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職業訓練の種類はどれくらい?おすすめコース一覧と受講するメリットを紹介
更新日
この記事のまとめ
- 職業訓練とは、さまざまな仕事に役立つスキルを習得できる就職支援制度のこと
- 職業訓練は「公共職業訓練」と「求職者支援訓練」の2種類に分かれている
- 職業訓練で受けられるコースにはさまざまな種類がある
- 職業訓練は終了後1年間はコースを変更できないため、受講できるのは実質1種類
- 職業訓練校に通っている間、失業手当や職業訓練受講給付金を受給できることもある
現在失業中やニート状態だったり、転職を考えていたりする方のなかには、ハローワークの職業訓練に興味がある人もいるでしょう。職業訓練は基本的に無料で通えるうえに、条件を満たせば受講中に失業手当や職業訓練受講給付金などを受給できるメリットもあります。このコラムでは、職業訓練の概要や受けられるコースの種類について解説。就職に向けて役立つスキルを身につけたいとお考えの人は、参考にしてみてください。
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職業訓練とは
職業訓練とは、就職先の仕事に役立つスキルを習得できる公的な就職支援制度で、通称「ハロートレーニング(ハロトレ)」とも呼ばれています。働きたいという意思があれば誰でも受講可能です。
「職業訓練校」となる場所の種類
厚生労働省が運営する特設Webサイト「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)」のQ&Aでは、職業訓練の種類によって受講場所は異なると述べられています。
公共職業訓練の場合の受講場所は、職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)や各都道府県にある職業能力開発校、都道府県からの委託を受けた民間の教育訓練機関など。求職者支援訓練の場合は、訓練コースごとに厚生労働大臣からの認定を受けた民間の教育訓練機関が受講場所となるようです。
職業訓練の種類については次項で解説しているほか、「ニートから受けられる職業訓練とは?受講方法や費用を紹介」のコラムにもまとまっているので、あわせてご覧ください。
参照元
厚生労働省
ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)
- 自分でも丁寧に話を聞いてもらえるかな
- 無理な勧誘されないかな
- 最後までお金はかからないのかな
職業訓練の種類と利用条件
職業訓練は、公共職業訓練と求職者支援訓練の2種類に分類されています。ここでは、それぞれの職業訓練の違いや利用条件を解説。どちらを受けられるかの決め手は、雇用保険(失業保険)の受給資格があるかないかです。どちらの訓練を受けるか決める前に、自分自身が雇用保険受給者かどうかを確認しておきましょう。
公共職業訓練(離職者訓練) | 求職者支援訓練 | |
---|---|---|
対象者 | 雇用保険の受給資格がある人 | 雇用保険の受給資格がない人 |
期間 | 3ヶ月から2年 | 2ヶ月から6ヶ月 |
受講先 | 国 都道府県 民間事業者 | 厚生労働大臣が認定した民間事業者 |
給付金 | 失業保険 通所手当 寄宿手当(自宅から訓練に通えない場合) | 職業訓練受講手当 通所手当 寄宿手当(自宅から訓練に通えない場合) |
公共職業訓練(離職者訓練)
公共職業訓練は離職者訓練とも呼ばれており、失業保険を受給している人向けの職業訓練です。3ヶ月から2年の訓練期間で、電気設備や工場管理、介護サービスなど主に就職に直結する知識や技能を身につけられます。
なお、失業保険受給資格の条件は、「失業中である」「仕事が見つかればいつでも就職できる状態である」「退職するまでの2年間のうち、雇用保険の加入期間が通算で12ヶ月以上ある」の3つです。
具体的な学習内容
厚生労働省の「ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)」によると、公共職業訓練(離職者訓練)の訓練科目には、電気設備技術科や木工科、自動車整備科といった技術系のものだけでなく、介護サービス科や情報処理科などの幅広いコースが用意されています。
求職者支援訓練
求職者支援訓練は、失業保険を受給していない人向けの職業訓練です。訓練期間は2ヶ月から6ヶ月と公共職業訓練より短く、ITスキルや簿記、経理事務など主に社会人として役立つ知識や技術を学べます。
勤め先を退職したものの、雇用保険が適用されない方や自営業・個人事業主で雇用保険に未加入だった方、アルバイトやパートといった不安定な仕事から安定した正社員を目指す方が対象です。
具体的な学習内容
厚生労働省の「求職者支援制度のご案内」によると、求職者支援訓練にも、IT系や医療・福祉系、デザイン系などさまざまなコースがあります。
職業訓練のコース内容は、後述する「職業訓練で受けられるコースの種類」でも触れているので、チェックしてみてください。
求職者支援訓練の制度改正について
厚生労働省の「求職者支援制度が変わります(2023年4月1日から)」によると、2023年4月1日から求職者支援制度が変更され、求職者支援訓練を受けている人の職業訓練受講給付金と通所手当の2つが変更になりました。職業訓練受講給付金では、月額10万円の職業訓練受講給付金が支給される対象が、月あたりの世帯年収25万円以下から30万円以下に。交通費に該当する通所手当も、給付金を受けていない人でも、収入が一定額以下かつ他の支給要件を満たせば対象になっています。
参照元
厚生労働省
トップページ
島根労働局
ハロートレーニング(公的職業訓練)のご案内
過去1年間で公共職業訓練を受講していないことが条件
職業訓練を受講できる条件は、「受講開始日より前の1年間に公共職業訓練を受けていないこと」です。つまり、職業訓練コースを選択すると、訓練終了後1年間はほかのコースを受講できません。
職業訓練を受け始めてから、「やっぱり別の訓練にすれば良かった」と後悔しないよう、選択は慎重に行いましょう。
職業訓練コースの選び方のポイント
さまざまな種類がある職業訓練コースのなかから自分に合ったものを選ぶためには、「興味・関心がある分野を選ぶ」「受講スタイルや掛かる費用で選ぶ」「職業訓練校の雰囲気で選ぶ」といったポイントを意識することが大切です。
以下でそれぞれ解説しているので、参考にしてみてください。
興味・関心がある分野を選ぶ
職業訓練を選ぶ際は、自分の興味がある分野を選ぶことが重要です。職業訓練では、就職に役立つスキルや知識を身につけられるため、自分が興味をもって取り組める分野であれば、将来的なキャリアにも繋がりやすくなるでしょう。
自分の興味・関心を明確にするには、自己分析をするのがおすすめ。過去の経験を振り返って、自分の強みや適性を洗い出してみましょう。自己分析の方法は「自己分析のやり方が知りたい!ノートやツールを使って実践しよう」で紹介しているので、あわせてチェックしてみてください。
受講スタイルや掛かる費用で選ぶ
受講スタイルや掛かる費用で選ぶ方法もあります。職業訓練には受講場所に直接通うものだけでなく、オンラインで受講できるコースもあるようです。自分のライフスタイルに合った受講スタイルを選ぶことで、学習の効率や意欲アップが見込めるでしょう。
職業訓練は基本的に無料ですが、テキスト代や資格試験の受験料などの経費は自己負担となります。掛かる費用が少ないコースを選べば、経済的な負担が少なくて済むでしょう。
ただし、「掛かる費用が安いから」という理由だけでコースを決めるのはおすすめできません。学習内容や支援の充実度なども加味することが大切です。
職業訓練校の雰囲気で選ぶ
職業訓練校の雰囲気で選ぶのも一つの手です。自分にとって居心地の良い雰囲気であれば、高いモチベーションを保ちながら学習に取り組みやすくなるでしょう。
職業訓練校の公式Webサイトやパンフレットなどに目を通し、講師紹介や授業風景などを事前に確認しておくことをおすすめします。
職業訓練で受けられるコースの種類
前述したように、職業訓練にはさまざまなコースがあります。以下は、全国各地で開校されている職業訓練コースの一例です。
- ・パソコン、Web関連
・情報処理、プログラミング、CAD/NCオペレーション - ・電気設備
・金属加工、溶接・建築、造園
・介護サービス
・医療事務 - ・OA事務、簿記、経理
- ・自動車工学
・デザイン関連・宅建不動産
ハローワーク内には職業訓練に関するチラシやパンフレットも置いてあり、掲示板にもポスターが貼られています。どの職業訓練を受けようか迷ってしまう場合は、ハローワークの職員に相談するのも良いでしょう。
地域で異なる職業訓練コースの特色
需要が高いIT系や医療・福祉系などのコースは全国各地で学べる一方で、その地域ならではの職業訓練を実施している場合もあるようです。たとえば、愛媛労働局の「ハロートレーニング(職業訓練)のご案内」によると、公共職業訓練で「今治タオルものづくり科」が設けられています。伝統工芸や地場産業に興味がある方は、地方の職業訓練に注目してみるのも良いでしょう。
なお、職業訓練を検索するときは、ハローワークインターネットサービス内にある「訓練検索・一覧」を利用するのがおすすめ。都道府県や職業訓練の種類、募集期間、訓練期間を設定することで、自分に適している職業訓練コースを選ぶことが可能です。
参照元
愛媛労働局
トップページ
ハローワークインターネットサービス
トップページ
職業訓練のおすすめコース一覧
職業訓練で受講するコースで悩んだら、今後の需要が見込めたり、汎用性が高かったりするスキルを選ぶのも一つの方法です。以下でおすすめのコースを紹介するので、参考にしてみてください。
1.Web制作
Web制作コースは、IT化が進んでいる影響から人気がある職業訓練といえるでしょう。HTMLコーディングやCSSコーディング、JavaScriptプログラミング、Webデザインなど、Webサイトを作るために必要な知識を学べます。
パソコン基礎コースもおすすめ
パソコン作業に馴染みがなかったり、自信がなかったりするならパソコンの基礎を学べるコースが良いでしょう。今やさまざまな職種でパソコンを使用するのが当たり前になっています。「基本的なPCスキルとはどこまで?履歴書の記載方法とスキルの身につけ方」でも述べているように、文字入力だけができても基本的なパソコン操作ができるとはいえないため、業務で問題なく活用できるレベルを目指しましょう。
2.プログラミング
Web制作と同様に、需要が高いプログラミング。ハロートレーニングのプログラミングコースでは、JavaやPython、PHP、JavaScripなどのプログラミング言語に加えハードウェアの構造やソフトウェア開発なども学べます。
3.宅地建物取引士
宅地建物取引士とは、宅地建物取引業法に基づいて定められている国家資格者のこと。試験に合格して資格を得れば、宅地建物取引士にしか許されていない独占業務を行えるようになるため、就職・転職の際に役立つ資格であるといえます。
宅地建物取引士資格試験の難易度は高め。独学で学ぶよりも、職業訓練を利用した方が合格率アップに期待できるでしょう。
4.簿記
簿記の知識や資格をもっていると、経理や財務だけでなく営業や総務といった仕事にも活用できます。また、民間企業以外に会計事務所や税理士事務所といった場所で働けることも。詳しくは「簿記で身につく力とは?保持するメリットと活用できる仕事」のコラムをご覧ください。
5.ファイナンシャル・プランナー
ファイナンシャル・プランナーとは、家計や税金、ローンなどのお金に関する疑問に寄り添い、相談者の希望を叶えるための提案をする仕事です。ファイナンシャル・プランナーに関する資格には、国家資格の「FP技能士」と民間資格の「CFP資格」「AFP資格」があります。
「FP技能士」の資格はさらに1~3級に分かれており、それぞれ難易度が異なるのが特徴です。職業訓練を受ける際は、コース内容をよく読んで、どの資格取得を目標としているのかを確認しておきましょう。
6.CAD
CADとは、建築物の図面や製品デザインなどをコンピュータで設計するスキルのことです。CADを使えるようになると、建設や内装設計関係や各種メーカーなど活躍の幅が広がります。
CADのスキルを活かせる仕事内容は「就活アドバイザーが教える!CADエンジニアやオペレーターのお仕事」のコラムで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
7.介護職関連
人口の高齢化に伴い、介護職の需要は増えています。介護職は資格がなくても働けますが、専門知識や技術をもった有資格者が採用されやすい側面もあるため、入職前に学んでおくのがおすすめです。
介護実務者養成科を終了後3年の実務経験を積むことで、国家資格である「介護福祉士」の受験資格を得られます。介護職としてキャリアアップしたい方は、介護福祉士の資格取得を目標にすると良いでしょう。
8.国際ビジネス
国際ビジネスコースでは、外国語でのコミュニケーションや貿易実務に必要なスキルを習得します。日本経済において海外との貿易は重要な役割を果たしており、この分野での専門知識は社会全体に貢献できるといえるでしょう。需要があり、国際的なキャリアにつながる点が魅力です。
9.トラベルビジネス
トラベルコビジネスコースでは、観光業界で活躍できる人材になるための知識や技術を学べます。国家資格である「国内・総合旅行業務取扱管理者」の取得を目指せる場合も。受講後の主な就職先として挙げられるのは、旅行会社や航空会社、自治体の観光協会などです。
10.パソコン実用
パソコン実用コースでは、ワープロや表計算、プレゼンテーションの資料作成といったビジネスに不可欠なアプリケーションの使い方や、ビジネスマナーを包括的に学べます。これまでパソコンを使わない仕事をしていた方も、このコースで基礎的なパソコンスキルを習得することで、キャリアの幅を大きく広げられるでしょう。
11.Webデザイン
Webデザインコースでは、Webの基本構造やHTML・CSSを使ったWebサイト制作、画像編集、illustrator・Photoshopの技術を習得可能。WebデザイナーやECサイト運営、Webサイト管理などの職種への就職を目指す方におすすめです。
任意で受験できる資格には、「Webデザイン技能検定Ⅱ・Ⅲ級」、illustratorやPhotoshopの「クリエイター能力認定試験」、「エキスパート資格」などがあります。
12.ネットワーク・サーバー構築
ネットワークの構築や運用・管理に関する知識や技術を身につけられるコースです。IT業界では未経験者も歓迎されているものの、職業訓練で基礎的な専門スキルを習得しておけば、就職の際のアピール要素として役立つでしょう。
13.造園・土木・施工
造園・土木・施工コースでは、庭園や公園の設計、施工、維持管理に関する知識と技術を学びます。快適な生活環境を提供する重要な役割を担い、現地での土木作業や機械操作などの実習も豊富です。植物が好きな方に適しており、身体を動かす作業だけでなく、CADを使った庭園デザインのスキルが身につくカリキュラムが組まれている場合があります。
14.ビル管理
ビル管理・メンテナンスコースでは、ビルの電気設備やエアコン、ボイラーなどの空調設備、給排水設備などのメンテナンス技術を学びます。実際のビルでの実習がカリキュラムに含まれる場合もあるようです。
このコースで目指せる職業には、ビル管理人やマンション管理人、ビルメンテナンス業などがあります。また、職業訓練を通じて次のような資格取得を目指せるでしょう。
- ・2級ボイラー技士
・第2種電気工事士
・第2種および第3種冷凍機械責任者
・乙種第4類危険物取扱者
・乙種第4類消防設備士
これらの資格取得に挑戦し、キャリアの幅を広げるのもおすすめです。
15.ネイリスト
ネイリスト養成コースでは、ネイルケアやネイルアート、ジェルネイルの基礎知識に加え、ネイルサロンでの接客スキルも学びます。この職業は、美的センスや細やかな作業が求められるため、美容に関心が高く、手先が器用な方におすすめです。
コース修了後には、ネイルサロンや美容サロン、ネイルスクールなどでの就職を目指す方が多いようです。取得を目指す資格には、「ネイリスト技能検定試験3級・2級・1級」、「JNAジェルネイル技能検定試験初級・中級・上級」、「JNAネイルサロン衛生管理士」などがあります。
16.保育士
保育士養成コースは、保育士資格の取得を目指すためのコースです。社会に貢献したい方や、子どもと関わることが好きで、体力に自信がある方におすすめ。保育士の勤務先は多岐にわたり、保育所や保育園だけでなく、児童養護施設や乳児院、母子生活支援施設などがあります。保育士養成コースで取得できる資格は、保育士資格および幼稚園教諭2種です。
ただし、全てのコースで幼稚園教諭資格が取得できるわけではありません。認定こども園で働く場合は、保育士資格と幼稚園教諭資格の両方が必要なため、選択肢を広げたい方は、幼稚園教諭資格も取得できるコースを選ぶことをおすすめします。
17.医療事務
医療事務コースでは、病院での受付対応、医療事務のシステム操作、診療報酬請求事務などを学びます。この職種は資格取得が必須ではありませんが、実務に必要な知識やスキルを身につけることで、病院や歯科医院での就職に有利になるでしょう。主な勤務先には病院や歯科医院、健診センターがあります。
医療事務に関連する資格は以下のとおりです。
- ・医療事務技能審査試験
・医療事務管理士技能認定試験
・医療事務検定試験
・診療報酬請求事務能力認定試験
・医療秘書技能検定試験3級・2級
・医事コンピュータ技能検定試験3級・2級
医療事務の仕事に就くのに資格は必須ではないものの、取得しておくと知識や技術を備えていることの証明になり得ます。資格取得のために努力した姿勢も評価につながる可能性があるでしょう。
18.電気工事
電気工事コースでは、一般住宅の電気工事や電気設備のCAD操作、ビル・工場の電気設備点検のスキルを学びます。このコースでは、電気設備工事や施工管理、電気設備保全などの職種への就職が見込まれるでしょう。
訓練終了後には、第2種電気工事士や機械保全技能士などの資格試験に挑戦することも可能です。電気工事の職業訓練コースには技能実習も含まれるため基本的に通所型で、入所時にはテキストや作業用具が必要な場合もあるでしょう。
年代によってコース選択に迷う場合
20代・30代では、「新しいスキルを身につけられるか」「将来性が見込める分野か」といった視点でコースを選ぶのがおすすめです。40代以降の場合は、「自分のスキルやキャリアに付加価値をつけられるか」「定年までその分野で働き続けられるか」などを見据えてコース選択をすると良いでしょう。職業訓練には、一部のコースを除いて基本的に年齢制限がありません。その後の自分のキャリアを充実させるためにも、コース選択は慎重に行いましょう。
ハタラクティブキャリアアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
職業訓練を受ける6つのメリット
職業訓練の受講には、知識や技術を習得できるほかにも以下のようなメリットがあります。ここでは6つご紹介しますので、ぜひご一読ください。
職業訓練を受けるメリット
- 基本的に無料で受講できる
- 就職支援を受けられる
- 職業訓練給付金が支給される
- 失業保険受給の手続きを代行してもらえる
- 資格やスキルを習得することで就活の幅が広がる
- 規則正しい生活リズムを保ちやすい
1.基本的に無料で受講できる
職業訓練は、基本的にどの科目も無料で受講できます。ただし、前述のように、テキスト代や資格試験の受験料、交通費などが自己負担になることも。コースの種類や内容、受講者の状況によって負担額は異なるので、受講を決める前にハローワークや職業訓練校の説明会などで確認しましょう。
2.就職支援を受けられる
職業訓練を受講すると、求人紹介や就職相談をはじめとする就職支援を受けられるのもメリットです。職業訓練の開始前や受講中はもちろん、終了後も支援は受けられるので、職業訓練校に通いながら効率良く仕事を探せます。
3.職業訓練給付金が支給される
職業訓練を受けている間は、職業訓練受講給付金が支給されます。加えて失業保険の受給資格があり、所定給付日数の3分の2が残っている人は、職業訓練の修了日まで失業手当の給付が延長されることも。ただし、失業保険の所定給付日数が90日の場合は、90日分すべて残っている必要があるので注意しましょう。
「職業訓練受講給付金とは?受給するための要件を詳しく解説!」のコラムでは、職業訓練中の失業保険や職業訓練受講給付金といった手当の種類について詳しく解説しています。こちらもあわせてご覧ください。
4.失業保険受給の手続きを代行してもらえる
失業手当を受給するためには定期的にハローワークに通う必要がありますが、職業訓練を受講している間は職業訓練校側が受給手続きを代行してくれます。失業認定日ごとにハローワークに通う必要がないので、職業訓練に集中できるでしょう。
また、金銭面の不安を抱えることなくスキル習得に励めるのもメリットです。失業保険の金額や支給期間などを知りたい方は、「失業保険はいくらもらえる?計算式を用いてシミュレーションしてみよう」で解説しているので、参考にしてみてください。
5.資格やスキルを習得することで就活の幅が広がる
職業訓練を受けて資格やスキルを習得することで、就活の幅が広がるのもメリットです。コースの種類によっては、専門分野の資格を取得するのに必要な知識や技術をしっかりと学べます。資格は就職活動時の強みとなるため、すでに就きたい職種が決まっている人は関連する資格が取得できるコースに申し込むと良いでしょう。
6.規則正しい生活リズムを保ちやすい
職業訓練に通うことで、規則正しい生活リズムを保ちやすくなるというメリットもあります。職業訓練校に通っている期間中は、同じく決められた時間割に合わせて生活することになるためです。
ニートや失業中など生活リズムが乱れがちな場合も、職業訓練に通う間は就労中と同じように規則正しく過ごせるため、就職に向けて規則正しい生活リズムを保てる可能性が高いでしょう。
職業訓練を受ける4つのデメリット
職業訓練は受講できるコースの種類も多く給付金ももらえるため、一見メリットばかりに見えます。しかし、以下のようなデメリットがあることも頭に入れておきましょう。
職業訓練を受けるデメリット
- 職業訓練を受ける期間が長いと収入面に不安が出る
- 就職・転職までに時間がかかる
- 職業訓練校によってスキルの習熟度に差が出る場合も
- 訓練終了から1年間はほかのコースを受けられない
1.職業訓練を受ける期間が長いと収入面に不安が出る
職業訓練が長期間に及ぶ場合、収入面に不安が出てくる可能性があります。失業手当の受給額は、前職の給与の約3分の2。前職での給与が低ければ職業訓練中の収入はさらに低くなってしまいます。
職業訓練を受けている期間のアルバイトは可能ですが、「失業保険をもらいながら職業訓練を受けられる?条件や注意点を解説」のコラムでも述べているように、必ず申請をしなくてはなりません。また、働ける時間や収入にも制限が掛かります。
2.就職・転職までに時間が掛かる
職業訓練は短くて2ヶ月、長くて2年の期間を要します。訓練を終了してスキルや資格を得てから就職しようと考えていると、就職・転職までに時間が掛かることもあるでしょう。
また、受講の決定までに面接や試験が複数回実施されることもあるため、職業訓練を開始するにもある程度の日数が必要です。
3.職業訓練校によってスキルの習熟度に差が出る場合も
職業訓練校によっては、同じコースを受講していてもスキルの習熟度に差が出る場合があります。
職業訓練校の講師は必ずしも現役であるとは限らず、定年退職した人がアルバイトとして雇われていることも。講師のレベルが低いと、せっかく職業訓練を受けても就職先で実践できるスキルを習得できない可能性が出てきます。受講するコースを決める前には説明会に参加して、自分が納得したうえで続けられる職業訓練校であるかを判断しましょう。
4.訓練終了から1年間はほかのコースを受けられない
このコラムの「過去1年間で公共職業訓練を受講していないことが条件」でも触れたように、訓練終了から1年間はほかのコースを受講できないというルールがあります。また、途中でほかのコースに変更することもできません。
コースを決定したあとに後悔しないように、学習内容や講師紹介、受講後の主な進路などをよく確認しておきましょう。「自分が興味をひかれる内容か」「将来のキャリアに役立ちそうか」といった視点から考えてみるのもおすすめです。
職業訓練を受けるための申し込み手順
ここでは、職業訓練を受けるための手順について解説します。入校までの流れは以下のとおりです。
職職業訓練を受けるための申し込み手順
- 訓練校と希望のコースを選ぶ
- 説明会に参加する
- 受講の申し込みをする
- 面接や試験を受ける
- 入校の手続きを行う
1.訓練校と希望のコースを選ぶ
まずは、通いたい職業訓練校とコースの種類を選びます。どのような職種や業界に就職したいかを踏まえて、身につけたいスキルを考えましょう。
通所時間や訓練期間が長過ぎないか、身につけたいスキルがやりたい仕事で役に立つかを意識して決めるのがポイントです。
職業訓練コース一覧の検索方法
このコラムの「職業訓練で受けられるコースの種類」でも述べたように、職業訓練のコースを探すときは、ハローワークインターネットサービス内にある「訓練検索・一覧」にアクセスしましょう。
実施エリアや都道府県、受講希望のコース分野、募集期間、訓練期間などの条件を指定して検索できます。興味のあるコースを見つけたら、詳細を表示ボタンをクリックして、開講時期や費用、学べる内容、取得可能な資格などの情報を確認してみてください。
また、ハローワークにあるチラシやパンフレットを入手したり、説明会に参加して情報収集することもできます。コースごとに申込期間や開講日が異なるため、スケジュールも確認しておきましょう。
参照元
ハローワークインターネットサービス
トップページ
2.説明会に参加する
希望のコースが決まったら、次は説明会に参加しましょう。一般的に職業訓練校では、定期的に説明会が開催されています。説明会に参加することで実際に訓練の様子を見学できますし、受講するコースの概要について詳しく理解することも可能です。
また、職業訓練校に対するやる気や熱意のアピールにもつながるので積極的に参加することをおすすめします。説明会に参加を希望される人は、職業訓練校もしくは、ハローワーク内にある訓練相談窓口に問い合わせると良いでしょう。
3.受講の申し込みをする
説明会で意思が固まったら、受講の申し込みを行いましょう。申し込み先は、職業訓練校を管轄するハローワークです。
なお、職業訓練の申し込みには、受講申込書や雇用保険受給資格者証や証明写真(4×3cm)が必要となります。雇用保険受給資格者証が申し込み時に手元にない場合は、後日提出でも差し支えないかハローワークに直接確認しておくと安心でしょう。
4.面接や試験を受ける
受講の申し込みが完了したら、面接や試験を受けます。人気のコースになると倍率が高くなるため、選考が複数回行われることもあるようです。
試験の内容は国語や数学のほか、適性検査などが行われます。職業訓練の選考では試験よりも面接のほうが重要視される傾向にあるので、志望動機や就職のイメージなど対策を練ってから臨みましょう。
5.入校の手続きを行う
面接や試験に合格すると、合格通知と必要書類が届くので、入校の手続きを済ませましょう。手続きは、受講するコースを管轄しているハローワークで行います。必要な持ち物は、以下のとおりです。
- ・ジョブカード(ハローワークの初回利用時にもらうもの)
・職業訓練合格後の手続きについてのマニュアル(入校の申し込み時にもらうもの)
・選考結果通知書
・雇用保険受給資格者証
・証明写真(4×3cm)
また、手続きの際ハローワークから就職支援計画が交付されます。職業訓練の受講者は、就職支援計画に基づいて再就職の斡旋を受けることになるので、しっかり目を通しておきましょう。
職業訓練の申し込み方法については「ハローワークの職業訓練を受けるには?具体的な内容や受講給付金制度を解説」のコラムでも解説しているので、あわせてご覧ください。
職業訓練でスキルを身につけたら就職・転職を目指そう
職業訓練を終えた後は、身につけたスキルを活かして就職や転職を目指しましょう。
職業訓練の申し込みを行ったハローワークで引き続き就職支援を受ける以外にも、就職・転職エージェントを利用しての求職活動もおすすめです。
エージェントでは求職者に担当のアドバイザーがつき、職業訓練で身につけたスキルを活かせる求人を紹介してもらえます。勤務地や給与などの条件を事前にヒアリングしたうえで求人を提案されるので、仕事の選び方に不安がある人も適職が見つかる可能性が高まるといえるでしょう。
ハタラクティブは、第二新卒や20代のニート、フリーター向けの就職・転職支援エージェントです。条件に合った求人の紹介はもちろん、面接練習や書類添削といった選考対策も丁寧に行っています。また、専任のキャリアアドバイザーが求職活動に関するお悩みにも対応しているので、不安や心配事を解決したうえで職業訓練の選考に臨めるのもハタラクティブを利用するメリットです。サービスはすべて無料なので、まずはお気軽にお問い合わせください。
職業訓練に関するQ&A
ここでは、職業訓練に関する疑問をQ&A方式でお答えします。職業訓練の受講を迷っている場合は、ぜひご一読ください。
「職業訓練はおすすめしない」は本当ですか?
給付金目当てやなんとなくの理由で受講を考えている方にはおすすめできません。職業訓練は事前の選考があり、就職意欲が低いと判断されると受講が認められないことがあるため、受講を真剣に考えることが重要です。
しかし、職業訓練にしっかりと取り組めば、希望する職種や業界に就くためのスキルを身につけられる可能性は大いにあります。通常は無料で受講でき、条件に当てはまれば職業訓練受講給付金を受け取れるのもメリットです。
職業訓練のメリット・デメリットについて知りたい方は、「失業保険の申請方法や職業訓練のメリット・デメリットをご紹介!」のコラムもご一読ください。
職業訓練はどうしたら受けられますか?
受けたい職業訓練が決まったら、管轄のハローワークに申し込みをします。職業訓練に関する疑問や不明点があれば、ハローワークの担当者に相談してみましょう。公共職業訓練や給付者支援訓練のどちらの場合でも、ハローワークが手続きの窓口となりますので、そちらで手続きを進めることが必要です。
ハローワークの利用方法について知りたい方は、「ハローワークを利用する流れは?初めての応募申し込みや失業保険の申請方法」のコラムも参考にしてみてください。
職業訓練の面接はどのような服装で行けば良いですか?
職業訓練の面接では、基本的にはビジネスカジュアルな服装が良いでしょう。清潔感があり、適切な服装で面接に臨むことが大切です。ただし、職業や業界によってはカジュアルな服装が許容される場合もあるので、面接前にハローワークや担当者に確認することをおすすめします。
自分に合う仕事が見つかるか不安です…
就職支援サービスを活用することで自分に合う仕事が見つかることもあるでしょう。
ハローワークや就職・転職エージェントでは、履歴書の書き方やビジネスマナーについてアドバイスがもらえるほか、仕事探しにおけるサポートを受けることも可能です。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。
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