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フリーターは住民税の請求がこない?課税される収入ラインと納付方法を解説
更新日
この記事のまとめ
- 住民税は、都道府県や市町村が行政サービスを維持するために課せられる税金
- フリーターも総年収が100万円を超える場合は住民税を支払う必要がある
- フリーターが住民税を支払う方法として、特別徴収と普通徴収がある
- 総年収が100万円に満たない場合には住民税の納付書はこない
- フリーターで住民税の支払いを負担に感じたら、正社員就職するのも手
「フリーターは住民税の支払いは必要?」「いくら支払えば良いのか分からない」と悩む方もいるでしょう。総年収が100万円を超える場合は、フリーターも住民税の支払いが必要であり、前年度の所得に応じた金額が課税されます。
このコラムでは、フリーターが納める税金や住民税の支払い方法、納付書がこない原因などを解説。納税する際に迷わないよう、住民税の支払いについて理解を深めておきましょう。
住民税とは?
住民税は、都道府県や市町村がゴミの処理や公共施設の運営など、行政サービスを維持するために必要な経費をまかなうための税金のことです。
「都道府県民税」と「市町村民税(東京都23区の場合は特別区民税)」の2種類を合わせたものであり、金額は住んでいる地域の自治体の規定や収入によって異なります。
総務省の「個人住民税」によると、住民税の税率は都道府県民税が4%、市町村民税が6%で、合わせて10%の所得割です。
前年の1月~12月の所得に応じて課税されるため、たとえば2025年に支払う住民税は、2024年の1月~12月に稼いだ金額に対する請求となります。
参照元
総務省
地方税制度
フリーターが主に納めるのは「住民税」と「所得税」
フリーターが主に納める税金には、「住民税」と「所得税」があります。これらは前年の所得に基づいて課税されるため、フリーターで一定の所得がある場合は、住民税や所得税を毎年納めることが必要です。
住民税と所得税については、「所得税と住民税とは?具体的な制度や仕組みについて解説」のコラムでも詳しく解説しているので、こちらもご一読ください。
「社会保険上の扶養」と「税法上の扶養」とは
「社会保険上の扶養」とは、扶養されている人が社会保険に加入できる制度のことです。主に世帯主が加入する社会保険の被扶養者となることで、通常は自分で支払う必要がある健康保険や厚生年金などの社会保険料の支払いが免除されます。フリーターの方は、収入が一定以下であれば親の扶養に入る場合が多いでしょう。
一方、「税法上の扶養」は、収入や年齢など一定の条件を満たす親族がいる場合、扶養する人の所得が一定額控除される制度です。所得控除によって、住民税や所得税の負担が軽減します。
住民税が課せられるのは年収100万円が目安
住民税は、年収がおよそ100万円を超えたころから課税されるのが一般的です。各自治体によって住民税の非課税限度額は異なるため、自治体によっては、年収がおよそ90万円に達したころから住民税が発生する場合もあります。
年収が103万円以上は税法上の扶養から外れる
被扶養者の年収が103万円以上となった場合、税法上の扶養から外れるため、扶養者は控除が受けられなくなります。たとえば、フリーターが親の扶養から外れた場合、親は扶養控除されていた分の所得が増えるため、所得税や住民税の課税額も上がるという仕組みです。
なお、年収103万円を月収で割るとおよそ8万6,000円となります。年収103万円を超えないよう意識して収入を得たい場合は、参考にしてみてください。
年収が103万円を超えたときの税金の計算については、「収入が103万を超えたら税金はいくら払う?働き損にならない方法を解説!」のコラムで詳しく解説しているので、こちらもご覧ください。
年収が130万円以上は社会保険上の扶養から外れる
年収が130万円以上になると、社会保険上の扶養から外れるため、自分で社会保険料の支払いをする必要があります。年収130万円以上に達した場合は、社会保険への加入が必須です。
一般的な企業で働いている場合は基本的に勤務先の社会保険に加入しますが、フリーランスや個人事業主などは自分で国民保険や年金を支払う必要があります。
住民税が非課税になる場合
住民税が非課税になるのは、所得から基礎控除(48万円)と給与所得控除(55万円)を差し引いた金額が、非課税限度額以下になるときです。非課税限度額は、住んでいる地域によって異なる場合もありますが、基本的には45万円であることが多いといえます。
自分の非課税限度額がいくらかについては、居住地域の市町村役場に問い合わせてみましょう。
住民税が安い地域は得している?
「住民税が安い地域は得しているのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、そのように断言はできません。住民税は教育や福祉、防災など、地域で安心して暮らしていくための財源となっているためです。
また、自治体の裁量や地域の財政状況、地域独自のサービスなどさまざまな基準があるため、一概に「高いから損」「安いから得」とはいえません。
どうすれば自分の地域の住民税の使い道がわかる?
自分の住んでいる地域の住民税がどのように使われているのか気になる方は、まず自治体の広報誌やウェブサイトをチェックしてみましょう。ほとんどの自治体では、住民税の使途や予算配分が公表されており、どの分野に重点を置いているかを確認することができます。
住民税の額だけで得かどうかを判断するのではなく、地域のサービスや生活環境を総合的に捉えることが大切です。
フリーターも住民税を支払うべき?
フリーターは、収入額および住まいの地域によっては住民税を支払う必要があるでしょう。
国税庁の「家族と税 パート収入に対する税」によると、住民税は年間の給料の全額にかかるものではなく、給与所得控除額の55万円を引いた残りの金額にのみ課税されます。その残りの金額が45万円(非課税限度額)を超えた場合は、雇用形態に関係なく住民税を支払わなければいけません。
そのため、アルバイトであっても総年収が100万円を超える方は住民税が課税される場合があります。
参照元
国税庁
パンフレット「暮らしの税情報」(令和6年度版)
住民税を支払わなかったらどうなる?
住民税を支払わなかった場合、居住の市町村役場から催促通知が届き、未払いの期間が長引くと延滞金が発生します。それでも支払われない場合、差し押さえや強制徴収の対象となる可能性も。住民税を払い忘れなどで滞納してしまっている場合は、速やかに支払いましょう。
一括での支払いが難しいときは、住んでいる市区町村の役所の窓口に相談すれば毎月の分割払いに変更してもらうことも可能です。また、延滞理由が病気や失業などのやむを得ない事情によるものであれば、延滞税を免除できる場合もあります。
市区町村役場から督促通知が来る
住民税が支払われない場合、居住地域の市町村役場から、納付期限後の約1ヶ月以内に督促通知が届きます。督促通知には、納付期限を過ぎている旨や今後の対応について記載されているため、支払いを後回しにせず対応しましょう。
滞納した税金に延滞金が発生する
住民税を支払わずに滞納が続いた場合、滞納分の税金に対して延滞金が発生します。
延滞税は日割りで課税されるため、住民税を延滞する期間が長引けば長引くほど金額が上がっていく仕組みです。そのため、気づいたときには高額の住民税を支払わなければいけない事態になることもあるため注意しましょう。
滞納を継続すると強制徴収の対象になることも
督促通知が届いたにもかかわらず住民税を滞納していると、役場の担当者から電話や訪問があり、それにも対応しない場合、財産の差し押さえや給料から強制的に差し引かれる恐れもあります。そのような事態を避けるためにも、しっかりと期限を守って支払うことが大切です。
フリーターの方が扶養を抜けた後に支払う税金や控除については、「フリーターが親の扶養を外れるとどうなる?抜けるタイミングや手続きを解説」のコラムで詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
フリーターの住民税額の計算方法
住民税は、均等に課税される「均等割」と、前年の所得に基づいて課税される「所得割」の合計で算出します。総務省の「個人住民税」を参考に計算方法をご紹介しますので、以下で詳しく確認しましょう。
均等割
均等割とは、所得額にかかわらず、住民税の課税対象である人に均等に課される税金です。均等割は、都道府県民税と市区町村民税の合計で算出。金額は居住地域によって異なるものの、一般的には都道府県民税が1,000円、市町村民税が3,000円で合計4,000円となります。
所得割
基本的には、1年間の所得額から社会保険料や所得控除額を除いた10%が所得割の金額になります。所得割の内訳は、都道府県民税が4%、市町村民税が6%です。
住民税の計算方法
フリーターが住民税をいくら支払うかは、以下の計算式によって算出できます。
【計算式】
住民税=均等割(都道府県民税+市町村民税)+所得割(課税対象の所得×10%)
なお、住民税を算出する際は、さまざまな控除額を考慮する必要があるため、複雑な計算が必要です。自分の正確な住民税の金額を把握したい方は、居住地域の役所に確認してみましょう。
住民税の計算方法については、「フリーターが払う税金とは?払い方や計算シミュレーションもご紹介」のコラムでも詳しく解説しているので、こちらもぜひご覧ください。
参照元
総務省
やさしい地方税
フリーターが住民税を支払う方法
住民税を支払う方法は、「特別徴収」と「普通徴収」の2通りあります。下記で詳しく解説するので、参考にしてください
給与から天引きされる「特別徴収」
「特別徴収」は毎月の給与から住民税が自動的に差し引かれる支払い方法で、「天引き」ともいいます。この徴収方法は、前年中に給与の支払いを受けており、当年度の4月1日時点での給与の支払いを受けている方を対象とするもの。そのため、原則として雇用形態を問わずこの形式で徴収されます。
毎月の分割払いとなり、なおかつ自分で支払いの手続きをする必要がないため、納税義務者にとって負担の少ない支払い方法といえるでしょう。
自分で支払う「普通徴収」
「普通徴収」は、納税義務者が自分で住民税を支払う方法です。
全体の従業員数が2人以下の場合や個人事業主の場合などが該当するため、主にフリーランスや自営業の方が対象となります。ただし、場合によってはフリーターの方も対象となるため注意が必要。普通徴収は一年分を一括で払う方法と、3ヶ月ごとに4回に分けて支払う方法があり、自分のライフスタイルに合わせて選択可能です。
納付書には通常バーコードが印字されており、金融機関やコンビニエンスストアで支払いが行えます。
住民税の支払時期
住民税は、収入を得た年の翌年6月から翌々年の5月までが支払時期です。
たとえば、2024年の収入に対する住民税の支払時期は、2025年6月から2002年5月までとなります。収入を得た年から1年後に納付するため、収入の増減があった場合には当年ではなく、翌年からの住民税に反映されることを覚えておきましょう。
住民税の納付書がこない…考えられる3つの原因
フリーターの方に住民税の納付書が届かないという場合は、「収入が100万円以下」「確定申告を行っていない」といった原因が考えられます。
下記の中から、思い当たる理由を探してみましょう。
住民税の納付書がこないときに考えられる原因
- 総年収が100万円以下なので支払う必要がない
- 税の申告を行っていない
- 住民票を現住所に移していない
1.総年収が100万円以下なので支払う必要がない
総年収が100万円以下のフリーターの方は住民税の課税対象にならないため、納付書は送付されません。ただし、後述するようなほかの可能性も考えられるため、自分の年収を把握していない場合は念のため確認してみたほうが良いでしょう。
2.税の申告を行っていない
確定申告や市町村民税の申告など、必要な税の手続きを行っていないと住民税の納付書が届きません。
普通徴収に該当する方は、税務署や市区町村の役所に問い合わせて申告漏れがないか確認しましょう。もし申告を行っていない場合は、速やかに手続きを行う必要があります。
3.住民票を現住所に移していない
引っ越しなどで住所が変わったにも関わらず、住民票を現住所に移していないと、住民税の納付書が届かない可能性があります。特別な理由がない限り、転居後はすぐに住民票を移しておくのが無難です。
住民税は金額や支払期日を確認して正しく納付しよう!
住民税は、金額や支払期日を確認して正しく納付することが大切です。フリーターの方も1年間の収入が100万円を超えた場合には、翌年から納税が必要になります。また、仕事を辞めてフリーターになった方も、前年の所得に応じて住民税の支払いが発生するので注意しましょう。
退職後の住民税の支払いについては、「退職後の住民税はどうなる?納付方法や注意ポイントについて解説!」のコラムで詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
住民税の支払いが困難なときの対処法
住民税の支払いが困難なときの対処法には、「控除が適用できないか確認する」「居住地域の窓口に相談する」といった方法があります。以下で詳しく確認しましょう。
控除が適用できないか確認する
住民税の課税対象となる所得には、基礎控除以外のさまざまな控除も活用が可能です。控除を適用することで課税対象の所得が下がるため、それに伴って住民税の金額も減額されます。住民税に適用される控除には以下があるので、申告忘れがないか確認しておきましょう。
- ・医療費控除
- ・生命保険料控除
- ・障害者控除
- ・勤労学生控除
- ・寡婦控除
- ・ひとり親控除
- ・寄付金控除
- ・雑損控除
- ・小規模企業共済等掛金控除
- ・地震保険料控除
住民税の所得控除は、自治体によって異なります。居住地を管轄する役所の窓口へ相談しましょう。
所得控除については、「所得税の控除ってなに?仕組みや種類を知ろう」のコラムでも詳しく解説しているので、こちらもあわせてご覧ください。
居住地域の窓口に相談する
やむを得ない事情があり、どうしても住民税の支払いが難しいときは、居住地域の役所に相談しましょう。支払いが困難な理由によっては、各自治体が定める規定に基づいて、税金の一部または全額免除にしてもらえる可能性があります。
免除の要件に当てはまらない場合でも、役所に相談することで、「分割納付」などの対応をしてもらえる可能性もあるでしょう。
正社員になれば税金に関する心配をしなくても良い
「税金に関する手続きや詳細がよく分からない」「フリーターの収入だと、税金を引かれたあとの手取りが少なくきつい…」など、税金に関する悩みを抱えているフリーターの方は、正社員になることをおすすめします。
正社員は基本給がフリーターよりも高いうえ、諸手当や賞与、退職金などももらえる可能性があるため、全体的な収入を上げられるでしょう。
また、フリーターは働いた分だけ給料が支給されるのが一般的なため、毎月の収入にばらつきが生じやすく、課税対象の把握を面倒に感じることも。正社員になれば基本的に月給制で給料の額に変動が生じにくいため、手続きや課税の把握もしやすいでしょう。
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フリーターが支払う税金に関するQ&A
ここでは、フリーターが支払う税金や支払いに関してよくある疑問をご紹介します。
フリーターが払う可能性がある税金はどれ?
フリーターが支払う可能性がある税金は、所得税と住民税です。これらは、前年の所得がおよそ100万円以上の場合に課税対象となります。所得税は個人の所得にかかる税金であり、住民税は自分が居住する自治体の行政サービスをまかなうための税金です。「フリーターの保険料はいくら?加入すべき保険と支払い方法を徹底解説」もあわせてご確認ください。
住民税が非課税になる条件は?
住民税は所得額や家族構成など自治体が定めた条件を満たすと、非課税になる場合があります。条件は自治体ごとに異なるため、非課税対象になるか確認したい方は、お住まいの市区町村のWebサイトをチェックしたり窓口で相談してみたりすると良いでしょう。
住民税が非課税になる条件については、このコラムの「住民税とは?」でも解説しています。
住民税を払わなかったらどうなりますか?
期日までに住民税を支払わなかった場合、日割りの延滞税が課されます。失業や病気などで経済的に困難な状況に置かれた際は、居住地域の窓口に相談することで期日を延期してもらえる可能性も。このコラムの「フリーターも住民税を支払うべき?」では、支払わなかったときの注意点について触れているので、参考にしてみてください。
住民税の納付方法を知りたいです。
企業に勤務している場合は、基本的に給与から住民税が天引きされます。そうでない場合は、居住する自治体から送られてくる納付書を用いて自分で納付することが必要です。現在在籍中の職場を退職したとしても、前年に所得があれば支払い義務が発生する点に注意しましょう。
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一人ひとりの経験、スキル、能力などの違いを理解した上でサポートすることを心がけています!
京都大学工学部建築学科を2010年の3月に卒業し、株式会社大林組に技術者として新卒で入社。
その後2012年よりレバレジーズ株式会社に入社。ハタラクティブのキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーを経て2019年より事業責任者を務める。