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退職前にチェック!必要な貯金はいくら?世帯人数・年代別の目安を解説
更新日
この記事のまとめ
- 退職後に必要な貯金額の目安は3ヶ月分の生活費
- 退職後の転職にかかる期間は1ヶ月以上3ヶ月未満が一般的
- 貯金が少ない場合にアルバイトするなら、転職活動に支障をきたさないよう気をつける
- 貯金に不安がある場合は離職前に転職活動をするのがおすすめ
会社を退職すると収入がなくなるため、転職活動中の生活費は貯金から捻出することになります。しかし、転職活動が長引けば、やがて貯金は底をついてしまうこともあるかもしれません。
このコラムでは、退職後に転職活動を行う場合に用意しておきたい世帯人数・年代別の貯金額の目安や、転職活動のポイントをまとめました。退職時に自分がどのくらいの貯金をすべきなのか、目安を解説します。
退職にあたって必要な貯金の目安は3ヶ月分の生活費
会社を退職後に転職活動を行う場合、収入が途絶えるため用意しておきたいのが当面の生活費です。
厚生労働省が実施した「令和2年転職者実態調査の概況」によると、退職から転職先に就職するまでの機関は以下の通りでした。
総数 | 男性 | 女性 | |
---|---|---|---|
離職期間なし | 26.1% | 24.7% | 27.9% |
1ヶ月未満 | 27.6% | 26.8% | 28.7% |
1ヶ月以上2ヶ月未満 | 13.3% | 13.4% | 13.1% |
2ヶ月以上4ヶ月未満 | 12.9% | 13.8% | 11.7% |
4ヶ月以上6ヶ月未満 | 4.6% | 4.0% | 5.4% |
6ヶ月以上8ヶ月未満 | 3.5% | 3.9% | 3.0% |
8ヶ月以上10ヶ月未満 | 1.7% | 1.5% | 2.0% |
10ヶ月以上 | 5.5% | 5.6% | 5.5% |
引用:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況 3.転職について(4)直前の勤め先を離職してから現在の勤め先に就職するまでの期間(21p)」
離職期間を作らずに転職している人が多いものの、離職から3ヶ月ほど転職活動を行ったこともわかります。また、割合は減るものの半年~1年近く転職活動を行った人もいるため、離職後に転職活動を行う予定なら最低でも3ヶ月分、余裕があれば半年ほどの生活費は貯金として用意しておくといいでしょう。
参照元
厚生労働省
雇用の構造に関する実態調査(転職者実態調査)
具体的な貯金額はいくら?
総務省統計局が公表した「家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年)結果の概要」によると、単身世帯の1ヶ月あたりの生活費は161,753円、2人以上の世帯では290,865円でした。これをもとに、退職後に必要となる貯金額(資金)の目安は下記のようになります。
転職までの期間 | 単身世帯の平均必要額 | 2人以上の世帯の平均必要額 |
---|---|---|
1ヶ月 | 161,753円 | 290,865円 |
3ヶ月 | 485,259円 | 872,595円 |
6ヶ月 | 970,518円 | 1,745,190円 |
生活費は家賃や節約の仕方によっても変わりますが、自分の1ヶ月の出費×転職にかかる期間分の貯金(資金)は確保しておく必要があるでしょう。また、転職活動では、交通費や履歴書・写真撮影代など、普段より出費が増えることも多いので、それも見込んだ金額を考えて貯金しておくことがポイントです。「スーツ代に交通費…転職にかかる費用はどれくらい?」でくわしく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
参照元
総務省統計局
家計調査年報(家計収支編)
転職ではなくリタイアで必要になる貯金の目安は?
会社を退職後に、転職ではなく早期退職としてアーリーリタイア・セミリタイアをする場合は、退職金や年金、生活スタイルや資産の有無によって異なるものの、一般的に30代では1.5億円、40代では1億円、50代では5,000万円ほどが必要ともいわれています。退職金については「何年働いたら退職金はもらえる?退職金制度の種類と相場を徹底解説!」のコラムで解説しているので、参考にしてください。退職後は貯金だけでなく雇用保険の基本手当も活用できる
退職後に転職活動を支援するために給付される雇用保険の基本手当。失業保険や、失業給付と呼ばれることもあります。雇用保険の基本手当は条件に当てはまる場合は誰でも受け取ることができる手当です。
雇用保険の基本手当を受給する条件
雇用保険の基本手当を受給するには、前提として雇用保険に加入している必要があります。雇用保険は雇用形態に関わらず、「31日以上の雇用見込みがある」「1週間の所定労働時間が20時間以上ある」「学生以外である(ただし、卒業見込みや定時制は除く)」の条件を満たせば加入の対象です。
また、基本手当(失業保険)を受給する条件として以下が定められています。
- ・ハローワークに来所して求職の申込みをし、就職の意思があるにも関わらず、本人やハローワークが努力してしても就職できていない状態にあること
・退職日以前の2年間に被保険者期間が通算12ヶ月以上あること
つまり、そもそも就職の意思がなければ対象とはなりません。詳しくは「雇用保険とはどんな制度?概要や加入条件を紹介!」のコラムでご確認ください。
参照元
ハローワークインターネットサービス
基本手当について
退職後にもらえる雇用保険の額
基本手当の額は、年齢や離職時の賃金額によって変わります。厚生労働省の発表によると、離職時の年齢が29歳以下の場合は、基本手当日額の上限が6,945円。これはあくまでも上限なので、離職時の賃金額によって給付率が異なります。なお、下限は2,196円。
雇用保険の基本手当については「雇用保険の計算方法や注意点を解説!加入する目的とメリットを知ろう」のコラムでも解説していますので、参考にしてください。
参照元
厚生労働省
令和5年8月1日からの基本手当日額等の適用について
雇用保険の基本手当は支給まで時間がかかる
会社都合などで退職した「特定受給資格者」や、ハローワークが認める理由で退職した「特定理由離職者」の場合は、予期せぬ離職と判断されるため、7日間の待期期間後すぐに受給することができます。しかし、自己都合で退職した場合はあらかじめ転職の意思があり、準備もできたとみなされるため2~3か月の給付制限を受けることに。この期間中は収入がないため、やはり3ヶ月ほどの生活費は貯金を準備しておくのが安心です。
また、給付される金額は在職時の給与の50~80%ほど。働いているときより収入が減ってしまうことに変わりはありません。貯金のプラスアルファとして考えるようにしましょう。
退職を希望するけど貯金が目安より少ない場合の対処法は?
「会社を退職したいけれど貯金がなくて不安」と退職を躊躇するときは、無収入の期間を作らないよう在職中に転職先を決めるのがおすすめです。どうしても退職後の転職活動になるときは、アルバイトをしたり生活を見直して支出を下げたりするのもいいでしょう。
会社を退職する前に転職先を決める
貯金がなく、無職の期間を過ごすことが難しい場合は、しっかりとしたスケジュールを組んで退職前に転職先を決めましょう。
前述したように、会社を退職後に仕事をしない場合は、十分な貯金をしてから退職しなければいけません。しかし、高額の貯金を短期間で用意するのは難しいでしょう。そのため、転職の意思がある場合は、貯金はしつつ次の仕事を決めてから退職するのが最善の方法といえます。「転職活動は仕事を辞めてから?働きながら?成功させるコツとスケジュール」のコラムも参考にしてください。
アルバイトをする
貯金が少ない場合や雇用保険を受給できない場合には、アルバイトをするのも一つの方法です。しかし、その際に気をつけたいのがフリーターとしての生活に慣れてしまわないようにすること。いったんフリーターになってしまうと、その生活に慣れてしまい、ずるずるとフリーター期間が伸びていってしまう可能性もあります。
また、アルバイトに力を入れすぎて転職活動に十分時間がとれなくなってしまっては本末転倒。アルバイトをする際は期間を決めて行う、転職活動を優先するようにするなど、メリハリをもって取り組むことが大切です。
生活を見直す
貯金がない状態で退職するのであれば、生活自体を見直すことも必要になります。もっとも対費用効果が高いのが家賃の安い物件に引っ越すこと。ただし引っ越し代が必要になります。
そのほか、光熱費の見直しや格安SIMへの変更、保険料の見直し、不要なサブスクの解約などは固定費の削減につながるため、毎月の支出を大きく減らせます。貯金が少ない場合の対処法は「貯金がない人はどれくらいいる?年代別の貯蓄額や効果的な節約術」のコラムで解説しています。ぜひあわせてチェックしてください。
スムーズな転職活動を叶えるには
転職時に貯金の心配がある場合は、離職前に転職活動を行うという選択肢もあります。在職中は忙しくて時間が取れない…スケジュールの調整が難しいという方は、転職エージェントを活用してみませんか?
ハタラクティブでは、専属の転職アドバイザーが利用者の方に応じたアドバイスを提供。面接のスケジュール調整や企業との交渉などを代行するので、働きながらでも効率的に転職活動を行うことができます。もちろん、サービスは退職後の転職時にもご利用可能です。ハタラクティブは若年層に特化した就職支援サービスなので、20代の方の悩みにしっかり寄り添い、適切なサポートを行っています。転職・就職活動にお悩みのある方は、まずはお気軽にご相談ください!
退職後の貯金の目安に関するFAQ
退職後の貯金の目安に関するよくある疑問や質問を解決します。
退職後の貯金の目安はどう算出する?
退職後の貯金の目安は、「1か月当たりの生活費×転職に必要な期間」で算出できるでしょう。
1か月当たりの生活費は世帯人数や年齢のほか、生活スタイルによっても異なるので一概にいくらとは言えません。自分の年齢でどのくらいの貯金が必要なのかをくわしく計算したい方は「300万円貯金があれば安心?年代別の平均貯蓄額とお金を貯める方法を解説」の記事もあわせてチェックしてみてください。
退職金はもらえる?
会社を退職するときに退職金がもらえるかは、企業の規定によって異なります。
退職金はボーナスと同様に法で定められた制度ではないため、退職金制度を導入するかどうかは各会社の裁量に任されています。退職金制度の有無については、就業規則を確認してみましょう。退職金制度については「退職金なしは違法?制度や老後の不安の解消法などについて解説!」のコラムでも解説していますので、チェックしてください。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。