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退職日までに有給消化できない場合の対処法とは?制度の仕組みを確認しよう
更新日
この記事のまとめ
- 有給休暇の取得は労働者の権利のため、有給消化できない状況は基本的に回避できる
- 退職日までに有給消化できない事態を避けるには、制度の理解と計画的な準備が重要
- 退職日までに有給消化できない状況を防ぐ方法は「計画的な取得」「有給の買取請求」など
- 上司に拒否され退職前に有給消化できないときは、証拠集めや第三者機関への相談が有効
- 退職時の引継ぎや有給消化は事前に計画を立て、周囲に迷惑を掛けないよう努めよう
「退職日までに有給消化できない…」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。有給消化できない状況を回避するには、制度の仕組みを理解したうえで、計画的に有給休暇取得の準備を進めることが大切です。このコラムでは、制度の基本や会社に有給消化を拒否されたときの対処法などを解説します。有給消化する際に心掛けるべきことも紹介しているので、退職の準備を行うときの参考にしてみてください。
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退職日までに有給消化できない状況を防ぐ3つの方法
退職日までに有給消化できない状況を防ぐ方法としては、「退職前に有給休暇を計画的に取得する」「消化できなかった有給を買い取ってもらう」などの方法があります。ここでは、退職前に有給消化するための方法を紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.最終出社日から退職日までの間に有給を使う
最終出社日から退職日までに有給を使う方法とは、最終出社の翌日以降を有給休暇の消化期間にあて、有給を使い切る日を退職日に設定するやり方です。たとえば、有給休暇が4週間残っていて10月末を退職日にする場合には、最終出社日は10月の頭ごろになり、その後は退職日まで有給休暇期間になります。この方法を採用している企業は多いでしょう。
2.最終出社日の前に計画的に取得しておく
最終出社日の前に取得しておく場合は、最終出社日=退職日になります。この取得方法では、退職日までの間に有給休暇が入ってくるため、業務の引き継ぎを計画的に行う必要があるでしょう。あらかじめ引き継ぎ先にも有給休暇取得のスケジュールを伝えておくことが大切です。
「退職前は有給消化できないの?」と疑問を感じている方は、「退職前の有給消化。できる?できない?」もあわせてご覧ください。
3.有給休暇を買い取る
労働者から有給休暇を買い取ることは労働基準法違反となるため、通常はできません。しかし、退職時の場合は有給休暇の買取が例外的に認められています。そのため、退職日までにどうしても有給消化できない場合には、会社に買取を求めることが可能な場合もあるでしょう。会社に有給休暇の買い取り請求を行うには、下記の点に注意が必要です。
会社側と合意が取れた場合は可能
会社側には退職時の有給休暇の買取義務はありません。そのため、退職までに消化できない有給休暇の買取を求める場合、会社側と労働者の間での合意が必要です。なお、就業規則で有給休暇の買取を義務として規定している場合は、会社は就業規則に則り有給休暇の買取を行う必要があります。また、有給休暇の買取金額も会社によって異なるため、念頭に置いておきましょう。
有給の残日数はあらかじめ確認することが大切
有給休暇をスムーズに消化するためには、残日数をあらかじめ確認しておくことが大切といえます。有給休暇は、付与日から2年経つと時効になってしまうので注意が必要です。また、会社によっては、有給休暇と別に特別休暇制度を設けている場合もあります。特別休暇制度は就業規則、有給休暇の日数は給与明細や出勤簿に記載されていることが多いので、退職日までに消化できる休暇が何日あるのか正確に把握しておきましょう。- 向いてる仕事なんてあるのかな?
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退職日までに有給消化できない?制度のポイント
有休の残日数が多く、退職前に有給消化できないと諦めている方もいるのではないでしょうか。ここでは、有給消化できないと諦める前に知っておくべき制度のポイントを解説します。入社後6ヶ月から付与される有休取得は労働者の権利の一つです。有休における制度の基本について理解し、自分の状況と照らし合わせたうえで必要な対処法を考えましょう。
1.会社に有給休暇取得の拒否権はない
労働基準法の「第三十九条(年次有給休暇)」によると、有休取得は労働者の権利です。そのため、会社が有給休暇の取得を拒否することは違法に値します。
有給休暇は申請されたら必ず付与すべきものという扱い。たとえ仕事が繁忙期でバタバタしている状態だったとしても、適切な手続きを踏んで申請さえすれば有休取得は可能であり、退職日までに有給消化できない状況も基本的には避けられるはずです。
参照元
労働基準法
e-Gov 法令検索 第三十九条(年次有給休暇)
会社は有給取得の時期のみ変更することができる
基本的に、会社は申請された有給休暇の取得を拒否することはできません。しかし、有給を取得させることで会社の事業が立ち行かなくなるといった場合に限り、会社は有給休暇取得の時期を変更することが可能です。ただし、会社はできる限り労働者の意見を尊重し、希望に沿った時季の有給休暇取得になるよう努める必要があります。2.有給休暇は付与日数が決まっている
年次有給休暇の付与日数は労働基準法で決められています。通常の労働者の場合、継続勤務日数が6ヶ月であれば10日、1年半であれば11日、2年半であれば12日という形で付与日数が設定されています。以下は、厚生労働省職業安定局による有給休暇の付与日数を示した表です。
引用:厚生労働省職業安定局「労働法等に関する解説 - (7)年次有給休暇について」
通常の労働者とは、週あたりの所定労働日数が5日以上、もしくは週あたりの所定労働時間が30時間以上の人を指します。また、週あたりの所定労働日数が4日以下、かつ週あたりの所定労働時間が30時間未満のパートやアルバイトなどの労働者は、週あたりの所定労働日数と継続勤務年数によって付与日数が変わる仕組みです。
参照元
厚生労働省職業安定局
労働法等に関する解説 - (7)年次有給休暇について
3.要件を満たしていれば有給休暇が支給される
厚生労働省が基準とする「年次有給休暇とは」によると、年次有給休暇が付与される要件は「6ヶ月以上継続して働いている」「全労働日の8割以上出勤している」という2点です。この要件を満たしていれば、業種や業態、契約形態などに関わらず、すべての労働者に対して有給休暇が付与される仕組みとなっています。
参照元
厚生労働省
年次有給休暇とは
上司が拒否!退職日までに有給消化できないときの対処法
ここでは、上司に拒否されて退職前に有給消化できない場合の対処法を紹介します。前述したとおり、有給休暇の取得は労働者の権利です。自分の置かれている状況を客観的に把握したうえで、適切に対処しましょう。
1.有給取得の正当性を証明できる証拠を集めておく
有給消化を認めないことは会社側の違法行為となります。そのため、自身の有給取得の正当性を証明できる証拠として「雇用契約書」や有給の残りの日数が確認できる「給与明細書」、「勤怠管理表」などの証拠を集めておきましょう。
2.相談する内容を自分で整理する
退職にあたり有給消化できない件で話し合いの場が持たれた際に、第三者に1から説明できるよう、どのようなトラブルが発生しているか、いつから発生しているかといった内容を時系列でまとめて整理しておきましょう。端的に分かりやすく説明できるようにしておくのがおすすめです。
3.会社の人事部や労働組合へ相談する
直属の上司が拒否するようであれば、社内の人事部やコンプライアンス部門、総務部などに相談してみましょう。このような部署であれば、労働基準法に関する知識があるため、それぞれの部門の上長から上司に対して有給消化を承認するよう打診してくれる可能性があります。また、加入している労働組合に相談すれば、労働組合のほうから動いてくれる場合もあるでしょう。
4.労働基準監督署に報告する
労働者の有休取得は労働基準法で定められており、理由なく会社が拒否することできないとされているため、労働基準監督署に相談する方法もあります。労働基準監督署は公的機関なので無料で相談できるのが利点です。労働基準法違反であることが認められれば、会社へ指導や勧告を行ってくれる可能性もあります。ただし、労働基準監督署は中立な立場であるため、労働者の代わりに問題を解決してくれるわけではないことを念頭に置いておきましょう。
5.どうしても解決できない場合は弁護士に依頼する
どうしても退職前に有給消化できない場合は、弁護士に相談するのも良いでしょう。弁護士は労働者の代わりにトラブルを解決できるよう動いてくれるため、代理人として会社側と交渉してもらうことも可能になります。
ただし、弁護士に相談する場合は相談費用や弁護費用などがかかります。
有給休暇中のボーナスの扱いについても確認しよう
有給消化の最中にボーナスの支給日がある場合、支給条件を満たしてさえいれば、企業によっては有給期間中であってもボーナスを受け取れることがあるようです。ただし、有給消化中は業務をしていないため、評価が下がりボーナスが少なくなる可能性があります。ボーナスの支給条件は会社によって異なるため、あらかじめ給与規定や就業規則などを確認しておきましょう。退職前の有給消化で心掛けるべきこと
ここでは、退職前の有給消化で心掛けるべきことを紹介します。退職前に有給休暇がまだ多く残っている場合、周りに迷惑を掛けることを心配してまとめて取得しにくいと感じる人もいるのではないでしょうか。退職するにあたって有休取得をする際は、できるだけ周囲に迷惑が掛からないよう配慮する姿勢が大切です。しっかりと引き継ぎや事前相談を行い、円満退職に繋げましょう。
業務の引継ぎを忘れない
最終出勤日よりも前にまとめて有給消化をするのであれば、休暇に入る前に引継ぎを済ませるといった配慮が必要です。退職後に社内の人や取引先に迷惑を掛けないようにするのが、社会人の基本的なマナー。社内向けの引継ぎマニュアル作成、取引先への後任者紹介など、自分が退職した後トラブルが起きないよう準備しておきましょう。
退職前にスムーズな有給消化を行いたい方は、「退職前に有給消化したい!申請のコツと注意点」もぜひ参考にしてみてください。
有給の取得時期は事前に相談する
退職前にまとめて有給休暇を消化する場合、取得するタイミングはできるだけ早めに上司に相談することを心掛けましょう。他社員の業務に支障が出ないよう、時間に余裕を持って伝えます。退職日や最終出勤日、引継ぎスケジュールなどを決める際に、有給を消化する時期についても話し合うと良いでしょう。
退職前に有給消化できない状況を回避しよう!
「退職前に有給消化できない…」という事態を避けるためには、制度の仕組みを理解したうえで、計画的に手続きを進めることが肝心です。周囲に余計な負担を掛けないよう、退職の相談時期や有給消化のタイミングなどにも配慮しましょう。スムーズな引継ぎ作業を行えば円満退職に繋がり、有給消化もしやすい状況になるはず。適切なやり方で有休取得申請を行い、有給休暇を有効活用しましょう。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
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