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フリーターの末路はどうなる?タイプ別・年齢別・学歴別にリスクを解説
更新日

この記事のまとめ
- 明確な理由や将来の目標がないフリーターは、厳しい末路になる可能性がある
- フリーターを続けると貯金ができず、職を失って生活が困難な末路を迎える恐れがある
- 20代・30代・40代のフリーターは、年代ごとに異なるリスクを抱えやすい
- 中卒・高卒のフリーターは、大卒のフリーターより正社員就職率や年収で差が生じやすい
- フリーターが突然の収入減や解雇に見舞われる末路を避けるには、正社員就職が望ましい
「フリーターの末路は厳しい?」「一生フリーターでもなんとかなる?」と不安な方もいるでしょう。フリーターは年齢を重ねるにつれてリスクも大きくなるため、若いうちに正社員就職を目指すのがおすすめです。このコラムではフリーターになった理由別にタイプ分けをし、それぞれの考えられる末路について紹介します。20代、30代、・40代の年代別、中卒、高卒、大卒学歴別に予測される末路も伝えるので、参考にしてください。
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フリーターの末路はどうなる?3つのタイプ別に解説
一口にフリーターといっても、フリーターという働き方を選んだ理由は人によってさまざまです。労働政策研究・研修機構の「大都市の若者の就業行動と意識の変容『第5回 若者のワークスタイル調査』(111p)」では、フリーターになった理由によって、大きく3つのタイプに分類しています。資料で提示されている「モラトリアム型」「やむを得ず型」「夢追い型」の3つの類型ごとに考えられる末路を見てみましょう。
1.なんとなくフリーターになったモラトリアム型
明確な目標がないまま「なんとなく」フリーターを続けている人は「モラトリアム型」に分類されます。モラトリアムとは、社会的な責任を負わず自分探しを続けている状態のこと。「自分に合う仕事を見つけたい」「正社員ではなく自由に働きたい」などの理由でフリーターになった人も含みます。
モラトリアム型のフリーターは、アルバイト生活が楽だと思っていると脱却しにくく、長期間同じ生活を続けてしまう傾向があります。フリーターのまま年齢を重ねてしまうと、いざ正社員になろうと思っても職歴が評価されず、就職先が決まらない可能性が考えられるでしょう。
モラトリアムについて詳しく知りたい方は「モラトリアムとは?心理学的な意味や就活に向けて脱却する方法を解説」のコラムにも目を通してみてください。
2.何らかの事情でフリーターになったやむを得ず型
病気や怪我、家庭の事情などの原因により、フリーターになった人は「やむを得ず型」に該当します。新卒時に就活に失敗したり、一度は正社員として働いたものの、何らかの理由で離職し再就職できなかったりした人も同様です。学費や生活費を稼ぐため、一時的にフリーターになる人も「やむを得ず型」に含まれるでしょう。
やむを得ず型のフリーターは、本人の意向と反してアルバイトを続けているため、正社員を志望する人が多い傾向があります。しかし、フリーターになるきっかけとなった問題が十分に解消されていなかったり、フリーター期間が長引いたりした場合、就活で不利になりがちです。アルバイト先の正社員登用を目指す、働きながら資格を取得するなど、働く意欲が伝わる積極的な行動が就職成功につながるでしょう。
3.夢を叶えるためにフリーターになった夢追い型
俳優やアーティストになる夢を実現するために、フリーターという働き方を選択した人は「夢追い型」です。夢を叶えるまでの生活を維持するために、時間の融通が利くフリーターになるパターンで、20代に多く見られます。ただし、20代までは周囲の理解を得やすいものの、年齢が高くなると「いつになったら就職するのか」と厳しい目で見られることも少なくありません。
夢を諦めきれずにフリーターの状態が長く続くと、就職活動での評価が厳しくなり、就職が困難になるリスクがあります。夢追い型のフリーターが、夢も就職も叶わないという厳しい末路を迎えないためには「△歳までに夢が叶わなかったら正社員を目指す」と、自分なりの期限を決めておくことが重要です。
参照元
独立法人 労働政策研究・研修機構
労働政策研究報告書 No.213 大都市の若者の就業行動と意識の変容
フリーターの末路は厳しい?7つのリスクをチェック
長くフリーターを続けていると、さまざまなリスクに直面する可能性があります。フリーターの末路が厳しくなりかねない7つのリスクを把握しておきましょう。
1.雇用が安定せず仕事を失う可能性がある
雇用期間に限りがあるフリーターは、契約更新の保証がないため雇用が不安定といえます。企業の業績悪化や不景気による人員削減が行われる場合、正社員よりも先にフリーターなどの非正規雇用労働者が対象になりやすいでしょう。
労働政策研究・研修機構が行った「新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査(11p)」によると、新型コロナウイルス感染症が拡大した際、正社員とフリーターを含む非正規雇用労働者では、影響の大きさに違いがあることが分かります。
就業形態別にみた仕事への影響 | 正社員 | 非正規社員 (フリーターを含む) |
---|---|---|
会社からの解雇 | 0.8% | 0.8% |
期間満了に伴う雇い止め | 0.3% | 1.2% |
勤め先の休廃業・倒産に伴う失業 | 0.6% | 2.0% |
勤務日数や労働時間の減少 | 22.8% | 34.1% |
収入の減少 | 21.3% | 30.3% |
引用:労働政策研究・研修機構が行った「新型コロナウイルス感染拡大の 仕事や生活への影響に関する調査(11p)」
雇用や収入において、フリーターを含む非正規雇用労働者のほうが、正社員より大きな影響を受けています。労働時間と収入が減少した割合は約10%もの差があり、フリーターという働き方が不安定であることは、データを見ても明らかです。フリーターの場合、休職や有給休暇の取得は難しいため、怪我や病気で働けなくなった場合、仕事を辞めなければならない事態になる可能性もあります。
参照元
独立法人 労働政策研究・研修機構
調査シリーズNo.229 新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査
2.正社員との賃金格差が広がりやすい
正社員と比較すると、フリーターの収入は上昇しにくい傾向があります。正社員であれば昇給やボーナスによって、収入アップを図れるでしょう。 しかし、非正規雇用者向けに昇給制度やボーナスを導入している企業は少なく、支給されても金額は少ないのが一般的です。フリーターを続けても、大幅な収入アップを見込むのは難しい可能性があります。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況(12p)」によると、正社員・正職員とそれ以外の年齢による賃金推移は以下のとおりです。
20~24歳 | 25~29歳 | 30~34歳 | 35~39歳 | |
---|---|---|---|---|
正社員・正職員 | 228,700円 | 263,600円 | 294,100円 | 327,000円 |
正社員・正職員以外 | 194,800円 | 216,400円 | 221,400円 | 220,500円 |
引用:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
正社員・正職員の賃金は年齢が上がるにつれて上昇しており、35歳〜39歳では平均30万円以上の賃金を得ています。一方、フリーターが該当する正社員・正職員以外は、賃金に大きな変化は見られません。20代・30代ともに20万円前後で推移しています。正社員とフリーターの賃金格差は、年齢が上がるにつれて拡大することが分かるでしょう。
正社員とフリーターにおける賃金の差は「フリーターと正社員の収入の違いはどれくらい?就職のためのコツも解説」で、より詳しく解説しています。ぜひ、ご一読ください。
参照元
厚生労働省
令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況
3.貯金が難しく急な出費に対応できない
正社員に比べ、フリーターは貯金が難しいこともリスクといえます。毎月の生活費に余裕を持てず、貯金に回すお金を確保できない人も少なくありません。貯金がなければ、急な病気・怪我による治療費や、冠婚葬祭で包むお金を用意できない可能性もあります。
厚生労働省の「令和4年 国民生活基礎調査」で公表された、就業形態別の貯蓄額は以下のとおりです。調査結果を見ると、フリーターは正社員に比べて、まとまった額の貯蓄が難しいことが分かります。
貯蓄額 | 正社員 | パート・アルバイト |
---|---|---|
貯蓄なし | 8.7% | 18.4% |
50万円未満 | 3.9% | 6.6% |
50~200万円未満 | 11.3% | 12.4% |
200~500万円未満 | 16.7% | 13.0% |
500~700万円未満 | 11.3% | 7.5% |
700~1,000万円未満 | 7.5% | 5.6% |
1,000~2,000万円未満 | 15.6% | 11.4% |
2,000万円以上 | 16.3% | 13.1% |
参照:厚生労働省「令和4年 国民生活基礎調査/所得・貯蓄」
貯蓄額200万円まではパート・アルバイトのほうが多いですが、200万円以上になると正社員のほうが多いことが分かります。貯蓄の有無で比べると、正社員とパート・アルバイトの差は約10%です。正社員との賃金格差が貯蓄額にも影響しているといえるでしょう。
参照元
厚生労働省
国民生活基礎調査
4.社会的信用を得にくく将来設計を立てにくい
フリーターは急な失業や収入ダウンの可能性があるため、正社員よりも社会的信用を得にくいこともリスクといえます。社会的信用とは、収入や地位などをもとに得られる信用度のこと。社会的信用度が低いと、生活におけるさまざまな場面での選択肢が狭まります。
たとえば、住宅や車といった高額な買い物をしたくても「ローンの返済に不安がある」と見なされ、銀行の融資を受けられないケースもあるでしょう。年収や雇用条件によっては、クレジットカードの審査が通らないことも少なくありません。「結婚して家を持ちたい」「家族の生活のために車を買いたい」など、未来に向けた将来設計を立てるのが難しくなる可能性があります。
5.年齢が上がると正社員就職が難しくなる
年齢が上がるにつれて、フリーターからの正社員就職が難しくなるリスクもあります。30代以降は即損力となる人材を求める傾向が強くなるのが一般的です。しかし、フリーターのまま30代を迎えた場合、企業から求められる知識や技術といった能力が身についていない可能性があります。
さらに、年齢が上がると、正社員だけでなくアルバイトの求人数も減少しがちです。「キャリア形成のため」といった理由で、教育しやすくポテンシャルが期待できる若い人材のほうが採用されやすいのが現実といえます。いわゆる「中年フリーター」「高齢フリーター」と呼ばれる35歳を過ぎてもなお、アルバイト生活を続けていると厳しい末路を迎える恐れがあるでしょう。
30代以降もフリーターを続けることのリスクは「フリーターのまま老後を迎えるとどうなる?資金を貯める方法も紹介」のコラムでも紹介しています。ぜひ目を通してみてください。
6.スキルアップが難しくキャリアを築きにくい
フリーターは正社員に比べるとスキルアップが難しく、キャリアを築きにくい傾向もあります。非正規雇用者の業務は範囲が限定されていることが多く、専門的な知識や高度な技術を習得しにくいためです。研修や資格取得支援制度などのスキルアップの機会も、正社員のほうが多いでしょう。
就職につながるスキルや経験が得られなければ、正社員就職を目指すときの競争力が弱くなってしまいます。年齢が上がるほど、選考において経験やスキルが重視されやすくなるため、就職へのハードルが高くなるでしょう。キャリア形成が遅れれば、同年代との格差に繋がりやすくなります。
7.受け取れる年金が少なくなる可能性がある
加入する年金の種類によっては、将来の年金受給額が少なくなり、生活が困窮するリスクがあります。年金は国民全員が加入する「国民年金」と、正社員や公務員が加入する「厚生年金」の2種類です。フリーターの場合、所定の労働時間や労働日数を満たしていなければ、厚生年金の対象外となるため、国民年金のみに加入するケースが多くなります。
日本年金機構の「令和6年4月分からの年金額等について」によると、国民年金の受給額は月額68,000円。一方、厚生年金は夫婦2人分の国民年金分を含めて、230,483円が標準支給額です。2人分の国民年金を差し引くと、約94,000円多く受け取れるといえます。国民年金だけで生活費をまかなえなければ、年金を受け取れる年齢になっても働かなければならないでしょう。
参照元
日本年金機構
令和6年4月分からの年金額等について
フリーターが厚生年金に加入できる条件
労働時間および労働日数が、正社員の4分の3以上であれば、フリーターも厚生年金に加入できます。4分の3以上に満たない場合でも「週の所定労働時間が20時間以上」「月額の賃金が88,000円以上」などの条件を満たせば加入が可能です。加入したい人は、アルバイト先の正社員の所定労働時間と、自分の労働契約を照らし合わせてみましょう。「フリーターが厚生年金に加入する条件とは?メリット・デメリットも解説」のコラムではより詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
年齢別に見るフリーターの末路
フリーターを続けた場合に起こりうる末路について年齢別に解説します。今後を考えるうえでの参考にしてください。
20代のフリーターに起こりうる末路
20代前半は、仕事やプライベートの自由度が高いフリーターの生活に満足している人も多いでしょう。しかし、20代後半になると、フリーターを続けるかどうか悩む人も多くなる傾向があります。30代目前になると、生活におけるさまざまな場面で不便を感じることも出てくるでしょう。
20代後半から同年代の正社員との収入差を感じやすい
20代後半になると、昇給・昇格した同年代の正社員との収入の差が開いてきます。正社員の友人と交わす仕事や私生活の話から、フリーターとの収入差を実感しやすくなるでしょう。
20代前半は体力的にも長時間働くことができ、掛け持ちするフリーターも少なくありません。時給の高いアルバイトをしたり、出勤時間や日数を増やしたりして、同年代の正社員より多くの収入を得られる場合もあるでしょう。しかし、年齢が上がるに連れ、掛け持ちで高い収入を維持するのが難しくなり、正社員との収入差が大きくなる可能性があります。
キャリア形成が遅れやすい
20代は、社会人としての基盤を築く大切な時期です。しかし、フリーターとして働き続けると、正社員に比べてキャリア形成が大きく遅れる可能性があります。正社員であれば、新しいスキルを身につけたり、業務経験を積んだりする機会が多く与えられるでしょう。一方、フリーターの仕事は短期的な業務が中心で、将来的に活用できるスキルや知識を身につけにくいのが実情です。
職務経歴が浅いまま年齢を重ねると、正社員への就職が難しくなるだけでなく、長期的なキャリアパスを描きにくくなります。たとえば、20代の間に経験を積んでおけば、30代以降に管理職や専門職に進む可能性も見込めるでしょう。しかし、歳を重ねてから就職すると、キャリアの選択肢が狭くなるリスクがあります。
20代後半になると応募できる求人が減少しやすい
20代後半になると、実務経験や専門スキルを重視する求人が増え、応募できる選択肢が減る傾向があります。学校卒業後3年以内のフリーターであれば、基本的に新卒枠での応募が可能です。大学卒業後、新卒で入社した会社を離職してフリーターになった場合も、25歳前後までなら「第二新卒」として就活を進められます。
しかし、新卒・第二新卒枠に応募できる時期を過ぎると、中途採用枠になるのが一般的です。目立った職歴がなく即戦力となるスキルに乏しければ、就職のハードルが高くなるでしょう。20代後半のフリーターにおける就職事情は「20代後半フリーターの就職は難しい?」のコラムで、就活アドバイザーが詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
30代のフリーターに起こりうる末路
30代になると年下の同僚が増えることが多いため、フリーターを続けていることへの不安をより感じやすくなる時期です。アルバイト先で歳の離れた同僚が増えたり、年下の正社員が上司になったりするケースもあります。年下の上司と自身の収入差から、正社員への道を検討する人もいるでしょう。
選択できる仕事の幅が狭まる
30代になると未経験の業界に挑戦したり、正社員として新しいキャリアを築いたりすることが難しくなる傾向があります。20代とは違い、30代の求職者に対しては、即戦力をより強く求める企業が多くなるためです。フリーター期間が長いと「スキル不足」や「実績がない」と判断されてしまう場合もあります。
一般的に、30代はキャリアの方向性を固める時期です。30代でフリーターから就職活動を始めるには遅いスタートといえるでしょう。結果として選択肢が限られてしまい、やりたい仕事よりもできる仕事に絞られがちです。就職後にキャリアチェンジするのも容易ではないと考えられます。
30代のフリーターは正社員就職が難しいといわれる理由については「30代フリーターから正社員になれる?おすすめの仕事や就職成功のコツ!」のコラムでも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
周囲からプレッシャーを受ける可能性がある
30代でフリーターを続けていると、自分だけが「立ち止まっている」と感じて心理的な負担を抱えるケースもあります。30代は昇進したり、役職についたりとキャリアアップしていく人が増える時期です。同世代の正社員と比較し、自信を失ってしまう人も少なくありません。
親や親戚、友人から正社員への就職を勧められ、必要以上にプレッシャーを感じてしまうこともあるでしょう。何らかの理由でやむを得ずフリーターになった人や、夢を求めてフリーターを続けてきた人のなかには、理想と現実とのギャップに悩む人もいます。
結婚・出産といった人生の選択を決断しにくい
30代でフリーターの場合、結婚や出産などの決断をためらってしまう可能性もあります。30代は人生の節目を迎える人が多く、大きな選択を迫られる時期です。30代でフリーターを続けていると、結婚相手や家族から経済的な安定を求められることもあるでしょう。正社員に比べて信頼を得にくいこともネックです。安定した収入がないことは、家族計画を妨げる要因にもなります。
30代は体力の低下を感じたり、新しい環境への適応が難しくなりやすい年代です。結婚を機に正社員を目指したり、収入アップを図ったりするのも容易ではないでしょう。フリーターの状態が続くと、経済的・社会的な安定が不足し、人生の選択肢が制限されやすくなるといえます。
40代以降のフリーターに起こりうる末路
40代以降のフリーターは、体力の衰えや病気により働けなくなるリスクが増し、収入の減少により生活が困窮する可能性もあります。老後も視野に入れ、今後の身の振り方を真剣に検討する必要があるでしょう。
アルバイトも採用されにくくなる
40代以降になると、正社員だけでなくアルバイトの求人も少なくなり、採用を得るのが一層難しくなることが予測されます。短期のアルバイトや労働条件が厳しい仕事しか選択肢が残されておらず、長く続けられるアルバイトは見つからない可能性もあるでしょう。
求人があったとしても、職種によっては若年層が優先され、年齢がネックになるケースは少なくありません。家庭の事情や体力的な問題などから、早朝・深夜の勤務や長時間勤務などの柔軟なシフト対応が難しく、不採用となるケースもあります。
体力の衰えや病気が収入の減少につながりやすい
40代以降になると、人によっては身体能力の低下により長時間働くことが難しくなる場合があります。20〜30代のときよりも勤務時間が短くなると、収入の減少は避けられません。厳しい労働環境で働いた結果、病気や怪我をして身体に負担がかかるケースもあるでしょう。
時給で働いているフリーターは、仕事を休むと収入が減ってしまいます。長期間働けない場合は、雇用契約が終了することも少なくありません。一方、正社員は傷病手当金が受け取れたり、会社によっては病気休暇制度などが整っていたりするため、仕事を休んでも一定期間の生活を維持できます。
30代より正社員転職の難易度が上がりやすい
40代になると、正社員就職へのハードルが30代以上に高くなります。企業は年齢が上がるほど即戦力を求める傾向が強まるため、未経験職種への挑戦やゼロからのキャリア構築は厳しいのが現実です。これまでの職務経験が短かったり、特定のスキルや実績をアピールできなかったりする場合、他の応募者との競争で不利になることもあるでしょう。
40代は管理職候補としての採用が多くなる時期です。フリーターとしての経験が企業の求める役割に直結しない場合、選考に進むことすら難しい場合があります。40代での厳しい状況を打破するために、専門資格の取得が求められる場合もあるでしょう。
学歴別に比べたフリーターの末路
中卒・高卒・大卒といった最終学歴は、フリーターの末路に影響を及ぼす場合があります。フリーターからの就職成功率や生涯年収をもとに、学歴別の違いを見てみましょう。
中卒のフリーターは就職成功率が低くなりやすい
労働政策研究・研修機構の「若者のワークスタイル調査(125~126p)」によると、フリーターから正社員への就職成功率を学歴別に比較した結果は以下のとおりです。
フリーターの最終学歴 | 正社員になろうとした割合 | 正社員になれた割合 |
---|---|---|
中卒・高校中退 | 77.1% | 48.1% |
高卒 | 71.0% | 57.4% |
大学・大学院卒 | 67.6% | 72.8% |
引用:労働政策研究・研修機構「大都市の若者の就業行動と意識の変容-『第5回 若者のワークスタイル調査』から(125~126p)」
フリーターから正社員への就職希望率は、中卒・高校中退のフリーターが最も高く、大学・大学院卒者が最も少ないことが分かります。しかし、実際に正社員になれた就職率は、大学・大学院卒のフリーターが最も高く、中卒・高校中退者が最も低い結果でした。学歴だけで判断できるわけではありませんが、正社員就職を目指すにあたって学歴が少なからず影響していることが推測されます。
参照元
独立法人 労働政策研究・研修機構
労働政策研究報告書 No.213 大都市の若者の就業行動と意識の変容
中卒・高卒フリーターは大卒より収入が低くなりやすい
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、正社員とフリーターを含む非正規社員の年収を学歴別に比較した結果は以下のとおりです。
フリーターの最終学歴 | 正社員 | 非正規社員(フリーター含む) |
---|---|---|
中卒 | 4,576,500円 | 2,938,600円 |
高卒 | 4,789,600円 | 2,971,200円 |
大卒 | 6,191,100円 | 3,928,800円 |
引用:e-Stat 政府統計の総合窓口「令和5年 賃金構造基本統計調査」
フリーターを含む非正規社員の場合、中卒者と高卒者で大きな差は見られず、大卒者が100万円ほど多い状況です。しかし、中卒・高卒者も正社員になれば、大卒のフリーターより高い年収が期待できます。フリーターを続けていると年収の大幅な増加は見込めないものの、正社員就職を叶えることで学歴を問わず収入アップが望めるでしょう。
参照元
厚生労働省
賃金構造基本統計調査
フリーターの厳しい末路を避けるための3つのポイント
フリーターの厳しい末路を避けるためには、できるだけ早いうちに正社員を目指すのがおすすめです。具体的な目標がなくフリーターのまま歳を重ねると、就職のハードルは高くなります。正社員就職を目指すうえでのポイントを押さえておきましょう。
1.できるだけ年齢が若いうちに正社員を目指す
フリーターから正社員就職を目指すなら、できるだけ若いうちに就活を始めましょう。厚生労働省の「平成30年若者雇用実態調査の概況」で発表された「フリーターの正社員への採用状況」を見ると、年齢が若いほど採用率が高いことが分かります。
2.年齢が若くてもフリーター期間は長引かせない
正社員就職を叶えるには、フリーター期間を長引かせないことが重要です。「今が楽しいから一生フリーターでもなんとかなる」と、就活を先延ばししていると、就職が困難になる末路が待ち受けているかもしれません。労働政策研究・研修機構が行った「若者のワークスタイル調査(128p)」の結果を見ると、フリーター期間が長くなればなるほど、就職率が低下していることが分かります。
フリーター継続期間 | 正社員になれた割合 |
---|---|
1年以内 | 68.8% |
1年~2年 | 61.2% |
2年~3年 | 56.6% |
3年~4年 | 61.1% |
4年~5年 | 37.9% |
5年以上 | 32.3% |
引用:労働政策研究・研修機構「大都市の若者の就業行動と意識の変容『第5回 若者のワークスタイル調査』から(128p)」
フリーター期間が長いと、面接で「なぜ就職しなかったのか」と質問される可能性が高くなります。フリーター期間が1年以上の場合「資格取得のために勉强していた」「経験を積むためインターンシップに参加した」などの前向きな理由が必要です。目的がなくフリーターをしている人は、少しでも早く行動に移しましょう。
フリーターの空白期間が就活に与える影響は「フリーターの空白期間は転職にどう影響する?アルバイト歴を伝えるコツも!」のコラムでも解説しています。あわせてチェックしてみてください。
3.就職につながるスキルの向上や資格取得を試みる
フリーターから正社員就職への成功率を高めるために、スキルの向上や資格取得を目指すのも有効です。厚生労働省の「平成30年若者雇用実態調査の概況(2p)」を見ると、フリーターから正社員就職を目指すにあたり、専門スキルや知識があると一定の評価につながることが分かります。
企業がフリーターを正社員として 採用するにあたり重視した事項 | 15~34歳 | 35~44歳 |
---|---|---|
職業意識・就労意欲・チャレンジ精神 | 68.7% | 64.0% |
マナー・社会常識 | 59.8% | 52.5% |
コミュニケーション能力 | 52.5% | 46.0% |
組織への適応性 | 33.4% | 35.1% |
業務に役立つ専門知識や技能 (資格・免許や語学力) | 19.9% | 25.8% |
業務に役立つ職業経験・訓練経験 | 17.5% | 27.0% |
体力・ストレス耐性 | 11.0% | 12.5% |
従順さ・会社への忠誠心 | 7.8% | 7.9% |
学歴・経歴 | 7.9% | 8.4% |
柔軟な発想 | 5.9% | 5.4% |
引用:厚生労働省「平成30年若者雇用実態調査の概況(13p)」
もし資格が取れなかったとしても、取得に向けて取り組んだことは「フリーター期間に何をしていたか」を説明する材料になります。チャレンジ精神があることも高く評価される傾向があるため、仕事に役立つ資格取得の取り組みは、選考でのアピールポイントになるでしょう。資格の勉強は未来への投資にもなるので、フリーター期間を活用して挑戦するのも一つの方法といえます。
フリーターの就職に役立つ資格は「フリーターにおすすめの資格を職種別に解説!取得時の注意点や勉強法も紹介」で紹介していますので、参考にしてください。
参照元
厚生労働省
平成30年若者雇用実態調査の概況
独立法人 労働政策研究・研修機構
労働政策研究報告書 No.213 大都市の若者の就業行動と意識の変容
フリーターから正社員になる4つの方法
フリーターから正社員になるための方法には、アルバイト先での正社員登用や求人サイト、ハローワーク、就職エージェントの利用などが挙げられます。それぞれの方法について把握し、就活に役立てましょう。
1.アルバイト先で正社員を目指す
現在働いているアルバイト先で正社員登用を目指すのも、就職方法の一つです。アルバイトとしての働きぶりが認められて上司が推薦してくれたり、登用の基準が明確に定められた「正社員登用制度」により雇用形態を転換できたりする場合があります。
正社員登用の基準は勤続年数や能力による評価、筆記試験や面接での選考など、会社によってさまざまです。まずはアルバイト先の導入状況や、登用の基準を確認してみましょう。正社員登用制度についての詳細は「アルバイトから正社員になるには?登用制度や採用されやすい人の特徴を解説」のコラムでご確認ください。
2.求人サイトを利用する
求人サイトの利用は、就職先の探し方としては一般的な方法です。パソコンやスマートフォンを使ってすぐに求人を探せるため、隙間時間を使って手軽に利用できます。フリーターが求人サイトを使って探す場合は「未経験可」や「学歴不問」といった条件を設定すると、希望に合う求人が見つかりやすいでしょう。
ただし、求人サイトは気軽に利用しやすい一方で、仕事探しや選考のスケジュール管理などをすべて1人で行う必要があります。就職活動に不安がある人や、アルバイトが忙しい人などは、仕事探しが難航するケースもあるでしょう。
3.ハローワークを利用する
就職活動に不安があるフリーターは、ハローワークを利用するのも一つの手です。ハローワークは、全国に設置されている公的な就職支援サービスで、誰でも無料で利用できます。ハローワークでは求人を探すだけでなく、就職相談や面接指導など、就職に関するサポートを受けられることがメリットです。就職活動で疑問点や分からないことがあれば、直接相談してアドバイスをもらえます。
わかものハローワークの利用も検討しよう
わかものハローワークとは、おおむね35歳未満で正社員就職を目指す若者向けの窓口です。担当者による職業紹介やアドバイスのほか、就職に役立つセミナーも受講可能。ハローワークのインターネットサービスでは公開していない求人情報が用意されていることもあります。条件に当てはまる場合は、利用を検討してみましょう。わかものハローワークの詳細は「初めてのわかものハローワーク!対象年齢や利用する際の流れを解説」で確認してください。
4.就職エージェントを利用する
プロのアドバイスを受けながら就職活動をしたい場合は、就職エージェントの利用もおすすめです。就職エージェントは、民間の企業が提供する就職支援サービスで、基本的に無料で利用できます。プロのアドバイザーがマンツーマンでサポートしてくれるため「未経験から正社員を目指したい」「高卒フリーターだけど大丈夫?」といった相談もしやすいでしょう。
採用担当者との連絡はエージェント側が対応してくれるため、初めての就職活動やアルバイトとの両立が不安な場合でも安心です。就職エージェントによって、特化している業界や対象となる相談者は異なります。フリーターから正社員への就職を目指す場合、若年層を対象としたエージェントを利用しましょう。
就職エージェントのハタラクティブは、フリーターや第二新卒などの若年層に特化した就職エージェントです。フリーターの未来に不安を抱いている方は、ぜひハタラクティブにご相談ください。ハタラクティブでは専任のアドバイザーが、カウンセリングにもとづいてあなたに合った求人や企業をご紹介します。応募書類の添削や面接対策の就職支援、内定獲得後の相談まで一貫したサポート体制が整っているので、就活をスムーズに進められるでしょう。スキルよりもポテンシャル重視で採用している企業を中心にご紹介しているため、仕事の探し方が分からず悩んでいる方は、お気軽にご相談ください。
フリーターの末路に関するQ&A
フリーターとして働き続けた場合の末路に不安を感じている方に向けて、よくある質問にQ&A方式で回答します。
大卒でフリーターを続けるリスクはありますか?
大卒フリーターの方は、高い学歴を持ちながらもそのスキルや知識を十分に活かせないことが懸念されます。同世代の大卒社員がキャリアを積み重ねる中で、収入や地位の差も広がりやすいでしょう。
しかし、大卒であることは、転職活動において非常に強力な強みです。未経験業種でも学歴を活かしてアピールできるポイントは多いでしょう。できる限り早めに動き出し、自分に合ったキャリアを探すことが大切です。大卒フリーターの就活について詳しく知りたい方は「大卒フリーターの就職活動とは?」を参考にしてください。
中卒・高卒フリーターとして働き続けた場合の末路は?
中卒・高卒フリーターの方は、長期間働き続けると収入面や社会的な信用が不足しがちです。結果的にローンの審査が通らなかったり、老後の生活に不安を抱えたりするケースが増えるでしょう。専門的なスキルや経験が不足しやすく、年齢を重ねるにつれ転職市場で不利になる可能性もあります。
しかし、中卒・高卒の人も早期に正社員として働き始めれば、実務経験を武器にキャリアの構築が可能です。資格取得やスキルアップを目指すことで、将来的なリスクを軽減できるでしょう。
中卒・高卒フリーターの就職活動のポイントを知りたい方は「中卒フリーターは正社員になれる?面接のマナーや就職成功のコツを紹介」や「高卒フリーターから就職できる?不利といわれる理由や正社員になる方法を解説」をあわせてご覧ください。
フリーターと派遣社員に起こりうる末路は同じですか?
派遣社員とフリーターは、どちらも正社員に比べて雇用の安定性が低いため、同じような末路をたどるケースもあるでしょう。契約期間が限定されているため、長期的な収入計画が立てにくいことが課題です。昇給や福利厚生の恩恵を受けられることは少ないため、将来的な蓄えが十分にできない場合もあるでしょう。
しかし、派遣社員もフリーターも仕事で得た経験やスキルを活かし、正社員に転職する道は十分にあります。派遣社員とフリーターの違いを知りたい方は「フリーターと派遣社員の違いとは?正社員をおすすめする理由も解説」もあわせてチェックしてみてください。
一生フリーターでも幸せになれる?
一生フリーターで生きる道を選ぶ方もいます。フリーターを続ける場合、自分に合ったライフスタイルや価値観を明確にしたうえで、計画的に生活を組み立てることが大切です。一方、健康の維持や老後資金の確保は避けて通れない課題といえます。万が一の失業リスクに備えて貯蓄計画を立て、安定した生活を目指すことが求められるでしょう。
一生フリーターでいるリスクについては「一生フリーターでいるのはリスクが高い?正社員になるメリットを解説!」でも紹介しています。あわせて参考にしてください。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。