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「就活しない」生き方はアリ?大学生が就職以外で選べる進路をご紹介
更新日
この記事のまとめ
- 就活しないことを後悔しないためには、自分の目標を明確に持つことが大事
- 大学生の就活以外の選択肢は「進学」「フリーランス」「フリーター」など
- 就活しないメリットは、「時間が自由に使える」「人間関係で悩むことが少ない」など
- 就活しないと、安定した収入や社会的信用が得にくいなどのデメリットがある
- 公務員やインターンからの内定獲得など、就活しないで就職する方法もある
「就活しないまま卒業したい」と考えている大学生もいるでしょう。就活をしない場合、進学やフリーランスなど多様な生き方の選択肢がありますが、大切なのは「自分はどうなりたいか」という明確なキャリア目標を持つことです。
このコラムでは、就活しない大学生の考え方や卒業後の選択肢について紹介しています。就活しないメリットとデメリットも解説しているので、進路に悩んでいる方はぜひご覧ください。
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「就活しない」生き方はアリ?
「就活をしない」という選択には賛否両論があり、人によって正しいか間違いかの考え方は異なります。就活をして成功する人もいれば、就活をせずとも幸せに生きている方もいるでしょう。そのため、就活をしない生き方がアリかどうかは、自身の状況や価値観によって考えてみることが大切です。
重要なのは、明確な目標を持ち、達成するために最適な選択を取ることだといえます。実際に「就活しない」と考えている大学生の割合がどれくらいなのか、以下で確認してみましょう。
「就活しない」大学生の割合
文部科学省の「令和5年度学校基本調査の公表について」によると、2023年の「大学(学部)卒業後の状況」は以下のとおりです。
区分 | 人数 | 割合 |
---|---|---|
卒業者 | 59万162人 | - |
進学者 | 7万3,649 人 | 12.5% |
就職者 | 44万8,073人 | 75.9% |
有期雇用労働者 | 5,839人 | 1.0% |
臨時労働者 | 3,663人 | 0.6% |
臨床研修医 | 1万75人 | 1.7% |
上記以外の者 | 4万8,642人 | 8.2% |
不詳や死亡した者 | 399 | 0.1% |
引用:文部科学省「令和4年学校基本調査確報報道発表資料(p.6 )表3 大学(学部)卒業後の状況」
※「上記以外の者」とは、進学や就職準備中もしくは家事の手伝いなど、進学でも就職でもないのが明らかな者のこと
同資料から進学準備中や就職準備中、家事の手伝いなどで「就職しない大学生」の割合は8.2%だと分かります。就職しない者や進学者、臨床研修医、不詳・死亡の者を「就活しない大学生」と仮定すると、その割合は22.5%という結果に。つまり、大学生の約5人に1人は、一般的な就職活動をしていない可能性があるということです。
「大卒フリーターの割合は?就職活動の進め方やおすすめの職種もご紹介」では、大学卒業後フリーターになる方の割合を紹介しています。こちらもあわせてチェックしてみてください。
参照元
文部科学省
学校基本調査-令和5年度 結果の概要-
就活しないで就職できる職業もある
臨床研修医は、医師臨床研修マッチング(研修医マッチング)というシステムによって研修先の病院が決まります。一般的な就活の手順とは違った方法で進路を決めるため、「就活しないで就職できる」と考えることも可能です。臨床研修医以外にも、一般的な就活をしないで就職できる職業はあります。詳しくはこのコラム内の「就活しないで公務員として就職する方法」をご覧ください。
「就活しない」という大学生の主な3つの心理
「就活しない」と考えている大学生のなかには、「仕事でやりたいことが分からない」「働くこと・組織に所属することへ抵抗がある」などの思いを抱えている人もいるでしょう。
以下では、「就活しない」という大学生の心理を詳しく紹介するので、チェックしてみてください。
1.やりたいことが分からない
「就活しない」という大学生のなかには、「自分のやりたいことが分からない」と悩んでいる方がいるようです。将来の夢や目標がないと就活のモチベーションも生まれにくいため、「就活しない」という判断に至ると考えられます。また、漠然とした夢があっても、履歴書や面接で上手く伝えられるか不安で就活しない場合もあるでしょう。
やりたいことが分からない場合には、冷静に自分の適性や価値観を分析することで、興味関心を見つけられる可能性があります。「本当は就活したいけどやりたいことが分からない」と悩んでいる大学生の方は、「仕事で何がしたいか分からない…自分に合った仕事を探す方法を解説」を参考にしてみてください。
2.働くことや組織に属することに抵抗がある
「就活しない」と考える大学生のなかには、働くことに意味を見出せなかったり、企業や組織へ所属することに抵抗を感じたりしている方もいます。「個人の意見が尊重されないのでは」「上司や会社の意向に従ってばかりは嫌」といった仕事へのマイナスイメージが先行してしまい、就活をしない判断をすることもあるようです。
3.就活そのものに対する嫌悪感を抱いている
就活そのものに対するマイナスのイメージや嫌悪感を抱き、「就活しない」という大学生もいるでしょう。就活に対するマイナスのイメージの例は以下のとおりです。
- ・履歴書の記入方法や面接のマナーが面倒くさい
- ・不採用が続いたときにショックを受けたくない
- ・「就活生らしい」髪型と服装で就活しなければならない
- ・面接で本音を言えない
現在の新卒採用システムは、企業が効率良く大学生を採用するための制度といえます。そのため、「企業が求める答えを言える人」や「実力以上に自分を大きく見せられる人」にならなければいけないと感じる就活生もいるでしょう。このような採用システムに理不尽さや嫌悪感を抱き、「就活しない」ことを決める大学生がいるようです。
自分に合った仕事を見つけるためには就活も大切
志望動機や自己PRを繰り返し聞かれることにうんざりし、「もう就活はしない」と考える方もいるでしょう。しかし、面接で聞かれる項目について考えてみると、自分のやりたい仕事や適性を理解できるようになります。自分の希望や適性をしっかり把握し、適性に合った仕事に就くためにも、就活は大切です。
履歴書や面接のマナーなどに関する良くないイメージは、就職エージェントでキャリアアドバイザーのサポートを受ければ払拭できる可能性があります。詳しくは、「転職エージェントの使い方を解説!利用時の基本の流れと賢く活用するコツ」をご覧ください。
「就活しない」という大学生の5つの進路
「就活しない」と決めた大学生には、進学や留学だけでなく、資格取得や起業などの選択肢があります。大学卒業後の進路について悩んでいる方は、以下を参考にしてみましょう。
「就活しない」という大学生の進路
- 進学や留学をする
- 資格を取得する
- フリーランスとして働く
- フリーターになる
- ニートになる
1.進学や留学をする
就活しない場合、大学院への進学や専門学校への進路変更、海外への留学といった選択肢があります。「大学より専門的な知識・技術を身につけたい」「外国語や多彩な文化について学びたい」といった明確な目標がある場合は、進学や留学も選択肢の一つです。興味のある分野について学びを深められるため、視野が広がることが期待できます。
また、専門的な知識や外国での経験は、就職において有利になりやすいという一面も。ただし、進学や留学には多額の費用が必要なため、慎重に判断する必要があります。
進学や留学はキャリア形成に影響を与える可能性もある
就活しないで進学やワーホリ、海外留学をした場合、帰国後の就活で「なぜ進学(留学)したのか」を聞かれる可能性が高いので、明確に説明できる理由を用意しておきましょう。また、就活しないで進学や留学をした場合、新卒で就職した場合と比べて正社員としてのキャリア形成が遅れることもあります。卒業後や帰国後のキャリアもよく考えたうえで、進学や留学を決めましょう。
目的なく進学や留学をするリスクについては、「就活しないで正社員になる方法はある?考えられる選択肢やリスクを解説!」のコラムで解説しています。
2.資格を取得する
「就活しない」という大学生は、税理士や公認会計士など就活に役立つ資格を取得するのもおすすめです。就職で活かせる主な資格は以下に掲載します。大学在学中から取得を目指せる資格もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
- ・税理士
- ・通関士
- ・公認会計士
- ・社会保険労務士
- ・中小企業診断士
- ・宅地建物取引士
- ・基本情報技術者
- ・FP技能検定
- ・ITパスポート
- ・MOS
- ・日商簿記
- ・TOEIC
上記には、税理士や公認会計士など比較的難易度が高いといわれている資格も含まれています。しかし、難易度が高いほど希少性も高まるといえるので、取得できれば資格を活かして就職できる可能性が上がるでしょう。
ただし、企業によっては資格の有無よりも実務経験を重視する場合があります。就活しないで資格を取得する場合は、資格の取得だけが目的にならないよう、「その資格を取って何がしたいのか」を明確にしておきましょう。自分の将来やキャリアを考慮し、活かせる資格を見極めることが大切です。
資格取得時の注意点や資格の詳細については、「フリーターにおすすめの資格を職種別に解説!取得時の注意点や勉強法も紹介」もご覧ください。
3.フリーランスとして働く
就活しない場合は、フリーランス(個人事業主)として収入を得る方法もあります。たとえば、システム開発の場で活躍するIT系の技術職や、ブログで商品やサービスを紹介して収入を得るブロガーなどが例として挙げられるでしょう。
組織に属していないフリーランスは、仕事内容や勤務時間、案件を自分で決められるのが特徴です。ただし、確定申告や経理などの事務作業、書類の管理、スケジュール管理などを自分で行う必要があります。自己管理ができないと依頼主の信用を失うことに繋がり、仕事に悪影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。
4.フリーターになる
大学在学中に「就活しない」と決め、卒業後はフリーターとしてアルバイトをする人もいるでしょう。フリーターは、勤務時間や日数、休日などを自分の都合に合わせやすいのがメリットです。
一方で、正社員と同等の福利厚生を受けられなかったり、正社員に比べて社会的信用を得られにくかったりするといったデメリットもあります。福利厚生や社会的信用については、このコラム内の「就活しないまま卒業するメリットとデメリット」で詳しく紹介しているので、気になる方はあわせてご参照ください。
5.ニートになる
「就活しない」という大学生には、ニートになる方もいるようです。ニートとは、15〜34歳の非労働力者のうち、通学または家事をしていない独身者のことを指します。アルバイトとして働いている方や学生などはニートに含まれません。ニートは仕事をしない分、フリーターや正社員よりも自由に時間を過ごせるでしょう。
ただし、いずれ就活する場合、面接官から大学卒業後の空白期間について聞かれることになります。空白期間は採用選考時に不利になりやすいため、就活しないでニートになる方はリスクをしっかり理解して判断する必要があるでしょう。
空白期間については、「既卒で空白期間があっても就活に影響はないの?面接対応の仕方も解説!」で詳しく紹介しています。
今すぐ就活したくない場合は既卒になるのも選択肢の一つ
今すぐに就活したくない大学生は、新卒としてではなく大学卒業後しばらくしてから既卒として就活する方法もあります。
既卒とは、学校を卒業したあと正社員として就職した経験がない人のことです。卒業後3年以内の既卒者を新卒として受け入れている企業もあり、適切なアピールができれば就職は可能でしょう。ただし、卒業後何年以内を新卒者扱いとするかは企業によって異なります。応募条件をよく確認して応募してくださいね。
ハタラクティブキャリアアドバイザー後藤祐介からのアドバイス
就活しないまま卒業するメリットとデメリット
就活しないまま卒業するメリットは、「時間が自由に使える」「人間関係で悩むことが少ない」などです。一方で、安定した収入や社会的信用を得にくいといったデメリットもあります。
以下のメリットやデメリットを確認して、就活しないで卒業するかどうかについて考えてみてください。
就活しないメリット
就活しないことによる主なメリットは以下のとおりです。
- ・時間が自由に使える
- ・人間関係で悩むことが少ない
- ・自分の判断で行動できる
就活しないでアルバイトや個人事業主として働く主なメリットは、働く時間や休日、仕事内容などを自分で決められることです。また、フリーランスの場合は組織に属さないため、上下関係や組織のルールなどに悩むことなく自由に働けるといえます。正社員の仕事ではルールの縛りや人間関係で息苦しさを感じそうだという方も、自分らしく働ける可能性があるでしょう。
就活しないデメリット
就活しない場合の主なデメリットは、以下の4点です。
- ・正社員と同等の福利厚生が受けられない場合がある
- ・安定した収入を得にくい
- ・人脈を広げにくい
- ・社会的信用を得にくい
就活しない場合、一般的な会社員のように充実した福利厚生を受けられない可能性があります。また、毎月安定した収入が見込めず、社会的信用を得にくいのもデメリットの一つです。社会的信用が得られないと、ローンを組めなかったりクレジットカードの審査が通らなかったりする恐れがあります。
さらに、フリーランスや起業を目指す場合は、仕事をするうえで必要な人脈を基本的に自分一人で構築しなければなりません。自由度が高い分、責任も負わなければいけないというデメリットがあるでしょう。
「就職したくないと悩んだらどうする?考えられる理由や就活以外の道も解説」のコラムでも、就活をせず正社員として就職しないメリットとデメリットを解説しています。ぜひチェックしてみてください。
就活しないで公務員として就職する方法
「就活はしたくないけど『就職』はしたい」という大学生は、就活しないで就ける仕事を選択肢に入れてみるのも方法の一つでしょう。
たとえば、公務員になる場合は「採用試験→面接→内定」の流れで採用されます。「完全に就活しない方法」とはいえませんが、複数の企業にエントリーして何度も面接を受けるという、一般的な就活をしたくない方にはおすすめです。
以下では、国家公務員と地方公務員の特徴を紹介するので、一般的な就活をせずに就職したい大学生の方は参考にしてみてください。
国家公務員
国家公務員は「総合職」「一般職」「専門職」の3つに分かれており、1府12省やハローワーク、法務局など国の機関で勤務します。職種ごとの国家公務員試験に合格して内定をもらえば、就活しないで国家公務員として勤務することが可能です。
ただし、国家公務員試験は受験の年齢上限が30歳とされている職種があり、年齢制限を超えてしまうと受験できないので注意しましょう。
地方公務員
地方公務員には行政職や技術職をはじめとしてさまざまな仕事があり、市役所や学校、警察署などの機関で活躍しています。地方公務員として働くためには、都道府県で実施している「地方公務員試験」に合格し、内定をもらわなくてはいけません。受験する際の年齢制限や受験要件などは職種や各都道府県ごとに異なるため、受験する場合は応募要件をよく確認しましょう。
公務員の目指し方については、「公務員になるのに学歴は必要?給料は異なる?試験対策のポイントもご紹介」で解説しています。こちらもぜひご覧ください。
就活しないでインターンやバイトから内定を狙うのも可能
就活しないで就職したい場合は、内定直結型のインターンシップに参加したり、アルバイト先で正社員登用制度を利用する方法もあります。アルバイトに受かるためには、面接などの選考を通過する必要があるものの、就活よりは難易度が低い傾向にあるでしょう。また、正社員として就職する前に経験を積めるため、就職先とのミスマッチのリスクを減らせるといった利点もあります。就活しないで内定獲得を目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。
就活しない理由を言語化して後悔しない選択をしよう
「就活しない」ことを考えるには、何かしらの理由があるでしょう。「就活後の未来が明るいと思えない」「就活の方法が分からずやる気がでない」といった考えをもっているなら、マイナスイメージを払拭することで就活への考えが変わる可能性があります。
第三者に相談すると悩みが解消することもある
就活に行き詰まってしまい「もう就活はしない」と考えているなら、親や友達など身近な方に話を聞いてもらう機会を作ってみましょう。言葉にすることで思考が整理されたり、思いもよらない解決策が見つかったりする可能性もあります。
身近な相手に相談しにくいときは、大学のキャリアセンターや就職エージェントを頼るのがおすすめです。履歴書やエントリーシートの書き方や、志望する企業別の対策についてのアドバイスが受けられるため、「やり方が分からずに就活したくない」といった悩みを解消できるでしょう。
就活しない家族に悩んでいる場合は?
就活しない家族にお悩みの方は、頭ごなしに否定せず「なぜ就活しないのか」を本人に聞いてみてください。就活しない理由を聞けば、それに合わせたサポートができる可能性があります。
たとえば、就活しない理由が「経済的な事情」の場合は、就活にかかる費用について話す機会を設けることで解消できるかもしれません。また、「自分に向いている仕事が分からない」「面接対策の仕方が分からない」などが就職しない理由であれば、就職エージェントのサポートを受ける方法もあります。
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就活をしないで正社員就職する方法はありますか?
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大学3年生で就活しないまま卒業した場合、どうなりますか?
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卒業後、何年までが既卒扱いになるのですか?
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就活して内定がもらえなかったらと不安です…
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京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。