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「正社員は安心」は時代遅れ?正社員と非正規雇用の差を解説
更新日

この記事のまとめ
- 正社員は時代遅れではないが、働き方が多様化しており正規雇用以外の選択肢もある
- 「正社員だから安心」ではなく、自身のキャリア開発にも力を注ぐ必要がある
- 正社員と非正規社員では、生涯賃金に大きな差が生じる
- 雇用や生活に安心を求めるなら、正社員就職を目指そう
「正社員は安心という考えは時代遅れなの?」と気になる方もいるでしょう。正社員は時代遅れではないものの、近年は働き方の柔軟化により正規雇用以外の選択肢が増えているといえます。このコラムでは、「正社員が安心といわれる理由」「非正規雇用の特徴」についてもまとめています。また、正社員と非正規雇用の収入差も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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正社員は時代遅れって本当?
正社員が「時代遅れ」になったわけではなく、働き方の選択肢が増えたことで「正社員でなければならない」という考え方が弱まったといえるでしょう。正社員という働き方は、安定性や福利厚生の面で大きなメリットがあります。そのため、生活の安定を重視する人にとっては、魅力的な選択肢です。
しかし、時代の変化とともにフリーランスや副業、単発・短期の仕事などさまざまな働き方が増え、「正社員が唯一の正解」という時代ではなくなっているでしょう。特にITやクリエイティブ業界では、フリーランスの需要が高まり、スキルがあれば正社員よりも高収入を得られる場合もあるようです。
ただし、フリーランスや副業、単発・短期の仕事には「収入が不安定になりやすい」「社会保障が手薄になりやすい」といったデメリットもあります。そのため、ライフステージや価値観に応じて、自分に合った働き方を選ぶことが重要です。
「正社員になるべきか?雇用形態を比較して自分に合った働き方を見つけよう!」のコラムでは、正社員以外の働き方についてまとめているので、あわせてご一読ください。
正社員が「時代遅れ」といわれる理由
ここでは、正社員が「時代遅れ」といわれる理由をまとめました。以下で主な理由を解説するので、ぜひご一読ください。
終身雇用が絶対ではなくなったため
かつて、日本では終身雇用が一般的であったため、正社員は長期的に安定した職を得られるメリットがありました。しかし、現在では終身雇用制度が絶対ではなくなり、企業はコスト削減や人員調整のために、雇用の柔軟性を求めるようになっています。
これにより、正社員という地位が必ずしも安定を保証するものではなくなり、終身雇用が保障されない状況では正社員が「時代遅れ」と考える人もいるようです。
給与が上がりにくくなっているため
以前は正社員は昇進や昇給を通じて給与が安定的に増えていく傾向がありました。しかし、近年では企業の業績不振や労働市場の変化により、給与の上昇が抑制されるケースが増えています。
また、、年功序列から成果主義に移行する企業も増加傾向にあるようです。その結果、年齢や経験に基づく昇給が減少し、正社員の給与が上がりにくくなっています。これにより、ほかの働き方に比べて魅力が薄れることがあり、正社員は「時代遅れ」と考えることもあるでしょう。
働き方の選択肢が増えているため
正社員という雇用形態が「必ずしも最適な働き方でない」と感じる人が増えたことが、正社員が「時代遅れだ」といわれる理由の一つです。現在、働き方の選択肢は多様化しており、正社員に限定されない働き方が広がっています。フリーランスや契約社員、リモートワーク、パートタイムなど、個人のライフスタイルに合わせた働き方が可能になっています。
また、ITやクリエイティブ業界では、成果やスキルに応じた報酬体系が一般的になり、場所や時間に縛られない働き方を選ぶ人も増えているようです。
ワークライフバランスへの意識も関係している
正社員が時代遅れと呼ばれる理由には、ワークライフバランスへの意識の高まりも関係しているでしょう。現代では、仕事とプライベートのバランスを重視する人が増加傾向にあり、フレックスタイムやリモートワークなど柔軟な働き方が支持されがちです。
正社員としての一律な働き方よりも、自分のライフスタイルに合った選択肢を求める人が増えており、正社員が必ずしも魅力的でなくなっているといえます。
正社員はなぜ安心といわれるのか
正社員が安心といわれる理由に、雇用形態があげられます。
正社員は雇用期間に定めがなく、雇用主と直接労働契約を結んでいるため、会社の倒産や解雇、自分から退職するといったことがない限り安定的に働き続けることが可能です。正社員のメリットとして以下のようなものがあります。
雇用が安定している
正社員は、契約期間が定められていないため、基本的に長期的な雇用が保証されています。企業の経営状態が悪化した場合も、解雇のリスクは比較的低く、契約社員やアルバイトと比べて安定した職を維持しやすいです。
また、労働契約法に基づき、正社員が解雇される場合、一定の手続きや条件が求められるため、安心して働ける環境が整っています。
収入が安定している
正社員は、月給制や年俸制などの定額の給与体系が一般的で、毎月一定の収入が保証されます。特に、長期的に働くことを前提に昇進や昇給が行われることが多いため、年々収入が増える可能性も。
さらに、賞与(ボーナス)が支給される場合は、突発的な出費があっても収入が安定しているため、金銭面での不安が少ないでしょう。
福利厚生を利用できる
正社員は、企業の福利厚生を活用できることが多いです。たとえば、企業独自の福利厚生制度として、住宅手当や交通費支給、社員食堂、各種研修、育児休暇や介護休暇、さらにはリフレッシュ休暇など、多岐にわたる支援が受けられることも。これらの福利厚生は、社員の生活の質を高め、長期間安心して働き続けるためのサポートとなり得るでしょう。
社会的な信用度が高い
正社員の場合、会社の倒産や自分から退職がない限り雇用が安定しているため、社会的信用度が高いとされています。特に、住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードなどの金融機関での審査では、正社員であることが一つの信頼材料となることも。定職についていることが、収入が安定している証拠となりやすいようです。
「正社員になりたい人は知っておこう!年代別の就職事情や理由の伝え方」のコラムでは、正社員のメリットだけでなく求められるスキルや就職のコツを解説しています。正社員を目指す方は参考にしてください。
時代遅れといわれる原因?正社員のデメリット
正社員のメリットを述べましたが、デメリットもあります。正社員は非正規雇用と比べて安定感があるものの、全体的に自由度が下がるのがデメリット。正社員として働く主なデメリットは以下のとおりです。
転勤や異動がある
正社員には、転勤や異動が伴う場合があり、これが不安材料となることも。特に、家庭やライフスタイルに合わせた生活を求める人にとっては、転勤や異動が不安や負担になる場合があります。
これに対して、契約社員やフリーランスなどは、勤務地が固定されていることが多く、柔軟な働き方を選びやすいという点が、正社員の安定性に対する反発を生んでいる原因の一つと考えられるでしょう。
残業や休日出勤がある
正社員としての働き方では、しばしば残業や休日出勤が求められます。特に、厳しい納期やプロジェクトの進行状況によっては、予想外の時間外労働が発生し、仕事とプライベートのバランスが取れなくなることもあるでしょう。
また、過度な残業や休日出勤が企業文化として根強い場合、個人のワークライフバランスが尊重されにくく、現代の労働者の価値観にそぐわないと感じられがちです。
責任が重い
正社員は、企業において重要な役割を担うことが多く、責任の重さがプレッシャーとなることがあります。特に、管理職やリーダーシップを求められるポジションに就く場合、業務の進捗や成果に対して直接的な責任を負うことになります。
こうしたポジションでは、業務が滞ることなく進行するように調整したり、部下の育成を行ったりする責任が生じますが、その責任の重さが精神的な負担になることもあるようです。
正社員に就職するかどうかの判断材料として、「正社員のデメリットをさらに詳しく理解しておきたい」と考えている方は、「正社員のメリット・デメリットとは?派遣や契約社員についても解説!」も一緒にご確認ください。
正社員以外の雇用形態と特徴
「正社員は時代遅れでは?」と考える理由として、柔軟な働き方や選択肢の拡大が挙げられます。正社員以外にもさまざまな雇用形態があるので、どのような働き方なのか、以下で確認してみましょう。
契約社員
契約社員は、企業との間で雇用期間を定めた労働契約を結びます。労働契約は1契約あたり最長3年間。契約満了時に更新か契約終了かを判断します。
契約満了後は新しい職場で新しい働き方ができるため、さまざまな経験をすることが可能です。また、正社員に比べて責任が少なく、定められた範囲で仕事ができるので比較的ストレスが少ないといえるでしょう。
しかし、契約満了後に次の職場が見つからない可能性もあり、収入が安定しない懸念があります。
契約社員について詳しく知りたい方は、「契約社員と正社員の違いは?メリット・デメリットを分かりやすく解説!」をご覧ください。
派遣社員
派遣社員は、人材派遣会社(派遣元)と労働契約を結び、派遣先の会社で働きます。雇い主はあくまで人材派遣会社です。そのため、給与の支払いや福利厚生、就業中のサポートは人材派遣会社が行ってくれます。
派遣社員として働くメリットは、派遣会社が希望条件を満たす就業先を探してくれるため、仕事を探す手間が省けることです。派遣社員は未経験歓迎の求人も多く、興味のある職種でスキルアップを狙いやすいでしょう。
しかし、契約期間には定めがあり、次の仕事が見つからなかった場合は収入を失うリスクも。また、正社員に比べると賞与や福利厚生の待遇が低い場合があります。派遣社員について詳しく知りたい方は、「派遣社員とは?正社員との違いやメリット・デメリットを分かりやすく解説」をご覧ください。
パートタイム
厚生労働省によると、パートタイム労働者とは、1週間の所定労働時間が正社員と比べて短い労働者です。「パートタイマー」や「アルバイト」など、呼び方は異なっても、この条件を満たせばパートタイム労働法上のパートタイム労働者となります。
パートタイムのメリットは、自分のライフスタイルに合わせて労働時間を調整できること。そのため、働きながら勉強をしたい方や家庭がある方に向いている働き方といえるでしょう。
しかし、パートタイムの場合、福利厚生を受けられないことや雇用が安定しないことがあり、長期的に考えると会社のサポートが少ないと感じる可能性があります。
パートタイムのメリットやデメリットについては、「パートと正社員の違いは?どっちが得?給料や仕事内容の差を解説」をご確認ください。
参照元
厚生労働省
パートタイム労働者とは
フリーランス
フリーランスは、企業に所属せず、自分のスキルや専門知識を活かして独立して働く個人事業主の形態で、自由な働き方が魅力です。自分のペースで仕事を進め、時間や場所に縛られない働き方が可能ですが、その自由さには収入が変動するというリスクも伴います。収入は案件の数や内容によって大きく変動するため、安定した収入を得るには営業活動やクライアントとの関係構築が重要です。
フリーランスは税金や社会保険の自己管理が必要で、確定申告や保険の手続きも自分で行わなければなりません。また、成功するためには自分の専門スキルを常にアップデートし、市場価値を維持する必要があります。
安心できる老後のために正社員と非正規雇用の収入差を知ろう
独立行政法人労働政策研究・研修機構の「ユースフル労働統計労働統計加工集2024-」によると、60歳までの生涯賃金(退職金を含めない)を正社員と非正社員とで比べた際、大きな差がつくことが分かります。
学校卒業後、60歳までの生涯賃金(退職金を含めない) | 大学卒の男性 | 大学卒の女性 |
---|---|---|
正社員 | 2億5,000万円 | 2億円 |
フルタイムの非正規社員 | 1億5,000万円 | 1億2,000万円 |
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計労働統計加工集2024(p.304、p.319)」
また、正社員は上記に加えて退職金が出ることもあり、非正規社員と比べるとさらに大きな収入差がつくことになるでしょう。正社員になったからといって必ずしも雇用の安定が約束されるわけではありませんが、フリーターやパートといった非正規雇用と比べると正社員の収入が多いのは事実です。
正社員として責任ある仕事をこなして専門的なスキルが身につけば、会社が倒産したとしても、待遇の良い職場に転職できる可能性はあります。こうしたことから、できるだけ早い段階で正社員を目指すことで、収入の格差を少なくし、老後にも備えられるでしょう。
フリーターを続けて老後を迎えた場合のリスクについて詳しく知りたい方は、「フリーターのまま老後を迎えるとどうなる?資金を貯める方法も紹介」もあわせてご参考ください。
参照元
独立行政法人労働政策研究・研修機構
ユースフル労働統計 ―労働統計加工指標集―
老後に必要なお金はいくら?
厚生労働省の「国民年金ってホントに必要なの!講座(p.4)」によると、標準的な65歳夫婦の生活費は1ヶ月で総額約25万円といわれています。仮に65歳から85歳までの必要金額を計算すると、夫婦で6,000万円が必要になる計算です。
一方、「令和5年度厚生年金保険・国民年金事業の概況(p.25)」によると、65歳からもらえる年金受給額は厚生年金は月額平均145,876円、国民年金が月額平均59,599円となります。この2つの年金の対象者は以下のとおりです。
- ・国民年金:20歳以上60歳未満の全国民共通
- ・厚生年金:会社員や一定の条件を満たしたパートやアルバイト
厚生年金の145,876円には国民年金の受給額も含まれています。この結果から、年金受給額より支出額が上回る予想です。年金だけで老後を賄うのは難しく、貯蓄して備える必要があるといえるでしょう。
また、厚生年金は正社員が加入するものなので、非正規社員の場合は国民年金のみの受け取りです。このことから、正社員と非正規社員とでは、年金の受給額に10万円ほどの差額が生じることが分かります。安心できる老後の備えのためには正社員での就職を目指し、厚生年金に加入することが望ましいでしょう。
参照元
厚生労働省
国民年金ってホントに必要なの!講座
厚生年金保険・国民年金事業の概況
正社員として安心して働ける場所を見つけよう
近年、働き方は多様化しており、希望のライフスタイルに合わせた働き方ができるようになってきました。その分、自分のキャリアを考える必要性が増し、自分に合った働き方を見つけるのは簡単なことではないでしょう。
また、老後に安心して生活するためには「貯蓄」や「年金を多くもらえるように働く」必要があります。
スキルアップを目指した転職や自分のキャリアを考えたい場合は、ぜひハタラクティブへご相談ください。ハタラクティブでは、フリーターや若年層の方の就職活動をサポートしています。すべてのサービスは無料で利用可能です。老後の安心のためにも正社員として働くことを視野に活動してみましょう。
「正社員は安心なのか?」に関するQ&A
正社員になれば安心できるという風潮に疑問を感じることがあるでしょう。ここでは、正社員に関するお悩みをQ&A方式で解決していきます。
正社員はなぜ安心だといわれるのですか?
正社員は雇用主と直接労働契約を結び、雇用期間に定めなく働けます。また、福利厚生や賞与がほかの雇用形態に比べて充実しており、経済的な支援を受けることが可能です。そのため、正社員は安心といわれるのでしょう。
そのほかのメリットについては、このコラム「正社員はなぜ安心といわれるのか」をご覧ください。
正社員にならないほうが良いって本当ですか?
正社員はほかの雇用形態に比べて責任が重く、正社員にならない方が良いと思う人もいるようです。デメリットに目がいってしまうと、「正社員にならないほうが良いのでは」と考えてしまうでしょう。しかし、正社員は給与が高くスキルが身につくメリットもあります。
「正社員で働きたくないと考える理由とは?男女の若者の調査結果をもとに解説」のコラムでは、正社員を避ける理由や働くメリットを解説しています。
フリーターから正社員になれる?
フリーターから正社員を目指すことは十分可能です。アルバイト先で正社員に登用されることもあるでしょう。正社員を目指すなら若いうちがおすすめ。会社は長期的に働いてくれる人や育成できる人材を求める傾向があります。正社員になりたい場合は、すぐに行動すると良いでしょう。就職エージェントのハタラクティブではフリーターの方の就職を無料でサポートしています。ぜひお気軽にご相談ください。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。