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求職者支援制度とは?受けられる対象者やコース内容を紹介
更新日
この記事のまとめ
- 求職者支援制度とは、早期就職に必要なスキルアップのための職業訓練を行う制度
- 求職者支援制度は、条件によって月10万円の職業訓練受講給付金が受け取れる
- 求職者支援制度の利用には、雇用保険の有無やハローワークの求職登録中など条件がある
- 求職者支援制度で受けられる職業訓練には、「基礎」「実践」の2つのコースがある
「求職者支援制度を利用してみたい」と考えている人もいるでしょう。求職者支援制度とは、早期就職を支援する国の制度です。求人紹介や職業訓練のほか、条件を満たせば給付金を受けられる特徴があります。
このコラムでは、求職者支援制度の詳しい概要や対象者の条件、給付金の受給方法などについて解説します。お金を受け取りながら新たなスキルを獲得できるため、スキルアップを目指している人は参考にしてみてください。
求職者支援制度とは
「求職者支援制度」とは、スキルアップのための職業訓練を行い、1日でも早く就職できるよう国が支援する制度です。この制度を用いると、就職に有利なスキルを身につけられる「職業訓練」を無料で受講できます。
給付金を受給しながら無料の職業訓練が受けられる
求職者支援制度の特徴は、月10万円と別途通所手当や寄宿手当などが加算される「職業訓練受講給付金」が受給可能なことです。生活費を援助してもらえるため、安心して職業訓練を受けられるメリットがあります。
職業訓練について知りたい人は、「職業訓練の種類はどれくらい?受講メリットとハローワークで申し込む方法」もあわせてチェックしてください。
求職者支援制度を活用する人は増えている
厚生労働省の「求職者支援制度のご案内」によると、ハロー トレーニング(求職者支援訓練)の受講者数は以下のとおりです。
令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | |
---|---|---|---|---|
基礎コース | 5,753人 | 5,838人 | 5,217人 | 6,230人 |
実践コース | 15,267人 | 17,896人 | 23,043人 | 34,0594人 |
合計 | 21,020人 | 23,734人 | 28,260人 | 40,289人 |
引用:厚生労働省「ハロートレーニング(求職者支援訓練)の受講者数・就職率」
受講者数の変化を見ると、増加傾向にあると分かります 。また、実践コースにおいては 特に伸びが顕著です。
このデータから、転職に際してスキルアップを行う人が多いといえます。 これから転職を検討している場合、スキルアップを行うと求人の選択肢が広がるでしょう。
参照元
厚生労働省
ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)
求職者支援制度の条件や対象者は?
求職者支援制度を受けるかどうか検討している人は、条件や対象者を確認しましょう。自分が支援の対象となっているかどうかチェックしてみてください。
利用できる条件
求職者支援制度を利用するには、ハローワークに求職登録することや労働が可能であることなど、いくつかの条件があります。以下の条件を満たす必要があるので、確認しておきましょう。
・ハローワークに求職の申し込みをしていること
・雇用保険被保険者や雇用保険受給資格者でないこと
・労働の意思と能力があること
・職業訓練などの支援を行う必要があるとハローワークが認めたこと
ハローワークの求職登録については「ハローワークで求職登録する方法は?確認すると良い事項や注意点を解説!」のコラムでも解説しています。
利用対象者
求職者支援制度を利用できる人は以下のとおりです。
引用:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」
現在働いていない人だけでなく、在職者も条件を満たせば利用できます。以下で具体的に解説します。
雇用保険を受給できない人
短時間、または短期の就労者で雇用保険に加入していない人や自営業を廃業した人、再就職先が見つからないまま雇用保険の受給が終了した人、就労1年未満で退職した人、大卒や主ふなどの就労経験がない人などが当てはまります。
ハローワークで求職の申し込みをしている人
ハローワークが提供している制度なので、ハローワークを通じて求職活動を行っていることが条件の1つです。制度の利用を希望する人は、まずハローワークで求職者登録を行いましょう。
労働の意思や能力がある人
働きたいという意欲と、働ける体をもつ人が対象です。働くつもりのない人や、病気・ケガなどで勤務が難しい人は対象になりません。
在職中ではない人
基本的に在職中の方は対象外です。しかし、週所定労働時間が20時間未満や1日に4時間以下であれば対象になります。そのため、アルバイトやパートをしつつスキルアップを目指すことも可能です。
フルタイム希望の方
短時間や短期での就労を希望する方は、制度の対象にはなりません。フルタイム勤務での就労を希望する人が対象となります。
年金受給者ではない人
65歳以上の年金受給者は対象にはなりません。これらすべてに当てはまる人で、ハローワークから支援を行う必要があると認められた人が「特定受給資格者」となり、支援を受けられます。
参照元
厚生労働省
求職者支援制度のご案内
求職者支援制度で受けられる無料の職業訓練
求職者支援制度は、職業訓練が無料で受講できる点が大きな魅力といえるでしょう。求職者支援制度で受けられる無料の職業訓練は、大きく分けると「基礎」と「実践」の2つのコースに分かれています。それぞれの授業内容は、以下のとおりです。
基礎コースの授業内容
基礎コースは、どの企業へ入社しても通用するビジネスマナーやPCスキルを身につけられるコースです。受講期間は約3ヶ月程度のものが多いでしょう。職業の希望が決まっておらず、どの職場でも活かせるスキルを幅広く学びたい場合は、基礎コース受講がおすすめです。
実践コースの授業内容
実践コースは、基礎コースの内容を踏まえたうえでより実践的な内容を習得するコースです。また、特定の仕事に対してアプローチできるので、専門的なスキルを身につけられます。たとえば、パソコンスキルを身につけることを目標にするなら、WordやExcel資料を作るだけでなく、グラフィックデザインを勉強したり、アプリ開発のスキルを習得したりすることが可能です。
なお、下記は求職者支援制度のコース一覧です。
引用:厚生労働省「求職者支援制度のご案内」
自身が関心のある分野や就職したい職種で必要な分野を選べるので、効率的にスキルが伸ばせます。
ただし、テキスト代は自己負担になるので注意が必要です。
受講期間はコースによって変わるものの、目安としては短くて2ヶ月、長くて6ヶ月ほど。授業自体は、基本的に朝から夕方までが多いようです。また、夜間に受講できるコースもあります。
参照元
厚生労働省
求職者支援制度のご案内
職業訓練受講給付金の受給条件は?
求職者支援制度では、条件が合えば月10万円の「職業訓練受講給付金」を受け取れる場合があります。職業訓練が始まると日中の多くの時間を訓練に費やすことになるため、アルバイトなどを行う時間が制限されるでしょう。「職業訓練受講給付金」によって金銭面の不安を和らげれば、安心して職業訓練を受けられます。
以下で給付金の受給条件について解説します。
給付金の額は10万円
給付金の対象者には、職業訓練受講手当として月額10万円が支給されます。受給の条件を満たせば、訓練を受給している間1ヶ月ごとに受け取りが可能です。
さらに、職業訓練実施施設への交通費や寄宿費も追加で支給されます。寄宿費とは、訓練施設に通所するために同居の配偶者や子などと別居して寄宿する場合に支給してもらえるものです。
受給の条件
求職者支援制度を利用する全員が「職業訓練受講給付金」を受け取れるわけではありません。給付金を利用できるかどうかは、家族の収入状況や保有している資産など、経済的な事情によって異なります。職業訓練受講給付金の受給条件は以下のとおりです。
・本人の収入が月8万円以下である人
・世帯全体の収入の合計が25万円以下である人
・世帯全体の金融資産が300万円以下である人
・現在住んでいるところ以外に、建物や土地を所有していない人
・すべての訓練実施日に出席している人
・同世帯の中にこの給付金を受給している家族がいない人
・過去3年以内に、特定の給付金を不正受給していない人
これらすべてに当てはまる人が、給付金支給の対象者となります。なお、給付金支給の対象者から外れた場合でも職業訓練の受講は可能です。
参照元
厚生労働省
求職者支援制度のご案内
融資制度も利用できる
職業訓練受講手当を受給しても生活費が不足する場合は、希望に応じて融資制度が利用できます。貸付の上限額は、同居配偶者などがいる場合月10万円、それ以外は月5万円です。
ただし、こちらは返済しなくてはならないため、利用するかどうかは慎重に検討しましょう。
求職者支援制度の申し込み方法
求職者支援制度を利用したい方は、ハローワークへ行って手続きを行いましょう。以下で、手続きの流れや必要な書類を紹介します。
手続きの流れ
求職者支援制度の申請は、次の手順で行います。
1.支援制度についての説明を受ける
2.ハローワークで職業相談を受け、訓練コースを選択する
3.訓練コースが決まったら、ハローワークで受講申し込みをする
4.訓練実施機関で、面接や筆記などの選考試験を受ける
5.選考に合格したら、ハローワークの案内に従って訓練を受講する
申請を希望する人は、まずはハローワークで説明を受けましょう。職業訓練の申し込みについては、「ハローワークの職業訓練を受けるには?具体的な内容や申し込みの流れを解説」も参考にしてください。
手続きに必要な書類
厚生労働省の「求職者支援制度・訓練受講のしおり Ⅲ職業訓練受講給付金 受給手続きの概要(p.11)」によると、職業訓練受講給付金の手続きは、事前審査と支給申請の2つのステップに分かれます。それぞれ必要な書類は次のとおりです。
【事前審査に必要な書類】
・受講申し込み、事前審査所
・職業訓練受講給付金要件申告書
・職業訓練受講給付金通所届
・個人番号の情報連携による地方税関係情報の情報照会に係る同意書
・育児、快夫実施状況申告書(該当者のみ)
・マイナンバー確認書類
・身元確認書類
・直近3ヶ月以内に交付された住民票の写し
・事前審査申請日の前月に得た本人収入を証明する書類(賃金明細書など)
・すべての世帯員の事前審査申請日の前月音収入を証明する書類
・本人およびすべての世帯員が保有する残高がある預貯金通帳
・20歳未満かつ就学中の子がいる場合、園子が就学中であることを証明する書類
・給付金振込先となる金融機関の通帳の写し
【支給申請に必要な書類】
・職業訓練受講給付金支給申請書
・就職支援計画書
・職業訓練受講給付金支給状況(支給記録)
・やむを得ない理由で訓練を欠席(遅刻・欠課・早退を含む)した場合はその理由を証明する書類
・寄宿をしていることを証明する書類
詳しくは、申し込みの際に貰う書類で確認しましょう。
職業訓練は必ずしも希望のコースを受講できるわけではない
職業訓練は、コースによって応募するタイミングや開始時期などが合わず、申し込みができないこともあります。ほかにも、人気があるコースは抽選で漏れてしまう場合があることも理解しておきましょう。また、場合によってはハローワーク側から「このコースは適していない」と判断されることもあるので、きちんと自分の意志を伝えるようにしてください。参照元
厚生労働省
求職者支援制度のご案内
求職者支援制度を利用するときの注意点
求職者支援制度を利用する際には、職業訓練の出席率やアルバイト収入の額などに注意が必要です。以下で注意点を説明するので、確認してみてください。
欠席をしない
職業訓練受講給付金を受給するには、遅刻や欠席にも気をつけましょう。職業訓練受講給付金の受給条件に「すべての訓練実施日に出席している」とあり、遅刻や欠席に対して厳しい対応が行われます。
やむを得ない事情である場合は欠席が許可されますが、そのほかの理由なら支給条件を満たさないと判断される恐れがあるでしょう。求職者支援制度を受けるなら、最後まで学ぶ姿勢をもつことが大切です。
アルバイトの収入
職業訓練受講給付金だけでは生活費が不足し、アルバイトをする人もいるでしょう。訓練の受講期間中にアルバイトをすること自体は禁止されていないため、問題ありません。
しかし、労働時間や収入が以下の基準を超えると、求職者支援制度の対象から外れてしまうので注意してください。
・週所定労働時間が20時間以上の在職中の人は特定求職者とは認められず、制度の対象外となる
・前月の収入が8万円以上になると支給が止まる
受給要件が詳細に決められているため、制度をよく理解して利用しましょう。
求職者支援制度を受けて就職を成功させよう
求職者支援制度を受けた人の多くが就職に成功しています。与えられた制度を上手に活用し、希望の職場への就職を目指しましょう。ハローワークはもちろん、就職のプロであるエージェントと併用するのも早期就職への近道です。
若年層向け就職・転職エージェントのハタラクティブでは、求人のご紹介や応募書類の添削、面接対策など、あなたに合ったサポートを提供しています。就活のプロであるキャリアアドバイザーがマンツーマンのカウンセリングを実施し、一人ひとりにぴったりの仕事をご紹介します。サービスの登録・利用料はすべて無料です。就職に関するお困りごとは、ぜひハタラクティブにお任せください。
求職者支援制度に関するFAQ
最後に、求職者支援制度に関するさまざまな疑問にQ&A方式で解決していきます。
求職者支援訓練のほかにどんな職業訓練がある?
ハローワークで受けられる職業訓練には、求職申し込みをした人を対象とする「公共職業訓練」や、中卒・高卒者、専門過程修了者を対象とした「学卒者訓練」などがあります。それぞれ受講条件があるため、詳しくは管轄のハローワークに問い合わせてみましょう。
職業訓練については、「ニートから受けられる職業訓練とは?受講方法や費用についてご紹介」も参考にしてください。
求職者支援制度はいつからある?
厚生労働省の「「求職者支援制度の創設」について(p.2)」によると、求職者支援制度は基金訓練におきかわる形で、2011年10月1日からスタートしました。雇用保険が受けられない人も安心して再就職に向けた準備ができるので、日本の雇用を支える重要な制度といえるでしょう。
参照元
厚生労働省
平成23年度総合評価書
職業訓練のメリット・デメリットを教えてください
原則無料でスキルが身につけられる点はメリットといえます。デメリットは、数ヶ月通うことになるため必然的に職歴に空白期間ができてしまう点です。今までニートだった方などは、よく考えてから受講する必要があるでしょう。
そのほかのメリット・デメリットは「失業保険の申請方法や職業訓練のメリット・デメリットをご紹介!」で解説しています。
求職者支援制度について分からないことが多くて不安です
求職者支援制度は、求職者が生活に負担なく再就職が目指せるようサポートする制度です。条件を満たせば仕事に就くためのスキルアップが図れるので、ハローワークへ足を運んでみましょう。
また、民間が運営する就職エージェントもおすすめです。自分の適性に合った仕事が知りたい方は、ハタラクティブにご相談ください。
- 経歴に不安はあるものの、希望条件も妥協したくない方
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。