退職金がもらえる条件とは?タイミングや相場について知っておこう

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この記事のまとめ

  • 退職金とは、会社を辞める際に労働者に支払われる慰労金のこと
  • 退職金がもらえるかどうかは、会社に制度が導入されているかによる
  • 辞める理由が定年か自己都合かで、もらえる退職金の計算方法が異なるケースもある
  • 退職金の相場は、勤続年数に応じて増えていくのが一般的
  • 退職金がもらえるかどうかに関わらず、転職が必要なときは行動を起こそう

会社を辞める際、退職金がもらえるのか気になる方もいるでしょう。退職金制度に法律上の義務はないので、必ず支払われるとは限りません。勤務先によって「△年以上勤務でもらえる」といった条件があったり、そもそも退職金がなかったりするので、会社の制度を理解しておきましょう。このコラムでは、退職金制度の仕組みや計算方法などを解説します。退職金がもらえるかもらえないか気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

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退職金とは?

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退職金とは、退職する際に労働者に支払われる慰労金のこと。勤続年数や仕事の実績、役職などによってもらえる金額が異なります。また、退職金制度に導入義務はありません。もらえる条件や計算方法も企業が独自に決められるため、詳細は就業規則で確認する必要があります。

退職金制度を導入している企業は何割?

厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」によると、退職金制度を導入している会社は74.9%です。企業規模が大きいほど導入割合が高く、さらに産業によって差もあります。

企業規模別の退職金制度の導入割合

企業規模退職金制度の導入割合
1,000人以上90.1%
300~999人88.8%
100~299人84.7%
30~99人70.1%

引用:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況 第16表

産業別の退職金制度の導入割合(一部抜粋)

産業退職金制度の導入割合
電気、ガス、熱供給、水道業96.4%
金融業、保険業92.8%
製造業85.6%
情報通信業74.6%
生活関連サービス業、娯楽業68.5%
宿泊業、飲食サービス業42.2%

引用:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況 第16表

全体では80%以上の企業が導入しているものの、「宿泊業、飲食サービス業」では約40%の会社でしか導入されていません。退職金がもらえるかどうかは会社による差が大きいのが特徴といえます。

参照元
厚生労働省
令和5年就労条件総合調査 結果の概況

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退職金の種類

退職金の種類は、大きく分けて「退職一時金」と「退職年金」の2種類があります。会社によって、どちらもない場合やいずれか一方が導入されている場合、両方を取り入れている場合などさまざまです。

退職一時金

退職一時金とは、会社を辞めるときに一括して受け取れる退職金のことです。勤続年数に比例して退職金の額が大きくなります。勤務先の会社の就業規則により、「入社から何年以上」といった条件があり、勤続年数が短い場合は退職金をもらえないケースもあるようです。

また、自社で退職一時金制度を導入している会社だけでなく、中小企業退職金共済、特定退職金共済といった外部機関を活用している会社もあります。

退職年金

退職年金とは、退職後に分割で退職金を受け取る制度のことで、別名「企業年金」ともいわれます。企業独自の制度のほか、近年は投資信託や保険を活用した運用型の「確定拠出年金」を導入する企業も多いようです。
また、退職時にもらえる額があらかじめ確定している「確定給付企業年金」を活用する会社もあります。確定給付企業年金の場合、退職金をもらえる時期や年数も企業によって異なり、「退職から10年間」「20年保証」などさまざまです。

いずれにしても、会社側が任意で導入する制度であるため、退職金制度の有無や種類を入社の際にチェックしておくことをおすすめします。詳しくは次項で後述しますが、退職時に必ず支給されるものではないため「退職金なし」の場合もあることを覚えておきましょう。

中小企業退職金共済、特定退職金共済とは?

中小企業退職金共済は、自社で退職金制度を導入するのが難しい中小企業が加入できる退職金制度です。制度に加入している企業同士の互助で成り立っているため、自社の負担が軽減できます。また、国による補助もあり、資金が少ない中小企業にとってはメリットが豊富です。
また、特定退職金共済は建設業や林業といった、特定の業界に向けた退職金制度で、会社ではなく業界を辞めるときに退職金が支給されます。

参照元
厚生労働省
中小企業退職金共済制度(中退共制度)
特定業種退職金共済(特退共)制度について

退職金は会社を辞めたらもらえるの?

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前述の通り、退職金は法的な縛りがない制度です。そのため、必ず支払われるものではありません。退職金制度が導入されている会社に入社した場合でも、退職の仕方や就労期間によっては支給されないこともあるでしょう。

退職金がもらえるかを確認する方法

退職金があるかないか調べるには、会社の就業規則を確認しましょう。具体的には、下記の項目をチェックしてみてください。

  • ・退職金制度の有無
  • ・「勤続△年以上」「正社員のみ適用」といった条件
  • ・退職金前払い制度の有無

「会社の就業規則を見てもよく分からない…」という場合は、人事や総務に確認してみるのがおすすめです。退職金の手続きにも慣れている、経験豊富な担当者を頼ってみるのも良いでしょう。
退職金の基礎知識について詳しく知りたい方は、「退職金は何年目から出る?基礎知識や計算方法を解説!」で紹介しているのでご覧ください。

退職金をもらえるタイミングは退職後?退職前?

退職金制度がある場合は、退職時に支払われるのが一般的です。結婚や住宅の購入など、ライフイベントが発生するタイミングに備えて退職金を前払いしてもらいたい場合は、「退職金前払い制度」を利用する手もあるので知っておくと良いでしょう。

前払いで退職金をもらう方法は、月例賃金や賞与への加算が一般的です。ただし、退職するときにまとまったお金をもらえないことになるため、前払いを希望する場合はよく検討したうえで利用するようにしてくださいね。
ハタラクティブアドバイザー後藤祐介からのアドバイス

退職金がもらえる条件

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退職金は、勤続年数に応じた金額が支給されるのが一般的なため、ある程度会社に在籍していることが条件とされていることが多いようです。退職金制度がある場合、定年まで働けば多くの人が支給されるでしょう。
また、会社都合の場合での退職では1年未満、自己都合の場合では3年以上の勤続年数を目安に、一時金が支払われることもあります。退職金支給の条件は会社によって異なるため、勤務先企業の規定をしっかり確認しておくことが大切です。

非正規雇用社員は退職金はもらえない?

アルバイトやパート、派遣社員などの非正規雇用社員の場合、退職金は発生しない可能性があります。ただし、会社によっては契約社員やアルバイト、パートの人に対し、「10年以上勤務」といった条件付きで退職金がもらえる制度を設けているようです。
会社から退職金が支給されない場合には、個人で積立をしておくのがおすすめ。退職後の生活に不安を感じる人は、「個人型確定拠出年金」や「個人年金保険」などの保証制度への加入を検討してみましょう。

退職金の相場は?勤続年数別にもらえる金額をチェック

退職金の相場は、学歴や勤続年数によって異なります。ここでは、中央労働委員会の「令和3年賃金事情等総合調査(確報)」によって算出された学歴別・勤続年数別に退職金の平均を表にまとめたので、参考にしてみてください。

勤続年数大卒高卒
勤続3年53万6,000円47万円
勤続5年72万円83万3,000円
勤続10年171万3,000円218万7,000円
勤続20年713万2,000円708万円
勤続30年1,376万7,000円1,235万5,000円
定年2,439万1,000円1,986万2,000円

引用:e-stat「賃金事情等総合調査(13ー3、13ー11)

上記のデータは、会社都合により退職した場合の事務・技術労働者(一般職)の調査結果です。入社から3年の場合、大卒も高卒も50万円前後が退職金の相場といえます。また、勤続年数が増すほど、退職金の額が上がる傾向にあるほか、定年までのトータルで見れば、高卒よりも大卒のほうが退職金が多くもらえることも見て取れるでしょう。

なお、勤続年数や学歴以外にも、職種や労働条件など、さまざまな要素により退職金の金額は異なることが予想されます。相場はあくまで目安と捉え、会社の計算方法にもとづいて退職金のシミュレーションをしてみてください。

このほか、退職金の相場について詳しく知りたい場合は、「退職金の平均額は?導入企業の割合や勤続年数・学歴別の違いをデータで紹介」のコラムもおすすめです。退職金制度のある会社の割合についても触れているので参考になるでしょう。

参照元
中央労働委員会
賃金事情等総合調査の概要

自己都合退職・クビ・入社から3年未満で退職金はもらえる?

自己都合退職や解雇、勤続年数3年未満の場合も、退職金がもらえる場合があります。ただし、会社によって支給しないことや、満額ではなく一部支給となるパターンもあるので、確実にもらえるとは限りません。
前述のとおり、退職金制度については会社の就業規則に沿って支給されます。「勤続年数が3年未満は退職金はもらえない」「勤続年数3年ちょうどから支給」「自己都合退職の場合は支給なし」「懲戒解雇は退職金の不支給か減額」など、会社によってさまざまなルールがあるので、勤務先に確認してみるのが確実でしょう。

もらえる退職金・支払う税金の計算方法

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退職時にもらえる退職金の金額が気になる方は、この項で計算方法をチェックしてみましょう。退職金をもらう際に支払う税金の計算方法も紹介しているので、具体的な金額をイメージするのにお役立てください。

退職金の計算方法

退職金の計算方法は、賃金と勤続年数をもとに計算するのが一般的でしたが、近年はポイント制を導入する会社も増えつつあるようです。ここでは、退職金の計算方法を「年功制」と「ポイント制」に分けて解説します。

年功制

入社から退職までの勤続年数によって支給される金額が決まるのが「年功制」です。会社によって規定の給付率があるので、就業規則で確認しましょう。給付率が分かれば、下記のような計算方法で退職金を割り出すことが可能です。

退職一時金=賃金×勤続年数×給付率

企業によっては、会社都合や自己都合などの退職理由によって給付率を変えていることも。利率の数値により、もらえる退職金の金額が決定します。

ポイント制

ポイント制は、毎年付与されるポイントをもとに退職金を計算します。ポイントは勤続年数・職能級・担当職務・役職などに応じて決まり、「1ポイントあたり1万円」のように単価が設定されるものです。ポイント制の退職金は以下のような計算方法になります。

退職金=累計ポイント×ポイント単価×退職理由による係数

上記の「退職理由による係数」は、定年・会社都合・自己都合など、理由によって異なります。たとえば、定年退職の係数は1.0で満額もらえますが、自己都合による退職の場合は係数0.5で半額しかもらえないといった形です。ポイント制の場合、勤続年数が短くても能力が高ければ退職金も多く受け取れる可能性があります。

税金に関係する所得の計算方法

退職一時金が支給された場合は、所得とみなされるため税金の支払いが発生します。退職金に掛かる税金の金額は、下記の計算方法で試算することが可能です。

退職所得の金額=収入金額(源泉徴収される前の金額)- 退職所得控除額 × 50%

また、退職所得控除額の計算方法は、下記のとおりです。

20年以下の場合:40万円×勤続年数
20年以上の場合:800万円+70万円×(勤続年数-20年)

退職金は所得なので、税金はきちんと納めましょう。税金を納めた残りの金額が手元に入ってくる退職金となります。

参照元
国税庁
退職金と税

就職・転職の際は退職金がもらえるかどうか見るべき?

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「退職金がもらえるかどうか」は、応募する会社を見極める判断材料の一つとして考えておくと良いでしょう。退職金制度があれば、退職後の生活を安心して過ごせるのも事実です。
とはいえ、「就職(転職)するなら退職金がもらえる会社がいい!」と、退職金の有無だけを軸に就職先や転職先を選ぶのは良くありません。退職金制度が導入されていても、仕事との相性が悪ければ早期離職につながり、退職金をもらえない可能性があるためです。
就職・転職の際は、退職金の有無以外のポイントも包括的にチェックすることをおすすめします。

就職先や転職先を探すときのポイント

就職先や転職先を探す際は、下記のようなポイントをチェックしてみてください。

  • ・退職金制度が導入されているか
  • ・長く勤められそうな会社か
  • ・希望の条件にマッチしているか
  • ・職場の雰囲気はどうか
  • ・通勤のしやすさはどうか
  • ・スキルアップのための教育制度があるか
  • ・どのようなキャリアパスがあるか

退職金がもらえる会社に入社したい場合、「長期的に働けそうな会社かどうか」も考えておくことをおすすめします。前述のように、勤続年数が3年に満たない場合は退職金が支給なし、もしくは一部支給の場合が多いので、満額をもらえない可能性が高いでしょう。

会社が倒産しても退職金はもらえる?

会社が倒産しても退職金を受け取ることは可能です。会社側は破産手続きをする際、会社の資産や債務などの整理を行います。この時点で、給与や退職金の未払いがあった場合は従業員へ分配されることになるのです。しかし、会社が所有する資産が少ない場合は、退職金がもらえない可能性もあるので注意しましょう。

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退職金はもらえる?と思ったときによくある質問

「退職金をもらえる人ともらえない人の違いは?」「もらえない場合どうしたら良いか?」など、退職金に関する疑問を抱えている方もいるでしょう。ここでは、退職金に関するお悩みをQ&A形式でご紹介します。

退職金は必ずもらえるものですか?

退職金は、必ずもらえるものではありません。
退職金制度に関する法的な義務はなく、導入するかどうかは会社が決められるためです。現在勤めている会社で退職金がもらえるかどうか知りたい方は、就業規則で確認してみましょう。詳しくは、このコラムの「退職金は会社を辞めたらもらえるの?@#list03」をご参照ください。

退職金がもらえない場合はどうすれば良い?

退職金制度があり、受給条件を満たしているにも関わらず退職金がもらえない場合は、会社の上司や人事に相談しましょう。退職金の手続きには2ヶ月程度掛かる場合もあるので、もらえる日まで時間が掛かっているだけの可能性もあります。
また、会社が忙しい時期は手続きが遅くなることもあるので、期日まで待ってみましょう。それでも支給されない場合は、退職金未払いの恐れがあるので、最寄りの労働監督署に相談してみてください。

退職金がもらえるタイミングは?

退職金がもらえるタイミングは、退職日ではなく退職後1〜2ヶ月後が一般的です。
退職金をもらうための手続きに必要な書類が揃わなければ、それ以上掛かることもあります。退職金をきちんともらえるまでは、会社任せにせず自分からも確認を怠らないようにしましょう。

契約社員も退職金はもらえますか?

契約社員の場合、退職金がもらえるかどうかは会社の規定によって異なります。
一般的には契約社員を含めた、パート・アルバイト、派遣社員などの非正規雇用社員に対する退職金制度は設けられていない場合が多いようです。詳しくは、「契約社員でも退職金は支払われる?正社員との違いと働く際の留意点も紹介」のコラムをご参照ください。
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