有給休暇の期限とは?消化しないとなくなるの?制度の基本を押さえよう

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この記事のまとめ

  • 有給休暇は賃金が発生する休暇で、一定要件を満たした労働者に付与される
  • 有給休暇の期限(時効)は、労働基準法で2年と定められている
  • 有給休暇は、2年の期限内に消化しなければ消滅する
  • 付与された年度内で消化できなかった有給休暇は、翌年度まで繰り越せる
  • 有給休暇を期限内に消化できない状態に不満を感じるなら、転職も視野に入れよう

「有給休暇の期限っていつまで?」「日数はどれくらい付与されるの?」と疑問を感じている方もいるのではないでしょうか。有給休暇の期限(時効)や付与日数は労働基準法によって決められています。制度の仕組みを理解し、うまく活用しましょう。このコラムでは、有給休暇の期限や付与要件といった制度の基本をまとめています。付与日数の決定基準や買い取り請求の可不可についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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有給休暇の期限はいつまで?

有給休暇の期限(時効)は、「労働基準法第115条」で2年と決められています。2年以内に有給休暇を消化しなければ、有給休暇は消滅してなくなる仕組みです。厚生労働省の「わかりやすい解説 年5日の年次有給休暇の確実な取得」によると、付与された年度内に消化しきれなかった有給休暇は翌年度まで繰り越すことができ、翌年に新しく付与される有給休暇と合算して保持できます。

例:2019年4月に10日の有給休暇が付与された場合
1年間で5日の有給休暇を利用すると、2020年3月末日時点で未消化の有給休暇が残5日。2020年4月になると、保持する有給休暇は計16日(前年度付与の5日+今年度付与の11日)になります

上記の例のように、付与された年度内に使えなかった有給休暇は翌年度まで繰り越しが可能です。2020年4月における有給休暇の保持日数は、「前年度から繰り越した有給休暇5日」と「新しく付与される有給休暇11日」を合算した計16日。2020年度中に前年度から繰り越した有給休暇5日を消化できなかった場合、この5日は2年の期限を超えるため2021年4月に消滅します。有給休暇の期限については、「「有給休暇が取れない」を理由に訴えられる?義務化って?取得方法まとめ」でも触れているので、ぜひご覧ください。

参照元
e-Gov 法令検索
労働基準法 第百十五条(時効)
厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署
わかりやすい解説 年5日の年次有給休暇の確実な取得

有給休暇とは

有給休暇とは、一定の要件を満たす労働者が取得できる休暇のこと。正式名称は「年次有給休暇」です。有給休暇の場合は取得して仕事を休んでも、賃金が発生します。労働者が心身ともに疲れを癒やし余裕を持って生活できるよう、「労働基準法第39条」に定められました。

参照元
e-Gov 法令検索
労働基準法  第三十九条(年次有給休暇)

有給休暇の取得要件

わかりやすい解説 年5日の年次有給休暇の確実な取得(p3)」によると、有給休暇は下記の要件を満たす労働者に付与されます。

入社日から6ヶ月間の継続勤務
全労働日の8割以上を出勤

上記2点の要件を満たしていれば、雇用形態に関わらず有給休暇が付与されるのが原則です。有給休暇が付与されたのちに、勤め先へ有給休暇の取得申請を行うことで、有給休暇を利用して仕事を休めます。

アルバイトやパートタイムでも有給休暇は取得できる?

前述した付与要件を満たすことで、アルバイトやパートでも有給休暇の取得が可能です。アルバイトやパートで短時間労働の場合、所定労働日数に応じて有給休暇の付与日数が変わります。

参照元
厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署
わかりやすい解説 年5日の年次有給休暇の確実な取得(p3)

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有給休暇の期限とあわせて付与日数も押さえよう!

ここでは、有給休暇の付与日数がどのような基準で決められるのかを、有給休暇の期限とあわせて押さえておきましょう。
厚生労働省職業安定局が公表している「労働法等に関する解説 - (7)年次有給休暇について」によると、有給休暇の付与日数は以下のとおりです。

勤続年数/週の所定労働日数通常の労働者※4日3日2日1日
6ヶ月10日7日5日3日1日
1年6ヶ月11日8日6日4日2日
2年6ヶ月12日9日6日4日2日
3年6ヶ月14日10日8日5日2日
4年6ヶ月16日12日9日6日3日
5年6ヶ月18日13日10日6日3日
6年6ヶ月以上20日15日11日7日3日

※ 週所定労働日数が5日以上または週所定労働時間が30時間以上の労働者
引用:厚生労働省職業安定局「労働法等に関する解説 - (7)年次有給休暇について」

原則として、有給休暇の付与要件を満たした通常の労働者(週単位での所定労働日数が5日以上、もしくは所定労働時間が30時間以上の人が該当)は、10日の有給休暇が付きます。有給休暇の付与日数は、勤続年数ごとに増えるのが基本です。ただし、短時間労働者の場合は、通常の労働者よりも有給休暇が少なくなるので注意しましょう。パートやアルバイトなどの非正規雇用で、労働時間が短い人は、週単位と年単位における所定労働日数に比例して、有給休暇の付与日数が決まります。有給休暇の付与日数については、「有給付与日数の計算方法を解説!有給休暇5日取得義務化や注意点もご紹介」でも詳しく解説しているので、ぜひご参照ください。

参照元
厚生労働省職業安定局
労働法等に関する解説 - (7)年次有給休暇について

年次有給休暇が10日以上なら毎年5日の取得が必要

厚生労働省の「わかりやすい解説 年5日の年次有給休暇の確実な取得(p5)」によると、働き方改革により労働基準法が改正され、2019年4月から「雇用主は労働者に年5日の有給休暇を取らせること」が義務化されました。これは、法で定められた有給休暇が10日以上の全労働者が対象となります。法改正の背景には、国内における有給休暇の取得率が上がらない現状があるようです。有給休暇とは、労働者の心身状態を保障する目的で制定されたものであり、期限内にすべて取得して消化するのが本来の形といえます。この法改正を「年5日の有給休暇を取得したから法的には問題ない」と捉えるのではなく、積極的に有給休暇を取得するきっかけにできると良いでしょう。

参照元
厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署
わかりやすい解説 年5日の年次有給休暇の確実な取得(p5)

有給休暇の消化期限を過ぎそう…買い取り請求は可能?

有給休暇を期限内に消化できそうにないからといって、労働者が雇用主に有給休暇の買い取りを請求することは、原則としてできません。労働基準法第39条」では、有給休暇をお金に換える「買い取り」の行為は基本的に違法とされています。

有給休暇の買い取りが認められる例外もある

有給休暇の買い取りは基本的に禁じられていますが、中には例外もあります。有給休暇の買い取りが認められる状況は、以下のとおりです。

・退職日までに消化できない有給休暇がある
・2年の期限を超えて消滅した有給休暇がある
・法定日数よりも多く有給休暇が付与されている

上記のような状況に当てはまる場合は、有給休暇の買い取りが例外的に認められています。ただし、雇用主に対して有給休暇の買い取りを義務付ける法律はありません。そのため、有給休暇の買い取りを行うか否かについては、雇用主の判断に委ねられます。上記に該当する状況下にあったとしても、必ずしも有給休暇を買い取ってもらえる訳ではないことを理解しておきましょう。

参照元
e-Gov 法令検索
労働基準法 第三十九条(年次有給休暇)

有給休暇を期限内に取得している割合はどれくらい?

厚生労働省の「令和4年就労条件総合調査 結果の概況」によれば、労働者1人あたりの有給休暇の取得率は58.3%でした。そのほか、企業規模別に見た有給休暇の取得率は、以下のとおりです。

企業規模労働者1人平均の取得率
1.000人以上63.2%
300~999人57.5%
100~299人55.3%
30~99人53.5%

引用:厚生労働省「令和4年就労条件総合調査 結果の概況 - 労働時間制度(4)年次有給休暇(p4)

上の表から、国内の有給休暇を期限内に取得している割合は、企業規模別に見ても50%以上であることが分かります。また、企業の規模が大きくなるほど有給休暇の取得率も高くなる傾向にあるようです。有給休暇を期限内に消化している割合については、「有給消化率とは?正しく理解して労働環境を見極めよう!」もあわせてご覧ください。

参照元
厚生労働省
令和4年就労条件総合調査 結果の概況 - 労働時間制度(4)年次有給休暇(p4)

有給休暇を期限内に消化したい人は転職も検討しよう!

「有給休暇のほとんどが期限内に消化できずになくなる…」と悩みや不満を抱えている方もいるのではないでしょうか。自分だけでは現状を改善できそうにないと感じる場合は、有給休暇を取得しやすい環境が整っている職場への転職を検討してみるのも一つの選択肢です。企業や職種によっては、有給休暇が取りやすい社風だったり、ほかと比べて休日数が多かったりすることがあります。有給休暇を有効活用すれば、仕事とプライベートがより充実する可能性があるため、自分の望む働き方に近づける転職先を探してみても良いでしょう。

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有給休暇の期限や取得制度に関するFAQ(FAQを作成する場合に使用)

ここでは、有給休暇の期限や取得に関するお悩みをQ&A方式で解決していきます。

有給休暇の利用期限は会社側が自由に決められるの?

法定の有給休暇を利用できる期限(いわゆる時効)は、労働基準法第115条によって2年と定められており、原則として会社側がこれを自由に変更することはできません。ただし、期限延長といった労働者に利点がある場合において、会社が法定外に付与した有給休暇として期限の変更が認められる可能性もあるようです。有給休暇の詳細は、「有給休暇とは?消化は義務?付与日数とタイミングを解説」もぜひご覧ください。

アルバイトやパートの場合も有給は取得できますか?

有給休暇の付与要件を満たしていれば、アルバイトやパートも有給が取得できます。ただし、短時間労働における付与日数は所定労働日数によって変わるため、正社員よりも少なくなるでしょう。詳しくは、「派遣社員は有給休暇を取得できる?マナーと申請方法」もご覧ください。

消化できなかった有給休暇は買い取ってもらえる?

有給休暇の買い取りは望ましくないとされ、基本的には禁止です。ただし、「退職日までに消化しきれない有給休暇がある」「2年の期限を超えて消滅してしまった有給休暇がある」といった状況では例外として認められる場合もあります。詳細は、「退職時に有給を買い上げることはできる?」もあわせてご参照ください。

転職が決まっていても有給休暇を取れますか?

有給休暇を保持しているのであれば、転職が決まっていても取得可能です。会社の規定に則したやり方で、有給休暇取得の申請手続きを行いましょう。有給休暇は労働基準法で定められた労働者の権利です。詳しくは「退職前の有給消化。できる?できない?」をご覧ください。

有給が期限内に消化できずなくなるばかりのときはどうしたら良い?

上司に相談したり、適切な申請手続きを踏んだりしたにも関わらず、全く有給休暇が取得できないのであれば、休みを取りやすい職場への転職を検討するのも一つの方法です。
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