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契約社員とは?正社員・派遣社員との違いやメリット・デメリットを解説
更新日

この記事のまとめ
- 契約社員とは、簡単にいうと「契約期間に定めがある社員」のこと
- 契約社員で経験したことや得たスキルは、正社員への転職時にアピールできる
- 契約社員から正社員を目指す際は、正社員登用を目指すだけでなくほかの会社へ転職するのも手
このコラムでは、契約社員がどのような雇用形態かを解説します。メリット・デメリットを踏まえたうえで、これからどのような雇用形態で働くかを考えてみてください。
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契約社員とは
契約社員とは、会社と有期雇用契約を結んでいる社員のことを指します。厚生労働省の「さまざまな雇用形態 2 契約社員(有期労働契約)」に記載があるとおり、雇用形態が契約社員の場合、1回あたりの契約期間の上限は3年です。
雇用期間満了時は退職、もしくは契約を更新し、同一の職場で働き続けることも可能です。退職するか契約更新するかは、企業と契約社員、双方の意思によって決まります。契約社員は「非常勤」「準社員」「嘱託」「臨時社員」「パートナー社員」など、企業によって呼び方が異なるようです。
参照元
厚生労働省
基本的な労働法制度・社会保険などについてお調べの方へ
契約社員と正社員の違い
ここでは、契約社員と正社員の違いを解説します。下表に、契約社員と正社員の違いを簡単にまとめました。
契約社員 | 正社員 | |
---|---|---|
雇用期間 | 有期雇用(1回あたりの契約期間の上限が3年) | 無期雇用 |
業務内容 | 限られる場合が多い | スキルアップやキャリアアップのために幅広く取り組める |
賞与(ボーナス) | 支給されない場合が多い | 支給される(企業によってはなし) |
昇給・昇進 | 機会がない場合が多い | 仕事の評価によって発生 |
勤務時間 | フルタイムとは限らない | フルタイムが基本 |
休日・有給休暇 | 業種や職種によって異なる・要件を満たしていれば付与される | 業種や職種によって異なる・付与される |
転勤 | ない場合が多い | 企業や職種によってはある |
福利厚生 | 加入条件を満たしていれば社会保険(法定福利厚生)に入る。法定外福利厚生の対象になるかは企業によって異なる | 社会保険(法定福利厚生)と法定外福利厚生の対象になるのが一般的 |
退職金 | 企業の制度による | 企業の制度による |
雇用期間
契約社員と正社員の違いは、「雇用期間の定めの有無」です。正社員の雇用形態は「無期雇用」のため、途中で契約更新手続きを行うことなく定年まで働けます。一方、契約社員の雇用形態は「有期雇用」で、定められた期間だけその会社で仕事をするのが一般的です。
有期雇用と聞いて、「正社員と比べて解雇されやすいのでは」と不安に感じる方もいるかもしれませんが、契約社員にも労働基準法「第二十条」は適用されます。そのため、会社側は正社員と同様、少なくとも30日前に労働者へ解雇の旨を伝える義務があります。契約社員だからといって「明日から突然職を失う」といったことはありません。
参照元
e-Gov法令検索
労働基準法
業務内容
契約社員と正社員の業務内容の違いは、「任される仕事の範囲が限定されているかどうか」です。契約社員が担当する業務の範囲は雇用契約を結ぶ時点で決められているため、その範囲内で成果を出すことを求められます。
一方で正社員は、企業側から、「スキルやキャリアを積むために責任のある業務に就き、多様な業務を経験してほしい」と考えられているようです。そのため、一定期間ごとに部署異動や転勤が行われている企業もあります。
賞与(ボーナス)
契約社員と正社員とで、賞与に違いをもたせている企業もあります。正社員は成果に応じた賞与を支給されるのが一般的ですが、賞与は法律で定められているわけではないため、企業によっては支給されない場合もあります。
正社員の賞与について気になる方は、「正社員で賞与なしの会社はある?メリット・デメリットや注意点も解説」をぜひご覧ください。
一方、契約社員は担当する業務内容および勤務期間が限定されていて、基本給以外の収入を得られない場合があるようです。契約社員として働く際は、賞与の有無と、査定基準や支給されるタイミング、支給額などを確認しましょう。
契約社員に賞与が支給されるかを詳しく知りたい方は、「契約社員にボーナスは支給される?平均的な金額や収入を上げる方法も解説!」を参考にしてみてください。
正社員と同じ仕事内容なら同額支給される場合がある
厚生労働省は、正社員と非正規雇用労働者の間に不合理な違いが生じないよう「同一労働同一賃金ガイドライン」を設置しました。「契約社員やアルバイトといった非正規雇用労働者が正社員と同じ仕事をする場合、給与・ボーナス・福利厚生・各種手当なども同一でなければならない」といった内容が記載されています。そのため、企業によっては正社員と契約社員の給与がほぼ同額である可能性も考えられるでしょう。
参照元
厚生労働省
同一労働同一賃金特集ページ
昇給・昇進
契約社員と正社員は、昇給や昇進制度にも違いがあります。正社員の場合は、定期的に仕事の評価が行われ、それに応じて昇給・昇進が発生するのが一般的です。
契約社員の場合は、労働契約を結んだ際の業務や役割を契約期間満了まで行うため、昇給・昇進の機会がない傾向にあります。企業によっては契約社員の仕事を評価し、昇給・昇進が行われる場合もありますが、雇用期間が定められているため一定の額までしか昇給しなかったり、役職に就けなかったりする可能性が高いでしょう。
勤務時間
正社員はフルタイム(1日8時間、週5日)で働くのが基本です。一方、契約社員は正社員と同様の勤務時間・休日で働く場合と、「週4勤務」や「1日6時間勤務」など正社員とは異なる契約内容で働く場合があるでしょう。
休日・有給休暇
休日は、労働基準法の「第三十五条」に則れば問題ないため、曜日やタイミングは業種や職種によって異なります。有給休暇は、労働基準法の「第三十九条」によって「雇用開始から6ヶ月以上経過し、労働日の8割以上出勤した労働者に与えなければならない」と定められているため、要件を満たしていれば雇用形態にかかわらず付与されます。
参照元
e-Gov法令検索
労働基準法
転勤
契約社員と正社員の違いの一つとして、転勤の有無も挙げられるでしょう。基本的に契約社員は、雇用契約を結んだ際に指定された場所で働くため転勤はありませんが、正社員は企業や職種によって転勤しなければならない場合があります。
福利厚生
福利厚生は主に2種類あり、1つは「法定福利厚生」と呼ばれる法律で定められた福利厚生で、健康保険や厚生年金保険などの「社会保険制度」が該当します。社会保険は、会社の従業員数や1週間の所定労働時間などの条件を満たしていれば、雇用形態にかかわらず加入が義務付けられています。どのような人が対象になるかは、厚生労働省の「社会保険適用拡大 特設サイト」でご確認ください。
なお、確定給付企業年金や企業型確定拠出年金、厚生年金基金といった企業年金は、企業によって対象者や加入方法が異なるため確認が必要です。
もう1つの福利厚生である「法定外福利厚生」は、会社が任意で設置している制度で、内容や支給対象を企業が自由に決められます。各種手当や休暇の支給、社割、健康診断の補助など企業によってさまざまです。
「福利厚生とはどんな制度?目的や適用条件を分かりやすく解説します!」では、福利厚生についてより詳しくまとめています。併せてご覧ください。
参照元
厚生労働省
社会保険適用拡大 特設サイト
社会保険(法定福利厚生)
社会保険とは、会社に勤める正社員、または一定の条件をクリアした従業員が加入しなければならない公的な保険のことです。
社会保険は、「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」などの種類があり、会社に勤める従業員が怪我や病気をした際に保険金を受け取れる制度です。一般的には、健康保険や厚生年金保険が「社会保険」と呼ばれ、雇用保険や労災保険が「労働保険」と呼ばれます。
通勤費や家賃補助などの各種手当(法定外福利厚生)
通勤に必要な交通費や家賃補助、資格や役職によって付与される各種手当なども、雇用形態によって支給の有無が異なる場合があるようです。
昨今では、交通費や役職手当、テレワーク手当など業務に関する手当だけでなく、家賃補助や結婚祝い金といったプライベートに関する手当を支給する会社もあります。しかし、支給対象を正社員のみとしている企業もあり、契約社員はもらえる手当が限られている場合があるようです。
会社から支給される手当には、時間外手当や休日手当、深夜手当など労働基準法の「第三十七条」で支給が義務付けられているものと、そうではないものがあります。前者は契約社員をはじめとする非正規雇用者にも支給されますが、交通費や家賃補助は後者のため、契約社員の場合は受け取れない可能性があるでしょう。
参照元
e-Gov法令検索
労働基準法
退職金
退職金はそもそも法的に支払い義務がなく、退職金制度があるかは企業によって異なります。正社員だからといって、必ず退職金がもらえるわけではありません。
なお、勤務先に退職金制度があったとしても、正社員のみが対象の場合もあるようです。
契約社員と正社員の就業規則の違いは?
正社員と契約社員で給与や賞与(ボーナス)、勤務時間、休日などが異なる場合、それぞれの立場の人に向けた内容が就業規則に記載されています。また、セキュリティ管理や業務上の禁止事項などは、すべての従業員が守るべき項目として示されているのが一般的です。なお、正社員登用制度のある会社では、契約社員やアルバイトなど非正規雇用で働く人へ向けて、正社員に登用されるための条件や手続き方法が就業規則に記載されています。
契約社員とほかの雇用形態の違い
ここでは、契約社員と派遣社員・パートアルバイトの違いについて解説します。どのような雇用形態で働くか迷っている方は、ぜひお役立てください。
契約社員と派遣社員の違い
契約社員と派遣社員の違いを、下表にまとめました。
契約社員 | 派遣社員 | |
---|---|---|
雇用契約の締結先 | 企業(雇用主) | 派遣会社(派遣元) |
雇用期間 | 有期雇用 | 有期雇用 |
業務内容 | 勤務先企業が決める | 派遣元が決める |
福利厚生 | 正社員と同様もしくは一部を受けられる | 派遣元から提供される |
契約社員も派遣社員も有期雇用です。契約社員は、契約期間満了時に更新または終了のどちらかを決め、派遣社員は、派遣先企業に一定期間派遣され、その期間が終了するとほかの派遣先に移ります。
契約社員は企業と雇用契約を結んでいるため、業務内容は勤務する企業によって決まります。派遣社員は、派遣先の企業が指定する業務を担当することになるでしょう。
契約社員は、正社員と同様もしくは一部の福利厚生を受けられます。派遣社員は、派遣元が提供する福利厚生を受けるのが一般的です。
派遣社員について詳しく知りたい方には、「派遣社員とは?正社員との違いやメリット・デメリットを分かりやすく解説」のコラムがおすすめです。
契約社員とパート・アルバイトの違い
契約社員とパート・アルバイトはいずれも非正規雇用ですが、主な違いは労働時間です。契約社員はフルタイム、もしくはそれに近い勤務時間で働く場合が多い一方で、パートやアルバイトは、フルタイムの場合もあれば短時間勤務の場合もあり、時間や日数を柔軟に選択できます。自分の都合に合わせて働きたい方には、パートやアルバイトが向いているでしょう。
どの働き方が自分に向いているか検討したい方は、「契約社員とパートの違いは?アルバイト・正社員・派遣社員の特徴も解説」のコラムもチェックしてみてください。
無期雇用の契約社員とは
契約社員には、同一企業で通算5年以上勤務した場合、契約を有期から無期に転換できる「無期転換ルール」が存在します。労働者から申し出があった場合、基本的に企業側は拒否できません。
無期雇用の契約社員は安定した働き方を実現できる一方で、雇用期間以外の雇用条件は変わらない可能性があります。無期雇用への転換を望む際は、給与や業務内容などの雇用条件をよく確認することが重要です。
無期雇用については、「無期雇用とは?パートや派遣は該当しない?正社員との違いを解説!」で詳しく紹介しています。気になる方は併せてご一読ください。参照元
厚生労働省
無期転換ルールについて
企業が正社員ではなく契約社員を採用する目的
企業にとって契約社員は、人手不足の解消や人件費の削減などに貢献する存在です。以下で詳しく解説するので、契約社員がどのような目的で採用されているのか見ていきましょう。
企業が正社員ではなく契約社員を採用する目的
- 人手不足の解消
- 人件費の削減
- 優秀な人材の選定
人手不足の解消
企業が契約社員を採用する目的の一つは、人手不足の解消です。繁忙期や事業拡大などによって一時的に人員不足になった際、正社員を配置するには人事異動や採用などのコストが掛かります。
契約社員は必要な期間だけ雇えるため、最低限のコストで人手不足を解消できる点が企業側のメリットです。
人件費の削減
人件費削減のために、正社員ではなく契約社員を採用する企業もあるでしょう。一般的に、契約社員には賞与や退職金を支給しないため、正社員を採用するよりも人件費を抑えられます。また、契約社員は業務範囲が限定されていることから、基本給を正社員より低く設定する場合があるようです。
契約社員は契約期間満了日があらかじめ決まっているので、正社員に比べて研修や教育にコストを掛けない企業もあるでしょう。
優秀な人材の選定
企業が契約社員を採用する目的には、「契約社員のなかから優秀な人材を見つけたい」といった狙いもあるようです。比較的コストを抑えられる契約社員として採用すれば、企業にとって必要な人材かを、時間を掛けて見極められます。
正社員登用制度がある企業なら、契約社員の方も貢献度が高いと判断されれば正社員として雇用されることは可能です。正社員登用制度の詳細は、このコラムの「正社員登用制度を利用して同じ職場の正社員になる」で後述しています。
契約社員から正社員になりたい場合は、「会社で必要とされる人になるためには?仕事ができる人の7つの特徴も解説!」のコラムも参考にしてみてください。
契約社員に向いている人の特徴
契約社員に向いている人の特徴は、「プライベートと仕事を両立したい」「決められた仕事を確実にこなしたい」「多くのスキルや経験を得たい」などが挙げられます。ただし、これらの特徴に該当しないからといって契約社員に向いていないわけではないため、あくまでも参考にご一読ください。
契約社員に向いている人の特徴
- プライベートと仕事を両立したい
- 決められた仕事を確実にこなしたい
- 多くのスキルや経験を得たい
1.プライベートと仕事を両立したい
プライベートと仕事を両立したいと考えている人は、契約社員に向いている可能性があります。契約社員は正社員と比較して、勤務日数や勤務時間を自分の都合に合わせやすいためです。
家庭や趣味などプライベートと仕事を両立させたい人には、適している働き方といえるでしょう。
2.決められた仕事を確実にこなしたい
決められた範囲の仕事を確実にこなしたい人には、契約社員や派遣社員が向いているでしょう。契約社員は契約時に業務内容が決められているケースが多く、業務範囲外の仕事を任されることは基本的にないため、自分の作業に集中しやすいといえます。
3.多くのスキルや経験を得たい
契約社員は任される業務がある程度決まっているため、その分野に特化してスキルアップがしやすいといえます。また、雇用期間が定められていることから、一つの会社に縛られることなく自由に職場を選びやすいのも特徴です。数ヶ月から数年で仕事を辞め、複数の職場でスキルや経験を積みたいと考えている人は、契約社員として働くのも一つの手でしょう。
契約社員として働くメリットや正社員との違いは、「契約社員のメリットを解説!正社員との違いとは?」のコラムでもご紹介しています。どちらの働き方が自分に向いているか判断に迷う際は、ぜひチェックしてみてください。
契約社員のメリットとデメリット
ここでは、契約社員のメリットとデメリットを解説します。人によっては、ここで挙げるデメリットをメリットと感じる場合もあるため、必ずしもすべての人に当てはまるわけではないことを意識しましょう。
契約社員のメリット
「自分のスキルを活かせる仕事を見つけやすい」「生活が安定しやすい」などの点が、契約社員として働くメリットといえます。それぞれの項目を確認してみましょう。
自分のスキルを活かせる仕事を見つけやすい
契約社員として働く場合、自分の保有するスキルや知識を活かせる企業に絞って仕事探しができる点がメリットです。契約社員は正社員と違い、契約の段階で業務内容や範囲が定められています。希望していない仕事や契約内容から逸脱する業務内容を任されることは、基本的にありません。
転勤や人事異動がないため生活が安定しやすい
契約社員は、雇用契約の時点で勤務場所や業務内容が定められているのが一般的なので、転勤や人事異動が基本的にありません。「家の近くで働きたい」「事情があって転勤が難しい」などの場合は、契約社員の働き方が適している可能性があります。
ただし、会社の状況によっては、契約社員が転勤や部署異動を言い渡される場合もあるようです。指示が出される可能性や拒否できるかについては就業規則に記載があるはずなので、雇用契約を結ぶ際に確認しましょう。
責任の重い業務を任される機会が少なく、仕事への重圧を感じにくい
契約社員は責任の重い業務を任される機会が少なく、人によっては仕事への重圧を感じにくいといえます。担当業務の範囲が決まっており求められる成果が分かりやすいため、働きやすいと感じる方もいるでしょう。
「役職に就かなくても良い」「責任の重い立場が苦手」などの方は、契約社員としての働き方が合っている可能性があります。
勤務時間を調整しやすい
勤務先によっては勤務時間を柔軟に調整でき、仕事とプライベートを両立させやすいのもメリットです。契約社員に対して副業を認めている企業もあるので、収入アップや自己成長のために時間を捻出しやすい点もメリットといえます。
契約社員のデメリット
契約社員のデメリットには、「担当業務が限られる場合がある」「正社員よりも年収が低い傾向にある」などが挙げられます。どの雇用形態で働く場合も、事前にデメリットを把握しておくことは欠かせません。
担当業務が限られる場合がある
契約社員として働くと、担当業務が限られる場合があることを念頭に置きましょう。「幅広い業務を任せてもらいたい」「昇進を目指したい」などの方は、契約社員には向いていないかもしれません。
有期雇用のためキャリアアップが難しい
契約社員は有期雇用のため、社内でのキャリアアップが難しいのが実情です。会社と従業員、双方の合意によって契約を更新することは可能ですが、経営状況や業務内容の変更など、会社の都合で契約更新ができない場合もあります。
長期勤務ができないことから責任の重い業務に携わりにくく、昇進・昇格はあまり望めないでしょう。
正社員よりも年収が低い傾向にある
契約社員は、年齢や勤続年数に応じた年次昇給が期待できません。また、契約社員に対して退職金や賞与を支給しない企業もあり、正社員よりも生涯年収が少ない傾向にあります。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況(6) 雇用形態別にみた賃金」を参考に、正社員と正社員以外の違いを下表にまとめました。
年齢 | 正社員の平均賃金 | 正社員以外の平均賃金 |
---|---|---|
20~24歳 | 22万8,700円 | 19万4,800円 |
25~29歳 | 26万3,600円 | 21万6,400円 |
30~34歳 | 29万4,100円 | 22万1,400円 |
35~39歳 | 32万7,000円 | 22万0,500円 |
40~44歳 | 35万4,600円 | 22万0,600円 |
45~49歳 | 37万4,500円 | 21万7,700円 |
50~54歳 | 39万4,300円 | 22万2,200円 |
55~59歳 | 40万4,800円 | 22万1,700円 |
正社員と正社員以外の賃金差は、20代前半では3万3,900円ですが、50代前半では17万2,300円になっており、将来的に大きな差が生じることが分かります。
ただし、この資料における「正社員以外」には、契約社員やアルバイトなど非正規雇用で働くすべての人が含まれているため、契約社員のみの数値ではない点に注意してください。業務内容や勤務時間によっては、平均賃金以上の収入を得られる場合もあるでしょう。
参照元
厚生労働省
令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況
昇給の機会や退職金の支給がない場合がある
正社員と非正規社員では、給与額や昇給幅に差があります。定期的に昇給の機会があったり、賞与や退職金の支給があったりする正社員とは異なり、契約社員は契約時の労働条件に記載されている給与額がベースです。
給与や賞与は仕事をするうえでのモチベーションにつながりやすいため、「契約社員という働き方が自分に合っているか」をしっかりと考えてから就職しましょう。
正社員のメリットとデメリット
ここでは、正社員のメリットとデメリットを紹介します。「契約社員から正社員になりたい」「将来的に正社員になるか迷っている」などの方は、ぜひご一読ください。
正社員のメリット
正社員のメリットとして、「裁量をもって仕事に携われる」「キャリアアップのチャンスが多い」などが挙げられます。毎月の給与が安定しており、企業によっては業績に応じた賞与が支給されることもあるでしょう。
雇用や収入が安定しているため社会的信用を得やすい
正社員は雇用期間の定めがなく、自ら退職を希望したり会社が倒産したりしない限り働き続けられます。雇用や収入の長期的な安定が見込めるため、社会的信用を得やすく、クレジットカードや長期ローンの審査に通りやすいようです。
賞与や福利厚生に期待できる
正社員は、非正規社員と比べて賞与が支給される場合が多く、福利厚生が充実している傾向にあります。
賞与は基本給を基準に計算するのが一般的です。勤続年数や昇進によって基本給が上がる正社員は、賞与の増額も期待できるでしょう。
また、企業によっては福利厚生が充実していることもあります。各種手当のほか、健康や学びに関する手当・支援制度など多様な福利厚生を用意している企業もあるようです。
裁量をもって仕事に携われる
正社員として働くと、幅広い業務に携われる可能性が高く、裁量をもって仕事に取り組めるでしょう。正社員は、能力や勤続年数によって任される業務の幅が広がる傾向にあります。大きなプロジェクトに携われたり役職に就けたりする可能性もあり、責任がある分やりがいをもって仕事ができるでしょう。
キャリアアップのチャンスが多い
正社員は無期雇用で長く働けるため、キャリアアップの機会が多い傾向にあります。たとえ働き始めて数年しか経っていなくても、成果次第では年齢にかかわらずキャリアアップができる企業もあるようです。
特に、「ベンチャー企業」と呼ばれる企業ではその傾向が強いでしょう。「ベンチャー企業とは?メリット・デメリットや向いている人の特徴を解説!」でベンチャー企業の特徴について解説しているので、気になる方は参考にしてみてください。
正社員のデメリット
正社員は転勤の可能性があったり、時期によっては休暇が取りづらかったりするなど、契約社員と比べると自由度が低い傾向にあります。正社員として働くことを視野に入れている場合は、デメリットも把握しておきましょう。
転勤や人事異動などで希望の仕事ができないことがある
正社員として働く場合、自分が希望する部署に配属されない可能性もあります。また、急な転勤や部署異動を命じられる可能性もあるでしょう。正社員は会社内の配置変更の範囲が広いため、必ずしも自分のやりたい仕事ができるとは限りません。
勤務時間が固定されている場合はプライベートを優先しにくい
業務の進捗状況によっては休日出勤や残業が発生し、プライベートの時間が十分に確保できない時期もあるでしょう。
また、繁忙期は休暇を取得できるタイミングが限られる可能性も。休暇中でも仕事の電話やメールに対応せざるを得ないなど、忙しくて休んだ気にならない場面もあるようです。
企業によっては副業ができない
企業によっては副業が禁止されている場合もあります。また、副業が可能な企業であっても、業務が忙しくてなかなか時間を割けない場合もあるでしょう。
仕事の責任が重く、人によっては重圧を感じることがある
正社員は長く働くことが前提のため、その分責任の重い仕事を任されやすい傾向にあります。大きなプロジェクトや新規事業などに携わる可能性もあり、「やり遂げられるだろうか」「自分には荷が重い」とプレッシャーやストレスを感じてしまう場面もあるようです。
契約社員から正社員になるには
契約社員から正社員になるには、「正社員登用制度を利用する」「ほかの会社に転職する」の主に二つの方法があります。以下で解説するので、契約社員から正社員を目指す際の参考にしてみてください。
正社員登用制度を利用して同じ職場の正社員になる
契約社員から正社員になるには、正社員登用制度を利用し、同じ職場で正社員として雇用してもらう方法があります。正社員登用制度とは、非正規雇用から正社員に登用する制度のこと。最初から正社員になるのが不安な場合は、まずは契約社員として働き、その会社が合っていると感じたら正社員になるのも選択肢の一つです。
就職・転職活動の際、「契約社員として入社し、同じ会社で正社員になりたい」と考えているのであれば、仕事探しの段階で正社員登用制度のある会社を選びましょう。
ただし、正社員登用の際は面接や試験があったり、会社が定める実績や勤続年数といった一定の条件が設けられていたりします。会社側が「正社員と同じ給与を支払う価値がある」と判断した場合に、正社員登用が成立するのが基本的な流れです。同じ会社で働く正社員と同等、あるいはそれ以上の能力があると認められれば、契約社員から正社員になれるでしょう。
契約社員から正社員登用を目指す際のコツは、「契約社員から正社員になるには?登用制度の利用や転職時のポイントを解説」でご紹介しています。併せて読んでみてください。
正社員登用制度の有無や実績は早めに確認しよう
契約社員を正社員登用できるかは企業の経営方針によって異なるため、「正社員になりたい」と思った時点で正社員登用制度の有無を確認するのがおすすめです。また、契約社員と正社員では業務内容にどのような違いがあるか、過去にどれくらいの人数が正社員登用されたかなども調べておきましょう。ほかの会社に転職して正社員になる
契約社員から正社員を目指す際は、自分のスキルや経験を活かして、ほかの会社へ転職する方法もあります。正社員登用制度がない会社で契約社員として働いている場合や、より自分の希望条件に合う会社で正社員になりたい場合は転職も一つの選択肢です。
契約社員で経験したことや得たスキルは転職時にアピールできる
契約社員で経験したことや得たスキルは、転職活動の際にアピールできます。たとえば、「3年間営業の業務に従事し、お客さまのニーズを汲み取るスキルを身につけました」「アパレル店員として2年間働き、顧客管理や店舗運営のサポート業務を行いました」のように伝えるのがおすすめです。現在、契約社員として働いている方は、「正社員になりたいけれど、アピールできる強みがない」「身についているスキルがない」などと消極的に考えず、目の前の仕事にコツコツと取り組んでみましょう。
面接では、志望動機や自己PRのほかに「契約社員として働いていた理由」「正社員になりたい理由」などを聞かれる可能性があるため、落ち着いて話せるように回答を考えておいてくださいね。ハタラクティブキャリアアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
契約社員から正社員を目指すためにしておいたほうが良いこと
契約社員から正社員を目指す際は、労働条件通知書の内容をよく確認し、円満退職ができるようにしましょう。また、正社員になったあとのキャリアプランとライフプランを考えておくことも大切です。
以下で詳しい内容を解説するので、正社員を目指す方はぜひ参考にしてください。
労働条件通知書を確認する
契約社員から正社員を目指すときは、交付されている「労働条件通知書」をよく確認しておきましょう。契約内容の認識を誤ると、退職時のトラブルにつながる恐れがあるからです。
労働条件通知書には、「契約期間」「勤務地」「業務内容」「労働時間」「休日」などが記載されています。契約期間がいつまでかを踏まえたうえで、転職時期を検討するのがおすすめです。
参照元
厚生労働省
一般労働者用モデル労働条件通知書(常用、有期雇用型)
キャリアプランとライフプランを考える
契約社員から正社員を目指すにあたって、キャリアプランとライフプランを考えておくのがおすすめです。契約社員は有期雇用契約のため、契約期間満了時に今後どのように働くかを選択する必要があります。たとえば、「契約社員から正社員登用で正社員を目指す」「契約社員として5年間勤め、無期契約社員になる」「契約期間内でスキルや技術を身につけ、新たな職場でさらなるスキルアップを目指す」などです。
事前にキャリアプランとライフプランを立てておくと、今やるべきことが明確になり、逆算したスケジュールを立てやすくなります。
契約社員から正社員になるための面接対策
契約社員から正社員を目指そうと考えているものの、「選考の難易度が高いのでは」と躊躇してしまう方もいるかもしれません。しかし、基本的な選考フローや社会人としてのマナーを押さえておけば、正社員の面接を乗り切ることは可能です。
ここでは、契約社員から正社員を目指す方に向け、基本的な面接対策について解説します。
選考フローや面接でよく聞かれる質問を確認する
就職・転職活動では、書類選考や筆記試験を経たうえで面接を2〜3回行うのが一般的です。一次面接では人事、二次面接では管理職、最終面接では役員というように、担当を変えて行われる傾向にあります。
面接では、「正社員になろうと決意したのはなぜか」「正社員になる意欲はあるのか」などの点を深掘りされる可能性があります。そのため、志望動機や自己PRなどに正社員を目指した経緯や意気込みを盛り込んだり、個別に質問されても答えられるように回答を用意したりしておきましょう。
マナーや身だしなみを確認する
面接を受ける前に、基本的なマナーと身だしなみも確認しておきましょう。面接では落ち着いた色のスーツを着用し、髪の毛は顔に掛からないよう整えます。派手なアクセサリーや香水なども避け、清潔感や社会人としての落ち着きをアピールしましょう。
また、「挨拶ができるか」「ハキハキと受け答えができるか」「正しい敬語を使えているか」などの点も、面接で評価されるポイントです。
「面接マナーを解説!就職・転職活動に必須の礼儀作法と身だしなみとは」のコラムでは、面接のマナーや身だしなみについて詳しくまとめています。面接のマナーに不安がある方は、ぜひご覧ください。
契約社員から正社員を目指すなら転職エージェントの利用がおすすめ
「契約社員から転職して正社員になりたい」と考えている方は、就職・転職サービスを活用するのがおすすめです。就職・転職エージェントは、一人ひとりに合った求人の紹介や、履歴書や職務経歴書などの書類の添削、面接練習などをサポートしてくれます。面談を行ったうえで求人を紹介してくれるので、「契約社員で培ったスキルや経験を活かしたい」「正社員登用制度がある企業に就職したい」などと考えている方にもおすすめです。
ハタラクティブキャリアアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
専任のキャリアアドバイザーが、あなたの希望や悩みを丁寧にヒアリングし、適性に合う求人をご紹介します。また、面接対策や応募書類の添削といったサポートも実施。サービスはすべて無料なので、ぜひお気軽にご相談ください。
契約社員に関するQ&A
ここでは、契約社員に関するお悩みや疑問をQ&A方式で解決していきます。
働くなら、契約社員と正社員どっちがいいですか?
どちらがいいとは一概には言えません。契約社員にも正社員にもメリット・デメリットはあるため、自分に合っている働き方を選ぶことが大切です。たとえば、「複数の職場でいろいろな業務を経験してみたい」といった願望がある場合は契約社員、「昇進をして、△年後には役職に就きたい」といった目標がある場合は正社員、のように考えてみましょう。
このコラムの「契約社員と正社員の違い」を参考に、それぞれの働き方を比較してみてください。
契約社員の契約期間中に退職はできますか?
原則として、契約期間中に退職することはできません。しかし、体調不良や家庭の事情などの「やむを得ない事由」がある場合は、契約期間中であっても退職できます。契約期間中の退職をする場合は、労働条件通知書や就業規則に記載された手続き方法に従い、なるべく迷惑をかけないようにしましょう。
なお、1年を超えて3年以内の労働契約を結んだ場合は、働き始めてから1年が経過していればいつでも退職できます。
参照元
e-Gov法令検索
民法
労働基準法
正社員にならず、契約社員のまま働き続けることはできる?
契約社員が一度の契約で働ける期間は、最長3年間と定められています。ただし、契約期間満了時に更新を行えば、契約社員として働き続けることが可能です。
また、一つの会社で通算5年以上勤務すると、有期雇用契約から無期雇用契約に転換できます。詳しくは「契約社員の雇用期間は?無期雇用のルールや正社員との違いを解説」でまとめているので、併せて参考にしてみてください。
契約社員から正社員になることは可能?
可能です。会社の正社員登用制度があればそれを利用したり、ほかの会社へ転職して正社員になったりする方法があります。
ただし、正社員登用制度を利用するには会社が設定する条件を満たす必要があるため、「誰でも正社員になれる」というわけではありません。より希望条件に合う職場で正社員になりたい場合は、ほかの会社へ転職することを視野に入れてみてください。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。