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労働基準法違反とはどういう状況?具体的なルールや相談先を紹介
更新日
この記事のまとめ
- 労働基準法違反とは賃金や労働時間、休日など労働の最低条件を違反している状況のこと
- 仕事上の罰金や残業代の未払いは、労働基準法違反の可能性がある
- 労働基準法では、労働時間や賃金などについて定められている
- 労働基準法違反の罰則は「30万円以下の罰金」「6ヶ月以下の懲役」などがある
- 労働基準法違反は「労働基準監督署」に相談しよう
「労働基準法違反はどこに相談すれば良い?」「勤め先の企業の対応が違法ではないか知りたい」などと悩んでいる人もいるでしょう。労働基準法でどのようなことが定められているかを知らなければ、企業側が違反を行っていたとしても気づけない可能性があります。
このコラムでは、 労働基準法の基本的な内容をご紹介。また、労働基準法違反の具体例や正しいルールについてもまとめているので参考にしてみてください。
労働基準法違反とはどういう状況?
労働基準法違反とは賃金や労働時間、休日などの労働における最低条件を定めた法律である「労働基準法」に違反している状況のことです。労働基準法に違反した場合、企業は労働基準監督署から違反事項の改善を求められることがあります。
また、場合によっては刑事上の責任を問われる可能性も。労働基準法は正社員のみではなく、アルバイトやパート、派遣・契約社員など、企業に雇用され労働を行うすべての従業員に適用されます。
ハタラクティブの「若者しごと白書1-3. 正社員の仕事を辞めた理由」にて、正社員として働いた経験のある方を対象に「正社員の仕事を辞めた理由」を調査し、男女別で結果をまとめました。多く見られた回答として、「労働環境・時間に対する不満」「人間関係」などが挙げられます。さらに、「社風が合わなかった」「給与が低かった」といった理由も、一定の割合を占めていることが分かるでしょう。
労働基準法が守られていなかったり、抵触ラインに限りなく近い状態であったりする場合、従業員が退職するきっかけになることもあるようです。
参照元
e-Gov法令検索
トップページ
ハタラクティブ
若者しごと白書2024
そもそも労働基準法とは
労働基準法とは、「労働条件の明示」「賃金」「労働時間」「休憩・休日」「割増賃金」などについてを定めた法律のことです。厚生労働省の「労働基準法の基礎知識」によると、労働基準法では以下のような具体的なルールが定められています。
- ・労働契約を結ぶ際には書面による説明が必要
- ・解雇をする時は30日以上前に予告をするか、30日分以上の賃金を払う
- ・賃金は毎月1回以上、全額を通貨で労働者に直接支払わなければならない
- ・労働時間は休憩時間を除いて1日8時間、1週間で40時間以内
- ・法定労働時間を超えて働かせる場合は、あらかじめ36協定を結ぶ
- ・時間外や休日、深夜に労働をさせる場合、使用者は労働者に規定の割増料金を払う
- ・休憩は労働6時間に対して45分以上、8時間に対して1時間以上与える
- ・週に1日以上の休みと勤務日数に応じた年次有給休暇を与える
- ・常時10人以上の労働者を雇っている雇い主は就業規則を作成し、労働基準監督署に届ける
企業は、労働基準法に違反する就労規則を作成したり、労働契約を結んだりすることはできません。つまり、企業は従業員を雇う際に、労働基準法を守ることが義務付けられています。
36協定とは
厚生労働省の「36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針」によると、36協定とは法定労働時間を超えて労働者に時間外労働をさせる場合に締結しなければならない労務協定のことです。具体的には、「労働基準法第32条」では、使用者は労働者に対して「1日8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけない」「労働基準法第35条」では、雇い主は労働者に対して「毎週少なくとも1回の休日を与えなくてはならない」と定めています。この法定労働時間及び法定休日を守らない労働契約は「労働基準法第13条」に基づき無効となるようです。
36協定についてさらに詳しく知りたい方は、「36協定とは?違反するとどうなるのかも解説」をご一読ください。
参照元
厚生労働省
労働基準関係リーフレット
e-Gov法令検索
労働基準法
労働基準法違反の具体的な事例
状況によっては一概にいえませんが、残業をしているのに割増賃金が支払われなかったり、仕事のミスや遅刻に対して過度の罰金が課せられたりすると、労働基準法違反の可能性があります。以下で労働基準法違反の具体例を、ルールも踏まえて解説します。
残業をしているのに割増賃金が支払われない
残業をしているにもかかわらず残業代が出ない場合、労働基準法に違反している可能性があるでしょう。前述のとおり、法定労働時間を超えて働く場合は、企業と労働者で36協定を結ぶ必要があります。また、その場合、企業側は労働者に対して1日8時間もしくは週40時間を超えた労働時間について割増賃金を支払わなくてはいけません。
時間外手当の計算方法は、「時給✕25%以上✕残業時間」です。そのため、たとえば時給が1,000円だった場合、1時間の残業時間に対して250円以上の手当が加算されることになります。残業手当の計算方法や基礎知識については、「残業手当とは?正しい計算方法や基礎知識をご紹介!」のコラムもチェックしてみてください。
仕事のミスや遅刻に対して過度の罰金が課せられる
仕事のミスや遅刻に対して過度の罰金が課せられるのも、労働基準法違反の場合があるようです。「労働基準法第91条」によると、就業規則で減給の制裁について定める場合、「1日の賃金の半額/賃金の総額の10分の1を超えない」というルールを守る必要があります。たとえば、1日の賃金が1万円なら減給できるのは1日5,000円まで、1ヶ月の賃金が30万円なら月に3万円までです。この金額を超えた罰金は、労働基準法違反といえます。
ただし、そもそも仕事上の失敗に対して事前に罰金が定められている場合は、それ自体が労働基準法違反である可能性も。勤め先の企業で「仕事のミス1回で〇円の罰金」などの決まりが定められている場合は、労働基準監督署に相談するのも一つの方法です。詳しくは、「労働基準法違反は「労働基準監督署」に相談しよう」で後述します。
従業員の意思を無視した労働の強制
脅しや暴力などにより従業員の意思に反し労働を強制した場合、「労働基準法第5条」に基づき労働基準法違反となります。企業が労働基準法第5条に違反すると、「1年以上10年以下の懲役」「20万円以上300万円以下の罰金」のいずれかの罰則が科せられる可能性があるようです。
休憩・休日をとらせない
従業員の休憩・休日を十分にとらせない場合も、労働基準法に違反します。「労働基準法第34条」によると、企業は、従業員の労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩を与えなければならないようです。
また、「労働基準法第35条」では、従業員に対して毎週少なくとも1回、もしくは4週間を通じ4日以上の休日を与えなければならないともしています。
企業が従業員に休憩や休日を十分に与えない場合、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
産休・育休をとらせない
企業が産休を取りたい従業員に対し、その申し出を拒否した場合、労働基準法違反とみなされます。また、産後6週間後に本人が希望し医師が許可した場合を除き、産後8週間以内に従業員を労働させることもできません。
労働基準法ではありませんが、企業が育児休業を希望する従業員の申し出を拒否した場合、行政の指導対象となることもあります。厚生労働省の「育児休業特設サイト」によると、育児休業とは、原則1歳未満のこどもを養育するための休業で、「育児・介護休業法」という法律に定められているようです。
育児・介護休業法の改正と柔軟な働き方の実現
育児・介護休業法は2024年に一部改正され、2025年4月1日から段階的に新しい措置が導入されます。具体的には、「所定外労働の制限の対象が拡大されること」や「育児のためのテレワーク導入が企業の努力義務化されること」などが含まれています。これにより、3歳以上の子どもや小学校就学前の子どもを育てる労働者は、より柔軟な働き方が可能になるでしょう。これまで育児によって働き方が制限されていた方は、家庭と仕事を両立しやすくなることが期待できます。
予告なく解雇される
企業が予告なく従業員を解雇した場合、労働基準法違反になる恐れがあります。労働基準法第20条によると、企業は従業員を解雇する際、30日以上前までに予告する必要があるようです。30日以上前までに予告なく従業員を解雇した場合、企業は30日分以上の以上の平均賃金を支払わなければなりません。
ただし、「災害などやむを得ない事情により事業の継続が不可能となった」「従業員の問題により懲戒解雇となった」などの理由がある場合は、予告なしの解雇が認められることもあります。解雇予告について詳しく知りたい方は、「解雇予告手当とは?計算方法やもらえないときの対処法を紹介!」をチェックしてみてください。
就業規則を作成していない
就業規則を作成せず、労働基準監督署長に届け出なかった場合、労働基準法違反とみなされることがあります。労働基準法第89条によると、10人以上の従業員がいる企業は、就業規則終章規則を作成し労働基準監督署長へ届け出の義務が発生するようです。また、企業は就業規則を従業員に周知しなければなりません。
参照元
e-Gov法令検索
労働基準法
厚生労働省
育児・介護休業法について
労働基準法違反の罰則の一例
労働基準法に違反した場合、「30万円以下の罰金」「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」などが科せられます。以下で例をみていきましょう。
30万円以下の罰金
労働基準法第120条によると、以下に該当する場合は「30万円以下の罰金罰金に処する」と定められています。
- ・休業手当を支払わない
- ・仕事のミスや遅刻に対して過度の罰金が課せられる
- ・就業規則を作成していない
- ・最低賃金額以上の賃金を支払わない
など
6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
労働基準法第119条では、以下に該当する場合は「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金に処す」と定められています。
- ・残業をしているのに割増賃金が支払わない
- ・産休・育休をとらせない
- ・休憩・休日をとらせない
- ・予告なく解雇される
など
参照元
e-Gov法令検索
労働基準法
労働基準法違反は「労働基準監督署」に相談しよう
「労働基準法違反はどこに相談すれば良い?」と疑問に思う人もいるでしょう。労働基準法違反を取り締まるのは労働基準監督署です。しかし、どのような違反に関しても対応してくれるとは限りません。労働基準監督署に相談できることは、「労災隠し」「残業代未払い」「最低賃金を下回る賃金支給」「長時間勤務」「業務上の事故」など。不当な解雇や異動、パワハラなどについての相談は、相談できないことが多いようです。
お近くの労働基準監督署をお探しの方は、厚生労働省の「全国労働基準監督署の所在案内」に各地域の所在地が記載されているので、ご確認ください。
労働基準監督署については「労働基準監督署に相談できる内容は?効果的な通報方法や注意点も解説」のコラムで詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。
参照元
厚生労働省
労働基準
今の会社に不安があるなら転職を考えてみるのもおすすめ
前述のとおり、労働基準法違反については労働基準監督署へ相談にいくことで話を聞いてくれたり、適切なアドバイスをしてくれたりする可能性があります。 しかし、法律に抵触しているか微妙な場合は動いてもらえないこともあり、明白な証拠がなければ告発は難しいのが現実です。もし、「今の職場について悩みを抱えている」という場合は、転職を検討するのも1つの手です。 特に、第二新卒など若手のうちは、強みを生かして未経験の業界や職種への転職を目指しやすいといえるでしょう。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。