前向きに取り組むことが、就職成功への近道となるでしょう。
ニートから正社員を目指す不安を一人で抱え込まないようにしよう
就職活動に不安を感じるニートの方は、ハローワークや就職・転職エージェントなどを利用してみましょう。不安な気持ちを一人で抱え込まず、第三者に頼ることが大切です。
このコラムの「2.就職・転職エージェントで正社員求人を紹介してもらう」で述べたように、就職・転職エージェントでは応募書類の添削や面接対策などのきめ細かなサポートを受けられます。就活のノウハウをもったプロからのアドバイスを受ければ、不安軽減につながるでしょう。
正社員を目指したいものの「内定を得られるか不安」「就活の進め方が分からない」といったニートの方は、ぜひハタラクティブにご相談ください。ハタラクティブは、若年層に特化した就職・転職エージェントです。専任のキャリアアドバイザーがカウンセリングを行い、あなたにぴったりの求人をご紹介します。応募書類作成のサポートや面接練習なども実施。サービスはすべて無料で利用できるので、お気軽にご利用ください。
ニートから正社員就職を目指す際にエージェントを活用するポイントは、自分の就活の軸を明確にすることです。どんな仕事を希望するのか、何を重視するのかを整理することで、エージェントとの面談が具体的かつ前向きに進みます。
また、未経験歓迎の求人を積極的に探す姿勢も重要です。エージェントに任せきりにせず、自ら企業研究を行い、気になる点は積極的に質問しましょう。そのほか、エージェントが提供する面接対策や書類添削のサービスも積極的に活用することで、就職成功率が高まります。
ニートの正社員就職に関するお悩みQ&A
ニートからの正社員就職を目指しつつも、就活への不安が尽きない方もいるでしょう。この項では、正社員を目指すニートの方のお悩みをQ&A方式で回答します。
ニートの場合は正社員面接に受からないですか?
ニートだからといって正社員面接に受からないわけではありません。ただし、ニートの方が面接に臨む際は、しっかりと対策をしておく必要があります。面接でよくある質問は決まっているので、あらかじめ回答を考えておきましょう。たとえば、ニートの方は、面接で「なぜ就職するつもりになったのか」と聞かれやすい傾向にあります。企業は「長期的に勤めてくれそうか」を見ているので、仕事への意欲を示せるかが重要です。
面接対策の詳細は、「ニートの面接対策を解説!空白期間の答え方や自己紹介の例文を紹介」をチェックしましょう。
ニートからいきなり正社員になるのはハードルが高いと感じてしまいます…
ニート期間が長く、正社員として働くことに自信がない場合は、アルバイトから始めるのがおすすめです。無理なく成功体験を積めるため、仕事への自信や意欲につながりやすいでしょう。また、社員登用制度を導入している職場を選べば、アルバイトから正社員へのステップアップを目指すことも可能です。
ニートから正社員になるのはきついって本当ですか?
ニートの方がいきなり正社員になると、生活の急激な変化についていけず、「きつい」と感じてしまうことがあるようです。無理なく社会人生活を送るためにも、就職活動の前に生活習慣を改善しましょう。生活リズムを整えたり運動をして体力をつけたりすることで、就職後の生活や仕事にスムーズに馴染みやすくなります。
「ニートになる原因と心理的要因は?生活を改善して正社員就職を目指す方法」では、社会人として働くために見直すべき項目を紹介しているので、ぜひご一読ください。
同じニートでも高卒より大卒のほうが有利ですか?
一般的には、高卒より大卒のほうが就職に有利とされることが多いようです。企業によっては「大卒以上」を応募条件にしているところもあり、選べる求人の幅が広がる傾向があります。また、学歴が高いことで「基礎的な学力や思考力がある」と評価されやすく、空白期間があってもポテンシャルを見てもらえる可能性が高くなるでしょう。
ただし、就職活動では学歴だけが評価されるわけではありません。応募者の人柄や意欲、企業についての理解を深めているかなども重視されます。そのため、高卒のニートの方であっても、自分に合った職種や業界を見極めてしっかり対策すれば、就職のチャンスを掴むことは可能です。
30代のニートも就職できますか?
30代のニートの方が、正社員として就職することは可能です。ただし、空白期間が長過ぎたり、職歴や専門スキルが不足していたりする場合は就活の難易度が高まるため、選考対策をしっかり行う必要があるでしょう。
ニートから就職するための方法は、「30代ニートから就職できる?エージェントを利用するメリットをご紹介!」で触れています。
一人で就活するのが不安なニートの方は、就職・転職エージェントのハタラクティブにご相談ください。専任のキャリアアドバイザーが就活をサポートするため、自信をもって就職活動を進められるでしょう。
- 経歴に不安はあるものの、希望条件も妥協したくない方
- 自分に合った仕事がわからず、どんな会社を選べばいいか迷っている方
- 自分で応募しても、書類選考や面接がうまくいかない方
ハタラクティブは、主にフリーター、大学中退、既卒、そして第二新卒の方を対象にした就職・転職サービスです。
2012年の設立以来、18万人以上(※)の就職・転職をご支援してまいりました。経歴や学歴が重視されがちな仕事探しのなかで、ハタラクティブは未経験者向けの仕事探しを専門にサポートしています。
経歴不問・未経験歓迎の求人を豊富に取り揃え、企業ごとに面接対策を実施しているため、選考過程も安心です。
※2023年12月~2024年1月時点のカウンセリング実施数
一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。