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週休3日制度とは?休みは増えるけど給料は減るって本当?
更新日
この記事のまとめ
- 週休3日制とは、1週間のうち休日を3日にする取り組みのこと
- 週休3日制は時間的余裕を生み、労働力の確保につながると考えられる
- 週休3日制は、休日が増えることで給与が減る可能性がある
- 週休3日制は、1日当たりの労働時間が増える可能性がある
近年では多様な働き方の一環として週休3日を実施する会社も増え、「週休3日制で働きたい」と考えている人もいるでしょう。週休3日制を導入している企業では、1週間のうち休日が3日設定されています。このコラムでは、週休3日が採用された背景や期待されることやメリット、デメリットを解説します。多様な働き方を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。
週休3日制とは?
週休3日制とは、1週間のうち休み(公休)を3日に設定することです。
日本の企業の多くは週休2日制を導入しているため、一般的な企業に比べて1日休みが多くなるのが特徴になります。正社員の長時間労働が問題になるなど、近年の勤務環境の悪化などがきっかけで発案され、導入する企業が少しずつ増えているようです。
休みが増えると理想のワークライフバランスが実現できたり、仕事に対する生産性の向上が期待されたりしています。しかし、休みが増えることで「毎日の仕事量が増えるのではないか」「労働時間が減るから給与も減るのではないか」など懸念を抱く人もいるようです。
厚生労働省が実施した「令和5年就労条件総合調査 結果の概況(p4)」によると、令和5年時点で実質的に週休3日以上が導入されている企業は、全体のうち7.5%です。
企業規模(従業員数) | 実質的に週休3日以上が導入されている割合※ |
---|---|
30〜99人 | 7.0% |
100〜299人 | 7.4% |
300〜999人 | 12.3% |
1000人以上 | 10.0% |
令和5年合計 | 7.5% |
参照:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況(p4)」
上記のデータを見ると、主に企業規模が大きいほど週休3日制度が導入されやすい傾向にあります。
※「実質的に週休3日以上が導入されている」とは、「完全週休2日制より休日日数が実質的に多い」を表します。具体的には月1回以上週休3日制、3勤3休、3勤4休などです。
参照元
厚生労働省
就労条件総合調査
週休3日制を導入するときの注意点は?
週休3日制を導入する際には、業務の流れを再編成したり、基幹システムを見直ししたりする必要があります。業務の流れを再編成する際は、週休3日制に変更しても業務が円滑に進行するように「いつ・誰が・何をするのか」一連の流れを整理しましょう。
また、勤怠管理や給与計算、人事評価など基幹システムの見直しも必要です。基幹システムを変更後のフローを事前に確認しておくことが大切になります。
週休3日が導入される背景
週休3日制の大きなきっかけになったのは、国が推奨している「働き方改革」です。
働き方改革とは、ワークライフバランスを整えることや働きやすさ向上を目的として、企業に労働環境をよりよくしていくことを求めるもの。固定された従来の働き方ではなく、個々の状況や事情に対応できるような働き方の多様性を実現することで、労働力の確保や従業員の満足度、生産性の向上が期待されているようです。
多様な働き方について知りたい方は「週3日勤務の正社員は存在する?働き方やメリット・デメリットを解説」をご覧ください。
週休3日の働き方
一口に「週休3日制」といっても、企業によって内容は異なるものです。勤務時間が減るのに連動して給与も減る、給与は変わらず勤務時間だけが減る、給与も勤務時間も変わらないという3つのパターンが考えられます。
1.給与減額型
働く日数が1日減るため、あわせて給与も減るパターンになります。週休3日制ではなく、短時間勤務制度でも導入されることが多い対応です。
2.給与維持型
働く日数が1日減っても、給与額が変わらないパターンです。1日あたりの労働時間は週休2日と同じで、単純に総労働時間が減るため、労働者にとって最も理想的な働き方といえるでしょう。
ただし、減った労働時間で前と同じ業務パフォーマンスを発揮する必要があるため、短い時間で成果を出すことが求められます。
3.労働時間維持型
働く日数は減るものの、1日あたりの労働時間が増えて総労働時間を維持するパターンです。たとえば、週休2日で1日の労働時間が6時間の会社が週休3日の労働時間維持型に変更すると、週4日の勤務で30時間の労働時間を維持するために1日あたりの労働時間が7.5時間に増えます。
ただし、多くの企業は「週5日、1日8時間間勤務」のため、週休3日にすると1日の労働時間が10時間となり法定労働時間を超えることに。これを解決するには労使協定を結んで変形労働時間制を導入する必要があります。
変形労働時間制とは
変形労働時間制とは、労働時間を月や年単位で計上することに。通常は「1日8時間、週40時間以内」が法定労働時間ですが、変形労働時間制を導入することで「1日8時間、週40時間以内」を超えても違法にはなりません。
「今日は8時間、明日は10時間、明後日は6時間」など、1ヶ月を通して労働時間が調整できていれば問題ないとされます。労働日数に関する制度や法律を知りたい方は「連続勤務日数は何日まで?7日は違法?上限の基準や有給休暇との関係を解説」をぜひ参考にしてください。
週休3日のメリット
休みが増える代わりに1日の所定労働時間が増えたり、給与が減額になったりする週休3日制。導入のメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
休日が増える
休日が1日増えるので、家族と過ごす、趣味や資格取得に向けた勉強の時間が確保できるなど、労働者にとってプライベートが充実することがメリットとして挙げられます。
また、プライベートが充実するとリフレッシュにつながり、結果的に仕事の生産性が高まるという効果も期待できるでしょう。
労働人材の確保につながる
企業にとってのメリットは、週あたりの労働日数が減るため、育児や介護など従来の働き方が難しい人材の確保、既存社員の離職防止にもつながることです。そのほか、柔軟な働き方を求める優秀な人材にアプローチできるなど、労働人材の確保に期待できるでしょう。
週休3日の4つのデメリット
週休3日になることで、労働日数が減るため1日の労働時間が増えたり、生産性をより意識したりする必要が出るでしょう。また、制度によっては給与が減る可能性もあります。
1.労働時間が伸びる可能性がある
労働時間維持型の場合は、総労働時間に変更はないため1日あたりの労働時間が伸びる可能性があります。変形労働時間制になった場合も、業務量に変更はないため結果的に労働時間が長くなることに。
労働時間を抑えるには、生産性を今まで以上に意識したり効率化したりする必要があります。労働時間の詳細を知りたい方は「法定労働時間とは」もぜひ参考にしてください。
2.給与が減る可能性がある
給与減額型の場合は、労働時間が減るのに応じて給与も減るでしょう。休日が増えるのと給与が減るの、どちらが自分にとって許容できるかをよく考える必要があります。
3.取引先などとスケジュールが合わなくなる可能性がある
自社が週休3日制になっても、多くの企業では週休2日でスタンダードです。そのため取引先とスケジュールが合いにくくなるなど、ビジネスチャンスの喪失になる可能性も。取引先とスケジュールが合わず、結局休日出勤して対応するといった自体が起こってしまえば、週休3日である必要性を疑問視されるでしょう。
4.勤怠管理や人事評価を見直す必要がある
週休3日制になると、勤怠管理や人事評価を見直す必要があります。週休3日で働く場合と週休2日で働く場合を選べる状況では、複数の勤務状況が混在する可能性も。勤務日数や総労働時間が異なると、人事評価や勤務管理も変化するため事前に見直す必要があります。
仕事選びは「休日」以外も考慮しよう!
説明したように、週休3日にはメリットとデメリットがあります。1日あたりの労働時間が増えても休日が増えたほうが嬉しい!という人もいれば、休日は2日のままでいいから1日あたりの労働時間は増やしたくない…と考える人もいるでしょう。
人によって合う、合わないがあるので、仕事を選ぶ際には単に「休日の多さ」だけではなく、業務内容や職場環境などのさまざまな視点から「自分に合っているか」を考える必要があります。もし、これから転職先を探すのであれば、転職エージェントに相談するのがおすすめです。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。