職業訓練の種類はどれくらい?受講メリットとハローワークで申し込む方法

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この記事のまとめ

  • 職業訓練とは、さまざまな仕事に役立つスキルを習得できる就職支援制度のこと
  • 職業訓練は「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」の2種類に分かれている
  • 職業訓練で受けられるコースには多くの種類がある
  • 職業訓練は終了後1年間はコースを変更できないため、受講できるのは実質1種類
  • 訓練校に通っている間、失業手当や職業訓練受講給付金を受給できることもある

現在ニート状態や失業中という方の中には、ハローワークの職業訓練に興味がある人もいるでしょう。職業訓練は無料で通えるうえに、受講中は失業手当や職業訓練受講給付金などを受給できるメリットもあります。このコラムでは、職業訓練の概要や受けられるコースの種類について解説します。就職に向けて役立つスキルを身に付けたいとお考えの人は、参考にしてみてください。

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職業訓練とは

職業訓練とは、就職先の仕事に役立つスキルを習得できる公的な就職支援制度で、通称「ハロートレーニング(ハロトレ)」とも呼ばれています。働きたいという意思があれば誰でも受講可能です。職業訓練校となる場所は、職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)や各都道府県にある職業能力開発校、民間の教育訓練機関などです。
職業訓練で受けられるコースの種類は多種多様で、訓練期間は短いものでは2ヶ月、長いものでは2年程度かかることもあります。職業訓練の概要については「ニートが受けられる職業訓練とは?受講方法や費用についてご紹介」でも解説しているので、あわせてご覧ください。

コースの種類を選択するときは慎重に

職業訓練コースを選択すると、訓練終了後1年間はほかのコースを受講できません。そのため、1回の就職・転職前に受けられる職業訓練は、実質1種類のみ。職業訓練を受け始めてから、「やっぱり別の訓練にすれば良かった」と後悔しないよう、選択は慎重に行いましょう。

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職業訓練の種類

職業訓練は、公共職業訓練と求職者支援訓練の2種類に分類されています。ここでは、それぞれの職業訓練について違いを解説します。この2つの違いは、雇用保険(失業保険)受給者対象か、受給資格がない人対象かです。どちらの訓練を受けるか決める前に、自分自身が雇用保険受給者かどうかを確認しておきましょう。

1.公共職業訓練(離職者訓練)

公共職業訓練は離職者訓練とも呼ばれており、失業保険を受給している人向けの職業訓練です。3ヶ月から2年の訓練期間で、電気設備や工場管理、介護サービスなど主に就職に直結する知識や技能を身に付けられます。
失業保険受給資格の条件は、「失業中である」「仕事が見つかればいつでも就職できる状態である」「退職するまでの2年間のうち、雇用保険の加入期間が通算で12カ月以上ある」の3つです。

2.求職者支援訓練

求職者支援訓練は、失業保険を受給していない人向けの職業訓練です。訓練期間は2ヶ月から6ヶ月と公共職業訓練より短く、ITスキル、簿記、経理事務など主に社会人として役立つ知識や技術を学べます。
勤め先を退職したものの、雇用保険が適用されない人や自営業や個人事業主で雇用保険に未加入だった人、アルバイトやパートといった不安定な仕事から安定した正社員を目指す人が対象です。

 公共職業訓練(離職者訓練)求職者支援訓練
対象者雇用保険の受給資格がある人雇用保険の受給資格がない人
期間3ヶ月から2年2ヶ月から6ヶ月
受講先
都道府県
民間事業者
厚生労働大臣が認定した民間事業者
給付金失業保険
通所手当
寄宿手当(自宅から訓練に通えない場合)
職業訓練受講手当
通所手当
寄宿手当(自宅から訓練に通えない場合)

求職者支援訓練の制度改正について

2023年4月1日から求職者支援制度が変更され、求職者支援訓練を受けている人の職業訓練受講給付金と通所手当の2つが変更になりました。
職業訓練受講給付金では、月額10万円の職業訓練受講給付金が支給される対象が、月あたりの世帯年収25万円以下から30万円以下に。交通費に該当する通所手当も、給付金を受けていない人でも、収入が一定額以下かつ他の支給要件を満たせば対象になっています。

参照元
厚生労働省
求職者支援制度が変わります

職業訓練で受けられるコースの種類

職業訓練にはさまざまなコースがあり、ハローワークインターネットサービスのWebページで種類別にコースの検索ができます。以下は、全国各地で開校されている職業訓練コースの一例です。

・パソコン、Web関連
・情報処理、プログラミング、CAD/NCオペレーション
・電気設備
・金属加工、溶接
・建築、造園
・介護サービス
・医療事務
・OA事務、簿記、経理
・自動車工学
・デザイン関連
・宅建不動産

職業訓練を検索するときは、ハローワークインターネットサービス内にある「職業訓練検索」を利用するとよいでしょう。都道府県や職業訓練の種類、募集期間、訓練期間を設定することで、自分に適している職業訓練コースを選ぶことが可能です。
また、ハローワーク内には職業訓練に関するチラシやパンフレットも置いてあり、掲示板にもポスターが貼られています。どの職業訓練を受けようか迷ってしまう場合は、ハローワークの職員に相談するのもよいでしょう。

参照元
厚生労働省
ハローワークインターネットサービス

職業訓練でのおすすめのコース

職業訓練で受講するコースで悩んだら、今後の需要が見込めたり、汎用性が高かったりするスキルを選ぶのも1つの方法です。

1.Web制作

Web制作コースは、IT化が進んでいる影響から人気が高まっている職業訓練といえるでしょう。HTMLコーディングやCSSコーディング、Java Scriptプログラミング、Webデザインなど、Webサイトを作るために必要な知識を学べます。

パソコン基礎コースもおすすめ

パソコン作業に馴染みがなかったり、自信がなかったりするならパソコンの基礎を学べるコースが良いでしょう。いまや多くの職種でパソコンを使用するのが当たり前になっています。
基本的なPCスキルとはどこまで?履歴書の記載方法とスキルアップのやり方」でも述べているように、文字入力だけができても「基本的なパソコン操作ができる」とはいえないため、業務で問題なく活用できるレベルを目指しましょう。

2.プログラミング

Web制作と同様に、需要が高いスキルの1つであるプログラミング。ハロートレーニングのプログラミングコースでは、JavaやPython、PHP、JavaScripなどのプログラミング言語、ハードウェアの構造、ソフトウェア開発などを学べます。

3.簿記

簿記の知識を持っていると、経理や財務だけでなく営業や総務といった仕事にも活用できます。また、企業に限らず会計事務所や税理士事務所といった場所で働けることも。詳しくは「簿記ってどんな資格?保持するメリットと活用できる仕事」のコラムをご覧ください。

4.CAD

CADとは、建築物の図面や製品デザインなどをコンピュータで設計するスキルのことです。CADを使えるようになると、建設や内装設計関係、各種メーカーなど活躍の幅が広がります。「就活アドバイザーが教える!CADエンジニアやオペレーターのお仕事」のコラムで詳しく解説していますので、参考になさってください。

5.介護サービス

人口の高齢化に伴い、介護職の需要は増えています。介護職は資格がなくても働くことはできますが、専門知識や技術を持った有資格者が採用されやすいのが現状です。
介護実務者養成科を終了後3年の実務経験を積むことで、国家資格である介護福祉士の受験資格を得られます。介護職のキャリアアップとして、介護福祉士資格取得はおすすめといえるでしょう。

職業訓練を受ける6つのメリット

職業訓練の受講には、知識や技術を習得できるほかにも以下のようなメリットがあります。ここでは6つご紹介しますので、それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.受講料が無料

職業訓練は、基本的にどの科目も無料で受講できます。ただし、テキスト代や交通費が自己負担になることも。コースの種類や内容、受講者の状況によって負担額は異なるので、受講を決める前にハローワークや職業訓練校の説明会などで確認しましょう。

2.就職支援を受けられる

職業訓練を受講すると、求人紹介や就職相談をはじめとする就職支援を受けられるのもメリットです。職業訓練の開始前や受講中はもちろん、終了後も支援は受けられるので、職業訓練校に通いながら効率良く仕事を探せます。

3.給付金が支給される

職業訓練を受けている間は、職業訓練受講給付金が支給されます。加えて失業保険の受給資格があり、所定給付日数の3分の2が残っている人は、職業訓練の修了日まで失業手当の給付が延長されることも。ただし、失業保険の所定給付日数が90日の場合は、90日分すべて残っている必要があるので注意しましょう。
職業訓練受講給付金って何?受給するための要件を詳しく解説!」のコラムでは、職業訓練中の失業保険や職業訓練受講給付金といった手当の種類について詳しく解説しています。こちらもあわせてご覧ください。

4.失業保険受給の手続きを代行してもらえる

失業手当を受給するためには定期的にハローワークに通う必要がありますが、職業訓練を受講している間は職業訓練校側が受給手続きを代行してくれます。失業認定日にハローワークに行き忘れると給付が遅れたり、最悪の場合給付が受けられなかったりすることもあるので、手続きを代行してもらえるのは大きなメリットといえるでしょう。

5.資格を取得できる

コースの種類によっては、職業訓練で専門分野の資格を取得できます。資格は就職活動時の強みとなるため、すでに就きたい職種が決まっている人は資格が取得できるコースに申し込むと良いでしょう。

6.規則正しい生活リズムを保てる

職業訓練校に通っている期間中は、就労中と同じく決められた時間に合わせて生活します。そのため、生活リズムの乱れを整えなくてはなりません。ニートや失業中など生活リズムが乱れがちな状態でも、職業訓練に通う間は就労中と同じように規則正しく過ごせるため、就職に向けて規則正しい生活リズムを保てるでしょう。

職業訓練を受ける3つのデメリット

職業訓練は受講できるコースの種類も多く給付金ももらえるため、一見メリットばかりに見えます。しかし、以下のようなデメリットがあることも頭に入れておきましょう。

1.職業訓練を受ける期間が長いと収入面に不安が出る

職業訓練が長期間に及ぶ場合、収入面に不安が出てくる可能性があります。失業手当の受給額は、前職の給与の約3分の2。前職での給与が低ければ職業訓練中の収入はさらに低くなってしまいます。
職業訓練を受けている期間にアルバイトをすることは可能ですが、「失業保険の受給中にバイトはできる?可能な期間や働ける時間に注意」でも述べているように必ず申請をしなくてはなりません。また、働ける時間や収入にも制限がかかります。

2.就職・転職までに時間がかかる

職業訓練は短くて2ヶ月、長くて2年の期間を要します。訓練を終了してスキルや資格を得てから就職しようと考えていると、就職・転職までに時間がかかることもあるでしょう。また、受講の決定までに面接や試験が複数回実施されることもあり、職業訓練を開始するにもある程度の日数が必要です。

3.職業訓練校によってスキルの習熟度に差が出る場合も

職業訓練校によっては、同じコースを受講していてもスキルの習熟度に差が出る場合があります。職業訓練校の講師は必ずしも現役であるとは限らず、定年退職した人がアルバイトとして雇われていることも。講師のレベルが低いと、せっかく職業訓練を受けても就職先で実践できるスキルを習得できない可能性が出てきます。受講するコースを決める前には説明会に参加して、自分が納得したうえで続けられる職業訓練校であるかを判断しましょう。

職業訓練を受けるための手順

ここでは、職業訓練を受けるための手順について解説します。入校までの流れは以下の通りです。

1.訓練校と希望のコースを選ぶ

まずは、通いたい職業訓練校とコースの種類を選びます。どのような職種や業界に就職したいかを踏まえて、身につけたいスキルを考えましょう。通所時間や訓練期間が長過ぎないか、身につけたいスキルがやりたい仕事で役に立つかを意識して決めるのがポイントです。

2.説明会に参加する

希望のコースが決まったら、次は説明会に参加しましょう。多くの職業訓練校では定期的に説明会が開催されています。説明会に参加することで、実際に訓練の様子を見学できますし、受講するコースの概要について詳しく理解することも可能です。
また、職業訓練校に対するやる気や、熱意のアピールにもつながるので積極的に参加することをおすすめします。説明会に参加を希望される人は、職業訓練校もしくは、ハローワーク内にある訓練相談窓口に問い合わせるとよいでしょう。

3.受講の申し込みをする

説明会で意思が固まったら、受講の申し込みを行いましょう。申し込み先は、職業訓練校を管轄するハローワークです。
職業訓練の申し込みには、受講申込書や雇用保険受給資格者証、証明写真(4×3cm)が必要です。
雇用保険受給資格者証が申し込み時に受給者証が手元にない人は、後日提出でも差し支えありません。

4.面接や試験を受ける

受講の申し込みが完了したら、面接や試験を受けます。人気のコースになると倍率が高くなるため、選考が複数回行われることも。試験の内容は国語や数学のほか、適性検査などが行われます。職業訓練の選考では試験よりも面接の方が重要視される傾向にあるので、志望動機や就職のイメージなど対策を練ってから臨みましょう。

5.入校の手続きを行う

面接や試験に合格すると、合格通知と必要書類が届くので、入校の手続きを済ませましょう。手続きは、受講するコースを管轄しているハローワークで行います。必要な持ち物は、以下の通りです。

・ジョブカード(ハローワークの初回利用時にもらうもの)
・職業訓練合格後の手続きについてのマニュアル(入校の申し込み時にもらうもの)
・選考結果通知書
・雇用保険受給資格者証
・証明写真(4×3cm)

また、手続きの際ハローワークから就職支援計画が交付されます。職業訓練の受講者は、就職支援計画に基づいて再就職の斡旋を受けることになるので、しっかり目を通しておきましょう。
職業訓練の申し込み方法については「ハローワークの職業訓練を受けるには?コースの種類や申し込みの流れを解説」でも解説しているので、あわせてご覧ください。

職業訓練を終えたら就職・転職を目指そう

職業訓練を終えた後は、身につけたスキルを活かして就職や転職を目指しましょう。
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