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博士課程を中退しても就職できる?就職活動を成功させる方法を詳しく解説
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この記事のまとめ
- 博士課程を中退しても、就職に悪い影響が出ることは少ない
- 博士課程を中退して就職活動を始める前には、方向性を固めて行動することが大事
- 博士課程を中退して就活を成功させたいなら、早めに進退の決断をすることが重要
- 博士中退後に就職するためには企業研究を行い、既卒枠に応募するのがおすすめ
- 博士課程を中退して就職を成功させるには、ポテンシャルの高さをアピールするのがコツ
博士課程に進んだものの、中退して就職すべきか悩んでいる方もいるでしょう。博士課程を中退すると最終学歴にも影響するため、慎重に検討して決断することが重要です。このコラムでは、博士中退が就職に及ぼす影響や、就活を成功させるコツを紹介。大学院の中退率や辞める理由、博士課程を修了するメリットとデメリットも解説します。博士課程を中退して就職したいなら、しっかり対策を立てて就職活動に臨みましょう。
博士課程を中退すると就職は不利になる?
博士課程に在籍中、中退して就職すべきか悩むこともあるでしょう。博士課程を中退した場合、就職に大きな影響は出づらいようです。ここでは、企業側は博士中退者をどう捉えているのか解説します。
博士課程を中退しても就職に影響が出ることは少ない
結論から言うと、博士課程を中退しても就職活動にそれほど悪い影響が出ることはないとされています。文部科学省が2016年に実施した「学生等の中途退学における調査(P195)」によると、博士課程の中退率は5.4%。中退者数は3,411人と報告されています。さらに、就職を理由に博士課程を中退した人は23.98%と、全体の約1/4を占めていることが分かりました。調査結果からみても、博士課程を中退して就活に踏み切る院生も一定数おり、博士課程を中退することは珍しくないといえるでしょう。
大学院は修士課程に比べ、研究に費やす時間や学会に参加する時間が増える傾向があります。自分の好きな勉強をもっと続けたい、将来研究職に就きたいと進学しても、思っていたより大変と感じる方もいるでしょう。アルバイトの時間を確保できず経済的負担が大きくなったり、研究内容に情熱を持てなくなったりして中退する人も多いようです。
中退の理由については「大学院中退率と就職に与える影響を解説!就活で後悔しないポイントも」のコラムも参考にしてください。
参照元
文部科学省
経済的理由による学生等の中途退学の状況に関する実態把握・分析等及び学生等に対する経済的支援の在り方に関する調査研究
企業は若くてポテンシャルのある人材を求めている
学生を採用する際に企業が重視するのはポテンシャルです。博士課程まで進んだとしても、業務は未経験のためポテンシャル採用の側面が強くなります。ポテンシャル採用では、年齢の若さや成長意欲が評価ポイントになるため、博士課程を中退しても就職に大きな影響はないと考えられるでしょう。
とはいえ、中退を理由に書類選考で落とされることがないとは言い切れません。面接で中退の理由を明確に説明できなければ、思うような結果につながらないこともあるでしょう。博士課程の中退を決心したら、しっかりと対策を立てて就活に臨むことが重要です。
博士課程を修了するメリット・デメリット
博士課程の中退を決める前に、全課程を修了するメリットとデメリットを確認しましょう。最終学歴にも影響を及ぼすため、慎重に検討する必要があります。
博士課程修了のメリットは博士号を取得し各分野の専門家になれること
博士課程を修了すると博士号を取得でき、国内外で専門家として活躍できることがメリットです。各分野の専門家として研究機関の研究者になれたり、大学に残って教員になれたりするでしょう。
博士号を取得すると海外でも通用するため、海外の大学や企業で自分の好きな研究を進めることも可能です。研究を通して得た知識やスキル、広い視野を活かし、独自にビジネスを立ち上げてグローバルに活躍している人も少なくありません。
博士課程修了のデメリットは経済的負担の大きさと修了時の年齢の高さ
博士課程に進むにあたり、授業料の負担という経済的デメリットが生じます。博士課程の取得には最短でも5年かかるため、学部卒業者に比べて経済的負担は大きいでしょう。
また、最短で博士課程を修了した場合の年齢は27歳です。同じ新卒でも学部生は22歳なので、採用時の年齢の高さはデメリットになりえます。
博士課程修了者が就職で不利といわれる4つの理由
学歴や専門性の高さが強みになる博士課程修了者ですが、就活において必ず有利になるとは限りません。主に就活時の年齢と社会経験の面において不利になる場合もあります。博士課程修了者が、就活で不利になるといわれる理由を把握しておきましょう。
1.社会に出るのが遅くなるから
博士課程修了時の年齢の高さは、就活が不利になりうる理由の一つです。先述したとおり、4年制の大学を卒業して大学院に進み博士課程を修了すると、最低でも27歳になります。浪人や留年、休学などの経験があれば、30歳を超えてしまうことも珍しくありません。
専門外の仕事を希望した場合、「年齢に応じた社会経験がない」「同じ新卒なら学部卒のほうが扱いやすい」と評価する企業もあるのが実情です。
実際に、文部科学省が発表した「令和5年度学校基本調査(P7-8)」によると、博士課程修了者に占める就職者の割合が70.2%なのに対し、修士課程修了者に占める就職者の割合は77.4%と、7%以上の差があります。雇用契約が1ヶ月~1年未満の有期雇用労働者も、修士課程修了者が1.0%なのに対し、博士課程修了者は5.7%と高い水準です。修士課程修了者より、博士課程修了者の方が短期契約で就職している人が多いことが分かります。
参照元
文部科学省
学校基本調査
2.初任給が高いから
初任給の高さも、博士号取得者の就職を不利にしている大きな要因です。一般的に、最終学歴が高くなるほど給与も高くなります。最も高い教育機関を修了している博士号取得者の場合、必然的に初任給は高くなるでしょう。しかし、実務としては未経験のため、コストの高さから採用を見送る企業が多い傾向があります。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、新卒者の学歴別にみた賃金(基本給)は、大卒だと約23.7万円なのに対し、大学院卒だと約27.6万円と約4万円近い差があります。賞与額も基本給を基準に計算するため、企業の負担は大きいといえるでしょう。
参照元
厚生労働省
令和5年賃金構造基本統計調査
3.専門性が高すぎるから
博士課程まで進んで研究を行っている強みは、専門性の高さです。しかし、強みであるはずの高い専門性が就活の妨げになるケースもあります。企業によっては、専門性が高いほど「柔軟性がない」「専門外の内容に弱い」と捉えることもあるようです。
研究内容が活かせる仕事であれば問題ありませんが、汎用性の低い専門分野の場合は採用が難しくなる可能性があります。
4.採用枠が狭いから
博士課程修了者が就職で不利になりやすい原因として、採用枠の狭さも挙げられます。国内の科学技術を発展させるため、1991年に国が大学院博士課程の定員を大幅に増やしました。そもそも研究職は採用人数が少ないのに、博士課程に在籍する学生の数が増加したことから、大学院の卒業生の多くが行き場を失うことになったのです。
一般企業においても、採用条件として「博士課程修了」を提示する求人は多くありません。企業の多くが「大学卒業」を条件にしているため、博士課程修了者は採用されにくいといわれています。博士課程修了者の就職事情については、「博士課程の就活はいつから?就職が難しいといわれる理由と求人の探し方」のコラムも参考にしてください。
博士課程中退して就職活動を始める前にすべきこと
博士課程を中退して就活活動を始める前には、方向性をしっかり決めることが大事です。まずは、本当に中退して大学院を去るのか、このまま研究を続けるのか決断をしましょう。博士課程の継続を決断しても、卒業後の進路をきちんと考えていなければ、年齢だけを重ねることになり就職が難しくなる可能性があります。
博士課程を中退すると、これまで研究で取り組んでいた目標を失うことになるため、将来の不安や焦りが出やすいものです。しかし、急いで就活を始めるのはおすすめできません。気持ちが定まらないまま就活をしても上手くいかない可能性が高くなります。まずは一定の時間を掛けて気持ちを整理し、今後の方向性を明確に決めましょう。
博士課程を中退して就活を成功させる5つの方法
博士課程を中退して就職を目指すなら、しっかりと対策を立てて進めることが重要です。就活を成功させる方法を5つ紹介するので、参考にしてください。
1.既卒枠でエントリーする
博士課程を中退して就活を行う際には、新卒枠ではなく既卒枠でエントリーするのがおすすめです。
大学院に進んだとしても、大学を卒業して3年以内であれば、新卒としてエントリーできる企業もあるでしょう。しかし、新卒枠で応募した場合、自分よりも若い学部新卒がライバルになります。年齢や中退者であることを理由に書類選考ではじかれてしまう可能性が高まるため、中途採用を中心に就活を行いましょう。
2.企業研究をしっかり行う
博士課程中退者が就活を成功させるには、志望する企業をしっかり研究することが大事です。企業理念や文化、風土だけでなく具体的な業務内容や福利厚生、事業展望など幅広く調べましょう。自分に合っているか、自分の強みを活かせるかを念頭において確認してください。
企業のWebサイトや求人票の確認だけでなく、OB訪問や企業訪問を行ったり説明会に参加したりして、情報に齟齬がないかチェックすることも大切です。企業研究については、「企業研究ってどうやるの?基本的なやり方と目的を解説」のコラムでも説明しているので、目を通しておきましょう。
3.前向きな姿勢で就活に臨む
博士課程中退者は、ポテンシャルの高さをアピールし、前向きな姿勢で就活に臨みましょう。博士課程を中退して就活に悪影響を及ぼす可能性は低いものの、面接時に中退理由を聞かれた場合は、建設的な回答が望まれます。
中退した理由を他責にしたり、大学院や指導教授に対してネガティブな発言をしたりすると、面接官にマイナスな印象を与えかねません。学生生活に不満があるから就職すると印象付けられ、仕事に対する熱意が低いと評価される恐れもあるので注意しましょう。
4.未経験者歓迎の求人に応募する
社会人経験のない博士課程中退者は、未経験者歓迎の求人にも注目してみましょう。未経験者を歓迎している企業は人手不足の傾向があり、採用される可能性が高くなります。
未経験者を積極的に採用している企業の多くは、入社の時点で業務に対する高いスキルや専門的な知識を求めていません。社内教育制度や研修が整っている可能性が高く、働きながらスキルアップが期待できます。就職経験がないことを不安に思っている方は「未経験から就職できる仕事の特徴は?求人の見極め方やおすすめ業種を紹介」のコラムもご確認ください。
5.就職エージェントを活用する
博士課程中退者が就活を成功させるには、エージェントを利用することがおすすめです。就職エージェントとは、相談者の状況に応じて就職内定までをサポートする機関のこと。公的なものではハローワークが有名ですが、博士課程中退者には民間のエージェントがおすすめです。
民間のエージェントは、ハローワークに比べてきめ細やかなサービスを行っていたり、独自の求人を持っていたりします。初めて就活を行う人にとっては、心強い味方になるでしょう。「就職エージェントとは?活用するメリットやデメリットを知ろう」のコラムも参考にしてください。
どのエージェントを利用するか悩んでいるなら、中退や既卒に強いハタラクティブに相談しましょう。ハタラクティブは20代をターゲットに就職支援を行っているため、未経験者歓迎の求人も多いのが強みです。ご相談者の希望や適性に合わせた求人の紹介から、応募書類の書き方、面接での受け答えのコツまで、就職に関するすべてをサポートいたします。
博士課程を中退して就職したい方のFAQ
博士課程を中退して就職すべきか検討中の方がよく抱える悩みに回答します。
就活で博士課程を中退した理由は伝えるべき?
中退した理由は素直に伝え、かつ仕事に対して前向きである意思を伝えましょう。
たとえば、資金面で困窮した場合は「家庭の事情で」と伝える方法がおすすめです。あわせて「貴社で働き、収入を安定させながらスキルアップを図り貢献していきます」と伝えましょう。「大学院中退の理由と就職活動で回答するときのポイント」のコラムでも、中退理由の伝え方を具体的に紹介しています。ぜひ参考にしてください。
博士課程満期退学の場合の最終学歴は?
博士課程を満期退学した場合、最終学歴は修士扱いになります。
博士課程で必要な単位を取得していても、修了要件にあたる論文審査に合格していなければ、博士号は取得できません。ただし、通例により、履歴書には「△△博士課程 単位取得後満期退学」と記載できます。履歴書の書き方に関する詳細は「大学院中退の履歴書はどう書く?学歴の正しい記載方法と就職の叶え方」で確認してください。
博士課程を中退して公務員になるのは可能?
博士課程を中退して公務員になる方法も一つの手段です。
公務員試験のなかには、学歴不問かつ30歳程度まで受験できるものもあります。大学院を中退して公務員を目指す方は「大学院中退から公務員に就職!内定をもらう方法と成功のコツ」のコラムを参考にすると良いでしょう。
博士課程を中退して全く関係のない仕事をしたいです。
博士課程に在籍したからといって、専門的な仕事につかなければいけないきまりはありません。これまで研究した分野以外の業界や職種にチャレンジするのも良いでしょう。なお、業界や職種選びで迷った場合はハタラクティブをはじめとした転職エージェントの利用がおすすめです。
- 経歴に不安はあるものの、希望条件も妥協したくない方
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。