公務員は失業保険をもらえる?退職後に受け取れる手当と手続きの方法を解説

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この記事のまとめ

  • 公務員は「雇用保険の適用対象外」のため、基本的には失業保険を受け取れない
  • 公務員であっても、雇用保険法の適用事業所で勤務していれば失業保険を受け取れる
  • 公務員は、失業保険の代わりに退職手当が支給される
  • 公務員の退職手当が失業保険相当額より少ない場合、手続きすれば差額を受け取れる
  • 失業保険は、失業者が経済面の不安を感じずに就職活動できるよう支給される

退職を検討している公務員の方のなかには、「失業保険はもらえるの?」「失業保険をもらうために何か手続きは必要?」と考えている方もいるでしょう。公務員の場合、雇用保険の適用対象外のため基本的には失業保険をもらえません。公務員が退職後に受け取れるのは「退職手当」です。このコラムでは、公務員が失業保険を受給できない理由や、退職手当の受給条件について解説しているので、退職した際の参考にしてください。

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公務員が退職した場合は失業保険をもらえる?

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国家公務員や地方公務員は、退職しても失業保険を受け取れません。なぜなら、公務員は雇用保険法第六条で、「雇用保険の適用対象外」と定められているからです。ただし、公務員であっても、雇用保険法の適用事業所(国立大学や郵便局など)で勤務していた方は、退職後に手続きを行うと失業保険の受給が可能。なお、公務員が退職した際は、失業保険の代わりに「退職手当」が支給されます。

以下で公務員が失業保険を受け取れない理由や、退職手当について詳しく解説するので見ていきましょう。

公務員が失業保険を受け取れない理由

公務員は雇用保険法によって雇用保険に加入できない(雇用保険料を支払わない)ので、退職後の失業保険も受け取れません。失業保険の支給は、失業者の生活や求職活動を支援することを目的とした制度です。公務員は民間企業と比べて突発的な失業のリスクが少ないため、雇用保険の適用対象外とされています。雇用保険の加入対象者、および受給条件については「失業保険とは」の項目をご覧ください。

公務員は失業保険の代わりに退職手当を受け取れる

「失業保険をもらえないなら、退職後の生活が不安…」と感じる方もいるでしょう。しかし、公務員の場合、条件を満たせば失業保険の代わりに「退職手当」の受給が可能です。ここでは、内閣官房の「失業者の退職手当の支給要件及び支給額算定基準」をもとに、退職手当の支給条件と支給額を決める要素を紹介します。

公務員が退職手当を受給するための条件

以下は、内閣官房が公表している国家公務員の退職手当支給条件です。

1.勤続期間が12ヶ月以上である
2.退職手当の額が雇用保険法の失業等給付相当額に満たない
3.退職日の翌日から起算し1年以内に失業している
4.待機日数を超えて失業している

上記1~4すべてに該当する場合、退職手当が支給されます。条件を満たしている国家公務員・地方公務員の方は、勤務先で「退職票」をもらい、ハローワークへ提出しましょう。

支給額を決める要素

公務員の退職手当の支給額は、以下の要素をもとに算出されます。

・退職前の給与額
・勤続年数
・退職時の年齢
・退職理由(自己都合退職、定年退職など)

自己都合退職とは、転職や結婚など自分の意思・都合で退職する場合を指します。基本的な支給条件は国家公務員も地方公務員も同様です。ただし、地方公務員は、地方自治法に基づいて退職手当が支給されるため、支給額は地域によって異なります。

失業保険と退職手当の差額を受け取れる場合も

公務員の退職手当は、失業保険の代わりとして支給されるものの、勤続年数が短い場合は退職手当の支給額が少ない傾向にあります。失業保険の相当額よりも退職手当が少ない、かつ求職活動中の方は、ハローワークで手続きを行うと、差額を受け取れる可能性があるでしょう。
なお、差額の受給手続きは、一定の期間内に行う必要があります。後述する「公務員の退職手当が失業保険相当額より少ない場合」で流れを確認し、手続きをスムーズに進めましょう。
公務員の退職手当については、「公務員の退職金はどのくらい?どうやって決まるの?」のコラムでも解説しているので、あわせてご覧ください。

参照元
電子政府の総合窓口e-Gov
雇用保険法
内閣官房
失業者の退職手当の支給要件及び支給額算定基準

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失業保険とは

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失業保険とは民間企業、および雇用保険法適用の事業所で働いている公務員が、失業した際にもらえる「雇用保険の基本手当(失業給付)」を指します。失業保険を受け取るには、ハローワークで手続きを行ったうえで、「失業者認定」を受けなければなりません。
ここでは、厚生労働省の「雇用保険の適用範囲が拡大されました!」をもとに
雇用保険の加入対象者、およびハローワークインターネットサービスの「基本手当について」に記載されている失業保険の受給条件を紹介します。

雇用保険(失業保険)の加入対象者

雇用保険は、以下2つの条件を満たす人が加入します。

・雇用期間が31日以上の見込みであること
・1週間あたりの所定労働時間が20時間以上であること

民間企業で正社員として勤務する場合、基本的に雇用保険の加入対象者となり、手続きは勤務先の会社が行います。公務員の場合、雇用保険法の適用事業所以外で勤務する方は、上記の条件を満たしても雇用保険に加入することはできません

失業保険の受給要件

退職後に失業保険を受け取るための条件は以下のとおりです。

・就職の意思がある失業者で、ハローワークで求職申込みをしていること
・離職前の2年間に、1年以上雇用保険に加入していること

ハローワーク(正式名称:公共職業安定所)は、失業者に向けて求人紹介や失業保険の手続き、職業訓練などを行う就職支援機関です。また、失業保険の支給は、ハローワークで登録手続きを行ったうえで、求職活動をしている人を対象としています。そのため、病気や怪我でしばらく休養をとる人、あるいは家事や介護などですぐに就職するのが難しい人は対象外です。
失業保険の受給条件については、「失業保険の受給条件は?自己都合と会社都合で異なる?」もチェックしてみてください。

参照元
厚生労働省
雇用保険の適用範囲が拡大されました!
ハローワークインターネットサービス
基本手当について

公務員の退職手当が失業保険相当額より少ない場合

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ここでは、都道府県・市区町村の教員を例に挙げて、公務員の退職手当が失業保険相当額より少ない場合の手続きを紹介します。主な流れは、「差額を受給できるか確認→教育員会で手続き→ハローワークで求職申込み」の順です。手続きの流れや提出書類などは、地域によって異なる場合がありますが、一例として参考にしてください。

1.差額を受給できるか確かめる

公立学校の教員だった人は、以下3つの条件を満たしていれば、失業保険相当額と退職手当の差額を受け取れます。

・勤続期間が12ヶ月以上(6ヶ月以上の場合は12ヶ月に切り上げ)であること
・退職手当の金額が失業保険相当額に満たないこと
・退職日の翌日から1年以内で、就職意思があるが失業していること

退職日の翌日から1年を超えている場合、差額の受給手続きはできないので注意しましょう。

2.教育委員会で差額の受給手続きをする

差額の受給手続きは、勤務地を管轄する教育委員会で行います。たとえば、出身地が大阪府だとしても、東京都の教員だったのであれば、東京都教育委員会で申請をしなければなりません。提出書類は地域によって異なりますが、基本的には退職前6ヶ月分(あるいは1年分)の給与明細の写しが必要となります。具体的な持ち物については、事前に電話や各都道府県にある教育委員会のWebサイトで確認してください。

3.ハローワークで求職申込みをする

教育委員会で差額の受給申請をしたあとに、ハローワークで「求職申込み」を行います。求職申し込みは、ハローワークにある「求職申込書」に、希望職種や勤務地などを記入し、窓口に提出すれば完了です。その際、教育委員会に提出するための「求職申込証明書」や、「失業証明書」などをハローワークで受け取りましょう。

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どこのハローワークで手続きすれば良い?

求職申込みの際は、自分の住所を管轄するハローワークに行きます。たとえば、東京都渋谷区在住なら、インターネットで「ハローワーク 渋谷」と検索し、公式サイトで所在地を確認してみましょう。なお、ハローワークの開庁時間は、平日の午前8時30分~午後5時15分が基本です。なかには、午前9時~午後5時、午前10時~午後6時、あるいは土日や夜間に開庁しているハローワークもあるので、事前に「都内ハローワーク・関連施設の開庁時間一覧」で確認しましょう。

求職手続きの方法については、「ハローワークで求職登録する方法は?確認すべき事項や注意点を解説!」のコラムで詳しく解説しているので、ハローワークを利用する際は参考にしてください。

参照元
東京ハローワーク
都内ハローワーク・関連施設の開庁時間一覧

公務員を退職後に民間企業へ転職するのも一つの手

公務員を退職後に民間企業へ転職するのも一つの手の画像

公務員を退職後は、民間企業への転職を視野に入れるのも一つの手です。民間企業は、公務員より仕事の自由度が比較的高かったり、年齢に関わらず収入アップを狙えたりする点がメリットといえます。ただし、福利厚生や収入面での長期的な安定を考えると、公務員のほうがメリットが多いのも事実です。「公務員、辞めたい?民間のやりがいや転職の秘訣を知ろう」では、公務員と民間企業のメリット・デメリットを紹介しているので、どちらへ転職するか迷ったときは参考にしてみてください。

このコラムでは、公務員が退職時に失業保険を受け取れるのかについてや、「退職手当」について紹介しました。公務員を退職後、受給手続きを円滑に進められるよう、必要書類は早めに用意しましょう。
なお、「公務員から一般企業への転職活動に不安がある…」「自分に合う民間の仕事が分からない」という方は、就職・転職エージェントのハタラクティブにご相談ください。ハタラクティブは、20代の若年層を中心に、求人紹介をはじめ、履歴書・職務経歴書の添削や面接対策などのサポートを行っています。

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公務員の失業保険に関するお悩みQ&A

ここでは、公務員の失業保険に関する疑問について、Q&A形式で解説していきます。退職を考えている公務員の方は、ぜひ参考にしてください。

公務員は失業保険をもらえないって本当?

公務員は基本的に失業保険を受給できません。なぜなら、雇用保険法第六条で「雇用保険の対象外」となっているためです。国家公務員や地方公務員は、景気変動の影響を受けにくく失業のリスクが少ない、雇用が安定しているといった理由から対象外とされています。詳細は、このコラムの「公務員が退職した場合は失業保険をもらえる?」をご覧ください。

公務員を退職したあとの生活が不安です。

公務員は失業保険を受け取れませんが、退職手当という制度が用意されています。国家公務員退職手当法第10条によると、失業した公務員は特定の条件をすべて満たす場合、退職手当の受給が可能です。 また、勤続年数が短く退職手当の支給額が少ない場合は、ハローワークで手続きをして差額を受け取れる可能性もあります。このコラムの「公務員の退職手当が失業保険相当額より少ない場合」で、具体的な手続き方法の例を挙げていますので参考にしてください。

公務員の退職手当額はどうやって決まるの?

退職手当の基本額は「基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給率×調整率)+調整額」 の計算式を基に算出されます。 また、退職時の俸給月額や退職理由、勤続期間などの要素によって支給率が変動するのが特徴です。公務員が受け取れる退職手当の計算方法については、「退職金の計算方法」のコラムで紹介しているのでご参照ください。

公務員退職後の転職活動のコツは?

「公務員を辞めたい」と思った理由と、企業に求める条件を明確にしましょう。「公務員からの転職を成功させる方法とは?」でも解説していますが、転職活動では、自分の志向が応募先企業とマッチしているか否かを見極めることが大切です。転職活動に不安を感じている方は、就職・転職支援サービスのハタラクティブがお手伝いいたします。「公務員から民間企業へ転職したい」「1人で転職活動を進めるのは不安」といった方は、ぜひご相談ください。

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