フルコミッションの意味とは?違法になるケースや歩合制との違いを解説フルコミッションの意味とは?違法になるケースや歩合制との違いを解説
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フルコミッションは完全歩合制のことで、自分が出した成果に応じて給与額が変動する
フルコミッションに対して「きついのでは?」「歩合制とどう違うの?」といった疑問をもっている方もいるでしょう。このコラムでは、「フルコミッション」と「歩合制」について、それぞれの特徴や違いを分かりやすくまとめました。そのうえで、歩合制が適用されやすい仕事や向いているタイプ、違法になるケースなどについてもご紹介します。歩合制の仕事を選ぶ際の注意点についても触れているので、ぜひご一読ください。
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監修者:後藤祐介キャリアコンサルタント
一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
フルコミッションと歩合制
まずは、フルコミッションと歩合制についてそれぞれ解説します。
フルコミッションとは
フルコミッションは「完全歩合制」のことで、自分が出した成果(契約件数、納品数など)に応じて給与額が変動するシステムのことです。「完全」とついているその名のとおり、フルコミッションに基本給はありません。契約件数分の報酬によって給与額が決定されます。しかし、日本でフルコミッションが適用されるのは業務委託契約を結んだ場合のみ。この契約上は、労働者ではなく事業主として扱われるため、フルコミッションの適用が可能です。
ただし、厚生労働省の「さまざまな雇用形態」によると、業務委託契約であっても働き方の実態から「労働者」と判断できるならば、労働基準法が適用されます。したがって該当する場合は、フルコミッションを適用することはできないでしょう。
歩合制とは
歩合制とは、基本給にプラスして、成果に応じた報酬が上乗せされて支払われる制度のことです。「労働基準法第27条(出来高払制の保障給)」では、「出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。」と定められており、正社員やアルバイトなど企業と通常の雇用契約を結ぶ場合、日本ではフルコミッション(完全歩合制)は違法となります。つまり、企業側は労働者に対して、一定額の賃金保障をしなくてはなりません。この場合が、歩合制(基本給+歩合)です。
最低保証額について条文では定められていませんが、目安としては休業手当と同様に平均賃金の60%が一般的。平均賃金は雇用した日から3ヶ月間で計算され、賃金の総額を3ヶ月間の勤務日数で割る方法で算出されます。
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フルコミッションと歩合制の違い
前項で述べたように、正社員として働く場合はフルコミッションではなく歩合制です。フルコミッション(完全歩合制)と歩合制を混同しないために、以下のように覚えておきましょう。ただし、正社員の仕事でも企業によって歩合制を採用しているかどうかは異なるため、注意が必要です。
- ・フルコミッション(完全歩合制)=業務委託契約のみに適用される
- ・歩合制(基本給+歩合)=雇用契約を結んだ場合に適用される
歩合制の代表的な仕事には、不動産会社や保険会社などの営業職が挙げられます。そのほかにも、タクシードライバーやエステスタッフなど、さまざまな仕事がありますが、正社員での募集だと営業的要素を含む仕事が多いでしょう。
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フルコミッションは違法?労働基準法におけるルール
フルコミッション(完全歩合制)と聞くと、「それって違法じゃないの?」と不安に思う方もいるかもしれません。結論から言うと、結んでいる契約の形態によって合法か違法かが明確に分かれます。ここでは、労働基準法におけるフルコミッションの取り扱いについて詳しく解説します。
雇用契約(正社員・アルバイト等)でのフルコミッションは違法
正社員やアルバイトなど、企業と「雇用契約」を結んでいる労働者に対してフルコミッションを適用することは、労働基準法第27条によって明確に禁止されており「違法」となります。使用者は労働時間に応じた一定額の賃金を保障する義務があるため、もし全く成果が出なかったとしても給与がゼロになることはありません。求人票に正社員と記載があるのに完全歩合制となっている場合は、法令違反のブラック企業の可能性が高いため注意が必要です。
業務委託契約(個人事業主)であれば合法
一方で、企業と「業務委託契約」を結び、個人事業主(フリーランス)として働く場合は、労働基準法が適用されないためフルコミッションは「合法」となります。これは、企業に雇用されている労働者ではなく、独立した対等なビジネスパートナーとして契約を結ぶためです。ただし、名ばかりが業務委託で、実態として企業から勤務時間や場所の厳しい指定を受けており「労働者」と見なされる場合は、労働基準法違反となる可能性があります。
フルコミッションで働くメリット・デメリット
基本給の保障がないフルコミッションですが、あえてこの働き方を選ぶ人も多くいます。完全成果主義ならではのメリットがある一方で、生活に関わる大きなデメリットも存在します。
ここでは、フルコミッションで働くうえでのメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。
メリット:成果次第で高収入が狙える&自由度が高い
最大のメリットは、年齢や学歴、勤続年数に関係なく、自分の出した成果がそのまま収入に直結し、高収入が狙える点です。一般的な会社員とは異なり給与の上限がないため、実力次第で青天井に稼ぐことができます。
また、業務委託契約であれば働く時間や場所に縛られないため、自分のペースで自由にスケジュールを組めるなど、ライフスタイルに合わせた働き方が可能なのも大きな魅力です。
デメリット:収入が不安定&経費が自己負担になることもある
一方で、成果が出なければ収入がゼロになるという不安定さが最大のデメリットです。体調不良で休んだ月や、どうしても契約が取れない時期は、生活に直結する大きなリスクを伴います。
さらに、個人事業主扱いとなるため、交通費や通信費、顧客との交際費などの経費がすべて自己負担になるケースが一般的です。確定申告などの税金処理も自分で行う必要があるため、自己管理能力が強く求められます。
フルコミッションに向いている人の特徴
フルコミッションは、自分の成果がダイレクトに収入に反映されます。また、上司からの指示を待つのではなく、目標達成に向けて自分で計画を立て、主体的に行動することも重要です。そのため、以下の特徴に当てはまる人はフルコミッションに向いている可能性があります。
- ・目に見える形で成果が分かるとモチベーションが上がる
- ・実績につながる対策を考え、実行できる
- ・自己管理能力が高い
- ・コミュニケーション能力が高く、メンタルが強い
- ・チャレンジングな環境に身を置くのが好き
歩合制は自分の成果が給与に反映されるのが特徴のため、売上や契約件数といった数字の目標を達成することに楽しさを感じる人にとっては、うれしい給与形態といえるでしょう。また、歩合制を採用している仕事は、個人に与えられた裁量が大きい傾向もあるようです。主体的に動く姿勢を求められることも多いため、目標達成につながるような工夫や働きかけを自ら考えて実行できる人も向いているでしょう。
さらに、目標が未達成の場合にくじけない精神的な強さも必要です。目標のレベルは達成するごとに上昇していくケースもあるので、常にチャレンジ精神を持ち続けて仕事を楽しめる人にとって、歩合制はフィットする給与形態と考えられます。
フルコミッションが多い代表的な仕事・職種
フルコミッションが適用される仕事は、個人の営業力やスキルが成果に直結しやすい職種に集中しています。ここでは、フルコミッション(業務委託契約)での募集が多い代表的な3つの業界・職種をご紹介します。
フルコミッションが多い代表的な仕事・職種
- 保険の営業
- 不動産の営業
- 営業代行・フリーランスエンジニアなど
保険の営業
フルコミッションの代表格ともいえるのが、生命保険や損害保険の営業職です。顧客のライフプランに合わせた保険商品を提案し、新規契約を獲得することで高額なインセンティブが発生するケースが多くみられます。
契約を獲得するためには、商品単価の高さや継続契約になるケースが多いことから、顧客との信頼関係を長期的に築くコミュニケーション能力が重要になります。実力次第で年収数千万円を稼ぐことも不可能ではない業界です。
不動産の営業
投資用マンションの販売や、住宅の売買仲介など、扱う金額が大きい不動産営業もフルコミッションが多い職種です。1件あたりの成約単価が数千万円から数億円にのぼることもあり、1件契約を獲得するだけで大きな報酬を得られます。専門的な知識や高度な交渉力が求められますが、その分見返りも大きく、高収入を狙ってこの業界に飛び込む人も少なくないようです。
営業代行
企業に代わって営業活動を行う「営業代行」も、フルコミッション制が採用されやすい職種の一つです。商品の販売だけでなく、商談のアポイント獲得件数や、契約の成約数に応じて報酬が支払われるケースが一般的です。
扱う商材はITツールから通信回線、求人広告まで多岐にわたります。高い営業スキルと交渉力があれば、複数の案件を並行して請け負うことも可能であり、自分の得意な営業スタイルを活かして効率的に高収入を目指せるのが特徴です。
フリーランスエンジニア
IT業界で活躍するフリーランスエンジニアやWebデザイナーも、広い意味でのフルコミッション(完全成果報酬)にあたる働き方です。あらかじめ決められたシステムやWebサイトなどの成果物を納品したり、プロジェクト単位で業務を請け負ったりすることで報酬を受け取ります。
会社員とは異なり、自分の専門的な技術力やプログラミングスキルがそのまま収入に直結するのが特徴です。実績を積んで単価の高い案件を獲得できれば、自分の腕一つで大幅な収入アップを実現できるでしょう。
フルコミッションの仕事を選ぶ際の注意点
最後に、フルコミッションの求人に応募する前に確認しておくべき重要な注意点を解説します。魅力的な働き方である反面、事前のリサーチや覚悟が不足していると、思わぬ落とし穴にハマってしまうため注意が必要です。以下を確認し、仕事を選ぶ際の参考にしてみてください。
実績に応じて給与額が変わる
第一に、「フルコミッションは実績の有無によって毎月の収入が激しく変動する」という点です。歩合制のように基本給が保障されていないため、契約が取れなければその月の収入はゼロになります。そのため、「積極的に実績を上げて収入を青天井に伸ばしたい」という強い覚悟がないまま、「なんとなく稼げそう」という理由で選ぶのは危険です。毎月安定した給与を求める場合は、固定給が保証されている仕事を選ぶことをおすすめします。
自己管理能力の高さが必要
フルコミッションの仕事では、会社に縛られない自由がある分、すべての責任を自分で負うことになります。業務スケジュールの管理や、顧客のフォロー、さらには経費の計算や確定申告などの事務作業に至るまで、すべて自分で行わなければなりません。誰かに指示されなくても、目標から逆算して日々やるべきことを見極め、主体的に行動し続ける高い自己管理能力が不可欠です。
自分に合う業界や商材を吟味しておかなければならない
フルコミッションで成果を上げるためには、顧客に自信を持って商品やサービスを売り込む必要があります。興味関心が薄い業界や、自分自身が良いと思えない商材を選んでしまうと、モチベーションの維持が難しく、結果的に収入ゼロに陥ってしまうでしょう。そのため、自分が本当に興味を持てる分野か、商材に競争力はあるかしっかり吟味することが重要です。
また、正社員求人の中でも、営業職で歩合制を採用している企業が多い傾向にあります。未経験者を歓迎する会社もあるため、就職や転職で営業職を選ぼうとしている方は念頭に置いておきましょう。
以上の注意点を踏まえたうえで、歩合制の仕事に応募するかどうかを検討するのがおすすめです。歩合制については以下のコラムでも詳しくまとめているので、ぜひチェックしてみてください。
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