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退職金は何年目から出る?制度の種類と基礎知識を知ろう!計算方法も解説
更新日
この記事のまとめ
- 退職金が何年目から発生するかは企業によって異なるが、勤続3年以上4年未満が多い
- 公務員の場合、退職金が勤続何年目からもらえるかは法的な定めがある
- 退職金制度の種類は、大きく分けて「退職一時金制度」と「退職年金制度」の2つ
- 退職金制度の導入率と支給額は減少傾向にある
- 転職する際は退職金が何年目からもらえるかにこだわらず、仕事のやりがいを重視しよう
「退職金は何年目からもらえる?」「3年未満はもらえない?」と疑問を持つ方もいるでしょう。退職金の支給に必要な勤続年数は、企業によって異なります。また、企業によっては退職金制度自体がない場合もあるようです。
このコラムでは、退職金は何年目からもらえるのか、一般的な制度について解説。また、中小企業の退職金の相場や、公務員の場合は何年目からもらえるのかなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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退職金は何年目から出る?
退職金を受け取るには、ある程度の勤続年数を要するのが一般的ですが、明確な決まりはありません。退職金制度は法律で定められているものではなく、企業が独自に決めている制度です。そのため、退職金制度そのものがない企業も。退職金制度がある企業では、勤続3年以上から受給可能とする企業が多いようです。
退職金をもらうには勤続年数3年以上が一般的
この項では、厚生労働省の調査をもとに、一般的に退職金が何年目からもらえるのかを解説します。ただし、すべての企業に該当するわけではないことを念頭に置き、参考にしてみてください。
退職金の受給に必要な所要年数
厚生労働省の調査「退職手当制度がある企業の割合」によると、退職金の受給に必要な勤続年数を何年とするかは、以下のような割合となっています。
勤続年数 | 会社都合 | 自己都合 |
---|---|---|
1年未満 | 8.5% | 3.2% |
1年以上2年未満 | 21.8% | 15.0% |
2年以上3年未満 | 8.7% | 9.7% |
3年以上4年未満 | 42.2% | 56.2% |
4年以上5年未満 | 1.1% | 1.6% |
5年以上 | 9.3% | 10.9% |
引用:厚生労働省「退職手当制度がある企業の割合」
会社都合・自己都合にかかわらず、退職手当の受け取りに必要な最低勤続年数は、「3年以上4年未満」とする企業が最も多いという結果でした。自己都合で退職する場合が42.2%、会社都合で退職する場合が56.2%と、それぞれ約半数を占めています。
ただし、上記のデータが示すように、企業によっては1年未満や1年以上2年未満の勤続年数で退職金を受け取れる場合も。「何年働いたら受け取れる?」「3年未満だともらえない?」と疑問に思っている方は、会社の規定を確認しましょう。
参照元
厚生労働省
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勤続年数3年ちょうどはもらえる?
勤務先の退職金制度が「勤続年数3年以上から支給」と定められている場合、退職日が3年ちょうどであれば退職金をもらえる可能性が高いでしょう。一般的に勤続年数は、入社日から退職日までを合算します。また、1年未満の端数は切り上げとなるのが一般的です。そのため、退職日が1日ずれただけで退職金の受給額が変わる可能性があります。
【例】
入社日:4月1日 退職日:2年後の3月31日 勤続年数:2年
入社日:4月1日 退職日:2年後の4月1日 勤続年数:3年
公務員の退職金は何年目からもらえる?
公務員の退職金は法律や条例で定められています。国家公務員の場合は、「国家公務員退職手当法」で決められており、勤続年数1年未満でも受給可能です。ただし、退職理由が「自己都合」「定年・勧奨」「整理退職」のいずれかによって、支給率が異なります。
地方公務員については、総務省の資料「地方公務員の退職手当制度」で「各地方公共団体の条例によって定める。<中略>国家公務員の制度に準じること」と明記されており、やはり勤続年数1年未満で退職金をもらえるようです。
参照元
人事院
給与・退職手当
総務省
国家公務員退職手当の支給の在り方等に関する検討会(第2回 配布資料)
自分の会社に退職金制度があるか確認するには
自分の会社に退職金制度があるか確認する方法には、「会社の人事や総務担当に聞く」「就業規則を確認する」といった方法があります。
退職金は、年数以外にも会社の業績や社会情勢によって変化する可能性もあるので注意が必要です。退職後トラブルにならないためにも、制度の有無を確認するだけでなく、変更点がないかしっかり確認しておくことをおすすめします。
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退職金制度とは?
退職金制度とは、勤続年数や賃金に応じて退職後に会社からお金が支給される仕組みを指します。高退職金の支給方法は、大きく分けて「退職一時金制度」と「退職年金制度」の2つです。以下で、それぞれの退職金制度の特徴について確認しましょう。
退職金制度とは
- 退職一時金制度
- 退職年金制度
- 確定給付企業年金
- 企業型確定拠出年金
退職一時金制度
退職一時金制度とは、退職時にまとまった金額を支給する制度です。勤続年数や基本給、社内評価などを反映した金額が支払われます。何年働いたらもらえるか、退職した後いつ受け取れるかは企業によって異なるので、事前に確認しましょう。
退職年金制度
退職年金制度は、企業年金とも呼ばれる、退職金を分割して受け取る制度です。公的な年金ではなく私的年金のため、会社によって確定給付型や確定拠出型など種類が異なります。長期に渡って支給されるので、老後も安定した収入を得ることが可能です。
中小企業退職金共済制度(中退共制度)もある
退職金制度の一つに、「中小企業退職金共済制度(通称:中退共制度)」があります。先述した2つの制度との違いは、企業ではなく加入先の共済が退職金の積立と支払いをする点です。自社だけでは退職金の用意が難しい中小企業が多く利用しており、一定金額の支払いが保障されます。
個人ごとに5,000〜30,000円まで掛け金が選べ、長く加入するほど利息が付いて退職金が増えるのが特徴です。また、中退共制度の退職金が何年目からもらえるかについては、「勤続年数1年以上」と決まっています。
参照元
厚生労働省
中小企業退職金共済制度(中退共制度)
確定給付企業年金
確定給付企業年金は、確定給付企業年金法に基づいた企業年金制度で、「基金型企業年金」と「規約型企業年金」の2種類があります。
基金型企業年金は企業が従業員の同意のもと、企業年金基金へ委託し資産管理・運用・年金給付を行うものです。一方で、規約型企業年金は、信託会社や生命保険会社が資産管理・運用・年金給付を担当します。
どちらの場合も企業が掛け金を負担し、会社単位で運用を行うのが一般的ですが、加入者である従業員が個人で負担し運用することも可能です。また、退職時にもらえる金額は企業から保証されているので、個人的リスクは生じない制度といえるでしょう。
企業型確定拠出年金
企業型確定拠出年金とは、企業が毎月掛け金を積み立てて、それを従業員が運用する制度のことを指します。企業型確定拠出年金は福利厚生の一つでもあり、この年金制度を取り入れている会社の従業員は原則として、企業型確定拠出年金に自動加入することが決められているようです。
しかし、なかには企業型確定拠出年金の加入時に選択制を取り入れている企業もあります。選択制とは、企業が拠出するお金を企業型確定拠出年金の掛け金にするか毎月の給与で受け取るかを選べる制度です。この場合は企業型確定拠出年金に自動加入するのではなく、自分で加入するかしないかを選択する必要があります。
厚生年金基金制度
厚生年金基金制度は、厚生年金保険法に基づいた企業年金制度で、企業と従業員で掛け金を折半します。確定給付企業年金と同様に、退職時にもらえる金額が保証されており、運用も企業が行うため個人的なリスクはない制度といえるでしょう。
キャッシュバランスプラン
キャッシュバランスプランは、確定給付年金と確定拠出年金の中間のような制度です。企業と従業員の双方でリスクを分散します。掛け金を企業が負担し、受け取れる金額のうち一定額を企業が保証。残額は受け取るときの経済状況によって異なります。
前払い制度
毎月の給与や、年に数回の賞与などの際に、退職金の一部を上乗せして前払いされる制度もあります。退職する前に退職金をもらえるのはメリットに感じますが、上乗せされた金額にも所得税が発生することも忘れてはいけません。また、この制度を導入しているかどうかは、企業によって異なりますので確認が必要です。
退職金制度がある企業の割合
厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査 結果の概況 退職給付(一時金・年金)制度」によると、退職金制度がある企業は74.9%です。そのうち、退職金一時金制度のみを導入する企業は全体の69%で、退職年金制度のみを導入する企業は全体の9.6%。両制度を経用する企業は、21.4%となっています。参照元
厚生労働省
令和5年就労条件総合調査 結果の概況
退職金の相場はどれくらい?
退職金の相場は、退職の仕方が自己都合か会社都合かによって異なるほか、企業規模や学歴、勤続年数などが影響します。ここでは、退職金の相場を中小企業と大企業に分けてまとめました。
自己都合退職・会社都合退職って何?
自己都合退職とは、転居や結婚、病気療養や転職などにより自ら望んで退職することです。会社都合退職とは、倒産やリストラ、退職勧奨などで退職を余儀なくされることを指します。それぞれの違いについて知りたい方は、「自己都合退職。会社都合との違いは?」を参考にしてみてください。中小企業の退職金相場
東京都産業労働局が従業員数10〜299人の中小企業を対象に行った調査「令和4年版 中小企業の賃金・退職金事情」では、モデル退職金が算出されています。モデル退職金は、学校卒業後すぐに働き、平均的な成績と能力で勤務した場合の退職金の値を表したものです。以下のデータを参考にして、自分の学歴や経験年数に応じた退職金を考えてみましょう。
高卒の退職金
勤続年数 | 年齢 | 自己都合退職 | 会社都合退職 |
---|---|---|---|
3年 | 21歳 | 18万9,000円 | 27万4,000円 |
5年 | 23歳 | 35万8,000円 | 48万9,000円 |
10年 | 28歳 | 90万7,000円 | 122万3,000円 |
20年 | 38歳 | 272万9,000円 | 328万4,000円 |
引用:東京都産業労働局 「令和4年版 中小企業の賃金・退職金事情(120p)」
大卒の退職金
勤続年数 | 年齢 | 自己都合退職 | 会社都合退職 |
---|---|---|---|
3年 | 25歳 | 23万8,000円 | 33万8,000円 |
5年 | 27歳 | 47万円 | 64万1,000円 |
10年 | 32歳 | 112万1,000円 | 149万8,000円 |
20年 | 42歳 | 343万1,000円 | 414万7,000円 |
引用:東京都産業労働局 「令和4年版 中小企業の賃金・退職金事情(120p)」
なお、定年退職時の退職金は、高卒の場合は994万円、大卒の場合は1,091万8,000円という結果でした。
参照元
東京都産業労働局
中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)
大企業の退職金相場
e-Stat 政府統計の総合窓口が大企業を対象に行った調査「令和3年退職金、年金及び定年制事情調査」の結果を参考に、モデル退職金をご紹介します。この調査の対象企業は、資本金5億円以上で労働者1,000人以上(介護事業所は100人以上)です。なお、高卒も大卒も「事務・技術労働者」の総合職におけるモデル退職金を示しています。
高卒の退職金
勤続年数 | 年齢 | 自己都合退職 | 会社都合退職 |
---|---|---|---|
3年 | 21歳 | 31万4,000円 | 52万2,000円 |
5年 | 23歳 | 52万2,000円 | 89万4,000円 |
10年 | 28歳 | 137万8,000円 | 214万2,000円 |
20年 | 38歳 | 557万3,000円 | 664万7,000円 |
引用:e-Stat 政府統計の総合窓口「令和3年退職金、年金及び定年制事情調査」
大卒の退職金
勤続年数 | 年齢 | 自己都合退職 | 会社都合退職 |
---|---|---|---|
3年 | 25歳 | 32万3,000円 | 69万円 |
5年 | 27歳 | 59万4,000円 | 118万円 |
10年 | 32歳 | 179万9,000円 | 310万2,000円 |
20年 | 42歳 | 726万5,000円 | 953万1,000円 |
引用:e-Stat 政府統計の総合窓口「令和3年退職金、年金及び定年制事情調査」
大企業は、中小企業に比べて多くの退職金が支給され、会社都合の場合はさらに金額が上乗せされます。退職金が多い理由は、企業母体が大きく、安定した資金運用ができていることにあるでしょう。
参照元
e-Stat 政府統計の総合窓口
賃金事情等総合調査
公務員の退職金相場
公務員の退職金の相場は、内閣官房の「退職手当の支給状況 表2 勤続年数別退職手当受給者数及び退職手当平均支給額」によると以下のとおりです。
勤続年数 | 自己都合退職 | 定年 |
---|---|---|
勤続5年未満 | 24万5,000円 | 158万7,000円 |
勤続5~9年 | 84万7,000円 | 446万8,000円 |
勤続10~14年 | 276万9,000円 | 713万7,000円 |
勤続15~19年 | 525万5,000円 | 1,159万1,000円 |
引用:退職手当の支給状況「表2 勤続年数別退職手当受給者数及び退職手当平均支給額」
なお、上記は常勤職員として働いた場合の退職金となります。
公務員の退職金について詳しく知りたい方は「公務員の退職金はどのくらい?どうやって決まるの?」のコラムもあわせてご覧ください。
参照元
内閣官房
退職手当の支給状況
退職金の相場に影響しやすい要素
退職金の支給額は一般的に勤続年数に連動しますが、そのほかにも「会社の規模」や「学歴」「退職理由」などが退職金に影響する場合があります。以下で詳しく見てみましょう。
退職金の相場に影響しやすい要素
- 勤続年数
- 会社の規模
- 学歴
- 退職理由
勤続年数
勤続年数の長さは、退職金の額に影響しうる要素の一つです。入社から数年程度の人と、入社から定年まで勤めた人とでは、退職金に差が出る場合があるでしょう。ただし、勤続年数が長い=退職金が多いとは一概にはいえません。役職や実績などでも退職金の額は変わるので、長く働けば必ずしもたくさんの退職金をもらえるわけではないことを認識しておきましょう。
会社の規模
一般的に会社の規模が大きいほど、退職金も高い傾向にあります。中小企業に比べ大企業は、資金面でも安定しており、給与も高い傾向にあるからです。
人事院の民間企業を対象とした「民間の退職金及び企業年金の実態調査の結果並びに国家公務員の退職給付に係る本院の見解についての参考資料(p9~p12)」によると、企業規模が1,000人以上の大企業は退職給付額の合計が792万6,000円に対し、企業規模50人以上100人未満の中小企業は退職給付額の合計が422万であることが分かりました。
この結果から、中小企業より大企業の方が比較的退職金が高いといえるでしょう。
参照元
人事院
民間の退職金及び企業年金の実態調査の結果並びに国家公務員の退職給付に係る本院の見解について
学歴
退職金は学歴別で変わることもあり、高卒より大卒のほうが退職金が高い傾向にあります。厚生労働省の「就労条件総合調査(平成30年)第23表 退職者1人平均退職給付額(勤続20年以上かつ45歳以上の退職者)」によると、高卒者の定年退職金が1,159万円なのに対し、大学卒の定年退職金は1,983万円で、大卒者の方が比較的退職金が高いことが分かりました。
参照元
厚生労働省
平成30年就労条件総合調査 結果の概況
退職理由
退職金制度は、退職理由ごとに退職金の額を設定している企業もあります。会社を退職する理由は、自己都合と会社都合の2種類に分かれるのが一般的です。自己都合退職と会社都合退職とでは、会社都合退職の方が退職金が高くなる傾向にあります。
理由としては、会社都合での退職は「経営破綻」や「倒産」「業績悪化」などでやむを得ない事情で退職しなければいけないからです。そのため、自己都合より会社都合での退社の方が退職金が多く設定されている場合が多いといえます。
自己都合と会社都合の違いを詳しく知りたい方は「会社都合のときに退職届は必要?自己都合退職との違いや書き方・例文も解説」にまとめてあるので参考にしてください。
退職金の計算方法
退職金の算出方法は、主に「基本給連動型」「ポイント制」「定額制」「別テーブル制」の4つです。自分でおおよその退職金の支給額を知りたい場合は、勤務先の就業規則を確認して算出方法を調べましょう。
1.基本給連動型
基本給連動型の場合、基本給のほかに勤続年数や退職理由を考慮して退職金を算出します。
【計算方法】
退職金=退職月の基本給×支給率(勤続年数によって変動)×退職事由係数
支給率や退職事由係数は、企業によって異なるものの、一般的に勤続年数に比例して退職金が高くなる傾向にあります。また、役職に応じた金額を上乗せすることもあるようです。なお、基本給連動型の算出方法は、基本給の見直しが退職金に大きく影響します。そのため、現在は別の方法に移行する会社が増えているようです。
2.ポイント制
近年、導入する企業が多いのがポイント制です。ポイント制の場合、年齢や人事からの評価、会社への貢献度によって従業員にポイントを付与し、累積ポイント数に応じて退職金を決定します。
【計算方法】
退職金=退職金ポイント×ポイント単価×退職事由係数
ポイント制は業績や能力が高いほど退職金が増えるため、努力した分がきちんと返ってくる計算方法といえます。
3.定額制
定額制の場合、勤続年数に連動して退職金が決まります。基本給や従業員の貢献度、年齢に関わらず、「勤続5年で30万円」「勤続10年で90万円」というように、退職金が最初から固定されているのが特徴です。定額制には、一目で退職金が分かり将来設計を立てやすいメリットがある一方で、会社への貢献や業績を評価されないため、自分の頑張りで退職金を増やせないデメリットがあります。
4.別テーブル制
別テーブル制の場合、基本給連動型と同じように、勤続年数と退職事由を含めて退職金を算出します。基本給連動型と異なるのは、基本給ではなく役職や等級に応じた金額をもとに計算を行うところです。
【計算方法】
退職金=基礎金額(役職や等級に応じて変動)×支給率(勤続年数によって変動)×退職事由係数
別テーブル制は、従業員の貢献度を反映できる特徴があります。算出方法を、基本給連動型から別テーブル制に変更する会社も増えているようです。
退職金に関する注意点
退職金を、単に「会社を辞めるときにもらえるお金」と考えている方は注意が必要です。退職金を受け取る際は、税金がかかることや制度が在職中に変更され支給額が減少する可能性もあることを理解しておきましょう。以下では、退職金に関する注意点を詳しく解説します。
退職金には税金がかかる
退職金には、所得税と住民税がかかるのが基本です。ただし、退職金にかかる税金は税制優遇措置が取られているため、高額になりにくい仕組みになっています。また、ほかの所得と別に課税されるため、過度な税金がかかる心配はありません。
退職所得控除が受けられる
退職一時金を受け取る際に受けられる控除を、退職所得控除と呼びます。控除額は勤続20年前後で変わり、計算に基づいた金額より退職金が少なければ、税金がかかることはありません。また、勤務先で書類を提出すれば確定申告も不要です。
なお、退職年金として受け取る場合は雑所得に分類され、公的年金等控除を受けることになります。退職所得控除の計算式は以下のとおりです。
勤続年数 | 計算式 |
---|---|
20年以下 | 勤続年数×40万円 ※算出された金額が80万円に満たない場合は80万円 |
20年超 | (勤続年数-20年)×70万円+800万円 |
引用:国税庁「No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)」
たとえば、勤続30年で退職金700万円の場合の退職所得控除は、(30年-20年)×70万円+800万円=1,150万円となります。控除額1,150万円に対して、退職金は700万円のため税金はかかりません。
退職金の所得控除には5年ルールがある
退職所得控除の5年ルールとは、退職金を5年以内に再び受け取る場合、勤続年数の重複期間は所得控除の対象にならないというものです。たとえば、個人型確定拠出年金に加入していて、企業からの退職金と同時に一時金を受け取る場合は、5年ずらしたほうが税制上のメリットを受けられることになります。参照元
国税庁
タックスアンサー
退職金は必ず支給されるとは限らない
退職金制度を導入している企業は減少傾向にあり、現在は制度のある企業でも必ず支給されるとは限りません。厚生労働省の「就労条件総合調査 結果の概況」によると、2008年には83.9%の企業が退職金制度を導入していたものの、前述の通り2023年には74.9%と減少しています。
また、退職金の平均支給額を大卒・大学院卒の定年退職者(管理・事務・技術職)で見ると、2008年から2021年にかけて657万円も低下していることが分かりました。退職金の導入率や支給額低下の理由として考えられるのは、少子高齢化や会社の資産運用の難しさです。また、近年、元来の終身雇用や年功序列を撤廃し、中途採用を歓迎する成果主義の企業が増えており、ニーズに合った退職金制度へ移行する企業も増加傾向にあります。
参照元
厚生労働省
就労条件総合調査
就職・転職の際は退職金制度以外も確認することが大切
就職や転職を考えるときは、退職金制度の有無だけに注目して企業選びをしないようにしましょう。転職先を選ぶ際は、仕事のやりがいやキャリアアップについても考慮し、自分の人生設計に合っていることが大切です。「転職してよかったことは?満足度の高い仕事を見つけるポイントを解説!」のコラムでは、転職満足度の高い項目をまとめているので、こちらも参考にしてみてください。また、「あと△年で退職金がもらえる」と転職を先延ばしにすると、年齢が上がってしまい転職が難しくなる恐れも。判断に迷う方は就職支援サービスに相談するのがおすすめです。ハタラクティブアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
「できれば退職金を受け取って転職したい」「退職したあとの転職活動の方法が知りたい」という方は、就職・転職エージェントのハタラクティブへご相談ください。ハタラクティブでは就活アドバイザーが個別にカウンセリングを実施し、悩みや希望を聞いたうえで、適性に合った求人を紹介します。企業が求める人材や仕事内容といった多彩な情報を事前に収集できるため、入社後のミスマッチを防ぎやすいでしょう。また、応募先企業に合わせた就活対策をアドバイスしますので、転職が初めてという方も安心してです。就職・転職活動を効率的に進めたい方は、ぜひハタラクティブにお問い合わせください。
退職金に関してよくある質問
ここでは、退職・転職を検討する際の退職金に関する疑問を、Q&A形式で回答します。
自己都合の退職で退職金はもらえる?
受け取れることが多いようです。
ただし、退職金の支給は、会社が退職金制度を導入しているかどうかによって変わります。勤務先の就業規則や賃金規定を確認し、退職金制度の有無や受給条件を確認したほうが良いでしょう。詳しくは、「自己都合で退職金はもらえる?計算方法や注意点を解説!」をご覧ください。
勤続30年の退職金の相場はいくら?
大卒者が自己都合で退職した場合、中小企業は653万6,000円(2022年)、大企業は1915万4,000円(2021年)が相場です。ただし、非正規雇用の場合は勤続年数が長くても退職金は支給されない場合もあります。「退職金がもらえる条件とは?タイミングや相場について知っておこう」のコラムで支給条件の確認方法を紹介していますので、ご一読ください。
参照元
東京都産業労働局
中小企業の賃金・退職金事情(令和4年版)
e-Stat 政府統計の総合窓口
賃金事情等総合調査
勤続何年目から退職金が増える?
一般的に、勤続10年〜15年を越えると退職金の額が高くなるようです。
ただし、企業によって退職金の計算方法は異なるうえ、近年は減額の傾向にあります。そのため、勤続10年を越えても、入社前に想定していた金額より少ない可能性もあるでしょう。
解雇されたら退職金はもらえない?
解雇の種類によるでしょう。
懲戒解雇は懲戒処分のなかで最も重い処分であるため、退職金は支給されないのが一般的です。ただし、同じ解雇でも「諭旨解雇」であれば、退職金が支払われる場合も。諭旨解雇とは、会社の配慮で懲戒解雇よりも軽めの条件で解雇になることです。詳しくは「諭旨解雇とは?転職時にばれる?退職金や失業保険の有無も解説!」でも触れているので、参考にしてみてください。
非正規雇用でも退職金はもらえる?
契約社員やアルバイトといった非正規雇用の場合、退職金はもらえないのが一般的です。
退職後の生活資金に不安がある方は、「個人年金保険」や「個人型確定拠出年金」などを検討してみてください。また、失業手当の給付が受けられるかどうかも確認しておくと良いでしょう。退職金制度のある会社に正社員として就職したいとお考えの方は、ハタラクティブにご相談ください。あなたの希望に合いそうな求人を紹介いたします。
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
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